内湾性 サ ンゴ種 の遷移 と海底光量子量の関係
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(2) 1112. 海. 図‑2. 図‑3. か ら,式(2),(3)に て い るWBとW6で 度zに. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 光量 子観測 位 置. 図‑4. 透過 と水 中減衰 の説 明 図. よ り κ,α. を 評 価 し た.な. 水 質 は 変 わ らず,図. 図‑5. お,近. 接 し. 一3の よ う に1が 深. の み に 依 存 す る と 仮 定 し た.. 期間 別透過 率分 布. 期 間別 水 中減 衰率 分布. 中 の状 況 に よ り逐 次 変 化 す るた め,広 い 範 囲 に分 布 して い る.海 面 か ら水 中 へ の 透 過 率 は主 に海 面 の 凹 凸 や 表 面 浮 遊 物 質 量 な ど に影 響 を受 け る と考 え られ るが,50%中 央 値 は0.38〜0.62で あ る.一 方,水 中 減 衰 率 は主 に水 中. (1). 懸 濁 物 質 量 に影 響 を受 け る た め,台 風 期 の9月,10月 大 き い.一 方,こ れ 以 外 の11月,2月. が. 末 〜3月,2007年8月. 頃 が 小 さ く,水 中 で の光 の 透 過 を妨 げ る懸 濁 物 質 が 比 較. (2). 的 少 な か った もの と考 え られ る. 3.. (3). 海 底 に到 達 す る 光量 子量 推 定. 図‑6は 先 に示 した2003年 に調 査 され た この 海 域 で の サ ン ゴ生 息 分 布 図 か ら この 海 域 の代 表 的 な種 で あ る エ ダ ミ ドリイ シ と カ ワ ラサ ン ゴの 優 占 す る区 域 に つ い て 再 整 理. こ こで,Iは 添 字 の観 測 場 所 に 対 応 す る深 度zで の 水 中 光. した もの で 広 い範 囲 で カ ワ ラ サ ン ゴが 優 占 して い る こ と. 量 子 量 で あ る.な お,太 陽 高 度 の 違 い に よ り,水 中 透 過. が よ くわ か る.す で に 安 藝 他(2007. 距 離 が 異 な る た め,太 陽 高 度 に よ る距 離 補 正 を行 って κ,. 波 浪 デ ー タ を 説 明 変 数 と す るPHSIモ. α を算 定 した.. ゴの 生 息 適 性 度 を評 価 して い るが,本 研 究 で は特 に海 底. 図‑4と 図‑5は 各 期 間 の透 過 率 α,水 中 減 衰 率 κの 分 布 を 累 加 百 分 率 と して 表 した もの で あ る.両 者 は海 面 や 水. ,2008b)は,流. れや. デ ル に よ り,サ. ン. で の光環 境 とサ ンゴの生息 分布 の 関係 を調 べ るた めに 2003年 の平 均 光 量 子 量 の推 定 を 行 う..
(3) 1113. 内湾 性 サ ンゴ種 の遷移 と海底 光量 子量 の関 係. 図‑6. サ ン ゴの 生 息 分 布(2003年). 2003年 は海 域 で の 光 環 境 に つ い て の デ ー タ が な い た め, 入 手 可 能 な宍 喰 気 象 観 測 所 で 得 られ る 日照 時 間 な どか ら 海 底 に 到 達 す る光 量 子 量 を推 定 す る方 法 につ い て検 討 し た. 理 科 年 表(国 立 天 文 台 編,1999)に. 掲 載 さ れ た潮 岬 に. お け る各 月 の 平 均 直 達 日射 量 瞬 間値(12時)を. 基 に,365. 日を 曲 線 補 間 し,日 毎 の 晴 天 時 直達 日射 量 瞬 間 値(12時) Idmaxを求 め る.直 達 日 射 量 か ら海 面 に 到 達 す る光 量 子 量 へ は,W‑stationで. 観 測 した デ ー タか ら,晴 天 時 の12時 図‑7. の光 量 子 量I0maxを抽 出 し,両 者 を 比 較 して,. 海 面 光 量 子 量 の 経 時 変 化(W‑station). (2007年7月28日. 〜31日,30日. は 曇 天). (4) の 関 係 を得 た.さ. らに12時 の光 量 子 量I0maxか ら毎 時 刻 の. 海 面 に 到 達 す る 光 量 子 量I0を 式(5)よ り推 定 す る.式 中 DLは. 日出 か ら 日入 ま で の 時 間,tは 日 出 か ら の 時 間 で あ. る.. (5). 式(5)で 計 算 した 海 面 で の 光 量 子 量 と観 測 値 と の 比 較 例 を 図‑7に 示 す.な お,こ の計 算 で は宍 喰 気 象 観 測 所 で の10分 ご との 日照 率(0〜1)を. 乗 じて 光 量 子 量 を 低 減 さ. せ て い る が,雲 天 で も通 過 光 や 散 乱 光 が 海 中 に 到 達 す る た め,単 純 に 日照 率 を乗 じて 減 ず る こ と は到 達 光 量 子 量 を 過 小 評 価 す る傾 向 が あ る. ま た,海 底 に 到 達 す る光 量 子 量 は式(1)に4日 間 の 平 均 透 過 率 と 平均 減 衰 率,毎 時 刻 の潮 位 と太 陽 高 度 に よ る透. 図‑8. 海 底 到 達 光 量 子 量 の 経 時 変 化(W6). (2007年7月28日. 〜31日,30日. は曇 天).
(4) 1114. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 年間透視度日数割合. 図‑10 図‑9. 年 間透視 度 日数割 合 の経年 変化. 平均 海底 光量 子量 とサ ン ゴ生息 区画 数. 過 距 離 補 正 を加 え て 推 定 す る.図‑8が. 推 定 値 と観 測 値 の. 比 較 で あ る が,曇 天 で の 評 価 に 改 善 点 が あ る た め,海 底 に到 達 す る光 量 子 量 も一 部 過 小 評 価 して い る が,晴 天 時 は概 ね良 好 に表 現 で きて い る. 4.. 年 間 平 均 光 量 子 量 とサ ン ゴ生 息 分 布. 2006年 〜2007年 の 観 測 で 得 られ た透 過 率 と水 中減 衰 率 は 図‑4,図‑5で. 示 した よ う に季 節 に よ って も異 な る こ と. 図‑11. 減 衰係 数 の違 い によ る光量 子量 分布 の変 化. が わ か った が,季 節 変 動 特 性 を理 解 す る ま で に は至 って い な い.そ こで,こ 2007年 夏 季(7月23日. こで は比 較 的 平 均 的 な挙 動 を 示 した 〜8月24日)の. α=0.658,κ=0.158(m‑1)の. 調 査 デ ー タを 参 考 に. 一 定 値 を仮 定 した.. 前 節 の 方 法 に よ り,2003年. の1年. 間 に海 底 に到 達 す る. 毎 時光 量 子 量 を図‑6に 示 した エ ダ ミ ド リイ シ とカ ワ ラ サ ンゴ そ れ ぞ れ が優 占す る水 域 ご と に 計 算 した .対 象 海 域 の 甲 浦 湾107haを10m×10mメ 岩 礁 被 度1%以. ッ シ ュ で 分 割 した 上 で,. 上,水 深(LWL時)1m以. 上 の サ ン ゴが 生. 息 で き る最 低 条 件 を 満 た す 区 画 を 対 象 に 計 算 して い る. この 中 で エ ダ ミ ド リイ シ と カ ワ ラ サ ン ゴが 優 占す るの は そ れ ぞ れ283区 画,499区. 画 で あ る.. 図‑12. 減 衰 係 数 の低下(濁. りの減 少)に よ る優 占サ ン ゴ生. 息 区 画数 の変化. 年 平 均 光 量 子 量 と サ ン ゴの 優 占生 息 区 画 数 の関 係 を 図 ‑9に 示 す .こ の 図 か ら,海 底 に 到 達 す る光 量 子 量 が 小 さ. 10.7mで あ った 年 平 均 透 視 度 が2003年 以 降 に は7.5〜8 .0. い 区 画 で は カ ワ ラ サ ン ゴが 優 占 し,大 き い 区 画 で エ ダ ミ. mと 最 大30%低. ド リイ シが優 占す る な ど,光 量 子 量 とサ ン ゴの 種 は密 接. 中 景 観 の 点 で も問 題 に な っ て い る.そ こで,水 中 で の 光. な 関係 が あ る こ とが わ か る.. の 減 衰 度 の 違 いが サ ン ゴ に ど の よ うな 影 響 を及 ぼ す か に. 図‑10は 竹 ヶ島 海 中 公 園 で運 行 さ れ て い る海 中展 望 船 ブ ル ー マ リ ンの運 行 管 理 記 録 か ら作 成 さ れ た年 間 透 視 度 日数 割 合 の 経 年 変 化 で あ る(安 藝,2008a).こ. れ は海中. 下 して お り,海 中 展 望 船 か ら見 られ る海. つ い て2003年 デ ー タ に対 して 単 純 に 式(1)の 減 衰 係 数 α を 変 化 さ せ る こ と に よ り検 討 した. 図‑11は 透 明 度 が 改 善 さ れ た もの と して,減 衰 係 数 を1. 展 望 船 の 職 員 に よ って 目視 観 察 に よ る透 視 度 記 録(1回. 0%及. /1日,午. 図 か ら濁 りが 減 少 し,光 減 衰 量 が 変 わ る こ と に よ り,海. 前8時 〜9時 に測 定)で4段. 階 に 区分 され て い る.. 透 視 度0〜5mを2.5m,6〜9mを7.5m,10〜15mを12 16m以 上 を20mと. して 年 平 均 値 を 算 出 す る と,1998年. .5m, に. び20%低. 減 した 場 合 の 光 量 子 量 分 布 で あ る.こ の. 底 の 光 環 境 が大 幅 に変 わ る こ とが 確 認 さ れ る. さ ら に,2003年. に観 測 さ れ た サ ン ゴ生 息 分 布 か ら光 量.
(5) 内湾 性 サ ンゴ種 の遷移 と海底 光量 子量 の関 係. 1115. 子 量 階 級 ご と の 両 種 の 出 現 率 が 不 変 で あ る と仮 定 して,. ン ゴ種 の 遷 移 は水 中 懸 濁 物 質 の 増 加 な ど に よ り,海 底. 減 衰 係 数 の低 下 に よ るサ ンゴ生 息 区 画 数 変 化 を 調 べ た も. に到 達 す る 光 量 子 量 が 減 少 した こ と が1つ の要 因 で あ. の を 図‑12に 示 す.こ れ に よ る と減 衰 係 数 が20%低. る こ とが 示 唆 され た.. 減す. る と エ ダ ミ ド リイ シは ほぼ 倍 増 し,カ ワ ラ サ ン ゴが 減 少 す る こ とが わ か る。. 謝 辞:本 調 査 は徳 島県 県 民 環 境 部 自 然 共 生 室 の ご支 援 の. 本 調 査 結 果 だ けか ら,エ ダ ミ ドリイ シか らカ ワ ラ サ ン. も と,竹 ヶ島 海 中公 園 自然 再 生 協 議 会 会 員 の 協 力 を 得 て. ゴへ の 種 の遷 移 が 光 環 境 変 化 に 起 因 す る と結 論 付 け る の. 実 施 され た.特 に,本 調 査 を 実 施 す る に あ た り,モ ニ タ. は 早 計 で あ るが,光 環 境 変 化 が 原 因 の1つ. で あ る と考 え. る こ と は で き る. 5.. ま とめ. 本 研 究 で得 られ た結 果 は以 下 の 通 りで あ る. (1)水 中光 量 子 量 の現 地 観 測 デ ー タ に基 づ き,温 帯 性 サ ン ゴ海 域 で の 海 底 光 量 子 量 を 気 象 観 測 所 デ ー タか ら評 価 す る方 法 を 検 討 した.曇 天 時 な ど の再 現 性 が 不 十 分 な 点 は あ るが,概 ね 良 好 に再 現 で き た. (2)海 底 光 量 子 量 と サ ン ゴの 生 息 分 布 の 関 係 につ い て 照 査 し,光 量 子 量 の違 い が 種 ご との 生 息 分 布 に 大 き く影 響 して い る こ と を 明 らか に した. (3)光 量 子 量 階 級 別 の サ ン ゴ種 の 出現 率 を 用 い て,水 中 光 の減 衰 係 数 を変 化 させ た分 析 結 果 か ら,本 海 域 で の サ. リ ン グ基 盤 の製 作,設 置 に は 奥 村 組 土 木 興 業 株 式 会 社, モ ニ タ リ ン グ調 査 に は宍 喰 漁 協 青 壮 年 部 の協 力 を得 た. こ こに 記 して 謝 意 を 表 す る.. 参 考 文 献 安 藝浩 資 ・中野晋 ・内 田紘臣 ・岩瀬 文人 ・御前 洋(2007): 沿 岸 域 の 自然再 生計 画 にお け る順応 的管理 へ のHSIモ デル の適用性,海 洋 開発論文集, Vol.23, pp.501‑506. 安 藝浩資(2008a): 沿岸域 の 自然 再生 にお ける計 画 アセス メ ン ト手法 に関す る研究, 徳 島大 学博士論文, 184p. 安 藝浩 資 ・中野晋 ・盛 治夫(2008b): PHSIモ デル に よるサ ン ゴの生息 環境評価 と自然再生計 画の策定, 海 岸工学論文 集, Vol.55, pp.1116‑1120. 国立天文台(1999): 理科 年表, 机上版, 丸 善, pp.266‑267. 竹 ヶ島海 中公園 自然再 生協議 会(2006): 竹 ヶ島海 中公園 自然 再生全 体構想‑わ しずみ王 の くに自然再生 プ ロ ジェ ク ト‑, 36p., http://www.takegashimajp, (2008年5月20日 参照).
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