LNG 関連情報 1. 新パナマ運河開通、大型 LNG 船通航によりアジアへの LNG 輸送時間短縮 (2) 2. 米エネルギー情報局、新パナマ運河の米 LNG 輸出への影響を分析 (3) 3. 米 LNG 輸出開始——シェニエール・エナジーの LNG 事業アップデート (4) Sabine Pass 液化プロジェクト Corpus Christi 液化プロジェクト シェニエール・マーケティング
Sabine Pass Liquefaction LLC から輸出された LNG Sabine Pass からの LNG 輸出に使用された LNG 船 天然ガス/LNG 単位換算(参考) 4. カーニバル社、持続可能性レポートで LNG 燃料化ビジョンを提示 (7) 造船産業関連情報 5. NASSCO、APT 向け Eco 級タンカーを引渡し (8) 6. Philly 造船所、4 隻目のプロダクトタンカーを Crowley に引渡し (9) バラスト水規制関連情報 7. USCG 関係者、バラスト水処理装置型式承認検査機関を視察 (10)
2016-08
August 2016 Issue
Japan Ship Centre (JETRO)
LNG 関連情報
新パナマ運河開通、大型LNG 船通航によりアジアへの LNG 輸送時間短縮
2016 年 7 月 25 日にパナマ運河の拡張された閘門をはじめて LNG 船が通航した。シェルがチ ャーターした全長 289 メートル、幅 45 メートル、161,870 ㎥の LNG 船
Maran Gas
Apollonia
は米国メキシコ湾の Sabine Pass LNG ターミナルを出航、新パナマ運河を通航してアジアに向かった。 パナマ運河庁によれば、世界の LNG 船腹の 90%が拡張された運河の通航が可能であり、世 界の LNG 荷動きに大きな影響を与える。 米国は今後 5 年間に世界最大級の LNG 輸出国に成長するとされている。新パナマ運河の開 通により、米国の東海岸及びメキシコ湾からアジアに向かう船舶は、最大往復で 22.8 日の 航行時間の短縮が可能となり、アジア市場への米国 LNG 輸送の競争力は向上する。また、 メキシコ湾から南米西海岸へ向かう船舶にとっても航行時間は大幅に短縮される。 さらに、トリニダード・トバゴの LNG プラントからチリの再ガス化ターミナルへ LNG 輸出 が可能となる。この航路の場合、マジェラン海峡経由ルートと比べて 6.3 日の短縮となる。 パナマ運河庁はパナマ運河を往復通航する LNG 船に対して、60 日以内に復路で運河を通航 する場合のバラスト料金を減額する措置を取っている。
Photo Courtesy of Panama Canal Agency
Japan Ship Centre (JETRO)
米エネルギー情報局、新パナマ運河の米LNG 輸出への影響を分析 EIA(エネルギー情報局)は新パナマ運河開通が米国メキシコ湾岸からの LNG 輸出に与える 影響を分析した。 拡張後のパナマ運河を通航することのできる最大型就航 LNG 船の積載能力は 177,630 ㎥で ある。拡張により世界の就航 LNG 船の 90%がパナマ運河通航可能となった。拡張前は最大 積載能力約 32,000 ㎥の小型 LNG タンカー30 隻ほど(就航 LNG 船の 6%)しか通航できなか った。パナマ運河拡張により、米国メキシコ湾岸からアジアの主要市場までの LNG 輸送所 要時間と輸送コストが減少し、これまで地域単位であった LNG 市場に新たにアクセスが可 能となった。 新閘門により通航可能な船舶の幅を 109 フィートから 180 フィートに拡大された。新閘門 を通航できないのはカタールからの LNG 輸出に使用されている最大級の LNG である Q-Flex (206,000-216,000 ㎥)と Q-Max タンカー(267,335 ㎥)45 隻のみとなった。 パナマ運河通航により米国メキシコ湾岸から北アジアへの LNG 輸送所要時間が大幅に短縮 される。北アジアの 4 カ国、日本、韓国、中国、台湾は世界の LNG 輸入のほぼ 3 分の 2 を 占めている。米国メキシコ湾岸から日本までの所要時間はパナマ運河を経由することによ り 20 日に短縮される。これに対してアフリカ南端を回る航路では 34 日、スエズ運河経由 では 31 日である。韓国、中国、台湾への所要時間もまたパナマ運河通航により短縮される。 パナマ運河の拡張により、米国メキシコ湾岸から南米への所要時間も、チリの再ガス化タ ーミナルまで 20 日かかっていたのが 8〜9 日に、コロンビアとエクアドルで建設が期待さ れているターミナルまでは 25 日かかっていたのが 5 日に短縮される。出典: U.S. Energy Information Administration calculations based on HIS and other sources.
注: Sabine Pass 液化ターミナルから平均速力 19.5 ノット。パナマ運河、スエズ運河の通航所要時間を 1 日として計算
北アジアよりも西方のインドやパキスタン市場については、パナマ運河通航による所要時 間はスエズ運河通航またはアフリカ南端を回る航路よりも長くなる。
所要時間の短縮に加えて、パナマ運河通航により輸送コストも低減される。パナマ運河庁 は LNG 船の通航、特に往復利用を奨励するために LNG 船向けの新たな通航料体系を導入し
Japan Ship Centre (JETRO)
た。平均的な 160,000 ㎥ LNG 船のパナマ運河通航料は往復で 100 万 BTU(MMBTU)当たり 0.20 ドルであり、北アジア諸国への往復コストの約 9〜12%を占める。 HIS のデータに基づくと、米国メキシコ湾岸からパナマ運河を経由して北アジア諸国までの 往復輸送コストはスエズ運河経由コストよりも MMBTU 当たり 0.30〜0.80 ドル低く、アフリ カ南端を回る航路と比べて MMBTU 当たり 0.20〜0.70 ドル低い。パナマ運河通航により日本、 韓国、台湾、中国のような北アジア諸国への輸送コストは低減する。東南アジア諸国(マ レーシア、タイ、インドネシア、シンガポール)については、輸送所要時間により僅かに 低減することも考えられる。インド、パキスタン、中東への米国 LNG 輸出はスエズ運経由 またはアフリカ南端を回る航路の方が輸送コスト低いことから、パナマ運河を通航は見込 めない。出典:U.S.Energy Information Administration calculations based on HIS and trade press 注:パナマ運河通航隻数は拡張閘門を通航可能な最大型船を前提にして計算 現在、米国で稼働中または建設中の LNG プラントの液化能力は日量 92 億立方フィート (Bcf/d)である。2020 年までに米国はオーストラリア、カタールに次いで世界第 3 位の LNG 生産国となる。米国の液化能力のうち 4.0Bcf/d 以上についてアジア市場と長期(20 年) 契約が結ばれており、うち 3.2Bcf/d は日本、韓国、インドネシア向けとなっている。 さらに米国で現在建造中の 2.9Bcf/d について様々な国と長期契約が結ばれている。仕向け 地変更を認める契約により、これらの LNG は世界中のあらゆる市場に仕向けられる可能性 がある。成約数量のすべてがパナマ運河を通航すると仮定すると、EIA は 2021 年までに年 間 550 隻、1 日 1〜2 隻の LNG 船がパナマ運河を通航すると推定している。 米LNG 輸出開始——シェニエール・エナジーの LNG 事業アップデート 2016 年 2 月 24 日にシェニエール・エナジーがルイジアナ州に開発している Sabine Pass タ ーミナルから最初の試運転カーゴが LNG 船
Asia Vision
に積み込まれてブラジルに輸出さ れ、米国シェールガス由来の LNG 輸出が現実のものとなった。 Sabine Pass 液化プロジェクトJapan Ship Centre (JETRO)
シェニエール・エナジーの Sabine Pass 液化プロジェクトは合計 6 トレイン、総液化能力 27mtpa を目標としている。5 月 26 日にはトレイン 1 が実質的完成(Substantial Completion:工事が契約書に基づいて十分に完成しており、工事発注者が意図したようにプ ラントが使用できることを示す)を達成した、6 月 23 日までに Sabine Pass ターミナルか ら 15 カーゴが輸出されている。カーゴの仕向け先にはブラジル、アルゼンチン、ポルトガ ル、アラブ首長国連邦、クエート、インドが含まれた。完工保証は 2016 年 12 月となっており、売買契約を結んでいる BG Gulf Coast LNG(Shell が買収)への最初の受渡し日(DFCD)は 2016 年 11 月の予定である。BG との契約は 20 年間 のテイクオアペイ契約であり、LNG コストはヘンリーハブ価格の 115%、これに百万 Btu あ たり 2.25〜3.00 ドルの定額料金が加算される。BG はトレイン 1 から年間 182.5TBtu を購入 し、トレイン 2、3、4 の完成に従って、それぞれ年間 36,500,000MMBtu、34,000,000MMBtu、 33,500,000MMBtu の購入契約を結んでいる。
現在、Sabine Pass ターミナルではトレイン 2〜5 の建設工事が進行中である。EPC 契約は 完成引渡し一括払いでベクテル社が受注しており、トレイン 1&2 の EPC 契約価格は 41 億ド ル、トレイン 3&4 は 38 億ドル、トレイン 5 は 30 億ドルとされている。トレイン 6 につい ては建設運転許可を取得しているが、LNG 売買契約が確定しておらず、最終投資決定(FID) には至っていない。
トレイン 2 は現時点で 2016 年 9 月に実質的完成が見込まれている。完工保証は 2017 年 9 月となっている。トレイン 2 についてはスペインの Gas Natural Fenosa が年間 152.50TBtu を 20 年間引き取るテイクオアペイ契約を結んでいる。 第二期工事として 2013 年に着工したトレイン 3 は実質的完成が 2017 年 4 月に見込まれて おり、完工保証は 2017 年 6 月、韓国の KOGAS が年間 182.50TBtu を引き取る 20 年間のテイ クオアペイ契約を結んでいる。トレイン 4 の実質的完成は 2017 年 8 月に見込まれており、 完工保証は 2018 年 3 月、インドの GAIL が 182.50TBtu を 20 年間引き取るテイクオアペイ 契約を結んでいる。 トレイン 5 と 6 は第三期工事であり、2015 年にトレイン 5 の建設が開始された。実質的完 成は 2019 年 8 月と想定されており、完工保証は 2019 年 12 月である。Total Gas & Power N.A.が 104.75Tbtu(年間 91,250,000MMBtu、季節的 13,400,000MMBtu)、Centrica が 91.25TBtu を引き取る 20 年間のテイクオアペイ契約を結んでいる。 Sabine Pass ターミナルは 2 隻 LNG 船の停船位置(バース)と専用タグ 4 隻を備えている。 LNG 貯蔵用タンク 5 基は天然ガス最大 170 億立方フィートに相当する LNG の貯蔵能力があり、 プラントには日量 54 億立方フィートのパイプラインが接続されている。 Corpus Christi 液化プロジェクト Corpus Christi ターミナルは合計 5 トレイン、LNG 船 2 隻のバース、LNG 貯蔵タンク 4 基で 構成される予定である。 第一期工事としてトレイン 1〜2 の建設が進行中である。EPC 契約はベクテル社が 76 億ドル で受注している。トレイン 1 の実質的完成は 2019 年 2 月に予定されており、完成保証は 2019 年 10 月である。インドネシアの Pertamina、スペインの Endesa、Iberdrola が 20 年 間のテイクオアペイ契約を結んでいる。LNG コストはヘンリーハブの 115%、これに百万 Btu あたり 3.50 ドルの確定料金が加算される。
Japan Ship Centre (JETRO)
トレイン 2 の実質的完成は 2019 年 6 月に想定されており、完成保証は 2020 年 7 月となっ ている。トレイン 2 については、Pertamina、Iberdrola、Gas Natural Fenosa、Woodside Energy Trading、フランスの EDF と 20 年間のテイクオアペイ契約を締結している。 トレイン 3 についてはポルトガルの EDP と 40TBtu(0.8mtpa)の 20 年間のテイクオアペイ 契約を締結している。建設運転許可は取得済みであるが、最終投資決定に至るためにはさ らなる売買契約の確保と資金調達が必要とされる。 トレイン 4〜5 については、建設運転許可申請のプロセスが 2015 年 6 月に開始された。 シェニエール・マーケティング シェニエールの LNG ターミナルで生産される LNG のうち、第三者に対する売買契約が成立 していない数量についてはシェニエール・マーケティング社と売買契約が結ばれている。 長期売買契約が確定している数量は銘板生産能力の約 87%である。試運転期間中に生産さ れる LNG についてもシェニエール・マーケティング社がターミナルから買取る。シェニエ ール・マーケティング社は最大 9mtpa の LNG の取り扱いを想定している。 シェニエール・マーケティング社はこれを短期、中期、長期契約で FOB または DAT ベース で販売することになっており、Sabine Pass 及び Corpus Christi ターミナルで生産される LNG の売買契約を顧客に合わせて柔軟にカスタマイズすることが可能である。 FOB ベースにも DAT ベースにも対応するために、シェニエール・マーティング社は LNG 船を チャーターしている。同社はロンドン、ヒューストン、ワシントン、サンチアゴ、シンガ ポールにスタッフを置いている。 同社は 2014 年と 2015 年に 2016〜2018 年引渡し 42 カーゴの売買契約(ヘンリーハブ価格 プラス定額料金)を確保しており、これにより 2018 年までに発生する同社引き取り分 LNG の大部分がすでに売却されていることになる。フランスの電力大手 EDF は 2016〜2019 年ま でに 42 カーゴを TTF 連結価格、DAT(ターミナル持ち込み渡し)ベースで買い取る契約を 結んでいる。フランスの ENGIE は 2016〜2013 年まで年間 12 カーゴを DAT で買い取る契約 を結んでいる。 長期契約としては、チリの El Campesino の火力発電プラントに 2019 年から 20 年間年間最 大 9 カーゴを供給する基本合意に達している。正式契約は El Campasino の発電所建設の最 終投資決定待ちとなっているが、実現すればシェニエール・マーケティング社が買い取る ことになっている 7 トレインからの LNG 総量の最大 17%を占めることになる。 加えてシェニエール・マーケティング社はシェニエールを LNG 供給源とする新たな LNG 市 場開発を支援するための投資を検討している。
Sabine Pass Liquefaction LLC から輸出された LNG (6 月末日)
出航日 仕向国 LNG 船 輸出量(Mcf) $/MMBtu
2016 年 2 月 24 日 ブラジル Asia Vision 1,993,109 $3.35 [S][C][*]
2016 年 3 月 15 日 インド Clean Ocean 2,843,575 $3.77 [S][C][*]
2016 年 3 月 26 日 ブラジル Gaslog Salem 3,270,357 $3.62 [S][C]
2016 年 3 月 28 日 U.A.E. Energy Atlantic 3,391,066 $3.95 [S][C]
2016 年 4 月 8 日 アルゼンチン Stena Clear Sky 3,128,032 $4.10 [S][C]
2016 年 4 月 15 日 ポルトガル Creole Spirit 3,700,091 $3.41 [S][C]
2016 年 4 月 25 日 アルゼンチン Gaslog Salem 3,181,993 $3.87 [S][C]
2016 年 5 月 10 日 クウェート Creole Spirit 3,609,595 $3.12 [S][C]
2016 年 5 月 16 日 チリ Gaslog Shanghai 3,107,118 $4.54 [S]
Japan Ship Centre (JETRO)
2016 年 6 月 3 日 アルゼンチン Maran Gas Sparta 3,134,927 $4.51 [S]
2016 年 6 月 10 日 アルゼンチン Maran Gas Delphi 1,890,696 $4.51 [S]
2016 年 6 月 13 日 アルゼンチン Maran Gas
Apollonia
3,134,966 $4.51 [S]
2016 年 6 月 23 日 インド SCF Mitre 3,617,006 $4.51 [S]
2016 年 6 月 10 日 チリ Maran Gas Delphi 1,509,551 $4.51 [S]
2016 年 6 月 20 日 チリ Clean Energy 3,133,578 $4.51 [S] [S]スポット [C]試運転カーゴ [*]スプリットカーゴ 価格は輸出ポイントにおけるもの LNG 輸出量はガス(気体)容積 Sabine Pass からの LNG 輸出に使用された LNG 船 船名 建造年 造船所 ㎥ 船主 管理会社
Asia Vision 2014 サムスン 160,000 Chevron Transport Chevron Transport
Clean Ocean 2014 現代重工 161,881 Dynagas Dynagas
Gaslog Salem 2015 サムスン 155,000 Gaslog Gaslog LNG Services
Energy Atlantic 2015 STX 造船 (Jinhae) 159,924 Alpha Taners & Frt Alpha Taners & Frt
Stena Clear Sky 2011 DSME 173,593 Stena Bulk Northern Marine
Mngt
Creole Spirit 2016 DSME 174,000 Teekay
Gaslog Shanghai 2013 サムスン 155,000 Gaslog Gaslog LNG Services
Valencia Knutsen 2010 DSME 173,400 Knutsen OAS Shipping Knutsen OAS
Shipping
Maran Gas Sparta 2015 現代三湖重工 161,870 Maran Gas Maritime Maran Gas Maritime
Maran Gas Delphi 2014 DSME 159,800 Maran Nakilat Maran Nakilat
Maran Gas Apollonia
2914 現代三湖重工 161,870 Maran Nakilat Maran Nakilat
SCF Mitre 2015 STX 造船 (Jinhae) 170,200 Sovcomflot JSC Unicom Mngt
Clean Energy 2007 現代重工 149,700 Dynagas LNG Dynagas LNG
天然ガス/LNG 単位換算(参考) LNG の量は 1)原料ガス(気体)の体積、2)LNG(液体)の容積、3)LNG(液体)重量、4) 熱量で表され、出所により換算に使用する係数が異なるため、数字にばらつきが出る場合 がある。 参考までに、GIIGNL(国際 LNG 輸入者協会)の換算表を以下に示す。 t (液体) ㎥(液体) (1) ㎥(ガス) (2) ft3(ガス) (2) scf(ガス) (3) MMBtu t(液体) 2.21 1.27x10-3 44.96 47.53 51.02 ㎥(液体)(1) 0.45 571.0 20.17 21.31 23.12 ㎥(ガス)(2) 7.85 x 10 -4 1.75x10-3 3.53 x 10-2 3.73 x 10-2 37.33 ft3(ガス) (2) 2.22 x 10 -8 4.96 x 10-5 2.83 x 10-2 1.05 1.15 x 10 -3 scf(ガス)(3) 2.10 x 10 -8 4.69 x 10-5 2.68 x 10-2 9.48 x 10-1 1.09 x 10 -3 MMBtu 1.96 x 10 -2 4.33 x 10-2 24.69 872.2 920.1 (1) ISO 6578 [T=-160℃]に基づいて計算
Japan Ship Centre (JETRO)
(2)ISO 6976 [0℃/0℃,1.01325 bar]に基づいて計算 (3)標準状態[15℃/15℃,1.01325 bar]に基づいて計算 カーニバル社、持続可能性レポートでLNG 燃料化ビジョンを提示 大手クルーズ会社であるカーニバル社は同社の持続可能性(Sustainability)レポートで 船舶からの大気への環境負荷を軽減するためにクルーズ船隊の LNG 燃料化に目を向けてい ることを表明している。同社はビジョンとして「LNG の環境上の利益と最近の規制上の及び サプライチェーン要素における変化を考え合わせると、世界初の LNG 燃料クルーズ船建造 に有利な条件がすべて揃っている」としている。 カーニバル社は 2015 年に LNG ハイブリッドバージによる停泊時の電力供給パイロットプロ ジェクトをハンブルグ港で開始した。現在は 2 隻のクルーズ船に二元燃料エンジンが搭載 されており、停泊中にトラックから直接 LNG の供給を受けている。 カーニバル社は LNG 焚きエンジンを搭載した新型クルーズ船 4 隻を建造中であり、第 1 船 は 2018 年に就航が予定されている。これらの船舶は二元燃料、中速、4 ストロークエンジ ンを搭載し、14 日間 LNG の再補給の必要なしに運航することができる。 LNG 焚きクルーズ船はカーニバル社の LNG 燃料の供給インフラ整備が進みつつある欧州ブラ ンドで導入される。米国ではインフラ整備が始まったばかりであり、例えば南フロリダで は舶用 LNG 燃料供給体制が整っていない。今後、様々なステークホルダーとのパートナー シップにより供給体制を整備することが重要である。 カーニバル社は 2015 年に 10 項目の省エネ・環境保護目標を策定した。持続可能性レポー トでは 4 つの項目で次のような成果があったとされている。 • 2005 年のベースラインと比べて二酸化炭素排出量を 23.4%削減 • SOx 及び PM 排出量削減を目的として全クルーズ船隊の 41%に排気ガス清浄装置を搭 載した。 • LNG 燃料焚きクルーズ船の建造を発注、停泊時に LNG ハイブリッドバージによる給 電を受けるクルーズ船を発注。 • 先進的排水浄化システム(AWWPS)全船搭載イニシアティブで 10%の目標に順調に 向かっている。 造船産業関連情報 NASSCO、APT 向け Eco 級タンカーを引渡しジェネラルダイナミクス傘下の NASSCO 造船所は American Petroleum Tankers(APT)向け ECO 級タンカーGarden State を引渡した。これは昨年 6 月以来 NASSCO が引渡した 3 隻目の ECO 級タンカーである。
ここ 1 年間に NASSCO は 7 隻を引渡した。これは鋼材重量にして 10 万トンに相当する。7 隻 のうち 3 隻はそれぞれ世界初の LNG 焚きコンテナ船、米国海軍の ESB 艦、米国で最も燃料 効率の高いプロダクトタンカーのリードシップ(第一船)であった。
Japan Ship Centre (JETRO)
NASSCO はまた ECO 級プロダクトタンカー4 隻を引渡した。うち 3 隻は APT 向け、1 隻は SEA-Vista LLC と SEACOR Holdings, Inc.の合弁事業向けであった。新しい ECO 級設計の 330,000 バレルタンカーは燃料効率が 33%向上している。NASSCO は現在さらに 4 隻のタン カーを建造中である。
昨年 6 月に NASSCO は米国海軍に MLP プログラムの一環である ESB(遠征用海上基地)のリ ードシップを引渡している。Lewis B. Puller は 52,000 平方フィートの発着甲板を有し、 最大 250 人の宿泊施設を備えている。本船はまた MH-53 及び MH-60 ヘリコプターを支援す るように設計されている。NASSCO は現在 2 隻目の ESB である Hershel “Woody” Williams を建造中であり、2016 年 8 月に起工式が実施された。NASSCO は 3 隻目の ESB 建造を受注し ている。
Photo: NASSCO Press Release
Philly 造船所、4 隻目のプロダクトタンカーを Crowley に引渡し
ノルウェー資本の米国造船所である Philly Shipyard, Inc.(PSI)は Crowley Maritime Corporation 向けに 4 隻を連続建造していた 50,000dwt プロダクトタンカーの最終船である
West Virginia
を引渡した。本船は契約引渡し期日に 2 週間先だって引き渡された。 本船は Philly 造船所(旧称 Aker フィラデルフィア造船所)が建造した 24 隻目の船舶であ る。50,000dwt プロダクトタンカーは現代尾浦造船の設計に基づいており、数々の燃料効率 向上仕様、フレキシブルな貨物能力、そして最新の規則要件を組み入れている。本船はま た ABS から LNG 焚き換装対応レベル 1 の承認を取得している。全長 600 フィートの本船は 原油または石油精製品 1,450 万ガロンの積載能力を有する。West Virginia
は竣工と同時に Crowley とのジョイントベンチャーにおける Philly 造船所持分を Marathon Petroleum Corporation の子会社に売却した。
Philly 造船所はすでに Kinder Morgan, Inc.の子会社向けの 50,000dwt タンカー4 隻と Matson Navigation Company, Inc.向けの 2 隻のコンテナ船の建造に取り掛かっている。 Philly 造船所手持ち工事(2016 年 8 月)