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記者発表資料 東海地震に係る被害想定の検討状況について (地震の揺れ等による建物被害、人的被害等) 平成14年8月29日 中央防災会議「東海地震対策専門調査会」 事務局(内閣府(防災担当))  東海地震に係る被害想定について、地震の揺れ及び液状化による建物被害、これによる人的 被害等の試算結果がとりまとまった。被害想定全体については、中央防災会議「東海地震対策 専門調査会」(座長:岡田恒男芝浦工業大学教授)で本年中を目途に検討を進めているところ であるが、揺れによる建物被害等は防災対策検討の基礎となることから、各項目に先立ち、去 る8月9日の同専門調査会において検討した。この検討を踏まえ、さらなる修正及び関係県等 との確認を行い今回結果がとりまとまった。  なお、実際の地震による被害は、建物についても津波、火災、斜面崩壊等による被害がある ほか、建物だけでなく各種構造物等の被害も想定される。これらについては、本年中を目途に 同専門調査会において検討を行う予定である。 1. 被害想定の基礎となる震度分布について  東海地震に関する専門調査会」(平成13年1月∼12月)では、強化地域の見直しが主 眼であったため、その判断基礎となる震度6弱以上の領域を出すべく、経験的手法と強 震波形計算による手法の二通りの手法で強震動の検討を行った。震度6強や震度7とな る大きな揺れの領域については、この段階では必要でなかったこともあり、震源域の直 上や近傍の再現性も含め、今後の検討課題とされていた。  今般、被害想定を実施し、必要な防災対策を検討するためには、震度6強、震度7の 分布は重要な要素となる。このため、震源域直上や近傍における強震動計算の手法及び 地盤等の非線形性について分析し、過去の実際の地震との整合性も確認し、震度6強や 震度7の大きな揺れになる強震動の計算手法の修正・改良等により、想定震度分布の検 討を行った。 (資料1) 資料1−1 資料1−2 資料1−3 資料1−4 資料1−5 2. 揺れ及び液状化による建物被害及び人的被害について http://www.bousai.go.jp/oshirase/h14/020830kisya.html (1/5) [2002/09/05 11:31:59]

(2)

 地震は様々なパターンで発生するものであるため、強化地域の検討の場合と同様に、 建物被害等を算出するにあたっても、東海地震として想定されるモデルとして「東海地 震に関する専門調査会」の検討より採用してきた「応力降下量一定モデル」と「変位量 一定モデル」の2つのモデルで、さらにそれぞれ2通りの破壊開始点(西側、中央)を 想定し、計4ケースを対象に被害を試算した。 (1)揺れ及び液状化による建物被害について ①揺れによる建物被害について  建物の全壊数の検討に当たっては、木造建物と非木造建物とに分けて、それぞ れ阪神・淡路大震災等過去の地震被害における震度と建物被害との関係から、建 物全壊棟数を算出した。木造建物については、建築年次別(昭和37年以前、昭 和38年∼昭和55年、昭和56年以降)の被害率のデータが整理できることから3区 分し、震度と建物全壊率との関係を求めた(資料2)。その結果を用いた建物被 害数の分布を資料3,資料4に示す。 ②液状化による建物被害について 液状化による建物被害の算出にあたっては、通常の被害想定で実施しているよう に、まず、各メッシュにおけるボーリングデータ又は微地形区分からメッシュ毎 の液状化危険度(PL値)を算出するとともに、新潟地震における事例をもとに 液状化現象が各液状化危険度毎でどの程度発生するかを求めた(資料5)。次 に、関東大震災、新潟地震等の被害実例をもとに、液状化が発生した場合の建物 全壊率(木造、非木造)を設定し、これにより建物被害数を求めた。 以上をもとに、揺れによる被害と液状化による被害の重複を調整し、揺れと液状 化による建物被害を算出した。 ○地震動による建物全壊棟数 地震発生モデル 破壊開始点 木造 非木造 合計 応力降下量一定(S1) 中央 約171,500棟 約33,800棟 約205,300棟 変位量一定(D1) 中央 約151,400棟 約29,000棟 約180,400棟 応力降下量一定(S2) 西側 約158,900棟 約31,100棟 約190,000棟 変位量一定(D2) 西側 約138,300棟 約26,200棟 約164,500棟 ○液状化による建物全壊棟数 地震発生モデル 破壊開始点 木造 非木造 合計 応力降下量一定(S1) 中央 約22,400棟 約3,600棟 約26,000棟 変位量一定(D1) 中央 約21,300棟 約3,200棟 約24,500棟 応力降下量一定(S2) 西側 約19,700棟 約3,100棟 約22,800棟 変位量一定(D2) 西側 約18,700棟 約2,700棟 約21,400棟 http://www.bousai.go.jp/oshirase/h14/020830kisya.html (2/5) [2002/09/05 11:31:59]

(3)

○地震の揺れと液状化による建物全壊棟数(地震動、液状化合計) 地震発生モデル 破壊開始点 木造 非木造 合計 応力降下量一定(S1) 中央 約193,900棟 約37,400棟 約231,400棟 変位量一定(D1) 中央 約172,700棟 約32,200棟 約204,900棟 応力降下量一定(S2) 西側 約178,600棟 約34,200棟 約212,800棟 変位量一定(D2) 西側 約156,900棟 約28,900棟 約185,800棟 ※ Sモデル:強い揺れの範囲が比較的西側の地域に現れる ※ Dモデル:強い揺れの範囲が比較的東側の地域に現れる 2. (2)揺れ及び液状化による建物被害に係る人的被害(死者)について  人的被害については、阪神・淡路大震災等過去の建物全壊数と死者数との関係 をもとに、人的被害(死者)を算出した。  次に、地震発生時間を考慮した滞留場所別の人口を求め、これをもとに人的被 害を推計した。夜は夜間人口を、昼間は昼間人口を基にし、その間はパーソント リップ調査のデータを用いて時間別の滞留者数を求めて人的被害(死者)を算出 した。  なお、液状化による被害に関しては、一般的に近年ほとんど死者が発生してい ないとされていることから、静岡県第3次被害想定等と同様に人的被害(死者) はないものとした。 ○建物全壊による死者数(予知情報なしの場合) 地震発生モデル 地震発 生時刻 木 造 非木造 合 計 応力降下量一定 (S1) 5時 12時 18時 約7,800人 約3,700人 約3,600人 約300人 約400人 約400人 約8,100人 約4,100人 約4,000人 変位量一定 (D1) 5時 12時 18時 約6,900人 約3,300人 約3,200人 約200人 約400人 約300人 約7,100人 約3,600人 約3,600人 (参考)建物被害による死者数(予知情報ありの場合)  予知ありの場合の建物全壊による死者数については、静岡県第3次被害想定と同じ手法(静 岡県が実施した「東海地震についての県民意識調査」により警戒宣言時に適切な対処ができる 人の割合(73.9%)は被災しないものと仮定)で算出すると、以下のような数値となるが、今 後さらに精査する予定。  ・応力降下量一定モデル(S1)の朝5時では、約2,100人  ・変位量一定モデル(D1)の朝5時では、約1,800人 http://www.bousai.go.jp/oshirase/h14/020830kisya.html (3/5) [2002/09/05 11:31:59]

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<問い合わせ先> 内閣府  地震・火山対策担当  電話:3501−5 693 担 当: 参 事 官  布村 明彦 担 当: 参事官補佐  筒井 智紀 警戒宣言による経済的影響について 平成14年8月29日 内閣府(防災担当) (1)検討の背景等  地震予知情報による警戒宣言により、各種生産活動等が直接的に制約を受けるほか、交通等 の停止による人・物の流通が制約を受けたことにより影響を受けると考えられる。また、これ らの影響が他の産業に連関して影響を及ぼすことも考えられる。  東海地震対策専門調査会で種々の角度から東海地震対策のあり方を検討するに当たり、その 基礎資料とするため、現行制度や計画での警戒宣言時の経済損失について内閣府で試算を行っ た。  また、今後の新たな東海地震対策の検討結果を踏まえ、新制度・計画における警戒宣言時の 経済損失についての想定も行う予定である。 なお、昨年行われた静岡県第3次被害想定においてもそうであるように、警戒宣言による地震 発生前の準備行動により、経済被害の軽減効果があると考えられ、そのような軽減効果につい ても試算することとしている。 (2)検討の方法   ①産業連関表上詳細な分類である27業種について、分析を行った。   ②大きく分けて、以下のような経済的影響を試算した。 a.強化地域内外の産業停止による影響  警戒宣言発令時には、強化地域内の産業が停止するとして、産業停止割合を産業別に設 定し試算を行う。  強化地域外については、周辺地域の県等が地域防災計画等で定める警戒宣言発令時の規 定を基に、関係事業者からのヒアリングも踏まえ、産業に与える影響を定量的に推測し た。 b.交通の寸断による影響  高速道路等については、貨物車両は業務目的の物流、乗用車両については業務目的以外 の人流として取り扱い、それらの損失額を算出。    新幹線等については、人流とし て取り扱い、業務目的とそれ以外に区分して試算。 c.上記の波及による影響  直接経済損失額を基に産業連関分析を行い、波及額を算出。 http://www.bousai.go.jp/oshirase/h14/020830kisya.html (4/5) [2002/09/05 11:31:59]

(5)

  ③実質的な経済的影響と見かけの経済的影響の2種類について試算した。 a.実質的な経済的影響  製造業の一部や建設業等では、長期的には受注量が減少しなければ生産調整が図られ損 失はあまり生じない。通常においても、製造業における連休時の休業や建設業における悪 天候時の休業等があり、それらと同様にみることができる産業もある。このため、各業種 についてヒアリング等を行い確認し、そうした状況も加味した実際的な影響について算出 した。 b.見かけの経済的影響  ガス、水道などのインフラ産業以外すべての産業について、停止するとした場合の影響 全額を整理。計算上の経済的影響とは言えるが、実質的にはa.のようになると想定され る。   ④今回の試算では、最も経済的影響が出るように平日を想定した。また、数値については     警戒宣言が3日間続いた場合の1日あたりの影響として算出している。 (3)試算結果 警戒宣言時の経済的影響額(1日あたり) (単位:億円)   実質的経済 影響額(a) 見かけの経済 影響額(b) 産業停止による損失額       強化地域内産業停止    875    2002 周辺地域産業停止     87     87 交通・物流の寸断による損失額       高速道路等     92     97   迂回による時間損失     91     91 消費機会損失     1      6 新幹線等     50     59   交通代替による損失     1      1 生産機会・消費機会損失     49       58   直接損失額(上記の計)    1103    2244 波及額 (関係する地域や業種への波及)    598    1207 合 計    1700    3451 参考資料 資料 資料1 資料2 (1) (2) (3) (4) (5) 資料3 http://www.bousai.go.jp/oshirase/h14/020830kisya.html (5/5) [2002/09/05 11:31:59]

(6)

応力降下量一定(S1)モデル震度分布図

(7)

変位量一定(D1)モデル震度分布図

(8)

応力降下量一定(S2)モデル震度分布図

(9)

変位量一定(D2)モデル震度分布図

(10)

震度分布(S1,D1,S2,D2 の最大値をとったもの)

(11)

■震度と建物全壊率との関係

木造建物全壊率 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 5 5.2 5.4 5.6 5.8 6 6.2 6.4 6.6 6.8 7 西宮市のプロット  赤:旧築年(S35以前)  緑:中築年(S36∼S55)  青:新築年(S56以降) 旧築年中間値 中築年中間値 新築年中間値 紫:米子市・境港市・呉市のプロット 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 5 5.2 5.4 5.6 5.8 6 6.2 6.4 6.6 6.8 7 S45年以前 全てのサンプル S46年以降 全てのサンプル S45年以前 母数30以上のサンプル S46年以降 母数50以上のサンプル  下限値  中間値  上限値 上限値 下限値

木造建物全壊率

非木造建物全壊率

(資料2)

(12)

■応力降下量一定(S1)モデルの地震動による建物被害の分布

①木造建物全壊棟数

②非木造建物全壊棟数

(棟)

(棟)

(資料3)

(13)

③木造建物倒壊数と非木造建物倒壊数の和

<応力降下量一定(S1)モデル>

(14)

■変位量一定(D1)モデルの地震動による建物被害の分布

①木造建物全壊棟数

②非木造建物全壊棟数

(棟)

(棟)

(資料4)

(15)

③木造建物倒壊数と非木造建物倒壊数の和

<変位量一定(D1)モデル>

(16)

■液状化可能性

応力降下量一定

(S1)モデルによる

変位量一定

(D1)モデルによる

(17)

東海地震に係る被害想定の検討状況について

参 考 資 料

Ⅰ.地震の揺れ等による建物被害、人的被害

Ⅱ.警戒宣言時の経済的影響

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Ⅰ.地震の揺れ等による建物被害、人的被害

1.東海地震に係る被害想定の目的と概要

東海地震の被害想定については、これまで各県別に実施されてきたが、想定手 法がバラバラであったり、広域的施設等の被害が計上されないなどの課題もあっ たことから、今回、中央防災会議「東海地震対策専門調査会」(座長:岡田恒男 芝浦工業大学教授)において全体をとらえて被害想定を実施することで、東海地 震に係る被害の大枠を把握し、主として広域的な防災対策に反映することを目的 とするものである。 被害想定全体については同専門調査会において検討中であるが、今回の揺れに よる建物被害及びこれに基づく人的被害等は、各種防災対策の基礎となるもので あることから、他の項目に先立ち検討を行ったもの。 なお、関係地方公共団体においても東海地震に係る被害想定が実施されること となるが、基本的な考え方や前提条件等は本被害想定と整合がとれることが望ま しいが、この被害想定をもとに各地方公共団体が防災対策を行うために必要とな るさらに詳細な被害想定を実施する必要がある。 (1)想定ケース 被害想定のケースについては、①建物被害の影響が最も大きいと考えられる 冬の朝5時(阪神・淡路大震災と同様のケース)、②職場等多くの人が自宅か ら離れている秋の昼12時(関東大震災と同様のケース)、及び、③火災の影 響が最も大きいと考えられる冬の夕方18時の3ケースとする。 (2)被害想定の主な手法について 今回の被害想定は、出来る限り被害を定量的に把握することとするが、広域 的な防災対策に反映することを目的としていることから、被害をマクロ的にと らえることを第一とし、それに見合った手法をとっている。 また、予知あり、なしに分けた想定を行うとともに、警戒宣言時の経済的な 影響についても定量的に把握するものとする。 なお、今後は、被害や対策の状況の時間的な推移による変化(シナリオ型被 害想定)についても検討することとしている。

(19)

2.被害想定の前提となる想定震度分布の検討

(1)これまでの検討状況 「東海地震に関する専門調査会」(座長:溝上恵東京大学名誉教授)では、強 化地域(震度6弱以上の地域)の指定が主眼であったため、その判断基礎とな る震度6弱以上の領域を出すべく、経験的手法と強震波形計算による手法の二 通りの手法で強震動の検討を行った。その結果、強化地域の検討の基となる震 度の分布については、強震波形計算による手法を基本とし、地震波が集中する 可能性がある谷や盆地構造が十分に反映されたものとなっていない可能性が ある北西部の伊那谷、諏訪等については、経験的手法による結果の震度6 弱の 地域の部分を重ねたものとするのが適当とした。 しかしながら、強震動の検討に最新技術である強震波形計算の手法を取り入 れたのは初めてのことであり、震度 6 強や震度 7 となる大きな揺れの領域につ いては、この段階では必要でなかったこともあり、震源域の直上や近傍の再現 性も含め、今後の検討課題とされた。 (2)被害想定の基となる震度分布について 震度 6 強や震度7が想定される地域は、これまでの強化地域の指定の検討に は直接関係しなかったが被害想定の実施等の必要な防災対策を検討するため には重要な要素となる。 このため、断層近傍における強震動計算の手法及び地盤等の非線形性につい て分析し、震度 6 強や震度 7 の大きな揺れになる強震動の計算手法の修正・改 良等により、想定震度分布の検討を行った。 (3)断層近傍の強震動計算手法の改善等 これまでの強震波形計算では、断層近傍も震源から離れた場所と同一の手法 で強震動を予測していたため、断層近傍の地震動が現実的な値の範囲を大きく 越える結果となっていた。ここでは、断層近傍の強震動について理論的分析を 行い、これを踏まえ、強震動計算手法の改善を行った。 ①断層近傍での地震動が飽和する効果の導入 震源断層の拡がりを考慮した理論的考察によれば、強震動スペクトルは、断 層半径と同程度となる距離より断層に近い場所では振幅の増大はない、即ち、 断層近傍では地震動は飽和した状態となる。強震波形計算は、想定断層を多数 の小さな断層に分割して計算しているが、これに当たってもこの効果が反映で きるよう計算式を改善した。

(20)

②工学的基盤で地震波が減衰する効果の導入 工学的基盤においても、大きな地震波が入力した場合には、小さな地震波に 比べて減衰が大きくなる特性(非線形性)を持つ。この減衰効果について分析 し、同等の効果が反映できるよう計算式を改善した。 ③表層地盤における地震波の増幅予測の経験的手法の導入 表層地盤の地質により、地震波が減衰する効果を持つモデルを導入していた が、震度6 強や震度 7 のような大きな地震波が入力した場合には、実際の揺れ よりも減衰が大きくなりすぎる結果となっていた。このため、モデルが適用で きる範囲で、工学的基盤から表層地盤までの地震波の増幅の程度を予測する新 たな経験式を求め、この経験式を基本に震度を推定する手法を導入した。 東海地震として想定されるモデルとして、「東海地震に関する専門調査会」 の検討より採用してきた「応力降下量一定モデル」と「変位量一定モデル」の 2つのモデルで、さらにそれぞれ2通りの破壊開始点(中央及び西側)を想定 し、計4ケースの震度分布を求めるとともに(資料1)、これら4ケースの最 大値についても震度分布を求めた。その結果、資料 2-1∼資料 2-5 のようなほ ぼ妥当な震度分布を得ることができた。

(21)

3.地震動等による建物被害の検討

地震動による建物被害等については、各種防災対策の基礎となることから、他 の想定項目に先立って評価を行った。 (1)地震動による建物被害 建物の倒壊数の検討に当たっては、木造建物と非木造建物とに分けて、それぞ れ、断層近傍の強震動の推定方式の改善等により震度6強及び震度7の領域を見 直した想定震度分布に基づき、阪神・淡路大震災等過去の地震被害における震度 と建物被害との関係から、建物全壊棟数を算出した。木造建築物については、建 築年次別(昭和 37 年以前、昭和 38 年∼昭和 55 年、昭和 56 年以降)の被害率 のデータが整理できることから3区分し、区分毎に震度と建物全壊率との関係を 求めた。また、非木造建築物については、建築年次による区分を行わず震度と建 物全壊率との関係を求めた。 木造建物全壊率 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 5 5.2 5.4 5.6 5.8 6 6.2 6.4 6.6 6.8 7 西宮市のプロット  赤:旧築年(S35以前)  緑:中築年(S36∼S55)  青:新築年(S56以降) 旧築年中間値 中築年中間値 新築年中間値 紫:米子市・境港市・呉市のプロット

(22)

(2)液状化による建物被害 液状化による建物被害の算出にあたっては、まず、各メッシュにおけるボーリ ングデータ又は微地形区分からメッシュ毎のPL値を算出し、これを基にランク 分けを行った(Aランク:15<PL値、Bランク:5<PL値≦15、Cラン ク: 0<PL値≦5)。次に、静岡県第3次被害想定でも採用しているように、関東 大震災、新潟地震等の被害実例をもとに、液状化が発生した場合の建物倒壊率を 以下のとおり設定した。 建築年次 S35 以前 S36 以降 全壊率 13.3% 9.6% また、新潟地震における事例をもとにした液状化ランク毎の液状化発生面積率 により、液状化現象が各メッシュでどの程度発生するかを求めた。 液状化ランク 液状化発生面積率 A(15<PL) B(5<PL≦15) C(0<PL≦5) 18% 5% 2% 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 5 5.2 5.4 5.6 5.8 6 6.2 6.4 6.6 6.8 7 S45年以前 全てのサンプル S46年以降 全てのサンプル S45年以前 母数30以上のサンプル S46年以降 母数50以上のサンプル  下限値  中間値  上限値 上限値 下限値

(23)

以上をもとに、以下の手順により液状化による建物全壊数を推計するとともに、 揺れによる建物全壊数との重複を排除し、建物被害を求めた。 メッシュ別(建物棟数)−(液状化による全壊棟数) メッシュ別全壊棟数(ダブルカウント除去済み) 市町村別全壊棟数(ダブルカウント除去済み) 揺れによる全壊棟数の割合

液状化推計フロー

メッシュ別液状化危険度ランク メッシュ別全壊棟数(ダブルカウント除去済み) 市町村別全壊棟数(ダブルカウント除去済み) ランクA ランクB ランクC以下 揺れによる全壊×82% 液状化による全壊×18% 揺れによる全壊×98% 液状化による全壊×2% 揺れによる全壊×95% 液状化による全壊×5%

(木造建物)

(非木造建物)

(24)

4.地震動による建物被害に基づく人的被害について

(1)人的被害の算出 人的被害については、阪神・淡路大震災等過去の建物全壊数と死者数との関 係をもとに、人的被害(死者)を算出した。 次に、発生時間を考慮した滞留場所別の人口を求め、これをもとに人的被害 を推計した。夜は夜間人口を、昼間は昼間人口を基にし、その間はパーソント リップ調査のデータを用いて時間別の滞留者数を求めた。そして、滞留場所が 木造建物か非木造建物であるかの割合を推計し、これによる人的被害(死者) を算出した。(資料3) なお、液状化による建物被害に関しては、一般的に近年殆ど死者が発生して いないとされていることから、静岡県第3次被害想定等と同様に人的被害(死 者)はないものとした。 (木造の算出方法) (死者数)=0.0677×(建物全壊棟数)

(25)

(非木造の算出方法) 静岡県の第3次被害想定では、木造建物からの死者率と非木造建物からの 死者率の間に以下のような関係式を用いている。 木 造:死者数=0.0629×(建物全壊率) 非木造:死者数=0.0155×(建物全壊率) これを参考に、木造及び非木造における死者数と全壊棟数との関係を求め、 非木造の死者推計式は、木造の関係式に、補正係数=0.0286/0.0806 を乗じ た式を用いることとした。

(参考)

予知ありの場合の建物全壊による死者数については、静岡県第3次被害想定 の手法と同様、静岡県が実施した「東海地震についての県民意識調査(平成1 2年2月)」における、警戒宣言時に適切な対処ができる人の割合(73.9%) を警戒宣言時対応係数とし、警戒宣言発令時には、全体の73.9%の方は適 切な対応により被災しないものと仮定した。 (予知有りの場合の人的被害)=0.261×(予知なしの場合の人的被害) この手法で算出すると、以下のような数値となる。 ・応力降下量一定モデル(朝5時)は約 2,100 人 ・変位量一定モデル(朝5時)は約 1,800 人

(26)

○基礎データ ・市町村別の建物棟数は、平成12 年 1 月 1 日現在の固定資産台帳による、構造 別・建築年次別床面積データを用いて集計する。 ・床面積から棟数への変換には、建築着工統計による、都道府県別の1棟あたり 床面積の値を使用する。

(参考)建物棟数について

○ 建物棟数 ∼S37 S38∼55 S56∼ 計 ∼S55 S56∼ 計 東京都 420,633 816,251 789,560 2,026,444 262,465 335,366 597,831 2,624,275 神奈川県 231,884 705,962 775,303 1,713,149 164,283 241,396 405,679 2,118,828 山梨県 115,813 104,022 131,506 351,340 28,364 42,134 70,498 421,839 長野県 405,292 351,929 374,612 1,131,833 88,089 129,144 217,233 1,349,066 岐阜県 275,360 257,435 255,594 788,388 109,978 129,296 239,274 1,027,662 静岡県 288,314 431,258 483,424 1,202,996 166,785 200,442 367,227 1,570,223 愛知県 556,179 648,478 629,547 1,834,204 301,172 361,600 662,771 2,496,976 三重県 244,716 205,878 241,019 691,613 89,462 123,237 212,699 904,312 ※ 平成12年1月1日現在の固定資産台帳による、構造別・建築年次別床面積データを用いて集計 ※ 床面積から棟数への変換には、兵庫県統計書及び建築着工統計による(都道府県別)1棟あたり床面積の値を使用 木造 非木造 総計

(27)

Ⅱ.警戒宣言時の経済的影響について

警戒宣言に基づく避難・警戒体制により、各種生産活動の制約や交通等の停止 による人流、物流の制約等の直接的な影響が発生するとともに、その直接的影響 が関連産業、関連地域に波及的に広がるものと考えられる。 直接的影響額として、①強化地域内産業停止による影響額、②周辺地域産業停 止の影響額、および、③交通、物流の寸断による影響額を算出し、①、②につい ては産業連関表の中間需要が減少する事とし、③については最終需要が減少する 事として波及額を算出した。 また、影響額については、「実質的な経済的影響額」と「見かけの経済的影響 額」の2種類について試算した。 <経済的影響額の算出の考え方> (1)見かけの経済的影響額の算出について ①強化地域内産業停止による影響額 警戒宣言に伴い強化地域内の産業が(電力、ガス等営業を継続することとさ れている業種を除き、)基本的に全て停止するとして、影響額を算出 ○強化地域8都県の県民生産額を基本とし、市町村毎の従業人口割合をもと に強化地域内のGDPを算出 ○1日あたり影響額=強化地域内のGDP÷就労日数(240 日) ②周辺地域産業停止の影響額 周辺(東京・神奈川・埼玉・千葉)の地域防災計画等で定める警戒宣言発令 時の規定(資料4)をもとに、関係事業者からのヒアリングも踏まえ、産業に 与える影響を定量的に推測(資料5) ③交通、物流の寸断による影響額 資料6の検討スキームに基づき、影響額を算出 ア)高速道路等 ・ 100%の物流が、北陸自動車道への迂回により実現すると仮定し、 迂回による時間損失を算出 ・ 警戒宣言時には、ほぼ全ての観光が取りやめられるものと仮定 し、観光消費額の損失を算出

(28)

イ)新幹線等 ・ 航空機による代替交通を想定し、この代替交通のコスト及び移動取 り止めの場合の損失を算出 ・ 観光については、警戒宣言時には、ほぼ全ての観光が取りやめら れ るものと仮定し、観光消費額の損失を算出 ④波及額の試算 関連産業への波及効果を算出するため、上記①∼③の直接損失額をインプッ トとして産業連関分析により波及額として算出。(算出法の詳細は資料7) (2)実質的な経済影響額 業種により操業停止等の影響は、生産工程の調整等でカバーできるものもあ ることから、各業種にヒアリングを行い、実質的にどの程度提供があるかを試 算した。(詳細については資料8) ○影響がほとんどないと考えられる業種 農業(畜産以外)、林業、水産業(養殖業)、鉱業、製造業(プラントを 稼働しない産業)、機械、建築・土木業、公益事業 ○影響があると考えられる業種 農業(畜産)、水産業(漁業)、製造業(プラントを稼働する産業)、小 売・飲食業、運輸業、観光業

(29)

2002-08-30 13 警戒宣言時の対応一覧 横浜市 千葉県 東京都 埼玉県 ライフライン ・水道:供給継続 ・電気:供給継続 ・ガス:供給継続 ・水道:供給継続 ・電気:供給継続 ・ガス:供給継続 ・水道:供給継続 ・電気:供給継続 ・ガス:供給継続 ・水道:供給継続 ・電気:供給継続 ・ガス:供給継続 電話 電話使用自粛を呼びかけ ・平常業務継続 ・防災関係機関等の災害時優先電話の 確保 ・公衆電話からの通話の確保 ・非常・緊急扱い電話及び同電報の確 保 ・ダイヤル通話の確保 ・発信通話の制限 JR、私鉄 <JR> ・市内の列車は、45km/h以下の減速運 転 <私鉄> ・50km/h以下の減速運転 <JR> ・区間により65km/hから25km/hに減速 して運転 <私鉄> ・現行ダイヤで減速運転 ・翌日以降は地震ダイヤを作成し、減 速運転 <JR> ・安全な方法により極力列車の運転を 確保 <都交通局及び私鉄> ・現行ダイヤで減速運転 <JR> (新幹線)160km/hに減速 (在来線)区間により65km/hから 25km/hに減速して運転 <私鉄> ・現行ダイヤで減速運転 バス、タクシー ・一般道路20km/h、高速道路40km/hの 減速運転 ・状況に応じて間引き運転、折り返し 運転、運転中止などの措置 ・地域の実情に応じて、可能な限り運 行 ・地域の実情に応じて、可能な限り運 行 なし 一般道路 ・緊急交通路確保のため必要に応じ交 通規制 ・緊急交通路確保のため必要に応じ交 通規制 ・時速20kmに減速 ・環状7号線の内側では、都心に向か う車両は極力制限 ・時速20kmに減速 金融機関 なし ・原則として平常通り営業を継続 ・原則として平常通り営業を継続 なし 百貨店 なし ・原則として営業を自粛 なし なし 病院 ・外来患者に対する診療行為は、一時 的に制限 ・外来診療は、原則重症患者のみ扱う ・外来診療は可能な限り平常通り行う ・手術及び検査は、可能な限り延期す る ・外来診療は可能な限り平常通り行う ・手術及び検査は、可能な限り延期す る ・外来診療は可能な限り平常通り行う 劇場・映画 ・原則として営業を自粛 ・原則として営業を自粛 ・原則として営業を自粛 なし 学校、幼稚園 ・在校時は、原則として授業を打ち切 り、教職員の指導のもと帰宅させる 。 ・直ちに授業を中止し下校の措置 ・警戒宣言が解除されるまで臨時休校 ・直ちに授業を中止し下校の措置 ・警戒宣言が解除されるまで臨時休校 ・直ちに授業を中止し下校の措置 ・警戒宣言が解除されるまで臨時休校

(資料4)

(30)

2002-08-30 15 <周辺都道府県における影響額の考え方> 強化地域外の横浜市、東京都等でも、警戒宣言時の対応をとることとしており、 地域防災計画等で別表のようにしている。これにより規定される各民間事業者は、 これを受け計画を策定する等して対応を決めている。 ここに掲げられている業種以外については、行政から特別な対応を求めている ことはなく、各事業者からのヒアリングにおいても、独自の対応も含め警戒宣言 時に社員を帰宅させたり、営業や操業を停止等する予定のところはほとんどない。 これらの規制内容を基に、各事業者からのヒアリングも踏まえ、産業に与える 影響を定量的に推測した。 ○ライフライン 通常通り供給を継続することとしており影響はないものと考えられる。 ○通信 地上回線も携帯電話も、通常の営業が行われる。一時的な輻輳等は考えられる が、各産業に大きな影響が出るようなものではないと想定されている。 ○交通 鉄道やバスは、警戒宣言時にはダイヤを修正して運行本数を減らす、減速して 運行するなど基本的には運行する方針である。速度の規制値ははあるものの定量 的に影響額や損失を評価する事は難しいが、過去の台風等の災害の際には1割∼ 3割の減少が認められたことから、これをもとに影響額を算出した。 ○金融機関、百貨店 千葉県の百貨店は営業自粛としているが、その他については通常通り供給を継 続することとしている。 ○病院 基本的には、通常どおり営業が行われるものと考えられる。 ○劇場・映画館 これらに関する規制は概ね原則として営業を自粛となっており、発令時には営 業は停止すると考えられる。 映画・演劇等に関する支出は関東地方で1日あたり約 2.2 億円であり、これを もとに、影響額を算出した。

(資料5)

(31)

代替業務可能 影響台数 影響人数 業務目的 業務目的以外 (観光など) 航空による 代替可能 航空による 代替不可能 交通代替による時間損失 業務目的 業務目的以外 (観光など) 移動決行 移動取りやめ 北陸道へ迂回 100% 消費機会損失 高速道路 高速道路 新幹線 新幹線 東名通行台数 + 中央通行台数 東海道新幹線利用 者数 通過:184,000人 車種・目的による分類 1台あたり人数 観光消費額 消費機会損失 消費機会損失 交通代替による時間損失 生産機会損失 消費機会損失 一般化費用増分 旅行取りやめ人数 成田空港余剰輸送量 9,817人 観光消費額 業務支障率(職種別) 専門職:100% 営業職:50% 乗車目的 ︵地域間産業連関表による算出︶ 交通・輸送停止による影響波及額 代替業務不可能 出張消費額 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ (資料6)

(32)

<波及額の算出> 産業連関表は、平成 7 年地域間産業連関表取引額表を用いて分析を行った。 産業連関分析とは、産業間の関係を定量的に分析する事ができる分析である。た とえばある産業が生産を縮小した場合、その産業に部品を供給していた産業の生産 も縮小し、それら産業に供給していた電気・ガス会社の生産も縮小するなど、経済 への影響が波及していく結果を分析するものである。 地域産業連関分析の方針 警戒宣言域内経済割合 警戒宣言地域は産業連関表の地域区分を横断しているため、市区町村の従業人口 をもとに、産連表の地域区分における警戒宣言地域の占有割合を算出し、地域区分 における影響額を算出した。 例)ある地域区分のある産業において 生産額減少額 = 生産額 × 警戒宣言地域内従業人口割合 × 産業停止割合 (従業人口:「国勢調査」平成 12 年 より) 参考)産業連関表の地域区分 関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡 中部:富山、石川、岐阜、愛知、三重 下線部分は対象市区町村を含む都道府県 交通・物流の寸断による損失額の取り扱い 前述の各直接経済損失額は以下の方針で産業連関表に投入した ・物流の交通代替による時間損失額 警戒宣言地域を除き、地域を通過する物流の取扱高を元に発地割合を算出し、 各地域の運輸部門の最終需要から減少するものとした。 (物流の取扱高:「貨物地域流動調査」平成 13 年 3 月) ・人流の交通代替による時間損失額 ・消費機会損失(出張消費) 警戒宣言地域を通過する人流の割合を元に、各地域の運輸部門の最終需要が減 少するものとした (JR府県相互間旅客輸送人員:「旅客地域流動調査」平成 13 年 3 月) ・消費機会損失(観光消費) 観光は警戒宣言発令解除後に行われる(一定期間後に消費される)ものとして、 産業連関分析の対象外とした ・各産業停止の影響 各産業の中間需要が減少するとして、設定した影響割合を用いて減少させ、試 算した。

(資料7)

(33)

<実質的な経済的影響の算出における各産業毎の考え方> ○農業 農業のなかでも生乳、鶏卵産業は毎日出荷する必要がある産業であり、実質的に も損失が出る。特に生乳は毎日搾乳しなければ乳牛の健康へ悪影響があり、乳牛の 損失というコストが発生する可能性があり、全て影響を受けるものとした。それ以 外の穀物などについては数日であれば収穫を送らせる事で対応が可能であり、数日 産業が停止した場合でも実質的には損失はないとした。 ○林業 そもそも在庫期間の長い産業であり、数日出荷ができなくても損失はないものと した。 ○水産業 通常の漁業については毎日水揚げされ出荷されるものであるため、全て影響を受 けるものとした。また、養殖業については出荷を送らせるなどの対応が可能なため、 数日の停止は影響がないものとした。 ○鉱業 数日の停止の場合、他の日に増産することで調整可能であるため、影響がないも のとした。 ○食料品・たばこ 物流の停止により、業務継続が困難になることが予想される。業務の継続割合に ついては静岡県アンケートの結果を使用して67.8%が影響を受けることとした。 ○製造業 ・プラントを稼働する産業(繊維、パルプ・紙、化学、石油、鉄工など) 鉄工業に関しては溶鉱炉の停止を行う場合、大きな影響が出る。 その他のものでもプラント系のものはかなりの損失が発生することから、ここ では、100%影響があるものとした。 ・その他製造業・機械産業 加工組み立て産業では、現に連休等では数日間停止することもあることから、 数日の停止の場合、他の日に増産するなどで調整可能であるため影響はないもの とした。

(資料8)

(34)

〈参考〉 製造業の稼働率 製造工業稼働率指数より、実質稼働率は 実稼働率=稼働率指数(1995 年を基準とした 2001 年の指数) ×補正係数(1995 年の稼働率) 製造工業:68.2%(=92.5×73.7%) 機械工業:64.2%(=89.6×71.6%) 従って、数日程度の停止なら休日操業等で調整可能である。 (経済産業省「生産・出荷・在庫指数確報」平成 13 年) ○建設 建設業の場合は、天候不良も見越して工期を設定しているものであり、数日停止 しても、全体の工期の中で十分調整できることから、影響はないものとした。 ○公益事業(電気・ガス・水道など) 警戒宣言時も通常通り供給は続けることとなっているため、影響はないものとし た。 ○小売業 物流の停止等により、業務継続が困難になることが予想される。業務の継続割合 については静岡県アンケートの結果を使用して56.4%が影響を受けることとし た。 ○飲食業 物流の停止等により、業務継続が困難になることが予想される。業務の継続割合 については静岡県アンケートの結果を使用して60.1%が影響を受けることとし た。

(35)

〈参考〉 静岡県が行ったアンケート調査 問:あなたの事業所では、警戒宣言が発令された時、通常の業務を継続し ますか 0% 20% 40% 60% 80% 100% 農業 林業 漁業 鉱業 建設業 製造業 電気・ガス・熱供給・水道業 運輸・通信業 卸売・小売・飲食店 金融・保険業 不動産業 サービス業 ただちに業務を停止 する 外来者に対する業務 終了後停止する 通常よりは縮小した体 制で業務を継続 通常どおりの体制で 業務を継続 決めていない 無回答 (静岡県「民間事業所の地震防災応急対策 アンケート調査」平成8 年 3 月より)

(36)

■応力降下量一定モデルと変位量一定モデルについて

(中央防災会議「東海地震に関する専門調査会」報告より抜粋) 強震波形計算による手法においては、図1のようにアスペリティを設定した。 また、地震の発生過程を実際に発生しそうな以下の組み合わせの4通りで想定 した。地震が発生する際に震源域の固着している部分が急激にすべり始める位 置(破壊開始点)については、過去の地震発生状況等から震源域の北西側深部 の中央及び西側の2通りを想定し、それぞれに対し2つのプレートの固着部分 の地震発生時のずれ方(破壊様式)については、両プレートが固着している場 所がすべて同じ距離だけずれる場合(変位量を一定とした場合)と、両プレー トが固着している力の大きさに合わせてずれる場合(応力降下量一定とした場 合)の2通りを想定した。

(資料1)

: 想定震源域 : アスペリティ

図1 想定震源域におけるアスペリティー分布および破壊開始点

※ アスペリティー:震源域のうち特に大きな地震動を発生させる部分

(37)

応力降下量一定(S1)モデル震度分布図

(38)

変位量一定(D1)モデル震度分布図

(39)

応力降下量一定(S2)モデル震度分布図

(40)

変位量一定(D2)モデル震度分布図

(41)

震度分布(S1,D1,S2,D2 の最大値をとったもの)

(42)

■屋内滞留率の時間推移

施設別滞留者数(全体) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 住宅内 その他施設内 屋外 施設別滞留者数(中京都市圏) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 住宅 その他施設 移動中 中京都市圏パーソントリップ調査より

○屋内滞留率

5 時

12 時

18 時

木造滞留率

56.5%

19.5%

31.4%

非木造滞留率

39.2%

70.7%

51.9%

合計滞留率

95.7%

90.2%

83.3%

施設別滞留者数(全体) 施設別滞留者数(中京都市圏)

(資料3)

参照

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