その要因構造に関する研究

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(1)

PTA 親会員の不満と

その要因構造に関する研究

放送大学大学院文化科学研究科文化科学専攻 博士後期課程人間科学プログラム

2016 年度入学

森村 繁晴 2019 年 3 月 授与

放送大学審査学位論文(博士)

(2)

- 1 -

目 次

■ 序 章

. . . - 6 -

1 . 研 究 目 的 と 背 景 . . . - 6 -

1 . 1 .研 究 目 的 . . . - 6 -

1 . 2 .研 究 背 景 . . . - 8 -

2 . 先 行 研 究 . . . - 1 0 -

3 . 仮 説 と 方 法 . . . - 1 3 -

4 . 本 論 文 の 構 成 . . . - 2 1 -

参 考 文 献 . . . - 2 2 -

■ 第 1 章

P TA

の 歴 史

. . . - 2 6 -

1 . 本 章 の 目 的 と 背 景 . . . - 2 6 -

2 . P TA 黎 明 期 . . . - 2 6 - 2 . 1 . 米 国 教 育 使 節 団 に よ る 報 告 書 . . . - 2 6 - 2 . 2 . ア メ リ カ に お け る P TA . . . - 2 8 - 2 . 3 . マ ッ カ ー サ ー と 教 育 政 策 . . . - 2 8 - 2 . 4 . わ ず か 1 年 で 8 2% の 小 中 高 校 に P TA 結 成 . . . - 3 0 -

3 . P TA ス ク ー ル 」 時 代 . . . - 3 1 - 3 . 1 . 日 本 に お け る 前 身 的 な 保 護 者 団 体 . . . - 3 3 - 3 . 2 . そ の 他 の 前 史 的 な 運 動 . . . - 4 2 -

(3)

- 2 -

4 . サ ン フ ラ ン シ ス コ 講 和 条 約 と 日 P 結 成 . . . - 4 3 -

5 . P TA の 現 状 . . . - 4 8 -

6 . ま と め . . . - 5 1 -

参 考 文 献 . . . - 5 1 -

■ 第 2 章 『 日 本

P TA

』 新 聞 の 計 量 テ キ ス ト 分 析

. . . - 5 4 -

1 . 本 章 の 目 的 と 背 景 . . . - 5 4 -

2 .『 日 本 P TA』 新 聞 に つ い て . . . - 5 5 -

3 .計 量 テ キ ス ト 分 析 に つ い て . . . - 5 6 -

4 .先 行 研 究 . . . - 5 7 -

5 . 対 象 . . . - 5 8 -

6 . 結 果 . . . - 5 8 - 6 . 1 . C o r r e l a t i o n a l ア プ ロ ー チ に よ る 分 析 . . . - 5 8 - 6 . 2 . D i c t i o n a r y - b a s e d ア プ ロ ー チ に よ る 分 析 . . . - 6 3 -

7 . ま と め . . . - 6 6 -

参 考 文 献 . . . - 6 7 -

■ 第 3 章

P TA

の ス ト レ ス 軽 減 効 果 に 関 す る 二 次 分 析

. . . - 6 9 -

1 . 本 章 の 目 的 と 背 景 . . . - 6 9 -

2 . 先 行 研 究 . . . - 7 2 -

(4)

- 3 -

3 . デ ー タ . . . - 7 3 - 3 . 1 . 分 析 対 象 . . . - 7 3 - 3 . 2 . 従 属 変 数 . . . - 7 4 - 3 . 3 . 独 立 変 数 . . . - 7 5 -

4 . 結 果 と 考 察 . . . - 7 8 - 4 . 1 . 母 の 分 析 結 果 . . . - 7 8 - 4 . 2 . 父 の 分 析 結 果 . . . - 8 0 - 4 . 3 . 子 の 分 析 結 果 . . . - 8 1 -

5 . ま と め . . . - 8 4 -

参 考 文 献 . . . - 8 5 -

■ 第 4 章 イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 に よ る 不 満 要 因 分 析

. . . - 8 8 -

1 .本 章 の 目 的 . . . - 8 8 -

2 .イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 と P TA 研 究 . . . - 8 9 -

3 .イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 に よ る 先 行 研 究 . . . - 9 5 -

4 . 2 0 1 5 全 国 調 査 分 析 1― ― 調 査 手 法 と 主 要 要 因 の 検 討 . . . - 9 6 -

4 . 1 .問 題 の 所 在 . . . - 9 6 - 4 . 2 .分 析 対 象 . . . - 9 6 - 4 . 3 .分 析 方 法 . . . - 9 9 - 4 . 3 . 1 .仮 説 と 従 属 変 数 、 コ ン ト ロ ー ル 変 数 . . . - 9 9 - 4 . 4 .結 果 と 考 察 . . . - 1 0 1 - 4 . 5 .ま と め . . . - 1 0 8 -

(5)

- 4 -

5 . 2 0 1 5 全 国 調 査 分 析 2― ― 社 会 的 排 除 論 か ら の 検 討 . . . - 11 0 -

5 . 1 .問 題 の 所 在 . . . - 11 0 - 5 . 2 .社 会 的 排 除 論 と P TA . . . - 11 0 - 5 . 3 .分 析 対 象 . . . - 11 3 - 5 . 4 .分 析 方 法 . . . - 11 3 - 5 . 5 .結 果 と 考 察 . . . - 11 3 - 5 . 6 .ま と め . . . - 11 6 -

6 . 2 0 1 7 東 京 調 査 ― ― 権 威 主 義 的 伝 統 主 義 . . . - 11 8 - 6 . 1 .問 題 の 所 在 . . . - 11 8 - 6 . 2 .権 威 主 義 的 伝 統 主 義 と P TA . . . - 11 9 - 6 . 3 .分 析 対 象 . . . - 1 2 2 - 6 . 4 .分 析 方 法 . . . - 1 2 5 - 6 . 5 .結 果 と 考 察 . . . - 1 2 8 - 6 . 6 .ま と め . . . - 1 3 1 -

参 考 文 献 . . . - 1 3 3 -

■ 終 章

. . . - 1 3 6 -

1 . 本 研 究 の ま と め . . . - 1 3 6 -

2 . 考 察 . . . - 1 4 1 -

3 .今 後 の 研 究 展 望 . . . - 1 4 2 -

参 考 文 献 一 覧 . . . - 1 4 9 -

既 発 表 論 文 一 覧 . . . - 1 5 8 -

(6)

- 5 -

謝 辞 . . . - 1 5 9 -

■ 付 録

. . . - 1 6 0 -

(7)

- 6 -

■ 序 章

1.

研 究 目 的 と 背 景

PTA

は 国 内 最 大 の 社 会 教 育 関 係 団 体 で あ る ば か り で な く 、 戦 後 の

70

年 近 く に わ た り

1000

万 前 後 の 世 帯 が 世 代 交 代 を 繰 り 返 し つ つ 加 入 を 続 け て き た 国 内 最 大 級 の 保 護 者 団 体 で あ り 、 有 権 者 団 体 で も あ る 。 し か し 、 そ の 在 り 方 が 現 在 、 日 本 国 内 で 大 き な 社 会 問 題 と な っ て い る 。 以 下 、 こ の 問 題 に 関 す る 本 研 究 の 目 的 と 背 景 、 研 究 方 法 を 述 べ る 。

1.1.

研 究 目 的

本 研 究 の リ サ ー チ ク エ ス チ ョ ン は 、「

PTA

親 会 員 の

PTA

に 対 す る 不 満 は 、 親 個 人 の 特 異 な 心 理 的 要 因 で は な く 、 一 般 的 な 社 会 的 要 因 に よ っ て 、 構 造 的 か つ 機 能 的 に 説 明 で き る の で は な い か 」 と い う も の で あ る 。

PTA

に 対 す る「 満 足 」で は な く「 不 満 」を 主 題 と し た 理 由 は 、「

PTA

に 対 す る 不 満 」 は 近 年 、 マ ス コ ミ な ど で 大 き く 取 り 上 げ ら れ 、 保 護 者 が 学 校 教 育 に 関 し て 持 ち う る さ ま ざ ま な 不 満 の 中 で も 特 異 な 位 置 を 占 め て い る と 思 わ れ る か ら で あ る 1)。 ま た 、

PTA

へ の 「 不 満 」 に 関 す る 言 説 の 中 に 、 実 証 的 に 検 討 す べ き も の が あ る と 思 わ れ た か ら で あ る 。 具 体 的 に は 、

PTA

に 関 す る 議 論 に お い て は し ば し ば 「

PTA

に 不 満 を 持 ち 、異 を 唱 え る の は“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト 2 )”で あ る 」 と い っ た 論 法 が 観 察 さ れ る 。

PTA

に 不 満 な 親 は

PTA

と い う 個 別 の 対 象 に 不 満 を 抱 い て い る の で は な く 、 子 ど も の 教 育 全 て に ク レ ー ム を

1) 議 論 を 先 取 り す る よ う で あ る が 、 実 際 に 保 護 者 の PTA に 対 す る 不 満 度 が 学 校 設 備 や 教 師 、学 校 周 辺 の 治 安 に 対 す る 不 満 度 よ り も 高 い こ と が 本 研 究 に お い て 確 認 さ れ た ( 第 4 4-25 参 照 )。

2) “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” の 定 義 は 難 し い 。 ま た 、 こ の 語 を 使 用 す る こ と 自 体 が 、 一 部 の 親 を 特 定 の 立 場 か ら 問 題 視 す る 規 範 意 識 に 加 担 す る こ と に も な る 。 た だ し 、 近 年 、日 本 国 内 で 子 育 て を し て い る 父 母 の 間 で は こ の 語 が 頻 繁 に 使 用 さ れ て い る た め ( 実 際 に は 「 モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト 」 で は な く 「 モ ン ペ 」 と 略 さ れ る 場 合 も 多 い が )、 本 稿 で は 一 般 的 な 言 説 に 言 及 す る 文 脈 に お い て 、 ダ ブ ル ク ォ ー テ ー シ ョ ン も し く は 括 弧 つ き で こ の 語 を 使 用 す る 。

(8)

- 7 -

つ け ず に い ら れ な い 「 心 の 問 題 」 を 抱 え た 親 で あ る が ゆ え に 、

PTA

に 対 し て も 不 満 な だ け だ 、 と い っ た ロ ジ ッ ク で あ る 。

そ の よ う な 非 学 術 的 か つ 心 理 主 義 的 3 )な 説 明 に 対 し 、 本 研 究 は 社 会 学 的 な 側 面 か ら の 説 明 を 試 み る も の で あ る 。別 の 言 い 方 を す れ ば 、

PTA

に 対 す る 不 満 は 外 れ 値 的 な 特 殊 ケ ー ス で あ る 」 と い う 見 解 に 対 し 、 活 動 の 強 制 性 ほ か 所 属

PTA

の ネ ガ テ ィ ブ な 属 性 な ど を 背 景 と し て 「

PTA

に 対 す る 不 満 は あ る 程 度 一 貫 性 の あ る グ ラ デ ー シ ョ ン と し て 普 遍 的 に 存 在 し て い る 」 と い う 見 解 の 妥 当 性 を 検 討 す る も の で あ る 。

た だ し 、所 属

PTA

の ネ ガ テ ィ ブ な 特 性 を 調 査 項 目 に 含 め る こ と は 、

PTA

に 調 査 協 力 を 求 め る 従 来 式 の 調 査 法 で は 困 難 で あ っ た 。 活 動 の 強 制 性 や 人 間 関 係 の 軋 轢 な ど は 、

PTA

運 営 側 に と っ て 非 常 に セ ン シ テ ィ ブ な 話 題 (

sensitive topics

) だ か ら で あ る 。 そ こ で 本 研 究 で は セ ン シ テ ィ ブ な 話 題 に 強 い イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 を 導 入 す る こ と に よ り 、 こ の セ ン シ テ ィ ブ の 壁 を 乗 り 越 え 、 計 量 社 会 学 的 な 視 点 か ら の 検 討 を 行 う 。 メ ゾ レ ベ ル ( 所 属

PTA

レ ベ ル ) に 加 え て ミ ク ロ レ ベ ル

( 家 族 お よ び 個 人 レ ベ ル )の 情 報 が 得 ら れ る こ の 方 法 で あ れ ば 、

PTA

経 由 で の 従 来 式 調 査 で は 収 集 困 難 な 社 会 経 済 的 地 位 (

SES

) 関 連 の 情 報 を コ ン ト ロ ー ル 変 数 と し て 投 入 し て 統 計 分 析 を 行 え る た め 、 社 会 学 的 に 妥 当 性 の 高 い 議 論 を 行 う こ と が で き る 。

さ ら に 本 研 究 で は 、

PTA

親 会 員 を と り ま く マ ク ロ レ ベ ル の 状 況 に つ い て も 分 析 を 行 う 。 具 体 的 に は 日 本 の

PTA

に 関 す る 歴 史 的 考 察 を 踏 ま え た 上 で 、『 日 本

PTA

』新 聞 の 計 量 テ キ ス ト 分 析 と 、首 都 圏 の 親 子 を 対 象 と し た 大 規 模 社 会 調 査 の 二 次 分 析 を 行 う 。

こ れ ら マ ク ロ か ら メ ゾ 、 ミ ク ロ へ と 至 る 各 レ ベ ル 内 で の 複 数 の 社 会 的 要 因 が 、 総 体 と し て

PTA

親 会 員 が 主 観 的 に 体 験 す る 「 不 満 」 を 生 み 出 し て い る と い う 認 識 が 本 研 究 の 基 本 的 視 座 を な す も の で あ る 。

近 年 の 計 量 社 会 学 で 活 用 の 進 む 複 数 の 方 法 を 組 み 合 わ せ る こ と よ り 従 来 の 手 法 で は 調 査 が 困 難 で あ っ た

PTA

親 会 員 の 不 満 要 因 に ア プ ロ ー チ し 、 そ の 要 因 間 の 構 造 性 を 明 ら か に す る こ と が 、 本 研 究 の 目 的 で あ る 。

研 究 対 象 に つ い て

こ こ で 、 研 究 対 象 の 選 定 に 関 す る 本 研 究 の ス タ ン ス に つ い て 述 べ

3) 後 述 す る 通 り 、 こ こ で い う 「 心 理 主 義 的 」 は 学 問 と し て の 「 心 理 学 」 と は 異 な る 。 社 会 的 事 象 の 原 因 を 個 人 の 心 理 的 要 因 に 強 く 帰 属 さ せ 、社 会 的 要 因 を 軽 視( な い し は 無 視 ) す る 通 俗 的 な 説 明 様 式 を 言 う も の で あ る 。

(9)

- 8 -

て お く 。 本 研 究 で は お も に 公 立 小 中 学 校 に 我 が 子 を 通 わ せ る

PTA

母 親 会 員 を 中 心 と し て 、 論 考 を 行 う 。 し か し 、

PTA

に 参 加 す る 親 会 員 は 母 親 ば か り で な く 、 父 親 を は じ め 、 祖 父 母 や き ょ う だ い 、 さ ら に は 養 護 施 設 の 職 員 な ど も 含 ま れ て い る 。 そ の た め

PTA

研 究 で 対 象 を 母 親 の み に 限 定 す る こ と は 、 す で に 日 本 社 会 に 広 く 存 在 す る ジ ェ ン ダ ー に よ る 偏 見 を 助 長 す る お そ れ も あ る 。 本 研 究 で は そ の 危 険 性 と 限 界 性 を 十 分 に 認 識 し た 上 で 、 お も に 調 査 資 金 な ど 資 源 面 で の 制 約 に よ り 、 や む な く 母 親 の み を 研 究 対 象 と し た も の で あ る 4 )

PTA

活 動 は 母 親 が 担 う べ き も の 、 と い っ た 規 範 意 識 に 加 担 す る 意 思 は 一 切 な い こ と を 強 調 し て お き た い 。

1.2.

研 究 背 景

2006

年 改 正 の 教 育 基 本 法 ( 第

13

条 ) に 「 学 校 、 家 庭 及 び 地 域 住 民 そ の 他 関 係 者 は 、 教 育 に お け る そ れ ぞ れ の 役 割 と 責 任 を 自 覚 す る と と も に 、 相 互 の 連 携 及 び 協 力 に 努 め る も の と す る 」 と い う 一 文 が 加 わ っ た 。 通 常 、「 学 校 、 家 庭 及 び 地 域 住 民 等 の 相 互 連 携 協 力 」 と 呼 ば れ る こ の 三 者 連 携 が 「 国 お よ び 地 方 公 共 団 体 の 任 務 」 と し て 新 た に 盛 り 込 ま れ た こ と に よ り 、 各 自 治 体 で も

PTA

を 連 携 の 「 核 」 と 位 置 づ け 、 従 来 に も 増 し て 大 き な 期 待 を 寄 せ る 動 き が 出 て い る ( 新 潟 県

2011;

栃 木 県

2014

)。 ま た 、 民 主 党 政 権 下 で 発 表 さ れ た 内 閣 府

2010

) の 「『 新 し い 公 共 』 宣 言 」 に お い て も 、「

PTA

の 活 性 化 に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ス ク ー ル へ の 道 」 が 「 新 し い 公 共 を 担 う 社 会 的 ・ 公 共 的 人 材 の 育 成 」 機 会 の ひ と つ で あ る と し て 、

PTA

活 性 化 の 必 要 性 を 指 摘 し て い る 5 )。 さ ら に 自 民 党 政 権 下 に お け る 近 年 の 内 閣 府 調 査 で も 、「 社 会 的 絆 」 を 育 む 社 会 参 加 機 会 の ひ と つ と し て

PTA

が 注 目 さ れ て い る ( 内 閣 府

2014

)。

PTA

は 戦 後 の 日 本 に お い て

1000

万 世 帯 規 模 の 会 員 数 を 誇 る 「 わ が 国 最 大 の 社 会 教 育 関 係 団 体 」( 文 部 省

1972:785

) の 地 位 を 維 持 し て き た が 、 そ こ に 注 が れ る 政 府 ・ 自 治 体 の 視 線 は 、い わ ば ま す ま す 期 待 に 満 ち た も の と な っ て い る の で あ る 。

4) 母 父 子 の 3者 デ ー タ が 入 手 可 能 で あ っ た 第 3章 の 二 次 分 析 で は 、 母 親 と 同 様 に 父 親 と 子 ど も の デ ー タ も 分 析 対 象 と し て い る 。サ ン プ リ ン グ に 配 慮 し た 社 会 調 査 の 場 合 、 回 答 者 集 団 の 確 保 が 困 難 で あ る こ と に よ り 、 父 母 ペ ア も し く は 父 母 子 ト ラ イ ア ド の デ ー タ 入 手 は 困 難 な 場 合 が 多 い 。

5) PTA の 活 性 化 に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ス ク ー ル へ の 道 」 項 目 に 以 下 の 記 述 が あ る 。

PTA を 活 性 化 す る た め 、役 員 の 過 重 な 事 務 負 担 を サ ポ ー ト す る NPO を 設 置 す る か 既 存 の 地 域 組 織 に 委 託 す る 。行 政 が 委 託 事 業 予 算 や 教 育 一 括 給 付 金 か ら 予 算 を 支 援 し 、 行 政 の 監 査 委 員 会 を 設 置 し て ガ バ ナ ン ス を チ ェ ッ ク す る 。PTA に 誰 も 参 加 し や す く な り 、結 果 と し て 保 護 者 世 代 の 社 会 参 画 が 促 進 さ れ 、地 域 社 会 の 担 い 手 が 育 成 さ れ る 。ま た 、全 国 の 公 立 学 校 を コ ミ ュ ニ テ ィ・ス ク ー ル へ と 発 展 さ せ て い く 。」

(10)

- 9 -

そ の 一 方 で 、 近 年 は

PTA

親 会 員 の 活 動 に つ い て 、 そ の 過 剰 負 担 が 大 き な 社 会 問 題 と な っ て い る 。

2008

5

月 、 東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 が 事 実 上 の

PTA

廃 止 に 踏 み 切 る と 、 こ れ を き っ か け と し て 北 海 道 新 聞 が

PTA

の 存 在 意 義 を 問 う 記 事 を 掲 載 し た 6 )。 そ の 後 、 読 売 新 聞 7 )、 毎 日 新 聞 8 )、 朝 日 新 聞 9 )な ど の 全 国 紙 で も 、 た び た び 同 様 の 特 集 が 組 ま れ て い る 。 一 般 向 け 雑 誌 で も 数 々 の

PTA

関 連 特 集 が 組 ま れ て き た 1 0 ), 1 1 )

2012

年 に は テ レ ビ で も

PTA

を め ぐ る 母 親 た ち の 軋 轢 を 主 題 と し た ド ラ マ が 放 映 さ れ 、高 い 視 聴 率 を 獲 得 し た 1 2 )

2015

4

月 に は

PTA

総 会 で の い じ め と の 関 連 が 疑 わ れ る 栃 木 県 佐 野 市 の

「 マ マ 友 連 続 自 殺 事 件 」 が 起 き 、 後 に 全 国 報 道 さ れ た 1 3)。 一 般 書 籍 で も

PTA

関 連 書 籍 の 出 版 が 相 次 い で い る が 、そ の 内 容 は

PTA

活 動 に 対 す る 一 般 会 員 の 不 満 を 所 与 の も の と し て 、「

PTA

を 再 活 用 す る に は ど う す れ ば い い か 」「

PTA

の 仕 事 を い か に 楽 に こ な す か 」、 と い っ た 視 点 の も の も 多 い 1 4 ), 1 5 )。 そ の 一 方 で 、 親 会 員 と し て の 自 身 の 経 験 を 踏 ま え た 上 で 、「

PTA

不 要 論 」を 訴 え る ジ ャ ー ナ リ ス ト も 登 場 し て

い る 1 6 )

PTA

問 題 は 内 閣 総 理 大 臣 の 諮 問 会 議 で も 話 題 と な っ た 。安

倍 政 権 は 「 一 億 総 活 躍 社 会 」 を う た い 、

2015

年 に 閣 僚

13

人 と 有 識 者

15

人 に よ っ て 構 成 さ れ る 「 一 億 総 活 躍 国 民 会 議 」 を 結 成 し た 。 こ の 有 識 者

15

人 の 中 に タ レ ン ト で 戸 板 女 子 短 大 客 員 教 授 の 菊 池 桃 子 が い た が 、 菊 池 は 同 会 議 の 席 上 、

PTA

活 動 が ワ ー キ ン グ マ ザ ー の 重 荷 に な っ て い る と し て 、

PTA

に つ い て 文 部 科 学 省 が 「 も う 一 度 、 見 つ め 直 す 機 会 」「 調 査 す る 機 会 」 を 設 け る こ と を 要 求 し た 1 7 )。 こ の 発

6) 北 海 道 新 聞 2008 05 22 札 幌 朝 刊 25 「 え っ PTA は 不 要 ? *「 和 田 中 」 は 廃 止 * 仕 事 マ ン ネ リ 化 / 役 員 な り 手 な く * 札 幌・山 の 手 南 小 * 負 担 減 ら し 活 動 活 発 に 」

7) 読 売 新 聞 2013 06 12 東 京 朝 刊 18 「[ 変 わ る PTA(1) 原 則 い つ で も 入 退 会 自 由 ( 連 載 )」

8) 毎 日 新 聞 2014 04 29 東 京 朝 刊 10 「 発 信 箱 :PTA は 学 校 の 嫁 ? 」 9) 朝 日 新 聞 2015 05 03 全 国 朝 刊 13 PTA ど う 考 え ま す か ?(1) 10) 婦 人 之 友 2014 11 月 号, 「 子 ど も と の 生 活 ど う す る ? ど う し た い ? PTA

動 」, p.108.

11) AERA 2014 04 07 日 号,「 必 要 ? 不 要 ?PTA, pp.61-63

12) 東 海 テ レ ビ 制 作 「 七 人 の 敵 が い る ! 」 フ ジ テ レ ビ 系 全 国 ネ ッ ト, 2012 04 02 日 放 送 開 始, http://tokai-tv.com/shichinin/

13) 女 性 セ ブ ン 2015 10 8日 号 「 マ マ 友 LINE い じ め 連 続 自 殺 : あ の 栃 木 の 町 で 起 き て い た ゾ ッ と す る 集 会 」pp.52-53.

14) 川 端 裕 人 『PTA 再 活 用 論 ― 悩 ま し き 現 実 を 超 え て 』 中 公 新 書 ラ ク レ, 2008 15) 大 塚 玲 子 『PTA を け っ こ う ラ ク に た の し く す る 本 』 太 郎 次 郎 社 エ デ ィ タ ス, 2014

16) 黒 川 祥 子 『PTA 不 要 論 』 新 潮 新 書, 2018

17) 産 経 ニ ュ ー ス 2016 3 25日 「 菊 池 桃 子 氏 が P T A 活 動 に つ い て 問 題 提 起 ー キ ン グ マ ザ ー に 代 わ っ て … 1 億 総 活 躍 国 民 会 議 」

https://www.sankei.com/politics/news/160325/plt1603250039-n2.html2018 10 13日 取 得 )

(11)

- 10 -

言 は 大 き な 注 目 を 集 め 、 テ レ ビ や 新 聞 な ど で 改 め て

PTA

問 題 が 活 発 に 議 論 さ れ る き っ か け と な っ た 1 8 1 9 )。 し か し 、 上 記 発 言 か ら

3

年 を 経 た 現 在 で も 、文 部 科 学 省 に よ る 全 国 規 模 の

PTA

実 態 把 握 調 査 は 、 実 施 さ れ る 気 配 は な い (

2018

11

月 現 在 )。

こ の よ う に

PTA

を め ぐ る 現 状 は 、政 府・自 治 体 側 の「 期 待 」と

PTA

親 会 員 側 の 「 不 満 」 の 対 立 が 、 顕 在 化 し つ つ あ る 状 況 と も い え る 。

PTA

親 会 員 の ほ と ん ど が 生 産 年 齢 人 口 に あ る こ と 、 ま た 、 こ の 層 の 負 担 軽 減 が 少 子 化 対 策 に 与 え る 影 響 を も 考 慮 す れ ば 、

PTA

を め ぐ る 現 在 の 状 況 は 、 政 府 ・ 自 治 体 側 と

PTA

親 会 員 側 の 双 方 に と っ て 、 極 め て 不 幸 で あ る と 言 わ ざ る を 得 な い 。 学 術 的 に も 、 組 織 行 動 論 の 文 脈 に お い て 、 構 成 員 の 「 不 満 」 へ の 対 処 が 重 要 で あ る こ と は 繰 り 返 し 指 摘 さ れ て き た 2 0 )。事 態 の 改 善 に 向 け て 、学 術 的 な 方 法 論 に 基 づ く 客 観 的 な エ ビ デ ン ス が 早 急 に 必 要 と さ れ て い る 状 況 で あ る 。

2.

先 行 研 究

世 間 の 注 目 度 と は 裏 腹 に 、

PTA

に 関 す る 学 術 研 究 は 極 め て 少 な い 。 岩 竹 (

2017: 10

) は

PTA

に つ い て 「 日 本 最 大 の 組 織 と さ れ る 半 面 、 そ れ が 外 側 か ら も 内 側 か ら も 見 え に く い と い う 矛 盾 し た 構 造 」 が あ る と 指 摘 す る 。 こ れ は そ の ま ま 学 術 研 究 に も 当 て は ま る 。

社 会 教 育 法 で は 、

PTA

は 社 会 教 育 関 係 団 体 と さ れ て い る 。 よ っ て 本 来 で あ れ ば 社 会 教 育 学 関 連 の 学 会 で 最 も 活 発 な 議 論 が 行 わ れ る べ き テ ー マ で あ る 。 し か し 実 際 に は 、 こ の 分 野 で の 研 究 は 極 め て 低 調 で あ っ た 。す で に

1969

年 の 時 点 で 、日 本 社 会 教 育 学 会 の 学 会 誌 に 以 下 の コ メ ン ト が 見 ら れ る ( 日 本 社 会 教 育 学 会

1969:1-3

)。

日 本 社 会 教 育 学 会 と し て も 、 こ れ ま で

PTA

の 問 題 に 真 正 面 か ら と り く ま な か っ た 点 は 、と が め ら れ な け れ ば な ら な い だ ろ う 。( 中 略 ) い わ ば 、学 会 と し て も 、

PTA

は『 ど う に も な ら な い 団 体 』と し て 、 さ じ を 投 げ て 来 た 観 が あ る 。

18) 産 経 新 聞 2016 04 20 東 京 朝 刊 19頁 「 問 わ れ る PTA の あ り 方 分 業 な ど 運 営 効 率 化 求 め る 声 」

19) NHK ニ ュ ー ス お は よ う 日 本 2016 6 18 日 「“PTA 活 動 は 負 担 ” 白 熱 す る 議 論 」

20) Robbins1997=2009:84-89)に よ れ ば 、組 織 行 動 の 動 機 付 け に 関 す る ハ ー ズ バ ー グ の 二 要 因 理 論 で は 、 職 務 に 対 す る 「 満 足 」 と 「 不 満 」 は そ れ ぞ れ 別 の 要 因 に 起 因 す る と い う 。

(12)

- 11 -

そ し て

19

年 後 の

1988

年 に も 再 び 同 学 会 は 「 日 本 社 会 教 育 学 会 創 立 以 来 、 こ と

PTA

に 関 す る 学 会 で の 発 表 状 況 を み る と そ の 事 例 は 極 め て 少 な い 」( 日 本 社 会 教 育 学 会

1988:584

と 認 め る こ と に な る 。 以 後 の

PTA

研 究 に つ い て 、 本 庄 (

2008

) は 社 会 教 育 学 会 で

1988

年 か ら

2008

年 ま で の 紀 要 に 掲 載 さ れ た

PTA

関 連 の 論 文 は

2

編 の み で あ る こ と な ど か ら 、「

PTA

は 代 表 的 な 社 会 教 育 関 係 団 体 で あ る と さ れ な が ら 、 学 会 と し て 継 続 的 ・ 体 系 的 な 研 究 が な さ れ て き て は い な い こ と が 明 白 」 で あ る と 結 論 付 け て い る 。 日 本 社 会 教 育 学 会

1988:585-586

) は 「

PTA

研 究 の 遅 れ 」 の 理 由 と し て 、 ①

PTA

に 関 す る 行 政 指 導 の 強 さ が 研 究 者 を 遠 ざ け た 、 ②

PTA

を 学 校 の 雑 務 と 位 置 づ け る 教 師 の

PTA

観 に 影 響 さ れ た 、 ③

PTA

内 部 で

PTA

に 関 す る 資 料 が 蓄 積 さ れ て こ な か っ た 、 の

3

点 を 指 摘 し て い る 。 こ れ ら は 定 量 的 な

PTA

研 究 が 少 な い こ と に も 当 て は ま る 。 ① ② は 研 究 者 の 意 識 変 革 に 待 つ べ き 要 因 で あ る 。 研 究 資 料 の 不 足 を 指 摘 し た ③ の み が

PTA

外 部 か ら の ア プ ロ ー チ に よ っ て 技 術 的 に 克 服 可 能 で あ り 、 本 研 究 の 議 論 も こ の 点 に 関 す る も の で あ る 。

PTA

を 社 会 教 育 関 係 団 体 で は な く 、 そ の 活 動 実 態 か ら 、 学 校 教 育 関 係 団 体 と み な す 考 え 方 も あ る ( 杉 村

2011:404-411

)。 そ の 場 合 、 日 本 教 育 学 会 が 代 表 的 な 関 連 学 会 と な る が 、 同 学 会 の 学 会 誌 に お い て も 、

PTA

を 学 校 教 育 関 係 団 体 と 捉 え た 研 究 は 見 当 た ら な い 。

一 方 、

PTA

そ の も の を テ ー マ と し て は い な い が 、

PTA

問 題 に 関 連 す る 研 究 と し て 、 仲 田 (

2015

) が あ る 。 仲 田 は 学 校 支 援 型 の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ス ク ー ル に お い て 、

PTA

役 員 の 母 親 た ち が 男 性 に 対 し て 劣 位 に 置 か れ る「 ジ ェ ン ダ ー 化 さ れ た 状 況 」の も と 、「

PTA

と コ ミ ュ ニ テ ィ・ス ク ー ル の 二 重 負 荷 」を 課 せ ら れ て い る 状 況 を 明 ら か に し た 。 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ス ク ー ル と い う 限 定 さ れ た 文 脈 に お い て で は あ る が 、

PTA

問 題 の 発 生 要 因 を 部 分 的 に 解 明 し た 点 に お い て 、 非 常 に 重 要 な 研 究 で あ る 。

教 育 学 に お け る そ の 他 の 重 要 研 究 と し て は 、杉 村(

2011

)が あ る 。 こ れ は 杉 村 自 身 の

50

年 に わ た る

PTA

研 究 を ま と め た

A4

1000

ペ ー ジ に 及 ぶ 大 部 の 博 士 論 文 で あ る が 、 ア プ ロ ー チ と し て は

PTA

の 発 展 史 と 将 来 展 望 を 基 軸 に 据 え た 定 性 的 分 析 で あ る 。

PTA

の 現 状 分 析 を 含 む 教 育 学 以 外 の

PTA

研 究 と し て は 、 日 本 語 学 ・ 日 本 文 化 論 の 視 点 か ら「(

PTA

に お い て )な い が し ろ に さ れ る 主 体 性 」 を 論 じ た 加 藤 (

2012

) と 、 民 俗 学 者 の 視 点 か ら

PTA

を 「 国 民 化 の 装 置 」 と 分 析 し た 岩 竹 (

2017

) が あ る 。 ど ち ら も

PTA

問 題 と 深

(13)

- 12 -

く 関 わ る 議 論 が 展 開 さ れ て い る が 、 い ず れ も 定 性 的 な 分 析 で あ る 。 他 方 、

PTA

史 に 関 す る 研 究 は 少 な か ら ず 存 在 す る 。 こ の 分 野 で 特 に 注 目 す べ き 資 料 と し て 、『 日 本

PTA

史 』( 日 本 図 書 セ ン タ ー

, 2004

) が あ る 。 三 井 為 友 や 杉 村 房 彦 、 藤 田 博 な ど

PTA

研 究 の 第 一 人 者

16

人 に よ っ て 編 ま れ た 約

860

ペ ー ジ に 及 ぶ こ の 大 部 の 書 は 、 と く に

PTA

草 創 期 の 分 析 が 詳 し く 、 資 料 も 充 実 し て い る 。 同 書 に 収 録 さ れ た 論 考 は 幅 広 い が 、「

PTA

親 会 員 の 不 満 」と い う 本 研 究 の テ ー マ に 照 ら せ ば 、

1970

年 代 の 教 育 権 論 争 を め ぐ る

PTA

の 状 況 を 分 析 し た 荒 井 ・ 西 村 (

2004, 175

) の 以 下 の 記 述 が 注 目 さ れ る 2 1 )

ま た 実 際 、 親 の 間 で は 、 子 ど も が 人 質 と な っ て い る よ う で な か な か

PTA

で は 、 学 校 や 先 生 に 対 し て も の が 言 え な い と い う 不 満 が 続 い て い た 。( 下 線 筆 者 )

上 記 の い わ ゆ る 「 子 ど も 人 質 意 識 」 は 、 杉 村 (

2011:16

) ほ か

PTA

研 究 者 が た び た び 指 摘 し て い る と こ ろ で あ り 、 教 育 民 主 化 団 体 と し て の

PTA

の 活 動 を 阻 害 す る と 同 時 に 、 調 査 対 象 者 の 率 直 な 意 見 表 明 を 要 す る

PTA

研 究 の 阻 害 要 因 と も な っ て き た 。 こ の 点 に つ い て は 第

4

章 で 改 め て 論 じ る 。

PTA

に 対 す る さ ま ざ ま な 不 満 要 因 の 中 で も 、本 研 究 の 視 座 か ら は 、 近 年 と く に 大 き な 社 会 問 題 と し て 注 目 さ れ る 入 会 の 強 制 性 や 人 間 関 係 の 軋 轢 な ど が 重 要 で あ る 。し か し 、こ の 点 に 注 目 し た 研 究 は 、

PTA

研 究 が 盛 ん だ っ た

1960

年 代 ~

80

年 代 、 も し く は そ れ 以 前 の 学 会 誌 に も 見 当 た ら な い 。 た だ し 、 学 会 誌 以 外 に 目 を 転 じ れ ば 、

PTA

の 現 場 の 声 を 拾 っ た 調 査 、 研 究 の 中 に 、 上 記 の 不 満 要 因 に 関 連 し た 情 報 が 散 見 さ れ る 。 特 に 注 目 す べ き 文 献 と し て 、

2010

年 に 文 部 科 学 省 の 委 託 事 業 の 一 環 と し て 教 育

NPO

が 作 成 し た「

PTA

を 活 性 化 す る た め の 調 査 報 告 書 」( 教 育 支 援 協 会

2010

)が あ る 。同 報 告 書 で は

PTA

が 活 性 化 し な い 要 因 に つ い て 定 量 的 な 調 査 を 行 っ て お り 、 本 論 文 が 注 目 す る 入 会 の 強 制 性 に 関 す る 調 査 項 目 も 含 ま れ て い る 。 た だ し 、 サ ン プ リ ン グ バ イ ア ス や 質 問 項 目 の 偏 り 、 さ ら に セ ン シ テ ィ ブ な 話 題 に 関 す る 解 釈 上 の バ イ ア ス ほ か 、 社 会 調 査 と し て 見 る と 調 査 方 法 論 上 の 問 題 点 が 多 い 。 こ の 点 に つ い て は 、 第

4

章 に お い て 掘 り 下 げ て 論 じ る 。

21) 荒 井 文 昭, 西 村 文 夫, 2004,「 七 〇 年 代 の 教 育 権 の 主 張 」『 日 本 PTA 史 』 日 本 図 書 セ ン タ ー, pp.173-191.

(14)

- 13 -

さ ら に 一 般 書 に 目 を 転 じ る と 、

PTA

結 成 が い わ ば 国 策 と し て 推 進 さ れ た 時 期 の ラ ジ オ 放 送 を ま と め た 『 ラ ジ オ

PTA

の 時 間 』( 日 本 放 送 協 会

1949

)か ら

PTA

に 関 す る ゴ シ ッ プ 的 な 情 報 を ま と め た『

PTA

の 掟 ― お 母 さ ん た ち の コ ワ ~ イ 話 』( 光 文 社

1997

) の よ う な 読 み 物 ま で 、入 会 の 強 制 性 や 会 員 間 の 軋 轢 は さ ま ざ ま な 形 で 語 ら れ て き た 。 こ れ ら の 非 学 術 的 な

PTA

情 報 は 、 当 然 な が ら 学 術 的 な 先 行 研 究 と 同 列 に 扱 う こ と は で き な い 。 し か し 、

PTA

研 究 が 長 く 低 調 で あ り 、 な か で も

PTA

親 会 員 の 不 満 に 注 目 し た 研 究 は ほ と ん ど 存 在 し な か っ た こ と か ら 、 こ れ ら の 情 報 の う ち と く に 参 照 価 値 が 高 い と 思 わ れ る 資 料 に つ い て は 、 以 下 の 各 章 に お い て 適 宜 参 照 す る 。

も う ひ と つ 注 目 す べ き 流 れ と し て 、 近 年 に な り 、 社 会 心 理 学 分 野 で 新 た に

PTA

研 究 が 行 わ れ る よ う に な っ て い る 。 中 山 (

2016

) は

PTA

活 動 経 験 の あ る 母 親 に イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 を 行 い 、 自 分 の 行 っ た 活 動 が 役 に た つ と 感 じ 、 自 己 評 価 と 人 間 関 係 の 広 が り と い う 内 的 報 酬 が

PTA

活 動 の 継 続 意 図 に つ な が る こ と な ど を 明 ら か に し た 。 ま た 有 馬 ら(

2017

)は

PTA

役 員 経 験 の あ る 母 親 を 対 象 に イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 を 行 い 、 母 親 た ち の

PTA

活 動 に 対 す る 考 え 方 を 類 型 化 し た 。

こ れ ら の 心 理 学 系 の 研 究 で は

PTA

の ネ ガ テ ィ ブ 面 も ポ ジ テ ィ ブ 面 と 同 様 に 調 査 内 容 に 含 め て お り 、

PTA

親 会 員 の 不 満 を テ ー マ と す る 本 研 究 と も 問 題 関 心 を 共 有 す る 。 そ の 上 で 、 こ れ ら の 研 究 と 比 較 し た 場 合 、 本 研 究 に は 以 下 の 特 徴 が あ る 。 ① 日 本 に お け る

PTA

史 の 歴 史 社 会 学 的 な 分 析 を 踏 ま え た 上 で 、 計 量 的 に 検 証 す べ き 課 題 を 設 定 し て い る こ と 。 ② 近 年 に お け る 社 会 調 査 法 の 手 順 を 踏 襲 し 、 デ ー タ ク リ ー ニ ン グ を 行 っ た 上 で 、 親 本 人 の 居 住 地 や 就 業 属 性 、 年 齢 、 年 収 、 学 歴 な ど 、

SES

( 社 会 経 済 的 地 位 ) に よ る 影 響 を 可 能 な 限 り コ ン ト ロ ー ル し て い る こ と 。③ 非 学 術 的 か つ 心 理 主 義 的 な 説 明 に 対 し 、 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を め ぐ る 議 論 や ス ト レ ス 論 、 社 会 的 排 除 論 、 権 威 主 義 を め ぐ る 議 論 な ど を 背 景 と す る 仮 説 群 を 検 証 す る こ と に よ り 、 親 会 員 の 不 満 に つ い て よ り 説 得 力 の あ る 説 明 を 試 み て い る こ と 2 2 )

3.

仮 説 と 方 法

PTA

に 対 す る 「 親 会 員 の 不 満 要 因 」 に つ い て は 、 複 数 の レ ベ ル が 存 在 す る と 思 わ れ る 。 1 つ め は 全 国 レ ベ ル 、 も し く は 地 域 レ ベ ル で

22) 繰 り 返 し に な る が 、 こ こ で 言 う 「 非 学 術 的 か つ 心 理 主 義 的 な 説 明 」 と は 、 学 術 的 な 心 理 学 研 究 と は 異 な る 。

(15)

- 14 -

の 広 域 的 な マ ク ロ レ ベ ル の 要 因 で あ る 。 具 体 的 に は 全 国 の

PTA

に 共 通 す る 歴 史 的 な 背 景 や 、 全 国 の 小 中 学 校 の 多 く を 傘 下 に 収 め る 全 国 組 織「 日 本

PTA

全 国 協 議 会 」の 特 性 な ど が こ れ に 当 た る 。2 つ め は 、 学 校 ご と に 存 在 す る

PTA

( 単 位

PTA

) ご と の 差 異 を 反 映 し た メ ゾ レ ベ ル の 要 因 で あ る 。 具 体 的 に は 、 親 会 員 が 所 属 す る

PTA

で 入 会 や 活 動 の 強 制 性 が あ る か ど う か や 、 い じ め を 含 む 親 同 士 の 軋 轢 が あ る か な ど の 組 織 特 性 で あ る 。 3 つ 目 は 、 親 会 員 個 人 も し く は 親 会 員 の 家 族 の 特 性 と い う ミ ク ロ レ ベ ル の 要 因 で あ る 。 具 体 的 に は 、 親 会 員 本 人 の 社 会 的 態 度 2 3)や 家 族 の 病 気 な ど の 社 会 的 排 除 要 因 な ど が こ れ に 含 ま れ る 。

こ れ ら 複 数 の レ ベ ル に ま た が る 要 因 間 に は 、 複 雑 な 相 互 関 係 が 想 定 さ れ る 。 例 え ば 、「 自 分 や 家 族 が 人 に 知 ら れ た く な い 病 気 が あ る 」 と い う ミ ク ロ レ ベ ル の 個 人 要 因 は 、「 活 動 が 強 制 さ れ る こ と は 一 切 な い 」と い う メ ゾ レ ベ ル 特 性 を 持 つ 単 位

PTA

で は あ ま り 問 題 に な ら ず 、 同 時 に

PTA

に 対 す る 不 満 要 因 と も な ら な い で あ ろ う 。 よ っ て 本 来 で あ れ ば 、 メ ゾ レ ベ ル 要 因 で あ る 各 単 位

PTA

の 客 観 的 な 状 況 を ま ず 把 握 し た 上 で 、 さ ま ざ ま な ミ ク ロ レ ベ ル 要 因 を 持 つ 各 親 会 員 が そ の 状 況 に ど の よ う な 不 満 を 抱 い て い る か を 検 討 す る こ と が 理 想 で あ る 。

し か し 、 上 記 の よ う な 調 査 は 現 実 問 題 と し て 非 常 に 困 難 で あ る 。 第

4

章 で 論 じ る 通 り 、 親 同 士 の い じ め や 社 会 的 排 除 な ど を 含 む

PTA

問 題 の 話 題 は 非 常 に セ ン シ テ ィ ブ で あ り 、 特 定 の 単 位

PTA

に 協 力 要 請 し て 保 護 者 会 員 の 本 音 を 調 査 す る こ と は 難 し い 。 そ こ で 、 本 研 究 で は 各 親 会 員 が 所 属

PTA

に つ い て 判 断 し た 主 観 的 な 組 織 特 性 を メ ゾ レ ベ ル 要 因 と み な す も の と す る 。

も ち ろ ん 、こ こ に は 研 究 方 法 論 上 の 大 き な 限 界 性 が あ る 。「

PTA

で 親 同 士 の い じ め が あ る 」 と い う 実 態 レ ベ ル の 事 象 と 「

PTA

で 親 同 士 の い じ め が あ る と 感 じ る. . .

」 と い う 認 知 レ ベ ル の 事 象 に つ い て は 、 そ の 対 応 性 を 保 証 す る も の が 現 時 点 で 何 も な い か ら で あ る ( こ の 対 応 関 係 に つ い て の 実 証 研 究 も 可 能 で あ れ ば 別 途 行 う べ き で あ る が )。

し か し 、 わ が 国 で は 子 ど も 同 士 の い じ め に つ い て も 「 発 生 件 数 」 で は な く 、 学 校 単 位 や 自 治 体 単 位 で の 「 認 知 件 数 」 に よ る 状 況 把 握

23) 社 会 的 態 度 は も と も と 心 理 学 の 概 念 で あ り 、そ の 形 成 は 社 会 的 要 因 よ り も 心 理 的 ・ 人 格 的 要 因 に よ る も の と す る 立 場 も 当 然 な が ら あ る 。ま た 、一 部 の 社 会 的 態 度( 権 威 主 義 的 伝 統 主 義 )に つ い て は 、遺 伝 的 要 因 の 影 響 が 大 き い と す る 先 行 研 究 も あ る

( 敷 島 ら 2008)。し か し 、教 育 社 会 学 に お い て 社 会 的 態 度(social attitudes)は 、 教 育 に 関 す る 広 範 な 社 会 の 動 向 や 運 動 、考 え 方 な ど に よ っ て 形 成 さ れ る も の と み な さ れ て き た (Bllantine & Hammack 2009=2011:586-587)。 よ っ て 本 稿 に お い て も 社 会 的 態 度 を 社 会 的 要 因 の ひ と つ と し て 扱 う 。

(16)

- 15 -

が 行 わ れ て い る 。 も ち ろ ん 、 そ こ に は 「 認 知 」 で あ る が ゆ え の 限 界 性 が 伴 う が 、「 件 数 」 を 可 視 化 す る メ リ ッ ト が 大 き い が ゆ え に 、 こ の 方 法 論 は 日 本 社 会 に お け る 市 民 権 を 得 て き た 。

PTA

に お け る 親 同 士 の い じ め な ど も 同 様 に 、「 表 に 出 に く い 数 字 」で あ る 。よ り よ い

PTA

の あ り 方 を 検 討 す る 一 環 と し て 、 現 実 的 に 調 査 可 能 な 「 当 事 者 の 状 況 認 知 」 を 手 が か り に メ ゾ レ ベ ル ( 単 位

PTA

レ ベ ル ) に つ い て の 状 況 把 握 を 目 指 す 本 研 究 の ア プ ロ ー チ も 、 同 様 の 妥 当 性 を 認 め ら れ る で あ ろ う 。

上 記 の よ う な 認 識 を 踏 ま え た 上 で 、 本 論 文 で は 複 数 の 仮 説 群 を 設 定 し た 。

PTA

親 会 員 の 不 満 要 因 と な り う る マ ク ロ レ ベ ル か ら メ ゾ レ ベ ル 、 ミ ク ロ レ ベ ル の 要 因 を 幅 広 く 検 討 す る 仮 説 群 で あ る が 、 こ れ ら は 全 レ ベ ル の 要 因 を 包 括 的 に 扱 う こ と を 意 図 し た も の で は な い 。 む し ろ 、 す で に マ ス コ ミ な ど で 保 護 者 の 不 満 要 因 と し て し ば し ば 語 ら れ て き た 要 因 群 や 筆 者 自 身 が マ ス コ ミ の 議 論 で 抜 け 落 ち て い る と 感 じ た 要 因 群 の 中 か ら 、 特 に 重 要 か つ 定 量 的 に 検 証 可 能 と 思 わ れ る も の を 選 び 出 し た も の で あ る 。 こ れ ら 諸 要 因 の う ち ど の 要 因 が 実 際 に 親 会 員 の 不 満 に 影 響 し て い る か を 個 別 に 検 討 し た 上 で 、 相 互 の 要 因 の 影 響 関 係 に つ い て も 併 せ て 考 察 す る こ と を 意 図 し た も の で あ る 。

本 研 究 で 実 際 に 検 証 を 行 う の は 、 以 下 の 理 論 仮 説 ( ● 印 ) お よ び 作 業 仮 説 ( 〇 印 ) で あ る 。

● 理 論 仮 説

A

( マ ク ロ レ ベ ル 要 因 )

日 本

PTA

全 国 協 議 会( 日

P

)は 、時 代 と と も に「 行 政 の 責 任 」 追 及 の 場 と し て の 性 質 を 薄 め 、 同 時 に 、「 親 の 責 任 」 追 及 の 場 と し て の 性 質 を 強 め た

〇 作 業 仮 説

A1

『 日 本

PTA

』 新 聞 に お い て 、 日

P

の 役 員 ・ 会 員 な ど を 発 言 者 と す る「 行 政 の 責 任 」言 説 と「 親 の 責 任 」言 説 を 比 較 す る と 、 後 者 の 出 現 率 が 時 代 と と も に 高 ま っ た

● 理 論 仮 説

B

( マ ク ロ レ ベ ル 要 因 )

PTA

活 動 は 親 子 の ス ト レ ス 解 消 の 場 と し て 有 効 に 機 能 し て い な い

〇 作 業 仮 説

B1

(17)

- 16 -

父 母 が

PTA

活 動 に 参 加 し て も 、 父 母 子 の デ ィ ス ト レ ス 2 4)が 低 く な る こ と は な い

● 理 論 仮 説

C

( メ ゾ レ ベ ル 要 因 お よ び ミ ク ロ レ ベ ル 要 因 )

“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” な ど の 特 異 な 心 理 的 要 因 よ り も 、 親 会 員 が 所 属 す る

PTA

の ネ ガ テ ィ ブ な 特 性 や 親 会 員 本 人 の 社 会 的 態 度 な ど の 社 会 的 要 因 の ほ う が 、

PTA

に 対 す る 親 会 員 の 不 満 を う ま く 説 明 で き る

〇 作 業 仮 説

C1

他 の 親 と の か か わ り が 薄 い ほ ど 、

PTA

に つ い て の 不 満 認 知 の 度 合 い が 高 ま る

〇 作 業 仮 説

C2

PTA

の ネ ガ テ ィ ブ 面 を 強 く 感 じ て い る ほ ど 、

PTA

に つ い て の 不 満 認 知 の 度 合 い が 高 ま る

〇 作 業 仮 説

C3

PTA

の ポ ジ テ ィ ブ 面 を 強 く 感 じ て い る ほ ど

PTA

に つ い て の 不 満 認 知 の 度 合 い が 低 く な る が 、 そ の 効 果 は ネ ガ テ ィ ブ 面 ほ ど 強 く な い

〇 作 業 仮 説

C4

PTA

運 営 に 関 す る 規 範 的 態 度 は 、

PTA

に つ い て の 不 満 認 知 に 影 響 す る

〇 作 業 仮 説

C5

PTA

に お い て 強 制 的 包 摂 や 集 団 内 周 辺 化 を 強 く 感 じ て い る ほ ど 、

PTA

に つ い て の 不 満 認 知 の 度 合 い が 高 ま る

〇 作 業 仮 説

C6

社 会 的 排 除 要 因 を 持 つ 親 は 、

PTA

に お け る 強 制 的 包 摂 と 集 団 内 周 辺 化 を 同 時 に 経 験 し や す い

〇 作 業 仮 説

C7

権 威 主 義 的 伝 統 主 義 の 度 合 い が 高 い ほ ど 、

PTA

に 対 す る 不 満 度 が 低 く な る

〇 作 業 仮 説

C8

権 威 主 義 的 伝 統 主 義 の 度 合 い は 、 学 校 の 設 備 、 教 師 、 治 安 に 対 す る 不 満 度 に 影 響 し な い

24) デ ィ ス ト レ ス は 抑 う つ 、身 体 的 な 症 候 、不 安 な ど 、個 人 が 経 験 す る 不 快 な 主 観 的 状 態 を 指 す ( 稲 葉 1995:93)。

(18)

- 17 -

理 論 仮 説

A

( 作 業 仮 説

A1

理 論 仮 説

A

は 、

PTA

の 全 国 組 織 で あ る 日 本

PTA

全 国 協 議 会( 日

P

) に つ い て 、 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を め ぐ る 近 年 の 議 論 を 理 論 的 背 景 と し た 仮 説 で あ る 。そ れ に 対 応 す る 作 業 仮 説

A1

は 、日

P

の 代 表 的 な 言 説 空 間 で あ る 公 式 機 関 紙 『 日 本

PTA

』 新 聞 ( 日

P

新 聞 ) の テ キ ス ト を 対 象 と し て 、「 行 政 の 責 任 」 言 説 と 「 親 の 責 任 」 言 説 の 出 現 比 率 に つ い て 、 理 論 仮 説 に 沿 っ た 方 向 に 経 時 的 な 変 化 が 生 じ て い る か ど う か を 確 認 す る も の で あ る 。

Putnum

2000

)は ソ ー シ ャ ル キ ャ ピ タ ル を 論 じ る 中 で 、ア メ リ カ に お け る 代 表 的 な 市 民 活 動 と し て

PTA

を 取 り 上 げ て い る 2 5 )。 日 本 に お け る

PTA

活 動 に つ い て も 、 市 民 活 動 や シ テ ィ ズ ン シ ッ プ ( 市 民 性 ) の 側 面 か ら と ら え る 視 点 が 有 効 で あ る 。 と く に シ テ ィ ズ ン シ ッ プ に 関 し て は 、 近 年 、 市 民 の 「 権 利 」 を 中 心 と し た シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 観 を 批 判 し 、 そ の 「 義 務 」 や 「 責 任 」 を 強 調 す る 議 論 が 優 勢 と な り つ つ あ る こ と が 指 摘 さ れ て き た 2 6 )。も し も こ の 傾 向 が 日 本 の

PTA

に も 当 て は ま る の で あ れ ば 、

PTA

発 足 当 初 の 理 念 に 色 濃 か っ た 「 市 民 ( 親 ) の 権 利 」( よ り 具 体 的 に は 親 に よ る 「 行 政 の 責 任 」 追 及 ) の 色 彩 が 、 時 代 と と も に 「 市 民 ( 親 ) の 義 務 ・ 責 任 」 を 強 調 す る 方 向 へ と シ フ ト し て い る は ず で あ る 。

実 際 の

PTA

活 動 は 地 域 や 学 校 ご と に 多 様 で あ る 。 し か し 、 そ の 全 国 組 織 で あ る 日

P

の 言 説 に つ い て 上 記 の 傾 向 性 を 確 認 す る こ と が で き れ ば 、 親 会 員 の 不 満 に つ い て も 、 そ の 背 景 状 況 に つ い て の 理 解 を 大 き く 進 め ら れ る も の と 思 わ れ る 。

理 論 仮 説

B

( 作 業 仮 説

B1

理 論 仮 説

B

は 社 会 学 的 な ス ト レ ス 論 を 理 論 的 背 景 と し た 仮 説 で あ る 。 そ れ に 対 応 す る 作 業 仮 説

B1

は 、

PTA

へ の 参 加 の 有 無 が 家 族 の デ ィ ス ト レ ス を 低 減 さ せ て い る か ど う か を 確 認 す る も の で あ る 。

近 年 の

PTA

は 「 家 庭 教 育 支 援 」 を そ の 活 動 目 的 と し て 強 調 し て い る 。「 家 庭 教 育 」 は 多 義 的 な 概 念 で あ る が 、 わ が 国 の 教 育 政 策 に お い て は 、「 家 庭 教 育 支 援 」 の 目 的 の ひ と つ と し て 、 子 育 て 中 の 親 の 育 児 ス ト レ ス 軽 減 が し ば し ば 掲 げ ら れ て き た 。 も し 、

PTA

が そ の よ う な

25) Putnam, Robert D., 2000, Bowling Alone: The Collapse and Revival of Americ an Community, Simon & Schuster( 柴 内 康 文 訳, 2006, 『 孤 独 な ボ ウ リ ン グ ― 米 国 コ ミ ュ ニ テ ィ の 崩 壊 と 再 生 』 柏 書 房 ).

26) 亀 山 俊 朗, 2009, 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を め ぐ る 政 治 」 大 阪 大 学 大 学 院 人 間 科 学 研 究 科 紀 要 35, pp.173-192.

(19)

- 18 -

機 能 を 十 分 に 果 た し え て い る の で あ れ ば 、

PTA

活 動 に 参 加 す る 親 の ス ト レ ス は 軽 減 さ れ て い る は ず で あ る 。 人 は 一 般 に 、 ス ト レ ス が 軽 減 さ れ る 活 動 に 対 し て 不 満 を 持 ち に く い で あ ろ う 。 逆 に 言 え ば 、 ス ト レ ス 軽 減 が 期 待 さ れ る 活 動 に 参 加 し て も ス ト レ ス が 解 消 さ れ な け れ ば 、 不 満 は 高 ま る は ず で あ る 。 ス ト レ ス と 不 満 の 間 に は 強 い 関 連 性 が 想 定 さ れ る た め 、

PTA

活 動 と ス ト レ ス の 関 係 性 は 本 研 究 に お け る 重 要 視 点 と な る 。

社 会 学 的 な ス ト レ ス 論 は 、個 人 が 経 験 す る 主 観 的 な 抑 う つ 傾 向( デ ィ ス ト レ ス ) な ど を ス ト レ ス の 指 標 と し て 使 用 し 、 個 人 が 置 か れ た 社 会 的 状 況 に よ る 影 響 関 係 を 検 討 す る ア プ ロ ー チ で あ る 。 と く に 家 族 社 会 学 分 野 に は こ の ア プ ロ ー チ ( ス ト レ ス ・ ア プ ロ ー チ ) に よ る 多 く の 先 行 研 究 が 存 在 し 、デ ィ ス ト レ ス 指 標 と し て の

CES-D

使 用 な ど 、 計 量 的 な 方 法 論 も 確 立 さ れ て い る 。 た だ し 、 デ ィ ス ト レ ス な ど の 心 理 的 不 調 が ど の よ う に し て 起 こ る か を す べ て 明 ら か に す る も の で は な い 点 に は 、 注 意 が 必 要 で あ る ( 西 村

2009:22-34

)。

本 研 究 で は

PTA

参 加 2 7 )と い う 社 会 的 要 因 が 、 個 人 の デ ィ ス ト レ ス に ど の よ う な 影 響 を 与 え て い る か に つ い て 大 規 模 調 査 デ ー タ の 二 次 分 析 を 行 う 。

PTA

参 加 を 独 立 変 数 と し 、 デ ィ ス ト レ ス を 従 属 変 数 と す る 因 果 モ デ ル で の 重 回 帰 分 析 を 行 い 、そ の 影 響 関 係 を 確 認 す る 。

理 論 仮 説

C

( 作 業 仮 説

C1

C8

本 研 究 に お け る 最 重 要 命 題 で あ る 理 論 仮 説

C

は 、

PTA

親 会 員 の 不 満 に つ い て

PTA

の 現 場 で し ば し ば 語 ら れ て き た 、 非 学 術 的 な 心 理 主 義 的 命 題 に 対 す る 対 立 的 命 題 の 提 示 を 意 図 し た 仮 説 で あ る 。 も と の 命 題 が 非 学 術 的 で あ り 理 論 的 な 厳 密 性 お よ び 一 貫 性 を 欠 い て い る た め 、 こ れ に 対 立 的 な 立 場 を 取 る 上 記 の 理 論 仮 説 も 、 複 数 の 社 会 学 的 な 理 論 を 背 景 と し た 複 合 的 な 命 題 と な っ て い る 。 作 業 仮 説

C1

C7

は そ の よ う な 理 論 仮 説

C

に 対 し 、個 別 の 理 論 も し く は 視 点 を も と に 、 計 量 社 会 学 的 な 手 法 に よ っ て 検 証 可 能 な 形 に 命 題 化 し た も の で あ る 。

PTA

の 現 場 に お い て 、「

PTA

に 不 満 を 持 ち 、異 を 唱 え る の は“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” で あ る 」 と い っ た 論 法 が 広 く 観 察 さ れ る 。 そ の よ う な 親 は

PTA

と い う 個 別 の 社 会 的 対 象 に 不 満 を 抱 い て い る の で は な く 、 子 育 て 関 連 の 事 象 に 広 く 不 満 を 訴 え る 特 異 な 「 心 の 問 題 」 を 抱 え て い る が ゆ え に 、

PTA

に 対 し て も 不 満 を 抱 い て い る だ け だ 、 と

27) 実 際 の 質 問 項 目 は 「PTA や 子 供 会 な ど 地 域 の 団 体 へ の 参 加 」 で あ る 。

(20)

- 19 -

い っ た ロ ジ ッ ク で あ る 。

そ の 例 と し て 、 こ こ で は 近 年 、 と く に 大 き な 話 題 と な っ た 事 例 を 一 つ だ け 挙 げ る 。

2015

年 に 朝 日 新 聞 社 が

PTA

に 関 す る ウ ェ ブ ア ン ケ ー ト を 実 施 し た 結 果 、

PTA

の 必 要 性 を 否 定 す る 回 答 が

56

% と 過 半 数 を 占 め た ( 回 答 者 数

968

/ 「 絶 対 不 要 」

14

% 、「 不 要 」

23

% 、「 な く て も よ い 」

19

% ) 2 8 )。 こ の 集 計 結 果 を 記 者 に よ っ て 示 さ れ た 当 時 の 日

P

会 長 は 、「(

PTA

を 不 要 と す る こ れ ら の 回 答 者 に つ い て ) 地 域 と の か か わ り が 薄 い か 、 何 ら か の ト ラ ブ ル が あ る 人 た ち な の で し ょ う ね 」( 括 弧 内 筆 者 ) と 述 べ て い る 。 つ ま り 、

PTA

に 対 す る 親 会 員 の 不 満 は

PTA

運 営 側 の 問 題 で は な く 、 親 の 特 殊 な 人 格 の 問 題 で あ る 、 と い っ た 解 釈 で あ る 。 こ の 解 釈 枠 組 み は

PTA

に 特 有 の も の で は な く 、

1990

年 代 末 以 降 、 日 本 社 会 に お い て 高 ま り が 指 摘 さ れ て き た 心 理 主 義 的 な 傾 向 の 一 環 と 見 る こ と が で き る 。

心 理 主 義 に 関 す る 代 表 的 な 論 者 で あ る 森 (

2000:9

) は 、 心 理 学 や 精 神 医 学 に 関 す る 知 識 が 世 間 に 広 ま っ た 結 果 、「 社 会 か ら 個 人 の 内 面 へ と 人 々 の 関 心 が 移 行 す る 傾 向 、 社 会 的 現 象 を 社 会 か ら で は な く 個 々 人 の 性 格 や 内 面 か ら 理 解 し よ う と す る 傾 向 、 お よ び 『 共 感 』 や 相 手 の 『 き も ち 』 あ る い は 、『 自 己 実 現 』 を 重 要 視 す る 傾 向 」( 下 線 筆 者 ) を 「 心 理 主 義 化 」 と 定 義 し て い る 。 伊 藤 (

2005

) は こ の よ う な 心 理 主 義 に つ い て 、 専 門 的 な ケ ア ( 治 療 ) を 個 人 が 積 極 的 に 求 め て 広 が っ た ア メ リ カ と は 異 な り 、 日 本 で は 「 心 」 の 重 視 と い う 形 で 逸 脱 な ど の 特 殊 な 行 動 を 説 明 す る 際 の 有 力 な 説 明 概 念 に 利 用 さ れ 、 学 校 教 育 の 場 に 広 く 浸 透 し つ つ あ る こ と を 指 摘 し て い る 。

PTA

は 法 制 上 の 位 置 づ け と し て は 社 会 教 育 関 係 団 体 で あ る が 、 そ の 実 態 と し て 学 校 教 育 関 係 団 体 で あ る と の 指 摘 が た び た び な さ れ て き た( 杉 村

2011:404-411

)。学 校 教 育 と 不 可 分 の 関 係 に あ る

PTA

が 、 学 校 教 育 に お け る 心 理 主 義 化 の 影 響 を 受 け た 可 能 性 も あ ろ う 。

い ず れ に し て も 、 上 記 の 発 言 を 含 む 日

P

会 長 の コ メ ン ト は 朝 日 新 聞 読 者 の み な ら ず ネ ッ ト 上 で も 大 き な 反 響 を 呼 び 、 朝 日 新 聞 で フ ォ ロ ー ア ッ プ 記 事 も 掲 載 さ れ た 2 9 )。 上 記 発 言 に 限 ら ず 、「

PTA

に 不 満 を 持 つ 親 」 を 「“ 心 ” に 問 題 の あ る 孤 立 者 」 と み な し 、「 良 識 の あ る 多 数 派 」の 同 調 圧 力 に よ っ て 不 満 を 抑 圧 す る こ の よ う な 論 法 は 、

PTA

28) 朝 日 新 聞 デ ジ タ ル 2015 5 24日 「PTA に 関 す る 読 者 の 疑 問 、 組 織 ト ッ プ の 回 答 は ? 」

29) 朝 日 新 聞 2015 08 04 東 京 朝 刊 15 頁「( 記 者 有PTA 国 策 推 進 の 道 具 に な る な 堀 内 京 子 」

(21)

- 20 -

に 関 す る 建 設 的 な 議 論 を 阻 害 す る 可 能 性 が あ る 3 0 )。建 設 的 に 議 論 を 進 め る た め に は 、 そ の 共 通 認 識 の 基 盤 と な る べ き 客 観 的 な 状 況 把 握 が 欠 か せ な い 。 理 論 仮 説

C

に 対 応 す る 作 業 仮 説 群 は 、 そ の よ う な 状 況 認 識 の 礎 と な る べ き 社 会 学 的 な 知 見 を 計 量 的 社 会 学 な 方 法 論 に 基 づ い て 提 出 す る こ と を 意 図 し た も の で あ る 。

以 下 、個 別 の 作 業 仮 説 に つ い て 説 明 す る 。作 業 仮 説

C1

は“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” の 属 性 の ひ と つ を 周 囲 の 親 か ら の 孤 立 度 (

PTA

内 で 情 報 交 換 可 能 な 人 数 の 少 な さ ) に あ る と 想 定 し 、 孤 立 度 と

PTA

に 対 す る 不 満 の 関 係 を 確 認 す る も の で あ る 。 作 業 仮 説

C2

C3

は 、 親 会 員 が 所 属 す る

PTA

内 の 社 会 的 状 況 、 よ り 具 体 的 に は 近 年 の マ ス コ ミ で 頻 繁 に 話 題 と な っ て い る 親 同 士 の い じ め の 存 在 や 活 動 の 強 制 性 な ど が 不 満 の 要 因 と な っ て い る こ と を 仮 定 し た 仮 説 で あ る 。 作 業 仮 説

C4

PTA

と い う 集 団 が い か に 運 営 さ れ る べ き か 、 と い っ た

PTA

に 対 す る 規 範 的 な 社 会 的 態 度 が 不 満 に 影 響 を 与 え て い る こ と を 仮 定 し た も の で あ る 。 作 業 仮 説

C5

C6

は 少 し 視 点 を 変 え て 、 近 年 の 社 会 的 排 除 論 で 注 目 さ れ つ つ あ る 、 包 摂 と 排 除 の 同 時 性 が

PTA

親 会 員 に お い て 発 生 し て い る こ と を 想 定 し た 仮 説 で あ る 。作 業 仮 説

C6

は 不 満 を 説 明 対 象 と す る も の で は な い が 、作 業 仮 説

C5

に 対 す る 補 足 的 な 意 味 合 い を 持 つ も の で あ る 。 作 業 仮 説

C7

C8

は 、 社 会 的 態 度 の 中 で も 研 究 蓄 積 が 多 い 権 威 主 義 的 伝 統 主 義 が

PTA

に 対 す る 不 満 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る か を 検 討 す る も の で あ る 。作 業 仮 説

C8

は 権 威 主 義 的 伝 統 主 義 が

PTA

へ の 不 満 に 対 し て 選 択 的 に 効 果 を 持 つ も の で あ る か ど う か を 検 討 す る も の で あ る 。

こ れ ら

8

つ の 作 業 仮 説 の う ち 、 作 業 仮 説

C1

は 「

PTA

に 不 満 を 持 つ の は 周 囲 か ら 孤 立 し た “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” で あ る 」 と い う 見 解 と 近 い 仮 説 で あ る の に 対 し 、 作 業 仮 説

C2

C8

は 基 本 的 に

PTA

親 会 員 に 広 く 認 め ら れ る 社 会 的 状 況 に 不 満 の 要 因 を 求 め る 命 題 群 で あ る 。 た だ し 、 理 論 仮 説

C

と 作 業 仮 説

C1

C8

が 完 全 対 応 し て い る わ け で は な く 、 か つ 、 作 業 仮 説

C1

C8

の 検 証 結 果 が ど う で あ ろ う と も 、「

PTA

に 対 す る 不 満 を 抱 く 親 の 中 に 、“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” が 存 在 す る 」 と い う 命 題 を 否 定 す る も の で は な い 。 本 研 究 が 上 記 作 業 仮 説 群 に よ っ て 検 証 す る の は「

PTA

親 会 員 の

PTA

に 対 す る 不 満 は 、

“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” な ど の 特 異 な 心 理 的 要 因 と は 別 の 、 一 般 的 な 社 会 的 要 因 に よ っ て も.

説 明 で き る か ? そ し て そ の 説 明 は 、“ モ

30) 同 調 圧 力 を 有 効 に 機 能 さ せ る た め に は「 多 数 者 孤 立 者 」の 緊 張 関 係 が 重 要 で あ り 、 そ の 意 味 で も 孤 立 性 は 重 要 な 概 念 と な る 。

(22)

- 21 -

ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” 説 よ り も 説 得 力 を 持 ち う る か ? 」 で あ る 。 決 し て 「

PTA

に 不 満 を 持 つ 親 の 中 に “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” が い る か ど う か ? 」、 あ る い は 「“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” は

PTA

に 不 満 を 持 つ か ど う か ? 」 で は な い 3 1 )。 こ の 点 に つ い て は 、 注 意 が 必 要 で あ る 。

以 上 の 各 仮 説 の 検 証 方 法 に つ い て 、 詳 細 は 各 章 で 説 明 す る 。

4.

本 論 文 の 構 成

上 記 の 仮 説 検 証 に 向 け て 、 本 論 文 で は 複 数 の 方 法 論 を 採 用 し 、 議 論 を 行 う 。 以 下 、 各 章 の 概 略 を 示 す 。

1

章 か ら 第

3

章 ま で は マ ク ロ レ ベ ル で の 背 景 的 な 要 因 分 析 を 行 う 。

1

章 で は 、 日 本 に お け る

PTA

の 歴 史 を 草 創 期 ( お も に 終 戦 か ら

1950

年 代 ) に 限 定 し て レ ビ ュ ー す る 。 こ れ は 第

2

章 以 降 の 定 量 的 な 分 析 に 先 立 ち 、 本 研 究 に お け る 歴 史 的 視 座 を 明 ら か に す る た め で あ る 。

2

章 で は 第 1 章 の 歴 史 的 考 察 を 踏 ま え た 上 で 、 日

P

の 公 式 機 関 紙『 日 本

PTA

』新 聞( 日

P

新 聞 )の 計 量 テ キ ス ト 分 析 を 行 う 。

KH Coder

を 利 用 し た 分 析 に よ り 、 同 紙 に お け る 「 親 の 責 任 」 言 説 の 特 徴 を 明 ら か に す る 。

3

章 で は 第

2

章 ま で の 経 時 的 な 分 析 と は 視 点 を 変 え 、実 際 に

PTA

活 動 に 参 加 す る こ と で 親 の ス ト レ ス が 軽 減 さ れ る か ど う か に つ い て 、 大 規 模 調 査 デ ー タ の 二 次 分 析 に よ っ て 確 認 す る 。

4

章 で は 前 章 ま で の マ ク ロ レ ベ ル で の 議 論 を 踏 ま え た 上 で 、 メ ゾ レ ベ ル ( 単 位

PTA

レ ベ ル ) や ミ ク ロ レ ベ ル ( 家 族 、 個 人 レ ベ ル ) で の 要 因 解 明 を 目 指 し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 デ ー タ の 分 析 を 行 う 。 調 査 方 法 論 に 関 す る 議 論 を 行 っ た 上 で 、

PTA

の 特 性 や 回 答 者 の 社 会 的 態 度 な ど が 、

PTA

に 対 す る 不 満 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る か を 確 認 す る 。

終 章 で は 序 章 か ら 4 章 ま で の 議 論 を 踏 ま え た 上 で 、 本 研 究 の 成 果

31) PTA に 対 し て 不 満 を 抱 く 親 の 中 に は 、 い わ ゆ る “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” も い る で あ ろ う 。あ る い は PTA に 批 判 的 態 度 を 取 る こ と の 一 事 を も っ て 、“ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” の 認 定 を 受 け る 場 合 も あ る だ ろ う 。 こ の 点 は 議 論 の 余 地 が あ り 、 か つ PTA の 状 況 を 理 解 す る 上 で も 重 要 な 視 点 で あ る 。 た だ し 、 本 研 究 の 意 図 は “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” 論 で は な い 。 よ っ て 以 下 の 議 論 は 、「 周 囲 の 親 か ら の 孤 立 性 」 を “ モ ン ス タ ー ペ ア レ ン ト ” の ひ と つ の 特 性 と 仮 定 し て 進 め る 。

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