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管路式濁水処理システムの実証試験

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Academic year: 2022

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管路式濁水処理システムの実証試験

大成建設株式会社 技術センター 正会員 ○川又 睦,大野 剛,伊藤一教,忠野祐介 大成建設株式会社 東京支店 正会員 西嶌 望,長嶋貴男,酒寄建之

1. はじめに

建設工事で発生する濁水を処理するには,一般に濁水処理装置を使用する場合が多いが,装置を設置するス ペースが制約される場合が少なくない.演者らはコンパクトな管路式撹拌装置(以下,本装置)を開発し 1), 今回はその性能を検証する目的で土木工事現場において本装置を含む濁水処理システムの実証試験(以下,本 試験)を行った.

本試験では,現場内調整池(沈砂池)の濁水を原水として用い,凝集剤の添加濃度や管路内流速の条件を種々 変化させた場合の本装置の処理性能を凝集沈殿効果(凝集沈殿による濁度変化と沈降速度)を指標として評価 した.

2.方法

本装置は透明塩ビ管を主体に作製した軽量でコンパクト な管路式の撹拌装置(0.3空m3)である.その模式図と写真 をそれぞれ図1および図2に示す.試験濁水は,図3に示す ように,①調整池(取水)→②原水槽→③本装置→(アクリ ル製円筒管)→④沈殿槽→⑤処理水放流を基本フローとした.

詳細な試験条件および試験方法を以下に示す.

調整池からポンプアップした濁水を原水槽(10m3)に一旦 貯留し,試験濁水は,調整池内の底泥および希釈水(井戸水

または水道水)を用いて作製した.また,濁度は100~ 1 管路式撹拌装置の模式図

10,000NTU(Nephelometric Turbidity Unit)の範囲で各試験ごとに調整し,pHは中性になるように調整した.

なお,濁水の基本的な性状として,濁度とSS(浮遊懸濁物質)との相関を確認した.

原水槽からポンプで排出された濁水は,図 1 に示したように,本装 置の細管(急速撹拌部:φ41mm×410mm/一辺)に流入するように配管 し,細管入口付近で無機系凝集剤(ポリ塩化アンモニウム(PAC))を 注入添加し,細管2巻(隅角部計8箇所)を通過させることで急速撹 拌・混合させた.次いで太管(緩速撹拌部:φ79mm×790mm/一辺)に 流入させ,高分子凝集剤(ポリアクリルアミド系ポリマー)を第二隅 角部付近で注入添加し,太管1巻(隅角部計4箇所)を通過させるこ

とで緩速撹拌・混合させた.また,表1に示すように,流速は2条件 2 管路式撹拌装置

(太管:5.3 m/s ―細管:1.4m/s,太管:2.6m/s ―細管:0.7m/s),PAC濃度は2条件(100mg/L,300mg/L), 高分子凝集剤濃度は1条件(2mg/L)とした.

本試験では本装置内を通過する濁水の濃度および流速,凝集剤の濃度を表1に示す組み合わせで変化させ,

本装置出口にから排出された処理水が沈殿槽に流入する直前でアクリル製円筒管(断面φ150mm,高さ 1,000mm)にサンプリングした.ポンプ停止後,円筒管内のフロックの沈降に伴う濁度を経時的に測定すると ともに,円筒管の水面下約150mmの位置で一定時間後(5,10,20,30分)の濁度を濁度センサーにより測定 して性能を評価した.また,その際の沈降状況を観察し,写真を撮影した.さらに,沈降速度を測定した.

キーワード 濁水処理,凝集沈殿,撹拌,管路式,流速,省スペース

連絡先 〒245-0051 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344-1 大成建設(株) 技術センター TEL 045-814-7226

濁水流入

沈殿槽へ 凝集剤

(PAC)

凝集剤

(高分子)

急速撹拌用管路(細管):2巻

・管内径;φ41mm

・管路長(1辺);410mm 緩速撹拌用管路(太管):1巻

・管内径;φ79mm

・管路長(1辺);790mm

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1765‑

Ⅵ‑883

(2)

なお,放流水は,pHが中性(pH5.8~8.6)

であること,かつ SS 濃度が環境基準値 25mg/L(22NTU)以下であることを確認し

た上で,調整池脇の既設排水管を通して放 流した.

3.結果および考察

3.1 濁水および濁質の性状 調整池の濁水のpHは9.3~9.5,濁度は

1,238~1,423 NTUであった.試験濁水に 3 装置配置図および濁水処理の基本フロー ついて,濁度とSSの相関を確認したとこ

ろ,図4に示すように,SS≒1.152×濁度の関係式が得られた.その他の性状としは,EC(電気伝導度):166 μS/cm,TOC(全有機炭素):10.2mg/ L,IC(無機炭素):14.5 mg/L,T-N(全窒素):1.32 mg/L,T-P (全リ

ン):0.31mg /Lであった.

3.2 本装置の凝集沈殿性能評価 1 試験条件 性能評価試験は,濁水の濁度が 100,300,500,1,000,

3,000,2,000,5,000,10,000NTUの8 ケースについてそれ ぞれ行った.すべての試験ケースにおいて比較的短時間で凝 集沈殿効果を示した.濁度の経時変化を表したグラフを図5 および図6に例として示す.また,測定した沈降速度は約 16m/h であった.この値は一般の設計値 2)で使用される2

~4m/hと比較すると4~8 倍であった.今回の試験条件で は原水の濁度が高く,流速が遅く,PAC 濃度が高い場合の 方がより短時間で凝集沈殿する傾向を示した.本装置は,

濁度が広範囲にわたる建設工事で発生する実濁水に対して

も十分に対応が可能であることを確認した.

4.まとめ

本試験では,濁水(原水)の濁度,凝集剤の注入添加濃 4 濁度とSSとの相関

度 , 本 装 置 管 路 内 の 流 速 の 異 な る 処 理 条 件 下 に お い て 濁 水 の 濁 度 変 化 を 経 時 的 に 測 定 し て 本 装 置 の性能を評価し,検証することができた.

5 濁水(10,000NTU)処理後の濁度変化 6 濁水(100NTU)処理後の濁度変化

参考文献 1) 忠野祐介ら:管路屈折部で生じる乱れを利用したコンパクトな濁水処理装置の開発,土木学会第 69 回年次講演会,

pp37-38, 2014.

2) 小林勲ら:改訂版 建設工事における濁水・泥水の処理工法, 鹿島出版会, pp55-73, 1995.

細管流速

(m/s)

太管流速

(m/s)

PAC濃度

(mg/L)

高分子濃度

(mg/L)

ケース① 5.3 1.4 300 2

ケース② 5.3 1.4 100 2

ケース③ 2.6 0.7 300 2

ケース④ 2.6 0.7 100 2

度(NTU

時 間(mg/L)

1 10 100 1000 10000

0 10 20 30

2.6m/s(PAC100) 5.3m/s(PAC100) 2.6m/s(PAC300)

5.3m/s(PAC300) 度(NTU

時 間(mg/L 1

10 100 1000

0 10 20 30

2.6m/s(PAC100) 5.3m/s(PAC100) 2.6m/s(PAC300) 5.3m/s(PAC300) ユニットハウス

(試験室)

貯水槽

②原水槽

貯泥槽 発電機

④沈殿槽 高分子

注入機 PAC

注入機

⑤処理水放流

③本装置

汚泥搬出

①取水

y = 1.152x - 4.7535 R² = 0.999

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

0 2000 4000 6000 8000 10000 濁 度(NTU

SS(mg/L

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1766‑

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