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「設備機器の保守・点検のポイント」

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Academic year: 2021

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1 「施設管理に役立つ点検のポイント」 (公社)全国ビルメンテナンス協会 建築物の機能や性能を良好な状態に保ち、利用者に安全で衛生的な環境を提供し、更に 建物の長寿命化を図るためには、適切な維持保全が重要である。 建築・設備の維持保全は、日常の点検と定期的な点検による整備や補修、また、建物・ 設備の診断結果から劣化状況を把握し、保全計画に基づいた改修や更新を行うことにより その目的が達成される。 1. 設備の故障と寿命 建築物には、使用される部材や設備機器に応じて寿命がある。 建築・設備が使用された初期から老朽化に至る故障の発生現象を現したものに、故障 率曲線がある。初期故障から偶発故障そして一定期間経過後は、建築・設備そのもの の劣化が始まり、寿命期には時間の経過とともに故障率が上昇する。 2.保全 (1)建物の維持保全の目的 ・建物の安全性、信頼性の確保 ・設備の機能や性能の確保 ・建物内が衛生的であり、快適であるような環境の確保 ・建物の資産価値の保持と長寿命化 (2)保全の分類 保全を分類すると維持保全、改良保全があり、更に予防保全と事後保全がある。 予防保全は、計画的に期間又は時間を設定し、点検、保守、整備、診断等により、 機能、性能を把握し、劣化の有無や兆候を予測する保全方法である。 事後保全は、故障発生の都度設備や機器を使用可能な状態に回復するための保全 である。 (3)適切な保全 建物の寿命は、一般的に鉄筋コンクリート造で、65 年以上といわれている。 それに比較し設備寿命は 20 年前後であることから建物寿命の中で、設備は必ず数回 の更新を行うことになる。建物寿命年数を設定したうえで、定期的な保全(予防保全) を行い、寿命期に合わせたサイクルでの更新(改良保全)を行うことにより経済的な ライフサイクルコストが得られることになる。

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2 3.設備の概要と点検ポイント (1)建築設備 ①屋上、屋根、外壁 建物の屋上や外壁は、建築物の美観を保つと同時に、外部環境(雤・風・温度等) から内部環境を守るという重要な役割を担っている。 ・劣化の傾向 劣化は、最初は穏やかに進むが、ある程度の年月が経過すると急激に進む。 一般的に建築後 10 年〜15 年経過すると、建物に何らかの劣化が発生し進行する。 放置すると 目で見てはっきりと判る状態となる 結果 部分だけの補修では済まなくなり劣化が周辺へと拡大 修繕工事・費用共に大掛かりとなる 屋上・屋根の点検個所と点検ポイント ★パラペットの周辺、目地、ルーフドレイン、手摺等 ★勾配屋根:屋根面や雤樋 ☆屋上に水の溜まる箇所がないか、ルーフドレインの詰りがないか ☆防水保護層の亀裂、剥がれ、目地の欠落や浮、雑草などが生えてないか ☆パラペットの立ち上り部、笠木部分の亀裂、モルタルやタイルの剥がれがないか ☆勾配屋根の屋根ふき材の割れ、腐食、樋の詰り、指示金物の破損、腐食がないか 外壁(垂直壁・斜壁)点検個所と点検ポイント ★開口部の周囲・上部、庇鼻先、手摺壁、手摺支柱廻り ★斜 壁:躯体の施行が難しい、浮き故障が生じやすい ★開口部:鉄筋のかぶり厚の不足や降雤後の水滴の影響あり、剥離が生じやすい箇所 ☆外壁面の汚れ、カビや鉄部の錆、白亜化等がないか⇒塗装の劣化 ☆塗装のはがれ、浮き、ふくれ等がないか⇒コンクリートの劣化 ☆ひび割れ、タイルやモルタルの剥落がないか⇒雤水の侵入がコンクリート内の鉄筋 を腐食 ☆目地の亀裂、隙間、剥がれ、白華現象等がないか⇒雤水の侵入

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3 ②建築物全般 外回りの点検ポイント ☆排水口(ルーフドレイン)及び排水溝に堆積物や雑草等が生えていないか ☆階段、タラップ、手摺等に錆などの腐食や剥がれがないか ☆避雷針の外観に異常がないか、取付け部等に緩みや腐食がないか ☆避雷導線に異常がないか ☆配管類に錆等の発生はないか 建具関係の点検ポイント ☆建具金物の変形や欠損、腐食がないか ☆扉の変形や腐食がないか ☆窓枠の変形や腐食がないか ☆シャッターの変形、腐食等がないか 床、壁、天井の点検ポイント ☆汚れ、傷、破損、剥がれ等がないか ☆ガラス、サッシ類の脱落、割れ等がないか (2)電気設備 電気設備は、受変電設備・非常用発電機設備・動力、照明設備に大きく分ける ことができる。特に受変電設備が支障をきたすと、ビル全体の機能が停止するなど 大きな影響を及ぼすことから、管理に当たっては充分に注意が必要である。 ・建物内で使用する電気 建物の規模が大きくなると,電気使用量も多くなるため一般的に電力会社から高圧 又は特別高圧で電気の供給を受ける。受変電設備は,供給を受けた高圧の電気を建物 内で使用する低圧(100V,200V)に変換し,負荷設備に供給するために設置される。 また,建物の規模が小さい場合には,受変電設備を設置せず電力会社から低圧で電気 の供給を受けることができる。 受変電設備の点検ポイント ☆室内(キュービクル)の温度、漏水等が無いか、出入口・扉は施錠されているか ☆受変電室やフェンス内に物を置いていないか ☆盤内に異音、異臭、通電部の変色などが無いか ☆キュービクルについては、小動物が入る隙間はないか ☆高圧ケーブルに樹木等が接触していないか ☆発電機の操作スイッチの位置、燃料等、いつでも起動できる状態か 定期的に試運転を実施しているか ☆蓄電池の設置状態はどうか、液漏れなどが無いか、定期点検を実施しているか

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4 負荷設備の点検ポイント ☆動力盤、分電盤の変形や損傷、開閉の障害はないか ☆動力盤、分電盤の盤内に異常が無いか、負荷名称が記入されているか ☆盤類、ボックス類、電線管に腐食や損傷がないか ☆異音、異臭が発生していないか ☆照明器具や支持金物に損傷、変形がないか ☆照明器具、コンセント類に異常がないか ☆外灯にぐらつき、傾き、腐食はないか ☆コンセント、スイッチ、プレート類に損傷、変形等がないか ☆コンセントや延長コードが、たこ足配線になっていないか ☆アースが必要な器具にアースが接続されているか (3)空調・換気設備 空調設備は建物内の空気の調整や換気を行う重要な機能を持っており、良好な室内 環境を維持する観点から設備の状態を常に正常に保たなければならない。 設備機器としては、熱源機器のほか,空調機,送排風機,ポンプ,給排気ダクト, 吹出口,吸込口,自動制御機器等,多くの機器が組み合わされている。 空調方式は、セントラル空調方式、個別空調方式など用途に応じて様々な方式が 採用されている。 空気調和機の点検ポイント ☆空調機周辺の配管・バルブ・ダクト類に漏水、漏気等が無いか ☆空調機内の、フィルター、保温材等に汚れや剥離が無いか ☆加湿器、ドレンパンに腐食等が無いか ☆送風機の異音、振動、Vベルト等に異常が無いか ☆機器回転部の危険な部分は保護されているか ☆機械室出入口は施錠されているか ビル用マルチエアコンの点検ポイント ☆吹き出し口や吸い込みグリルが異常に汚れていないか ☆定期的にフィルター、ドレンパンの洗浄を行っているか ☆ドレンパンの水は排水されているか ☆コイルの目詰りはないか ☆室外機の運転状態、周囲の配管、通風等に問題ないか

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5 熱源機器の点検ポイント ☆ボイラー、冷凍機等の熱源機器は、機器の特性によっては法的な規制を受ける ☆燃料等の配管には危険表示がされているか ☆室内の周辺は整理されているか ☆機械室出入口は施錠されているか、立入り禁止表示があるか 冷却塔の点検ポイント ☆定期的に清掃がされているか ☆薬注が適切に行われているか(レジオネラ菌対策) ☆シーズンオフは水抜きをしているか ポンプの点検ポイント ☆圧力計、電流計の値は適切か ☆軸受け部の状態に異常がないか、適量の水が滴下しているか ☆異音、振動等がないか 送排風機の点検ポイント ☆電流の値は適切か ☆異音、振動等がないか ☆Vベルトの異常はないか (4)給排水・衛生設備 給水設備は、飲料水や衛生上必要とする用水、空調や消火用水など、建物内の事業 活動や衛生環境を保持するための設備である。同様に使用された水は、建物外に速や かに、適切な方法で排出するのが、排水設備である。 受水槽・高置水槽の点検ポイント ☆水槽及びポンプ、配管、バルブ類に異常はないか ☆水槽周りに異常がないか、内部に藻などが発生していないか ☆マンホールは施錠されているか、高置水槽周りの安全対策は問題ないか ☆通気管、オーバーフロー管に防虫網が取り付けられているか ☆水の色、濁り、味、臭いなど異常がないか 汚水槽、雑排水槽、湧水槽の点検ポイント ☆マンホールのパッキンに破損がないか ☆衛生害虫の発生がないか ☆ポンプ、配管、バルブ類に異常はないか ☆定期的に清掃がされているか

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6 衛生器具の点検ポイント ☆配管周りからの漏水がないか ☆床排水、洗面排水の状態、トラップ機能に異常はないか ☆水栓、衛生器具類に漏れ等はないか ☆外周り排水系のマンホールに土砂の堆積等がないか (5)防災設備 消防設備は、定期的に点検・報告そして点検できる資格者が法令で定められて いる。建物を管理する責任者の立場では、以下の項目について、日頃確認をして おくことが大切である。 防災設備の点検ポイント ☆防災監視盤のスイッチの位置は所定の位置にあるか ☆感知器の取り外しがないか ☆誘導灯、標識等の視覚障害はないか ☆消火器は所定の位置にあるか ☆防火扉や非常口、防火シャッターの周辺に障害物がないか ☆避難器具の周りに障害物がないか ☆避難通路は確保されているか 以上

参照

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