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研究協力者    中川  倫夫    千葉大学医学部附属病院    助教   

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業  難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 

分担  研究報告書 

 

当院における軽症〜中等症潰瘍性大腸炎患者を対象とした  腸内細菌叢移植の現状 

 

研究協力者    中川  倫夫    千葉大学医学部附属病院    助教   

  研究要旨: 

腸管は『最大の免疫器官』とも言われるように、共生する腸内細菌と人体とのインタラクションが 注目されている。本邦において既に炎症性腸疾患に対して腸内細菌叢移植が試みられているが、軽症 から中等症の潰瘍性大腸炎患者を対象とした当院における腸内細菌叢移植(FMT)について検証するた め、本研究を行った。 

対象は中等症から軽症の潰瘍性大腸炎患者とし、ドナー候補は任意のスクリーニング検査を受けて いただき選定した。ドナーのサンプルを糞便溶液とし、レシピエントに対して大腸内視鏡を用いて腸 内に散布し、観察期間を 8 週間として、投与 8 週後には内視鏡評価行った。 

レシピエント候補者数は 29 例、ドナー候補者数は 61 例、実際の FMT 施行例は 9 例であった。FMT 施 行後 1 週では投与前と比較し臨床症状の増悪が認められる症例もあったが、8 週後では臨床上も内視鏡 上も明らかな変化は認められなかった。大腸内視鏡下で行われる FMT の安全性には問題なかったが、

UC 症例に対する著明な臨床的改善効果は認められなかった。 

共同研究者 

勝野  達郎  (  千葉大学柏の葉診療所  )  對田  尚    (  千葉大学医学部附属病院  )  濱中  紳策  (  千葉大学医学部附属病院  )  太田  佑樹  (  千葉大学医学部附属病院  )  新井  誠人  (  千葉大学医学部附属病院  )  露口  利夫  (  千葉大学医学部附属病院  )   

A. 研究目的 

  軽症 中等症の潰瘍性大腸炎症例に対する 腸内細菌叢移植の安全性及び臨床効果の検証 を目的とする。 

 

B. 研究方法 

  当院にて選別されたドナー腸内細菌サンプ ル(糞便)を生理食塩水にて希釈し、対象と なる中等症から軽症の潰瘍性大腸炎患者とし ドナーのサンプルを生理食塩水 150ml にて糞

便溶液とし、レシピエントに対して大腸内視 鏡を用いて回腸末端より糞便溶液を任意の量 で散布した。投与後に数回外来受診し、8 週 後には内視鏡評価も加えた。また投与前の腸 内細菌叢と投与後 2 週以内と 8 週の腸内細菌 叢の変化を次世代シークエンサーにて検証す る。 

(倫理面への配慮) 

  当該試験は臨床研究に関する倫理指針及び ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則を遵守す る。また当該医療機関の倫理審査委員会にて 承認を得た臨床研究である。 

 

C. 研究結果 

  平成 26 年 2 月より臨床試験を開始し、レシ ピエント候補者数は 29 例、ドナー候補者数は 61 例、FMT 施行例は 9 例であった。FMT 施行例 において投与 1 週後で臨床症状の増悪が 5 例

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267 に認められたが、投与 8 週後では投与前と比 較し、臨床スコアの著明な変化は認められず、

投与前の内視鏡スコアと投与後の内視鏡スコ アに明らかな変化は認められなかった。投与 前後の腸内細菌叢の変化を NGS にて 9 例中 2 例で確認したところ、長期寛解維持が保たれ ている症例に関しては腸内細菌叢の変化が FMT 後確認されていた。 

  D. 考察 

  当該臨床研究は現在も進行中であり、現在 の結果から考察される事象に関して、安全性 は確立されている可能性が高いと推測され る。また投与後 1 週目で臨床スコアが増悪す る傾向にあるため、中等症の症例よりも軽症 の症例に対して安全性が高いと推察される。 

  当該研究の臨床効果については未だ不明で あり、当院の臨床研究が中間報告であるた め、今後のデータ集積及び解析結果の検証を 要する。 

  E. 結論 

UC に対する FMT の有用性は寛解維持療法 にあると推察されるが、ドナー選定に膨大な 時間を要する。 

 

F. 健康危険情報    特記事項なし。 

 

G. 研究発表  1.論文発表 

  未定  2.学会発表 

  2016 年 JDDW 

  2016 年第 71 回日本大腸肛門学会   

H. 知的財産権の出願・登録状況  なし 

1.特許取得  なし 

2.実用新案登録  なし 

3.その他 

特記事項なし。 

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