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(a) (b) (c) 1 (a) (b) m m = (c) p i p i+1 < = ς m L i : {1,..., n} R SVM p i (i = 1,..., m) n ς Kvarnström [1] (1) p m p 1 < = ς O(mnς) [1] (1) n O(mn

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(1)

社団法人 電子情報通信学会

THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,

INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS

信学技報

TECHNICAL REPORT OF IEICE.

分割統治法による糸球体切り出しの高速化

加藤

レラトーレ イサ

長谷川

柿本

哲宏

††

岡田

欣也

†††

群馬大学理工学府

〒 376–8515 群馬県桐生市天神町 1–5–1

田辺三菱製薬株式会社研究本部

〒 335–8505 埼玉県戸田市川岸 2–2–50

E-mail:

katotsu@cs.gunma-u.ac.jp

あらまし

腎臓スライス画像において糸球体の形状を客観的に認識することは薬理工学において重要である.我々は,

以前,判別的学習によって得られた境界スコアを合成することによって得られる形状評価関数に対し ,動的計画法を繰

り返すことで最適解を得る切り出しアルゴ リズムを開発した.本発表では,分割統治法を使って同じ最適化問題を高速

に解くアルゴ リズムを提案する.また,実データを用いた評価実験の結果を報告する.

キーワード

腎顕微鏡画像, 糸球体, デスミン免疫染色,セグ メンテーション

Tsuyoshi KATO

, Raissa RELATOR

, Makoto HASEGAWA

, Tetsuhiro KAKIMOTO

††

, and

Kinya OKADA

†††

School of Science and Technology, Gunma University

Tenjin-cho 1–5–1, Kiryu-shi, Gunma, 376–8515 Japan

Research Division, Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation,

Kawagishi 2–2–50, Toda, Saitama, 335-8505

Japan.

E-mail:

katotsu@cs.gunma-u.ac.jp

1.

は じ め に

さまざ まな腎臓の病変は,糸球体における濾過機能の損傷に よっておき,それはタンパク質の漏出として観測される.動物疾 患モデルにおける腎臓における糸球体の病理的変化を観測する ことは腎疾患をターゲットにした創薬過程のスクリーニング処 理において重要である[2]∼[4]. 創薬におけるスクリーニング過程において,108画素に達する 大規模画像から糸球体を網羅的に抽出し ,糸球体の形状や染色 の度合いを解析することで薬効を調べる.我々は,以前,糸球体 の形状や染色の傾向の解析のステップのみならず,糸球体を網羅 的に抽出する際にも,糸球体の計算機的切り出しが重要である ことを報告した[1]. 先の報告[1]のとおり,糸球体の切り出しを利用した特徴ベク トルSegmental HOGを使って画像検索を行うと,従来の特徴

ベクトルRectangular HOGと比べて,真陽性(True Positive)

をほぼ保ったまま,偽陽性(False Positive)を半減できることを 示した.また,その切り出しの性能を画素ごとに評価した結果, 90.1%もの糸球体でF値(すなわち,精度と再現率の調和平均) が 0.8を超えることを確認した.この性能は,次のステップで ある個々の糸球体の解析においても薬理工学上十分な正確さで ある. 糸球体の切り出し 問題[5], [6]から目を転じ ると,一般の生物 医学画像における組織切り出しの研究は数多くある.たとえば ,

Active Contour法[7]∼[10],Region Growing [11],レベルセッ ト法[12] などが有名である.それらの多くは半自動で用いるこ とを仮定し ,利用者の介入を要求する.それらの算法の多くは 最適性に対する数学的保証がなく[7]∼[9],利用者によって示唆 された初期値に依存する.これに対して,本研究で開発した切 り出し 算法は理論的に最適解が必ず得られることが保証されて おり,このため高品質な切り出しを生成する.近年,深層学習 (deep learning)による新しい試み[13]が出現した.深層学習は 典型的には莫大な計算資源と計算時間を必要とするが,本報告 で述べる算法は廉価な計算機でも十分動作する. 我々は,糸球体切り出しの問題を解くため,糸球体の境界を図 1(c)のような多角形で表わされる(詳細は2.節参照)として,次 の離散最適化問題に帰着させた[1]: max m X i=1 Li(pi), wrt p1, . . . , pm∈ {1, . . . , n}, subj to |p1− p2| <= ς, . . . , |pm−1− pm| <= ς, |pm− p1| <= ς. (1)

(2)

(a) (b) (c) 図 1 糸球体切り出し 問題.(a) 入力された画像.(b) 糸球体境界を m 角形で表す.その頂点は m = 36本の線分上に位置する.点の大きさは「境界度」を表す.各線分で境界度が最大の点 を単純に頂点に選ぶとジグザグになってしまう.(c) 隣り合った頂点ど うし|pi− pi+1| <= ς なる制限を与えると滑らかな m 角形が得られる. ただし ,Li :{1, . . . , n} → Rは糸球体の「境界度」を表わす. 境界度には SVMのスコアを用いた.pi(i = 1, . . . , m)は中心 から延びた線分をn 分割したときの境界の位置を示す.ς は正 の定数である.Kvarnstr¨omら[14]も同等の定式化によって細 胞の切り出しを試みていた.ここで問題となるのは,(1)は通常 の動的計画法では解けない点である.もし ,制約|pm− p1| <= ς がなければ 動的計画法で容易に解くことができ,その計算量は O(mnς)である.先の報告[1]においては,最適化問題(1)をn 個の部分問題に分け,それぞれを計算量O(mnς)の動的計画法 で解くことで,最適化問題(1)の最適解を見つけていた.それぞ れの部分問題の計算量はO(mnς)であることから,全体として, O(mn2ς)かかる.このアルゴ リズムを網羅的DP法と呼ぶこと とする.Kvarnstr¨omら[14]もこれと等価の算法を用いて細胞 の抽出を行っている.上田ら[10]は,Active Contourの次のス テップを求めるために(1)と類似した定式化を行っていた.(1) は1次マルコフを制約の形で与えているが,上田らは2次マル コフを目的関数の形で与えていた.網羅的DP法[1], [14]は上田 らのアプローチを1次マルコフの形で書き直したものと見るこ ともできる. 本報告では,網羅的DPに代わる新たなアルゴ リズム,分割統 治DP法を提案する.分割統治DP法は,分割統治法を使って, 最適化問題(1)を解くものである.このアルゴ リズムは,次の性 質をもつ: 網羅的DP法と同様,分割統治DP法は必ず最適解を得 る保証がある; 分割統治DP法の最悪計算量は 網羅的DP法の計算量 O(mn2ς)に等しいが, 枝刈り処理により,多くの場合,計算量O(mnς)のサブ ルーチンを3回程度呼び出すことで解くことができる. 本論文の構成は次のようになっている:次節で最適化問題(1)を より詳細に述べる.3.節に最適化問題(1)の従来の解法である 網羅的DP法を紹介する.その上で,4.節にて,最適化問題(1) に対するもう一つの解法,分割統治DP法を提案する.5.節で 網羅的DP法と分割統治DP法の計算時間を糸球体画像を用い た実験により比較する.6.節で結論と今後の展望を述べる.

2.

最適化問題

(1)

本節では,本研究で最適化問題(1)がどのような考えから導出 するにいたったのか述べる.網羅的DP法[1]は,図1(a)で表 されるような画像から糸球体の領域を切り出すためのアルゴ リ ズムである.網羅的DP法では,糸球体の境界を図1cで表され るようなm角形で表す.中心から放射的に伸びるm個の線分 を想定して,m角形を形成するm個の頂点それぞれを,対応す る線分上のみを動けるようにする.この線分上に移動窓(Sliding Window)を動かし,境界度Liを計算する.m個の頂点を決め るためのナイーブな方法としては,各線分上で境界度が最大と なるところを探し ,それらを辺でつないでm角形を作る方法が 考えられる(図1b).各線分を n個の点で離散化するとし,各点 を1, . . . , nまでの値でラベルを振るとする.すると,頂点iの 位置piは境界度Li(1), . . . , Li(n)の中から最大の値をとる点 pi∈ argmax k∈Nn Li(k) と与えることになる.しかし ,このナイーブな方法をとってし まうと,図1bのようなギザギザの多角形を得てしまうことにな る.これに対して,隣り合った頂点ど うしに |pi− pi+1| <= ς という制約をかけると図1cのようななめらかな m角形が得ら れる.このような考えから最適化問題(1)を採用するにいたった.

3.

従来の解法:網羅的DP法

本節では ,最適化問題(1)の従来の解法である網羅的DP

(3)

(a)S({1}) (b)S({2}) (c)S({3}) · · · (d) S({8}) 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 図 2 多角形集合S({h}) (ただし h ∈ Nn).各パネルでは,(m, n, ς) = (12, 8, 1) における多角形集合 S({h}) を示している.すなわち,S({h}) に含まれるすべての多角形を重ねて表示したものである.網 羅的DP法では実行可能領域S(N8)をS({1}), . . . , S({8}) に分割してそれぞれ動的計画法で解く. 法[1], [10], [14]を紹介する.最適化問題(1)は,制約|pm−p1| <= ς を含んでいるために,標準的な動的計画法では解くことができ ない.そこで,最適化問題(1)をn個の部分問題に分割する(図 2).第k部分問題では m個目の頂点の位置をpm = kに固定 することとする.この制約を加えることにより,(1)は計算量 O(mnς) の動的計画法で解くことができるようになる.n個の 部分問題の最適解をすべて得た後,それらのうち最適化問題(1) の目的関数の値が最も大きくなるものを選ぶ.それが最適化問 題(1)の最適解である.網羅的DP法の計算量は常にO(mn2ς) となることに注意されたい.

4.

提案する解法:分割統治DP法

本節では,網羅的DP法に代わる(1)の解法として,分割統治 DP法を提案する.分割統治DP法の最悪計算量は O(mn2ς)で あるが,大抵の場合,計算量O(mnς)のルーチンを数回呼び出す だけで解くことができる.後述の実験結果で述べるように,我々 が用いたデータセットでは,46.2%の画像で,計算量O(mnς) のルーチンを1回呼び出すだけで最適解を得ることができた. 最適化問題 (1)は,もし ,制約|pm− p1| <= ς をのぞいてし まうと,計算量O(mnς)の動的計画法で解くことができる.提 案するアルゴ リズムは次のア イデアから考案するにいたった: |pm− p1| <= ςを除去して(1)を解いた時の最適解をp?0とする; もし ,運よくp?0が|pm− p1| <= ς を満たすなら多角形p?0は最 適化問題(1)の最適解である. この発想を数学的に表わすため,I⊂ =Nnに対して,多角形の 集合 S(I) :=˘p = (p1, . . . , pm)∈ Nmn | pm∈ I, |p1− p2| <= ς, . . . , |pm−1− pm| <= ς, |pm− p1| <= ς¯. を定義する(図3a,b,c,g,h,i,j).ただし ,Nn :={1, . . . , n}とい う記法を用いた.ここでS(Nn)は(1)の実行可能解になってい ることに注意されたい. 最適化問題(1)の目的関数を J (·)で表わすとすると,(1)の 最適解は p?∈ argmax p∈S(Nn) J (p). と表される.繰り返すが,制約|pm− p1| <= ςが含まれるため に,この問題は直接動的計画法で解くことができない.動的計画 法を利用できるようにするため,次に示す弛緩した領域SL(Nn) から目的関数J (p)を最大化する解を見つけることとする.ただ し ,SL(I)SL(I) := ˘ p = (p1, . . . , pm)∈ Nmn | pm∈ I, p1∈ I + {−ς, . . . , +ς}, |p1− p2| <= ς, . . . , |pm−1− pm| <= ς¯, と定義した(図3d,e,f,k,l,m,n).ここで演算子+は集合に適用さ れる加算であり,次を満たす:任意の集合IおよびJに対して, I + J := {i + j | i ∈ I, j ∈ J }. この弛緩した多角形集合はも との多角形集合をS(I)⊂ =SL(I)のように含んでいる.分割統治 DP法の戦略は,まず次の弛緩した問題の最適解 p?0∈ argmax p∈SL(Nn) J (p) を見つけ,次に,元の問題(1)における実行可能性をチェックす る:もし ,p?0∈ S(Nn)ならば ,p?0 は元の問題(1)の最適解で ある.もし ,p?0 6∈ S(Nn)ならば,集合Nnを排他的にI1 およ びI2に分割する(i.e. I1∪ I2=Nn).そして,次の2つの問題 をそれぞれ解く: p?1 ∈ argmax p∈S(I1) J (p) および p?2 ∈ argmax p∈S(I2) J (p). 元の問題の実行可能領域S(Nn)は,S(I1)およびS(I2)の和集 合になっているので,2つの解p?1 およびp?2 のど ちらかが元の 問題の最適解となる.よって,J (p?1) およびJ (p?2)の大きいほ うを選べばよいことになる. 提案する分割統治DP法は,上記のような戦略を部分問題に繰 り返し適用して,最適解が得られるまで,問題を分割し続ける方法 である.具体的な分割統治DP法のアルゴ リズムはAlgorithm 1 に示す.これを(p?, J?, `?) = DCDP(Nn,−∞)のように呼び出 すことで,元の問題(1)の最適解を得ることができる.ただし , Algorithm 1において,関数(I1,I2) := Split(I0)は集合I0を 2つの排他的部分集合I1およびI2に分割する.5.節では,集合 I0の前半と後半でI1 およびI2に分割する実装を用いたが,そ のほかの実装も可能である.最初のステップpL∈ argmax p∈SL(I0) J (p)

(4)

(a)S(N8) (b)S({1, 2, 3, 4}) (c)S({5, 6, 7, 8}) 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 (d)SL(N8) (e)SL({1, 2, 3, 4}) (f)SL({5, 6, 7, 8}) 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 (g)S({1, 2}) (h)S({3, 4}) (i)S({5, 6}) (j)S({7, 8}) 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 (k)SL({1, 2}) (l)SL({3, 4}) (m)SL({5, 6}) (n)SL({7, 8}) 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 2 1 3 4 5 6 7 8 9 10 12 11 図 3 多角形集合S(I) および弛緩した多角形集合 SL(I). 各パネルでは,(m, n, ς) = (12, 8, 1) に おける多角形集合S(I) もしくは SL(I) を示している.すなわち,S(I) もしくは SL(I) の取り得る 多角形をすべて重ねて表示したものである.分割統治DP法では,まずSL(N8)から最適化問題を解き, その解がS(N8)に入っていれば終了,入っていなければ,S(N8)をS({1, 2, 3, 4}) と S({5, 6, 7, 8}) に分割する.最適解が見つかるまでこのような処理を繰り返す. は,動的計画法を用いればO(nmς)の計算量で解くことができ る.計算量O(nmς)の動的計画法の例はAlgorithm 2に示す. 集合I0の大きさが 1のとき,p0 ∈ S(I0)は常に保証される. なぜなら,集合I0の大きさが1のとき弛緩した領域は弛緩して いない領域に等し くなる(i.e. S({h}) = SL({h}))からである. 再帰的処理の中で,関数DCDPは,高々(2n− 1)回呼び出さ れる.これは,最悪計算量がO(n2mς)になることを意味してい る.しかし,後述の実験結果で示すように,関数DCDPの呼び 出し 回数は,実際には,(2n− 1)よりずっと小さくなることを 確認している. 4. 1 枝刈り処理 Algorithm 1では,枝刈り処理によって高速化をはかってい る.S(I0)から解を探すときに,次のような下限`が予めわかっ ている場合を考える: max p∈S(Nn)J (p) >= `, もし ,` > maxp∈SL(I0)J (p)ならば ,S(I0)に最適解は存在し ない.その理由は,次の関係式から示される: max p∈S(Nn) J (p) >= ` > max p∈SL(I0) J (p) >= max p∈S(I0) J (p). Algorithm 1には,この性質を利用して,枝刈り処理が加えられ ている.Algorithm 1には次の補題が成り立つことを示すこと ができる:

Lemma 4.1. For any subset I0=Nn and ∀` ∈ R ∪ {−∞},

(5)

Algorithm 1 (p0, J0, `0) = DCDP(I0, `). Input: I0=Nn. 1: pL∈ argmax p∈SL(I0) J (p); 2: if ` > J (pL) then 3: {Rule A} 4: J0:=−∞; `0:= `; 5: return; 6: end if 7: if pL∈ S(I0) then 8: {Rule B} 9: p0:= pL; J0:= J (pL); `0:= max(`, J0)); 10: return; 11: end if 12: {Rule C} 13: (I1,I2) := Split(I0); 14: (p1, J1, `1) := DCDP(I1, `); 15: (p2, J2, `2) := DCDP(I2, `1); 16: i?∈ argmax i∈{1,2} Ji; 17: p0 := pi?; J0:= J (pi?); 18: `0:= max(`2, J0);

Algorithm 2 O(nmς) Dynamic Program for maxp?∈S

L(I)J (p) Input: I⊂ =Nn. Output: p∈ argmax p∈SL(I) J (p)

1: Initialize all entries in the n× m matrix Q with −∞. 2: for j∈ I + [−ς, +ς] ∩ Nn do 3: Q(j, 1) := L1(j); 4: end for 5: for t = 2, . . . , m do 6: if t < m, thenIt:=NnelseIt:=I; 7: for i∈ It do 8: j?:= argmax{Q(j, t − 1) | j ∈ [i − ς, i + ς] ∩ Nn}; 9: Q(i, t) := Lt(i) + Q(j?, t− 1); P (i, t) := j?; 10: end for 11: end for 12: p?m∈ argmax i∈I Q(i, m); 13: t := m− 1; 14: while t >= 1 do 15: p?t := P (p?t+1, t + 1); t := t− 1; 16: end while

returned tuple (p0, J0, `0) satisfies one of the following: • Case G: If maxp∈S(I0)J (p) >= `, then

p0∈ argmax p∈S(I0)

J (p), and J0= `0= J (p0) >= `. • Case L: If maxp∈S(I0)J (p) < `, then J0< `0= `.

補題4.1の証明は,誌面の制約により省略するが,投稿中の論

文には記述したので,出版され次第そちらを参照されたい.補 題4.1より,ただちに次の定理を得る:

Theorem 4.1. The optimal solution of the problem (1) is

obtained by invoking (p?, J?, `? ) = DCDP(Nn,−∞).

5.

網羅的DP法と分割統治DP法の計算時間を比較するため,実 データを使った計算機実験を行った.繰り返すが,網羅的DP法 と分割統治DP法は双方とも最適化問題(1)の最適解を必ず得る ことができる.8枚の腎臓薄片画像を用いた.これは文献[3]で 用いたものと同じである.8枚の画像セットには, • 16週齢SDラット, • 24週齢SDラット, • 16週齢SDTラット, • 24週齢SDTラット がそれぞれ 2枚ずつ含まれている.そのうち1枚を Set Aに入 れ,もう1枚をSet Bに入れる.すると,Set AにもSet Bに も4種類のラットが 1枚ずつ含まれることになる.この8枚の 画像それぞれに含まれる糸球体を手動でアノテーションした. 境界度の計算には,SVMを用いる.SVMの学習にはSet A を網羅的DP法と分割統治DP法の計算時間の評価にSet Bを 用いた.SVMの学習には正則化パラメータCを決めなくては ならない.Set Aのうち70%を訓練セットに,残り 30%を検 証セットとして,正則化パラメータCを決めた. 網羅的DP法も分割統治DP法もC++で実装した.Intel(R)

Core(TM) i7 CPUおよび 8Gbytesの記憶容量を持つ計算機で

実行時間を計測した.まず,計算量O(nmς)の動的計画法のルー チンを呼び出した回数ndpを数えた.図4aにndpを横軸に,縦 軸を頻度にした頻度分布を示す.ただし ,網羅的DP法はど の 糸球体画像でも必ずndp= nである.一方,分割統治DP法で のndpは入力画像に依存する.Set Bに含まれる糸球体のうち, 46.32%が1度の最初の動的計画法の呼び出しで最適解を見つけ ることができた.分割統治DP法におけるndp の中央値は,5 であった.言い換えると,分岐木の深さの中央値は,3であった ことになる.993個の糸球体のうち,4個(0.40%)だけが,ndp が nより大きかった.それぞれの方法の実行時間を図4bにプ ロットした.分割統治DP法,および網羅的DP法では,計算時 間の中央値は,それぞれ,0.112 msec, 0.418 msecであった.こ れらの値はndpに比例しているので,実行時間の比はおおよそ ndpの比に等しい.これらの結果より,提案法である分割統治D P法は,正確な最適解が得られるにも関わらず,既存の網羅的D P法よりもずっと高速に解を得られることを確認できた.

6.

本報告では,細胞や糸球体のような環状の境界を持つ組織を 抽出する技術として環状の制約を持つ離散最適化問題に注目し , これを高速に解くアルゴ リズム,分割統治DP法,を提案した. 分割統治DP法の最悪計算量は,従来用いられてきた網羅的D

(6)

(a) (b) Number of DP Invoked 0 5 10 15 20 25 30 35 Normalized Frequency 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 Divide Conquer DP Exhaustive DP Computational Time (ms) 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 Normalized Frequency 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 Divide Conquer DP Exhaustive DP 図 4 実行時間.パネル (a) では,分割統治DP法の ndpを棒グラフで示す.ただし,ndpは計算量 O(mnς) の動的計画法のル ーチンを 呼び 出し た回数である.網羅的DP法では ,アルゴ リズ ムの性質上常に ndp= 22となる.パネル (b) では,それぞれのアルゴ リズムの計算時間を示す. P法[1], [10], [14]に等しいが,実際には分割統治DP法は飛躍的 に計算時間を短縮できることを糸球体画像を使って示した. 本報告では,顕微鏡画像から糸球体を切り出すという文脈で 議論したが,このアルゴ リズムの汎用性は高く,細胞の抽出[14] や Active Contourの更新[10]にも用いることができる.本ア ルゴ リズムがほかの応用範囲においてもどれほど 有効か検証す ることが今後の課題として残っている. 本報告では,実行可能領域を分割する分割関数Split(I0)の 実装方法として,集合I0の前半と後半でI1 および I2に分割 する実装を用いた場合の実験結果を報告した.現在,我々はこの ほかの分割関数の実装方法も試しており,予備的な実験によりさ らなる高速化も可能であることを確認している.この結果がま とまり次第,改めて報告する予定である. もう一つの改良点は,分割統治DP法のパーツとして計算量 O(mnς) の動的計画法にあると考えている.このルーチンにも 改良を加えることによって,アルゴ リズムの更なる高速化を目 指したい. 文 献 [1] レラトーレ イサ,ナガウハイリアング,廣橋義寛,柿本哲宏,岡 田欣也,加藤毅,“腎顕微鏡画像中の糸球体の網羅的自動検出,” IEICE Tech Report MI2014-37(2014-9),第 114 巻,pp.13–18, Sept. 2014.

[2] T. Kakimoto, K. Okada, K. Fujitaka, M. Nishio, T. Kato, A. Fukunari, and H. Utsumi, “Quantitative analysis of mark-ers of podocyte injury in the rat puromycin aminonucleoside nephropathy model.,” Experimental and Toxicologic Pathol-ogy, vol.-, no.-, pp.–, - 2015, accepted.

[3] Y. Hirohashi, R. Relator, T. Kakimoto, R. Saito, Y. Horai, A. Fukunari, H. Utsumi, KinyaOkada, and T. Kato, “Auto-mated quantitative image analysis of glomerular desmin im-munostaining as a sensitive injury marker in spontaneously diabtic torii rats,” Journal of Biomedical Imaging Processing, vol.1, no.1, pp.20–28, May 2014.

[4] T. Kakimoto, K. Okada, Y. Hirohashi, R. Relator, M. Kawai, T. Iguchi, K. Fujitaka, M. Nishio, T. Kato, A. Fukunari, and H. Utsumi, “Automated image analysis of a glomerular injury

marker desmin in SDT rats treated with losartan,” Journal of Endocrinology, vol.222, no.1, pp.43–51, April 2014. [5] J. Zhang and J. Hu, “Glomerulus extraction by

optimiz-ing the fittoptimiz-ing curve,” Proceedoptimiz-ings of the 2008 International Symposium on Computational Intelligence and Design (IS-CID’08), vol.1, pp.169–172, 2008.

[6] J. Ma, J. Zhang, and J. Hu, “Glomerulus extraction by using genetic algorithm for edge patching,” Proceeding of IEEE Congress on Evolutionary Computation, pp.2474–2479, Trondheim, Norway, 2009.

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参照

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