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総 説
はじめに
発がん物質,放射線・紫外線,慢性炎症,ウイルス感染, 遺伝子突然変異など,何らかのきっかけに正常細胞ががん 細胞に形質転換し,腫瘍細胞となると,当初は effector T 細胞,helper T 細胞,NK/NKT 細胞,抗原提示細胞など免 疫システムに関わる細胞による攻撃を受ける。腫瘍増殖と 免疫応答の平衡状態を経てがんの免疫逃避が成立し,臨床 的に腫瘍を検出できるようになった時点では,通常宿主の 免疫応答だけではがんを排除できない状態になっている。 それを補助し,がん細胞を駆除しようというのががん免疫 療法である。がん免疫療法は古くから議論され,世界中で 開発が試みられてきたが,かならずしも期待される程の効 果は無く,ほんの数年前までは多くの研究者がその実現に 懐疑的であった。しかし,最近のこの分野のめざましい進 歩により,今やがん免疫療法は革新的な治療法として注目 され,標準治療として定着しつつある。抗腫瘍免疫応答システム
樹状細胞(dendritic cell, DC) は,細胞死した腫瘍細胞よ り放出された腫瘍抗原を取り込み Major Histocompatibility Complex (MHC) (= human leukocyte antigen; HLA) クラス I 分子とクラス II 分子による cross-presentation によって抗原 ペプチドを提示し,それを認識した T 細胞が抗腫瘍免疫応 答を示す1)(図 1)。MHC (HLA) 分子を発見したジャン・ ドーゼ教授らは 1980 年に,キラー T 細胞が MHC (HLA) クラス I 分子に結合した非自己ウイルス抗原ペプチドを認 識し細胞傷害性を発現することを発見したピーター・ドハ ティ教授ら二人は 1996 年に,DC を発見したスタイマン教 授ら免疫学者 3 人は 2011 年に,それぞれノーベル生理学・ 医学賞を受賞した。 抗体を介したがん細胞傷害殺傷のメカニズム (図 2) に は,直接的な殺細胞と免疫システムを介した間接的殺細胞 がある2)。直接的腫瘍細胞傷害は腫瘍細胞表面のレセプ ターに抗体が結合し腫瘍細胞をアポトーシスに導くレセプ ターアゴニストによるものや,腫瘍細胞の表面のレセプ ターに抗体が結合し,二量体化をブロックしキナーゼの働 きやその下流のシグナルによって細胞増殖を抑制し腫瘍細 胞をアポトーシスに導くレセプターアンタゴニストの働き によるものがある。酵素結合抗体は中和やシグナルの抑 止によって腫瘍細胞を細胞死に導き,結合抗体は薬剤,毒 素,ラジオアイソトープなどを腫瘍細胞に送り届ける。免 疫システムを介した間接的殺細胞システムには,貪食作 2017 年 11 月 1 日受稿 別冊請求先:折田頼尚 〒860-8556 熊本市中央区本荘 1-1-1 熊本大学大学院生命科学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野 TEL: 096-373-5255 E-mail: yoriorita@kumamoto-u.ac.jp頭頸部がんと制御性 T 細胞
折田 頼尚
熊本大学大学院生命科学研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野制御性 T 細胞(regulatory T cell, Treg)は自己反応性リンパ球の働きを抑制することによって体内の自己免疫寛 容の維持に関わる。この免疫寛容の抑制システムは体内の恒常性維持には不可欠であるが,抗腫瘍免疫をも抑 制し結果として腫瘍の増殖を促進すると考えられている。多くのがん種で,腫瘍内への Treg の浸潤は患者の生 命予後を悪化させ,IL-10 や TGF-β などの効果をブロックし Treg の機能を低下させると抗腫瘍効果が増強される と言われている。しかしながら,腫瘍微小環境はがんの種類,同一のがんでも進行の段階によって変化してい くことが予想され,Treg が常に腫瘍の増殖を促進し続けるとは言い切れない。抗 CTLA-4 抗体には Treg の抑制 効果もあることが知られており,現在既に使用されている抗 PD-1 抗体とともに頭頸部がんの新しい治療の選択 肢となる可能性があるが,それらの薬剤がより効果的な症例の選択,症例ごとに最大限の効果が出る投与のタ イミングの追求等が今後必要となってくると考えられる。
用, 補体の活性化, 抗体依存性細胞傷害 (antibody-dependent cellular cytotoxicity (ADCC)),一本鎖抗体による遺伝子改変 を受けた T 細胞,前述の DC による抗原提示を受けた T 細 胞, そしてcytotoxic T lymphocyte-associated antigen 4 (CTLA4) のような T-cell inhibitory receptors の阻害, 等によってなさ れる。ADCCにあたるものがRituximabやCetuximabであり, 抗 CTLA-4, 抗 programmed cell death 1 (PD-1) 作用のような checkpoint を阻害することによって抗腫瘍効果を狙ったも のが Ipilimumab や Nivolumab である。
T 細胞の免疫抑制解除による抗腫瘍免疫の増強
免疫チェックポイントは過剰な免疫反応を抑制し,自己 免疫現象の発生を抑える生体防御反応である。免疫チェッ クポイントについては近年多くの論文,総説で解説されて いるためここではあえて詳細は述べないが,CTLA-4 は T 細胞が DC から抗原提示を受けて活性化される際に,PD-1 は活性化した T 細胞ががん細胞を攻撃する際に,それぞれ T 細胞の活性化を抑制する信号を発する分子として知られ 図 1 T 細胞による抗腫瘍免疫応答の発現 熊本大学 生命資源研究・支援センター 西村泰治先生よりご提供 図 2 抗体を介して免疫細胞が腫瘍細胞を殺傷するしくみ Nat Rev Cancer 2012; 12(4): 278–87 より引用ている。CTLA-4 は抑制性の補助シグナルを伝達する免疫 補助受容体であり,CD28 と同じく CD80 と CD86 をリガン ドする。CTLA-4 は CD28と競合的に, かつ10∼20 倍高い 親和性で CD80・CD86 と結合するため,両分子が発現す
る際には T 細胞が抑制される3)。CTLA-4 は制御性 T 細胞
(regulatory T cell, Treg) に発現していることも知られてお り,CTLA-4 欠損マウスは,T 細胞が非特異的に活性化さ れるため,全身性の炎症疾患を発症し生後 2∼3 週間で死 亡する4)。PD-1 も抑制性の免疫補助受容体であり,抗原受 容体刺激と同時に PD-1 がリガンドと結合すると抗原受容 体刺激が遮断される5)。PD-1 欠損マウスは拡張型心筋症, 胃炎,I 型糖尿病,唾液腺炎,肝炎,神経炎など様々な自 己免疫疾患を発症し,また,感染状態においては激しい炎 症を惹起し感染後早期に死亡する6)。感染細胞を傷害する ことによって病原微生物を排除する方法は組織破壊を伴う 危険性があるため,感染後ある一定の期間しか許されてお らず, その期間が PD-1 および PDL-1 によって規定されて いると考えられる6)。 免疫チェックポイント阻害剤の働きは,一言で言えば免 疫細胞に抑制のシグナルを入れる受容体あるいはリガンド を抗体でブロックし,T 細胞の活性化を持続させがん細胞 を攻撃させるものである。現在臨床応用されている免疫 チェックポイント阻害剤は抗 CTLA-4 抗体,抗 PD-1 抗体, 抗 PDL-1 抗体の 3 種類である。抗 CTLA-4/PD-1 抗体の併 用療法は進行性メラノーマ患者において劇的に奏功するこ とが判明し7),頭頸部癌領域においても抗 CTLA-4/PD-L1 抗体併用療法の第 III 相試験が行われている。
制御性 T 細胞
Treg は自己免疫寛容の維持に関わり, 胸腺由来の natu-rally occurring Treg と抗原に遭遇した際に末梢で誘導される2次的 Treg が存在する8,9)。異なるsubsetのTreg はそれぞ
れ免疫抑制能を保持し, 直接的な cell-cell contact あるいは 間接的に interleukin 10 (IL-10) や transforming growth factor-β
(TGF-β) の分泌を介して免疫細胞の機能を阻害する10)。こ のような自己免疫寛容の仕組みは体内の恒常性維持には不 可欠であるが, 腫瘍免疫には不利に働き, IL-10やTGF-β の 効果をブロックすることで腫瘍免疫能が強化される11,12)。 IL10 は,抗原提示細胞における MHC class II の発現と,腫 瘍細胞におけるMHC class I の発現をdownregulationするこ とによって免疫寛容な環境を作りがんの進行を助長する13)。 一方 TGF-β は,腫瘍の進行時期によってその働きが異な り,扁平上皮がん発生初期には細胞増殖抑制性に働くが, がんの進行とともに腫瘍の浸潤や転移を助長する14–16)。 様々な種類のがんにおいて腫瘍への Treg の集簇が観察 され,その度合いと患者の生命予後には負の相関があ る17–20)。頭頸部扁平上皮がんにおいても,Treg の腫瘍微小 環境への集簇は不利に働くことが観察されており21,22), 我々も初期舌扁平上皮がんにおいて Treg の浸潤が高度な 症例の予後が悪いことを報告した23)。しかし,これらの検 討は殆どが手術検体を用いたものであり,予後の悪い症例 に Treg の浸潤が高度であることは言えても,逆に Treg の 浸潤が予後不良因子であるのかということに関しては疑問 の余地が残る。
Cyclooxygenase (COX) は prostaglandin (PG) 合成の触媒作
用を及ぼす酵素で,炎症における重要なmediatorとなる24)。
COX には COX-1 と COX-2 の二つの isoform が知られてお り,COX-1 が安定して殆どの組織に存在するのに対して
COX-2 は重要な炎症誘発因子と言われている25)。腫瘍の微
小環境において,COX-2 に誘導され合成された PGE2 はナ イーブ CD4 陽性細胞に Forkhead box P3 (Foxp3) の発現を
促し Treg に分化させる26,27)。したがって,COX-2 の発現は 腫瘍微小環境への Treg の浸潤を助長し,頭頸部がんの予 後を悪化させる28)。Tregによるeffector T 細胞の抑制作用は, COX-2 の阻害や,PGE2 受容体特異的アンタゴニストに よって防ぐことができる29)。この事実は,比較的早期から 痛みを伴う舌がんなどにおいて,疼痛コントロールのため nonsteroidal anti-inflammatory drug (NSAID) を投与すること はまれではないと思われるが,それが進行を食い止める一 助になる可能性を示唆している。 Treg の役割は腫瘍の臨床的進行度によって異なって くるという報告があることや30),先述の COX-2 選択的阻 害薬の実際の効果を観察するためには,がんの発生・進 行過程を経時的に追いかける必要があり,我々はそのた めにはがん動物モデルを確立するのが最善と考えた。 4-nitroquinoline-1-oxide (4NQO) はタバコと同様の発がん 性を有するため,4NQO の投与による動物実験は喫煙によ る発がんの代用モデルとなりうる31)。このモデルマウスは 口腔と食道にのみ発がんし,その他の臓器には発がんしな いという特徴があり, ヒト口腔がんの良いモデルとな る32)。このモデルにおいては,15–20 週目に高度異形成が, 25 週目には 100% のマウスに舌浸潤がんが発生する。我々 は,このモデルを用いて舌がんの発生進行過程を経時的 に観察し,Treg の浸潤はがん発生初期段階に一番多く, 進行とともに減少していくこと,COX-2 選択的阻害薬 (celecoxib) はがんの発生進行を食い止めることも Treg の 浸潤を抑制することもできないことを観察した33)。我々 は,Treg を抑制する治療法は舌がんに関しては発生初期 にのみ有効である可能性があり, COX-2 選択的阻害薬は少 なくとも常用量では有効な抗がん作用は無いと考察した。 Treg の う ち 活 性 化 の 高 い 細 胞 群 に は CC chemokine receptor 4 (CCR4) が発現し, CCR4 に導かれて抗原のある 場所に Treg が誘導され T 細胞の働きを減弱させると言われ ている34)。腫瘍免疫応答を高めるため抗 CCR4 モノクロー ナル抗体Mogamulizumabを投与することでTreg作用を減弱 させ, 腫瘍免疫応答を発揮させることが期待されている35)。 また,PD-1 の機能として制御性 T 細胞への分化誘導も報
告されており36), 活性化した T 細胞や Treg に CTLA-4 が発 現し T 細胞の抗腫瘍作用にブレーキがかかることも知ら れている37)。既に臨床応用されている抗 PD-1 抗体や抗 CTLA-4 抗体,更には抗 CCR4 抗体等の併用により, より 強力なTreg 抑制療法ができる可能性がある。ただし, これ らの薬剤をただ病名ごとに漫然と投与するのではなく,前 述の如く同じ疾患であっても進行時期によって治療の有効 性が異なる可能性があることや,患者の状態等をよく考慮 し,個々の患者にカスタマイズされた治療法の選択が必要 であると考えられる。免疫療法で主役となる薬剤は高価で あり,今後のコストダウンは必須であるが,より細やかな 配慮を持って治療にあたることは,医療費の面からみても 重要であると思われる。 本論文に関して, 開示すべき利益相反状態は存在しない。
文 献
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Regulatory T cells in head and neck cancer
Yorihisa Orita
Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Kumamoto University Graduate School of Medical Sciences
Abstract
Regulatory T cells (Tregs) engage in the maintenance of immunological self-tolerance by suppressing self-reactive lymphocytes. This mechanism for maintaining immunological self-tolerance may hinder effective tumor immunity. In various kinds of cancer, accumulation of Tregs in the tumor site is associated with a reduction in patients’ survival, while blockade of the effects of IL-10 and TGF-β reverses the Treg function and enhances antitumor immunity. However, we cannot conclude that Tregs always have a promotive role during the development of cancer because the microscopic environment of cancer will change depending on the kinds and the stage of cancer. Since CTLA-4 antibody may be available for head and neck cancer, we should undergo Treg suppression therapy as well as PD-1 blockade therapy in the most effective way.