タイトル
Astrid Stadler,Bundelung von Interessen im
Zivilprozess Uberlegungen zur Einfu hrung von
Verbands-und Gruppenklagen im deutschen Recht
著者
佐藤, 弘直
引用
北海学園大学法学研究, 46(1): 177-198
発行日
2010-06-30
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・ 資 料 ・・・・・・ ・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
紹
介
A
st
rid
S
ta
d
le
r,
B
u
n
d
elu
n
g
vo
n
In
te
re
ss
en
im
Z
iv
ilp
ro
ze
ss
U ̈
be
rle
gu
ng
en
zu
r E
in
fu
hr
un
g
vo
n
V
erb
an
ds
-u
nd
G
ru
pp
en
kla
ge
n
im
de
uts
ch
en
R
ec
ht
佐
藤
弘
直
一 紹 介 の 意 義 内 閣 府 国 民 生 活 局 長 の 私 的 研 究 会 集 団 的 消 費 者 被 害 回 復 制 度 等 に 関 す る 研 究 会 は 、 二 〇 〇 八 年 一 二 月 五 日 か ら 二 〇 〇 九 年 八 月 一 〇 日 に か け て 開 催 さ 1 ︶ れ た 。 消 費 生 活 相 談 件 数 に 関 す る デ ー タ と 集 団 的 消 費 者 被 害 事 例 の 整 理 と と も に 、 集 団 的 消 費 者 被 害 の 回 復 等 に 関 す る 我 が 国 の 現 行 制 度 お よ び 諸 外 国 の 制 度 の 内 容 と 運 用 状 況 に 関 す る 調 査 並 び に 制 度 の 在 り 方 に つ い て 意 見 換 が な さ れ た 。 こ の 研 究 会 は 、 二 〇 〇 九 年 一 〇 月 に 報 告 書 を と り ま と め 、 表 し た 。 消 費 2 ︶ 者 庁 は 、 こ の 報 告 書 に は ① 我 が 国 に お け る 消 費 者 被 害 回 復 に つ い て 望 ま し い 制 度 の あ り 方 の 結 論 と ② 加 害 者 の 財 産 保 全 制 度 を 含 め た 制 度 化 の た め の 具 体 的 な 論 点 が 充 に 示 さ れ て い な い と し た 。 そ し て こ の 論 点 等 を 整 理 す る た め に 、 消 費 者 庁 は 、 集 団 的 消 費 者 被 害 救 済 制 度 研 究 会 を 二 〇 〇 九 年 一 一 月 二 四 日 か ら 開 催 し て 3 ︶ い る 。 ま た 、 二 〇 一 〇 年 三 月 三 〇 日 に 閣 議 決 定 さ れ た 消 費 者 基 本 4 ︶ 計 画 の 具 体 的 施 策 一 一 〇 号 に よ る と 、 加 害 者 の 財 産 の 隠 北研 46 (1・ )匿 又 は 散 逸 の 防 止 に 関 す る 制 度 を 含 め 多 数 の 消 費 者 に 被 害 を 生 じ さ せ た 者 の 不 当 な 収 益 を は く 奪 し 、 被 害 者 を 救 済 す る た め の 制 度 に つ い て 、 い わ ゆ る 権 訴 、 適 格 消 費 者 団 体 に よ る 損 害 賠 償 等 団 体 訴 制 度 、 課 徴 金 制 度 の 活 用 を 含 め た 幅 広 い 検 討 を 加 え 、 消 費 者 委 員 会 の 意 見 を 聞 き な が ら 、 必 要 な 措 置 を 講 じ る と さ れ て い る 。 こ の よ う に 適 格 消 費 者 団 体 が 被 害 を 受 け た 消 費 者 に 代 わ り 損 害 を 回 復 す る 制 度 の 導 入 は 、 今 ま さ に 具 体 化 さ れ よ う と し て き て い る 。 二 〇 〇 四 年 に ド イ ツ で は 、 不 正 競 争 防 止 法 ︵ U W G ︶ 一 〇 条 に 利 益 剥 奪 請 求 権 が 規 定 さ れ た 。 す な わ ち 、 U W G 三 条 に 故 意 に 違 反 し 、 多 数 の 購 入 者 の 負 担 で 利 益 を 得 た 者 は 、 八 条 三 項 二 号 な い し 四 号 の 規 定 に よ る 差 止 請 求 権 を 有 す る 者 に よ っ て 、 国 庫 に 対 し て 当 該 利 益 を 引 渡 す よ う 求 め ら れ う る こ と と な っ た 。 差 止 請 求 権 者 は 、 故 意 に 不 当 な 利 益 を 得 た 事 業 者 に 対 し 、 不 当 に 得 た 利 益 を 国 庫 に 引 き 渡 す よ う 請 求 す る こ と が で き る こ と と な っ た の で あ る 。 ド イ ツ の 立 法 者 は 、 消 費 者 保 護 の 貫 徹 を 目 的 と し て 、 差 止 請 求 に よ っ て も 、 権 利 の 集 約 の 方 法 に よ っ て も 、 不 特 定 か つ 多 数 の 一 般 消 費 者 の 利 益 が 違 反 者 の 元 に 残 っ た ま ま と な る と い う 不 都 合 性 を 解 消 し 、 一 般 消 費 者 の 利 益 ︵ 損 害 ︶ の 回 復 を 図 る た め に 、 こ の 制 度 を 導 入 し た の で あ る 。 違 反 者 か ら 収 益 を 奪 う こ と に よ り 、 違 反 者 に 対 す る 違 法 行 為 の 防 止 効 果 を 図 る と と も に 、 そ の 活 動 資 金 を 断 つ こ と に よ る 抑 止 力 、 手 に 入 れ た 利 益 が 剥 奪 さ れ る 可 能 性 が 高 い と い う 威 嚇 効 果 の 発 揮 を 目 指 し た も の で 5 ︶ あ る 。 二 〇 〇 四 年 に 利 益 剥 奪 請 求 権 を U W G に 導 入 す る 当 時 に ド イ ツ で さ れ た 議 論 は 、 集 団 的 権 利 保 護 の た め に 新 た な 制 度 の 導 入 を 模 索 す る 我 が 国 で の 議 論 に 資 す る も の と い え る 。 そ こ で 、 利 益 剥 奪 請 求 権 を 消 費 者 団 体 に 付 与 す る 必 要 性 と そ の 根 拠 、 導 入 に よ る 弊 害 と そ の 解 決 策 、 そ し て ア メ リ カ の ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 導 入 の 要 否 に つ い て 論 述 す る 本 論 文 を 紹 介 す る こ と に し た 。 二 本 論 文 の 概 要 本 論 文 の 著 者 A st ri d S ta d le r 教 授 は 、 コ ン ス タ ン ツ 大 学 を 卒 業 さ れ 、 同 大 学 か ら 博 士 号 の 授 与 を 受 け 、 フ ラ イ ブ ル グ 大 学 、 チ ュ ー ビ ン ゲ ン 大 学 、 ミ ュ ン ヘ ン 大 学 で 教 鞭 を と ら れ た 。 民 法 、 民 事 訴 法 、 国 際 民 事 訴 法 、 欧 州 民 事 手 続 法 を お も な 研 究 対 象 と さ れ て い る 。 本 論 文 は 、 二 〇 〇 三 年 三 月 一 一 日 に カ ー ル ス ル ー エ の 法 律 北研 46 (1・ )
協 会 で 行 わ れ た 講 演 を 書 き 下 ろ し た も の で あ る 。 序 、 ド イ ツ の 民 事 訴 に お け る 個 人 的 請 求 権 の 自 主 的 集 束 、 拡 散 か つ 少 損 害 の 場 合 に お け る 複 数 団 体 か ら の 損 害 賠 償 請 求 訴 、 集 団 訴 、 結 か ら 構 成 さ れ て い る 。 以 下 に そ の 概 要 を 紹 介 す る 。 1 序 こ こ で は 、 本 論 文 の テ ー マ は 、 法 律 野 に お け る 解 決 策 と 規 制 モ デ ル に 関 す る も の で あ り 、 民 事 訴 に お け る 二 当 事 者 間 訴 が 限 界 に き て い る こ と が 具 体 的 事 例 か ら 説 明 さ れ 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の ド イ ツ 法 に お け る 現 代 的 位 置 付 け が 述 べ ら れ て い る 。 前 世 紀 の 七 〇 年 代 初 頭 に お け る 団 体 訴 の 導 入 の た め の さ ま ざ ま な 察 は 、 も は や 古 典 的 テ ー マ で あ る 。 現 代 的 テ ー マ と し て 訴 法 上 の 比 較 は 、 よ う や く 始 ま っ た ば か り で あ っ て 、 ア メ リ カ の ク ラ ス ア ク シ ョ ン が ま さ に そ の 対 象 で あ る 。 す な わ ち 、 一 九 六 五 年 の U W G 、 そ の 後 の 一 九 七 六 年 の 普 通 取 引 約 款 規 制 法 ︵ A G B G ︶ へ の 団 体 の 差 止 請 求 権 の 導 入 は 、 ド イ ツ の 訴 法 を 古 典 的 な 二 当 事 者 訴 の 拘 束 か ら 解 放 し 、 数 十 年 来 議 論 に 上 ら な か っ た 団 体 訴 を 再 び 議 論 の 場 に 登 場 さ せ る こ と と な っ た 。 消 費 者 運 動 の う ね り が 次 第 に 強 く な っ て き た 中 で 、 実 際 的 な 法 政 策 上 の 議 論 と し て ク ラ ス ア ク シ ョ ン が 取 り 上 げ ら れ 、 再 び 脚 光 を 浴 び る こ と と な っ た の で あ る 。 こ の ク ラ ス ア ク シ ョ ン に 関 す る 議 論 の 復 活 の 背 景 に は 、 こ こ 十 数 年 で 製 品 の 供 給 力 と 生 産 力 が 増 大 し 、 発 展 す る 一 方 で 、 そ の 製 品 を 購 入 し た 者 が 多 数 存 在 し 、 生 産 者 ・ 販 売 者 と 消 費 者 と の 関 わ り 具 合 の 不 透 明 さ か ら 、 消 費 者 と そ の 関 係 者 と の 匿 名 性 が 高 ま り を み せ て い る 、 と の 析 が さ れ て い る 。 法 律 上 の 争 に お い て こ の 匿 名 性 が 民 事 訴 の 二 当 事 者 訴 の 原 則 を 限 界 に 近 づ け て い る と の 立 場 か ら 、 こ の 原 則 の 限 界 状 況 を 明 ら か と す る 具 体 的 な 事 例 を 三 つ 挙 げ て い る 。 最 初 の 事 例 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 ド イ ツ や 欧 州 に 限 ら ず 現 代 の 産 業 会 社 は 、 大 量 損 害 を 発 生 さ せ る 可 能 性 が 高 い 。 大 量 生 産 さ れ た 商 品 、 と り わ け 医 薬 品 に 製 品 上 の 瑕 疵 が 生 じ る な ら ば 、 直 ち に 相 当 多 数 の 被 害 者 が 発 生 す る 。 す べ て の 被 害 者 に と っ て 、 生 産 者 に 対 す る 損 害 賠 償 請 求 権 は 、 い ず れ に も 同 一 の 行 為 に 基 づ き 、 同 一 の 法 律 上 の 問 題 に 起 因 す る 原 因 が 存 在 し て い る 。 異 な っ た 裁 判 所 で 、 別 々 の 手 続 き の 中 で 、 さ ら に は 異 な っ た 結 論 が 出 る こ と は 、 訴 経 済 上 ま っ た く 支 持 さ れ え な い 。 こ の こ と は 鉄 道 機 関 、 航 空 機 関 、 水 上 通 で の 大 量 事 故 、 あ る い は 環 境 災 害 の 場 合 に も 同 様 に 妥 当 す る 。 北研 46 (1・ )
す べ て の 被 害 者 が 企 業 の 責 任 者 、 た と え ば 役 員 ま た は 取 締 役 会 構 成 員 な ど に 対 す る 個 人 的 責 任 を 問 う 訴 の 提 起 が 許 容 さ れ る な ら ば 、 被 害 者 の 権 利 を 集 束 す る と い う 制 度 を も た な い 司 法 制 度 は 、 た だ ち に 麻 痺 す る で あ ろ う し 、 そ う で な い と し て も 手 続 は 、 ま っ た く も っ て 停 滞 し て し ま う の で あ る 。 次 の 事 例 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 パ ッ ク 入 り 珈 琲 ま た は 末 洗 剤 に は 、 実 際 に 表 示 さ れ た だ け の 量 が 入 っ て い る で あ ろ う か 。 お そ ら く は 検 査 を し た こ と が な い で あ ろ う 。 実 際 計 っ て み た な ら ば 、 多 驚 く で あ ろ う 。 消 費 者 保 護 団 体 は 、 抜 き 取 り 調 査 に よ っ て 、 い く つ か の 野 の 商 品 で は 、 表 示 さ れ た 量 が 日 常 的 に か に 少 な く な っ て い る こ と を 証 明 し て き て い る 。 こ の と き の 損 害 は 、 拡 散 し て 発 生 し て い る が 、 各 個 人 に と っ て は ご く わ ず か な も の に す ぎ な い 。 経 済 社 会 全 体 に と っ て は し か し な が ら 無 視 し え な い 損 害 で あ る 。 他 方 生 産 者 に は 、 著 し い 不 当 な 利 得 が も た ら さ れ る の で あ る 。 実 例 と し て 七 〇 年 代 終 わ り の フ ラ ン ス の ワ イ ン 生 産 者 の 事 例 が 紹 介 さ れ て い る 。 こ の ワ イ ン 生 産 者 は 、 一 五 リ ッ ト ル と 表 示 さ れ た 瓶 に 一 瓶 当 た り 一 四 八 六 リ ッ ト ル を 詰 め て 、 二 億 万 本 を 売 り 、 一 三 〇 〇 万 フ ラ ン を 手 に し た の で あ る 。 個 々 の 消 費 者 は 、 損 害 賠 償 請 求 訴 を 実 体 法 上 問 題 な く 提 起 し う る 。 し か し 実 際 に 訴 え は 提 起 さ れ な い 。 と い う の は 、 訴 に よ る 出 費 ・ 費 用 が 訴 に よ る 成 果 と 釣 り 合 わ な い か ら で あ る 。 そ の 結 果 、 損 害 賠 償 法 の 抑 止 機 能 は 、 働 か な い 。 ド イ ツ で の 消 費 者 団 体 に よ る 差 止 訴 は 、 将 来 の 不 当 行 為 の 差 止 め に お い て 裁 判 上 作 用 し え る に す ぎ な い 。 す な わ ち 、 供 給 者 側 に 競 争 法 上 の 警 告 を し 、 ま た は 差 止 訴 の 威 嚇 効 果 に よ り 、 適 正 な 利 益 を 得 る よ う 作 用 し た に 過 ぎ な い の で あ る 。 そ れ ゆ え 被 害 を 被 っ た 者 の 権 利 追 求 の た め の 効 果 的 な 手 段 が 必 要 と な る の で あ る 。 最 後 の 事 例 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 新 た な 市 場 と し て の 金 融 市 場 へ の 投 資 事 例 で あ る 。 投 資 家 保 護 も ま た 法 的 関 心 事 な の で あ る 。 企 業 統 治 政 府 委 員 会 ︵ R eg ie ru n g sk o m m is si o n C o rp o ra te G o v er n a n ce ︶ と ベ ル リ ン で の 六 四 回 法 曹 大 会 の 経 済 法 部 会 は 、 証 券 発 行 者 の 責 任 追 求 を え て き た 。 そ れ は 現 行 の 証 券 取 引 法 ︵ W p H G ︶ 一 五 条 六 項 の 規 定 を 超 え て 、 役 員 ま た は 取 締 役 会 構 成 員 が 個 人 的 な 損 害 賠 償 責 任 を 負 う と す る 制 度 の 導 入 を 初 め て 提 案 し た 。 投 資 家 が 錯 誤 に 陥 り 、 あ る い は 資 本 市 場 の 重 要 な 事 実 に つ い て の 説 明 を 事 後 に 受 け 、 こ れ に よ っ て 損 失 が 生 じ た 場 合 に 限 定 し て 、 証 券 発 行 者 の 責 任 追 及 の 制 度 の 導 入 を 目 指 し た 。 連 邦 立 法 者 に よ っ て 、 投 資 家 保 護 の た め 、 責 任 を 厳 し く 問 う こ と が 明 確 化 さ れ た 。 こ こ で 北研 46 (1・ )
も 実 体 法 の 責 任 制 度 が い ず れ に せ よ 手 続 上 の 措 置 に よ っ て 側 面 に 追 い や ら れ て い る 。 2 ド イ ツ の 民 事 訴 に お け る 個 人 的 請 求 権 の 自 主 的 集 束 こ こ で は 、 前 述 の 諸 事 例 に 対 し て ド イ ツ で は 、 民 事 訴 法 上 ど の よ う に 対 処 す る こ と に な る か に つ い て 、 整 理 ・ 析 が さ れ て い る 。 ア メ リ カ で の ク ラ ス ア ク シ ョ ン は 、 結 局 の と こ ろ 弁 護 士 が 高 額 な 報 酬 を 手 に 入 れ よ う と の 動 機 に 起 因 し て 提 起 さ れ て い る 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン は 、 欧 州 の 弁 護 士 に は 調 子 良 く 聞 こ え る が 、 他 方 で 事 業 者 に は 訴 の 悪 魔 ︵d er p ro ze s-su a le T eu fe l ︶ と 映 る 。 こ の 悪 魔 は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 議 論 が 積 み 重 ね ら れ て い く 中 で 次 第 に 脚 色 さ れ て い る 。 ド イ ツ に お い て 集 団 訴 は 、 そ れ ゆ え 法 政 策 上 の 議 論 の 中 で 汚 名 を 着 せ ら れ る こ と に な っ た 、 と 著 者 は え て い る 。 訴 上 の 利 益 の 集 束 の た め に 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 弊 害 が 議 論 さ れ な い の は 、 著 者 に よ れ ば 、 ま っ た く の 間 違 い で あ る 、 と の こ と で あ る 。 製 品 に 損 害 が 生 じ た 場 合 に 、 ド イ ツ の 産 業 界 が ア メ リ カ で 訴 え ら れ る こ と を 恐 れ る こ と は 、 も っ と も な こ と で あ る 。 と い う の は ク ラ ス ア ク シ ョ ン に よ っ て 、 そ の 責 任 者 が ア メ リ カ で の 裁 判 に 引 き 込 ま れ る こ と か ら 脅 威 と な る か ら で あ る 。 ド イ ツ で は 、 審 理 前 の デ ィ ス カ バ リ ー 、 陪 審 員 手 続 そ し て 懲 罰 的 損 害 賠 償 概 念 が 採 用 さ れ て い な い か ら 、 ド イ ツ で の 集 団 訴 に よ る と 、 ア メ リ カ の よ う な 制 度 の 適 用 を 受 け ず に す む の で あ る 。 ド イ ツ の 法 制 度 に 存 在 す る と い う 、 集 団 的 権 利 保 護 の た め に 解 消 さ れ な け れ ば な ら な い 明 ら か な 不 整 合 性 と 解 決 策 の 欠 如 が 述 べ ら れ て い る 。 欧 州 で は 、 ア メ リ カ と 対 照 的 に 、 ま ず 訴 法 が 武 器 対 等 の 原 則 を 生 み 、 行 為 抑 制 に 作 用 す る 制 度 を 導 入 す べ き で あ る と い う 意 識 が 高 ま っ て い る 。 そ し て 、 弊 害 と 濫 用 の お そ れ に つ い て 解 決 す る た め に は 、 ア メ リ カ 流 の モ デ ル を ま っ た く 否 定 す る こ と な し に 、 新 た な 制 度 を 導 入 す る こ と は で き な い 、 と 著 者 の 見 解 が 示 さ れ て い る 。 ド イ ツ 特 有 の 法 制 度 に 則 し た 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 長 所 の み を 採 用 し た 個 人 の 請 求 権 の 集 団 化 が 重 要 で あ る 。 前 述 の 事 例 の す べ て が 集 団 訴 に 適 し て い る わ け で は な い 。 訴 上 の 決 定 的 な 解 決 策 か ら そ れ ぞ れ の 事 件 の 特 徴 に 応 じ て 区 別 さ れ な け れ ば な ら な い 。 個 人 的 損 害 が 比 較 的 高 額 な 場 合 、 そ の 損 害 は 同 一 の 事 実 上 ま た は 法 律 上 の 問 題 を 伴 っ て 、 連 続 し て 発 生 し 、 大 規 模 化 す る 傾 向 が あ る 。 こ の 場 合 被 害 者 に は 、 自 己 の 請 求 権 を 行 し よ う と の 動 機 が 働 く 。 手 続 の 中 で ま た は 手 北研 46 (1・ )
続 き の 途 中 で 、 個 々 の ケ ー ス に 共 通 の 争 点 を 集 約 す る よ う に 、 ま た は す べ て の 関 係 者 に 拘 束 力 も っ て 決 定 す る よ う に 取 り 扱 わ れ る こ と が 、 訴 経 済 の 原 則 か ら み て 有 益 で あ る 。 し た が っ て 、 ム ス タ 訴 ま た は 集 団 訴 が 適 し て い る 。 他 方 、 個 人 的 損 害 が 比 較 的 低 額 な 場 合 、 各 個 人 の 権 利 に 基 づ く 訴 の 提 起 に は 、 相 応 の わ ず か な 動 機 が 働 く に 過 ぎ な い 。 こ の よ う に 損 害 額 に よ る 不 整 合 性 が 存 在 す る の で あ る 。 ド イ ツ 法 に 関 し て は そ れ ゆ え 、 団 体 訴 と 集 団 訴 の 集 束 モ デ ル と の 組 み 合 わ せ は 、 採 用 さ れ え な い 、 と 著 者 は え て い る 。 3 拡 散 か つ 少 損 害 の 場 合 に お け る 複 数 団 体 か ら の 損 害 賠 償 請 求 訴 こ こ で は 、 発 生 し た 損 害 が 拡 散 的 で あ っ て 、 少 で あ る 場 合 の 集 団 的 救 済 制 度 に 想 定 さ れ る 論 点 に つ い て 、 法 政 策 の 必 要 性 と 団 体 訴 の 構 造 が 述 べ ら れ て い る 。 ⑴ 法 政 策 の 必 要 性 に つ い て 、 ま ず ム ス タ 訴 と 集 団 訴 が 拡 散 か つ 少 の 損 害 の 場 合 に は 不 適 合 で あ る 、 と 述 べ て い る 。 競 争 法 違 反 の 場 合 ま た は 消 費 者 保 護 法 規 違 反 の 場 合 に 拡 散 な い し 少 損 害 が 、 発 生 す る 。 同 一 内 容 で そ し て 比 較 的 長 期 に 亘 る 違 法 行 為 が 、 た い て い 存 在 し て い る 。 こ の 違 法 行 為 は 、 事 業 者 に は 相 当 な 経 済 的 利 益 を 与 え 、 各 個 人 に は わ ず か な 損 害 を 与 え る に す ぎ な い の で あ る 。 こ の よ う な 損 害 、 た と え ば 大 量 の 混 ぜ も の 、 振 替 の た め の 銀 行 手 数 料 、 〇 一 九 〇 番 の 濫 用 、 効 果 の な い 身 薬 の 販 売 な ど で 発 生 す る 損 害 の 場 合 に は 、 集 団 訴 ま た は ム ス タ 手 続 は 、 有 益 で な い 。 と り わ け 集 団 訴 は 、 訴 上 の 整 備 と 無 関 係 に 、 各 個 人 に 法 的 構 造 か ら の 出 費 、 さ し あ た り 原 告 に 裁 判 費 用 の 負 担 を さ せ る こ と に な る 。 少 損 害 の 場 合 、 こ の よ う な 負 担 を 伴 う 集 団 的 手 続 き へ の 参 加 は 、 各 個 人 に と っ て 、 他 人 が 提 起 し た 訴 え に 参 加 す る 場 合 と 同 様 に 有 益 で は な い 。 ム ス タ 手 続 も 、 同 様 の 検 討 が 、 必 要 で あ る 。 法 律 相 談 法 の 改 正 後 、 債 務 法 の 現 代 化 に あ た り 、 二 〇 〇 一 年 八 月 か ら 法 律 相 談 法 の 一 条 三 項 八 号 に お い て 、 消 費 者 セ ン タ ー と 消 費 者 団 体 は 、 消 費 者 保 護 の た め 、 消 費 者 の 債 権 ま た は 取 立 目 的 で 譲 渡 さ れ た 債 権 を 裁 判 上 主 張 す る こ と が 原 則 と し て 許 さ れ て い る 。 こ の 新 た な 規 定 は 、 一 方 で は 、 被 害 者 が 権 利 追 求 を 団 体 に 委 ね る 場 合 に 、 既 知 の ま た は 知 り 得 る 被 害 者 の 請 求 権 を 集 束 す る こ と が 有 益 と な り 得 る 。 他 方 こ の 新 た な 規 定 は 、 ム ス タ 手 続 を 許 容 し て い な い か ら 、 こ の 改 正 の 不 十 さ は 否 め な い も の の 、 基 本 的 に は 歓 迎 さ れ て い る 。 北研 46 (1・ )
広 範 囲 に 拡 散 し た 少 損 害 の 場 合 に 、 代 表 的 に 提 訴 さ れ た ム ス タ 訴 が 有 効 と さ れ 、 そ の 結 果 他 の 被 害 者 も 自 己 の 請 求 権 を 追 求 し よ う と 働 き か け ら れ る な ら ば 、 ム ス タ 手 続 は 、 想 定 さ れ た 範 囲 で の 効 果 が も た ら さ れ る こ と に な る 。 し か し ム ス タ 判 決 は 、 法 律 上 後 に 提 起 さ れ る 訴 を 拘 束 す る 効 果 は な く 、 最 高 裁 判 所 の 判 決 が 一 般 的 に も っ て い る よ う に 、 単 に 事 実 上 の 先 例 と し て の 効 果 を も つ に す ぎ な い 。 他 の 被 害 者 は 、 そ れ ゆ え 単 に 、 被 告 が そ の 事 件 で 任 意 に 支 払 う か ま た は 同 一 内 容 の 判 決 が な さ れ る か を 期 待 で き る に す ぎ な い 、 と ム ス タ 訴 の 制 度 上 の 制 約 か ら 目 的 を 達 し え な い 不 充 さ を 指 摘 し て い る 。 こ の よ う な ム ス タ 判 決 に よ る 効 果 を 慮 に い れ て も 少 損 害 の 場 合 に は 、 自 己 の 請 求 権 を 行 し よ う と 決 心 す る も の は 、 わ ず か に す ぎ な い 、 と 著 者 は 予 想 す る 。 政 府 の 草 案 が 法 律 相 談 法 の 改 正 に よ っ て 少 損 害 と 拡 散 損 害 の 対 策 の た め に 計 画 さ れ た と え る な ら ば 、 そ れ は 見 込 み 違 い で あ ろ う 。 実 際 の と こ ろ 、 ム ス タ 訴 の 可 能 性 は こ れ ま で 慮 に 値 し な い と え ら れ て い る 。 と い う の は 、 限 定 的 、 最 小 と さ れ る 一 般 条 項 に は 、 団 体 訴 が 消 費 者 保 護 の た め に は 必 要 不 可 欠 で あ る に 違 い な い が 消 費 者 団 体 に は 重 す ぎ る 訴 負 担 が 潜 ん で い る か ら で あ る 、 と 説 明 し て い る 。 こ れ ま で 見 た 拡 散 損 害 の 場 合 に 生 じ る 難 点 か ら 、 権 利 追 求 は 、 そ れ ゆ え 消 費 者 保 護 の た め に 、 個 人 レ ベ ル か ら 団 体 レ ベ ル へ と 位 置 づ け ら れ る よ う に な っ た 。 現 行 の 差 止 請 求 権 を 超 え て 給 付 請 求 権 ま た は 剥 奪 請 求 権 を 団 体 に 認 め る な ら ば 、 威 嚇 効 果 か ら 予 防 的 機 能 を も つ 、 と 著 者 は 述 べ る 。 し か し 、 発 生 し た 損 害 を 現 実 的 に 補 塡 さ せ る 任 務 を 団 体 に 引 き 受 け さ せ る こ と は で き な い 。 民 法 上 の 請 求 権 の 被 害 者 自 身 に よ る 行 は 、 一 次 的 な 予 防 効 果 も あ る と ド イ ツ で は 以 前 か ら え ら れ て い た か ら で あ る 。 ド イ ツ の 立 法 者 は 、 消 費 者 保 護 を 、 す で に 差 止 訴 に 関 す る E U 指 令 の 転 換 の 際 に 訴 法 上 改 善 し て き た し 、 消 費 者 保 護 法 規 違 反 に 対 す る す べ て の ケ ー ス に 拡 大 し て き た 。 差 止 訴 法 ︵ U K l a G ︶ 三 条 、 四 条 に お い て 定 め ら れ た 訴 追 行 権 限 は 、 団 体 訴 の 範 囲 を よ り 拡 大 す る た め に 用 い ら れ て き た 。 著 者 は 、 こ の よ う な 拡 大 化 の 流 れ の 中 で 、 違 法 か つ 有 責 で 消 費 者 保 護 規 定 に 違 反 し 、 こ れ に よ り 拡 散 的 損 害 が 生 じ 、 不 当 に 取 得 さ れ た 利 益 を 剥 奪 す る と い う 訴 え こ そ が 、 立 法 化 に あ た り 正 当 化 さ れ な け れ ば な ら な い 、 と の 見 解 を 述 べ て い る 。 北研 46 (1・ )
そ し て 、 欧 州 で 消 費 者 保 護 の た め の 集 団 的 訴 権 に 関 す る 新 た な 制 度 は 、 典 型 的 な 差 止 訴 制 度 で は 満 た し え な い 不 充 さ を 埋 め て い く で あ ろ う 、 と の 析 が さ れ て い る 。 た と え ば フ ラ ン ス 、 イ タ リ ア 、 ス ペ イ ン 、 オ ラ ン ダ で は 、 伝 統 的 な 差 止 訴 制 度 の 不 充 さ を 補 完 す る よ う な 制 度 へ と 進 ん で い る 。 し か し 、 団 体 が 誰 の 損 害 を 請 求 し て い る の か 、 損 害 は ど の よ う に し て 計 算 さ れ う る の か 、 団 体 は 訴 え に よ っ て 得 た 金 額 を ど の よ う に 用 し な け れ ば な ら な い か と い う 問 題 が 、 共 通 し て 存 在 し て い る 。 そ し て こ れ ら の 問 題 は 、 原 理 上 の 回 答 を 明 確 に 見 出 せ て い な い の が 現 状 で あ る 、 と 著 者 は 述 べ て い る 。 そ し て 欧 州 の い く つ か の 国 の 制 度 が 紹 介 さ れ て い る 。 フ ラ ン ス と オ ラ ン ダ の 規 定 で は 、 損 害 の 額 は 団 体 の 目 的 に 従 っ た 用 、 あ る い は 団 体 自 身 の た め に 個 々 の ケ ー ス で 決 め ら れ た 用 と さ れ 、 途 は 団 体 に 委 ね ら れ て い る 。 ス ペ イ ン で は 、 一 九 九 八 年 に 改 正 さ れ た A G B G は 、 団 体 が 損 害 賠 償 請 求 と し て 訴 え 、 認 容 さ れ た 金 額 を 被 害 者 に 対 し て 配 し な け れ ば な ら な い か ど う か に つ い て 規 定 し て い な い 。 ス ペ イ ン の 新 し い 民 事 訴 法 で は 、 集 団 訴 に 関 す る 規 定 は 、 不 完 全 な ま ま で あ る 。 オ ラ ン ダ で は 、 新 し い 民 法 が 明 確 に 財 団 ま た は 協 会 に よ る 集 団 的 給 付 請 求 訴 を 可 能 と し て い る 。 し か し な が ら 、 金 銭 の 支 払 を 目 的 と す る 損 害 賠 償 請 求 訴 を 提 起 し え ず 、 債 権 譲 渡 に 基 づ く 団 体 訴 だ け が 許 さ れ て い る に 過 ぎ な い 。 消 費 者 保 護 以 外 で は 、 競 争 違 反 ま た は 投 資 家 保 護 の た め の 団 体 に よ る 給 付 訴 の 例 と し て 、 二 〇 〇 〇 年 一 月 の イ ギ リ ス の 市 場 法 と 一 九 九 五 年 の ス イ ス の 投 資 フ ァ ン ド 法 が 紹 介 さ れ て い る 。 こ れ ら に は 、 損 害 賠 償 請 求 の 際 に 集 団 訴 ま た は 特 別 な 代 理 人 に よ る 方 法 が 定 め ら れ て い る 。 ⑵ 次 に 、 団 体 訴 の 構 造 に 関 す る 論 点 に つ い て 、 少 損 害 と 拡 散 損 害 の 定 義 、 団 体 訴 に つ い て の 実 体 法 上 の 原 則 の 訴 法 へ の 転 換 、 団 体 の 請 求 権 と 個 人 の 損 害 賠 償 請 求 権 と の 関 係 、 そ し て 複 数 団 体 か ら 繰 り 返 し 提 起 さ れ る 訴 か ら の 被 告 保 護 の 必 要 性 が 述 べ ら れ て い る 。 i) ま ず 、 少 損 害 と 拡 散 損 害 の 定 義 に つ い て 、 団 体 に よ る 損 害 賠 償 請 求 訴 は 、 法 律 上 の 展 開 に お い て 細 部 に 問 題 が 存 在 す る 。 団 体 に よ る 剥 奪 訴 は 、 個 人 に よ る 権 利 追 求 が 機 能 せ ず 、 損 害 額 の 全 額 を す べ て の 消 費 者 の 利 益 の た め に 訴 え を 提 起 す る 場 合 に 正 当 化 さ れ る 。 す な わ ち 、 ド イ ツ 連 邦 司 法 省 ︵ B M J ︶ に よ る こ れ ま で の U W G 改 北研 46 (1・ )
正 の た め に 審 議 さ れ た 草 案 で は 、 買 い 手 の 多 数 に 損 害 が も た ら さ れ 、 個 人 的 損 害 の 程 度 は か で あ る 場 合 に 、 団 体 に よ る 利 益 剥 奪 を 常 に 許 容 し て い た 。 こ れ に よ っ て 、 個 人 の 請 求 権 を 競 争 者 は 行 が 可 能 か と の 問 題 が 生 じ た 。 U W G は こ れ ま で 、 損 害 賠 償 請 求 権 は 、 競 争 者 に の み 存 し 、 原 則 的 に は 個 々 の 消 費 者 に は 存 し な い と し て き た か ら で あ る 。 長 年 議 論 さ れ て き て い る が 、 損 害 を 受 け た 消 費 者 た る 各 個 人 が 一 般 消 費 者 を 保 護 す る こ と は で き な い と さ れ た 。 そ こ で 権 利 追 求 を 実 体 法 上 も 各 個 人 に 代 わ っ て 全 面 的 に 団 体 レ ベ ル へ 移 行 さ せ よ う と し た の で あ る 、 と の 著 者 の 理 解 が 示 さ れ て い る 。 契 約 ま た は 不 法 行 為 に 基 づ く 損 害 賠 償 請 求 権 は 、 個 人 レ ベ ル で は 消 費 者 の 権 利 と し て 、 全 く 問 題 視 さ れ な い 。 し た が っ て 、 団 体 が 個 人 に 代 わ っ て 権 利 追 求 す る こ と を 承 認 す る た め に は 、 個 人 が 自 己 の 損 害 を 自 ら 追 求 す る つ も り が な い と の 前 提 の 下 で 、 少 損 害 を 定 義 し 、 損 害 の 限 度 ︵ d ie S ch m er zg re n ze ︶ を 定 義 す る 必 要 が あ る 、 と 主 張 す る 。 そ こ で 、 少 損 害 と い え る た め の 確 定 的 な 限 度 額 を 示 す こ と が 、 法 的 安 定 性 に と っ て 不 可 欠 と な る 。 M ic k lit z 教 授 と 著 者 が 共 同 執 筆 し た U W G の 新 条 項 追 加 の 意 見 書 ︵ G u ︶ に お い て 、 著 者 た ち は 、 少 損 害 の 限 度 額 を 具 体 的 に 二 五 ユ ー ロ と 設 定 し た 。 こ の よ う な 理 解 の 根 拠 を 、 費 用 法 に 求 め た の で あ る 。 訴 額 が 三 〇 〇 ユ ー ロ ま で の 場 合 、 裁 判 費 用 は 、 二 五 ユ ー ロ と 定 め ら れ て 6 ︶ い る 。 請 求 額 が 二 五 ユ ー ロ の 場 合 の 裁 判 費 用 は 、 訴 手 数 料 二 五 ユ ー ロ と 裁 判 手 数 料 五 〇 ユ ー ロ の 合 計 七 五 ユ ー ロ を 納 め な け れ ば な ら な い 。 被 害 者 が 勝 訴 判 決 に よ っ て 二 五 ユ ー ロ を 得 る た め に は 、 裁 判 費 用 だ け で 損 害 額 の 三 倍 を 投 入 せ ね ば な ら な い 。 と す る な ら ば 、 請 求 額 が 二 五 ユ ー ロ の 場 合 は 、 裁 判 手 続 き を 利 用 し た 権 利 追 求 に よ っ て 利 益 を 回 復 し よ う と の イ ン セ ン テ ィ ブ は 、 働 か な い か ら で あ る 。 裁 判 費 用 を 補 塡 す る 保 険 に 加 入 し て い る 者 で さ え も 、 こ の よ う な 少 額 の 権 利 争 に 労 力 を 費 や そ う と は し な い で あ ろ う 。 ii) 次 に 、 団 体 訴 に つ い て の 実 体 法 上 の 原 則 の 訴 法 へ の 転 換 に つ い て 、 述 べ て い る 。 剥 奪 請 求 が 実 体 法 上 と 訴 法 上 の 両 面 か ら 承 認 さ れ る な ら ば 、 よ り 多 く の 可 能 性 が 生 ま れ る 。 団 体 は 、 訴 担 当 の 方 法 で ま た は 法 定 第 三 者 損 害 の 償 還 の 方 法 で 他 人 の 権 利 追 求 、 た と え ば 個 々 の 被 害 者 に 帰 属 す る 損 害 賠 償 請 求 権 を 主 張 す る こ と が で き 北研 46 (1・ )
る 。 し か し 、 こ の よ う な 見 通 し の 先 に は 、 後 述 す る よ う に 、 被 害 者 に 対 し て 認 容 さ れ た 金 銭 の 配 の 問 題 が あ る 。 団 体 に 固 有 の 実 体 法 上 の 請 求 権 が あ る と す る の が 原 理 的 に は 一 番 よ い 、 と の 見 解 が 述 べ ら れ て い る 。 U K l a G 二 条 に 基 づ く 差 止 訴 に つ い て 立 法 者 は 、 こ の こ と を 明 確 に し て い る 。 こ の よ う な 理 由 か ら 要 求 さ れ た 金 額 は 、 原 告 た る 組 織 に 、 す べ て あ る い は 相 当 な 部 が 残 さ れ る べ き で あ る 、 と 強 調 す る 。 B M J が U W G 違 反 の 場 合 の 利 益 剥 奪 に 予 定 し て い た 解 決 策 は 、 ま っ た く の 的 外 れ で 、 お そ ら く 効 果 的 で な い 口 先 だ け の 説 明 で あ る 。 草 案 に よ る と 、 訴 権 が 認 め ら れ た 組 織 は 、 勝 訴 判 決 の 場 合 に 支 払 わ れ た 利 益 を 組 織 側 で そ の 必 要 経 費 を 差 し 引 い た の ち 国 庫 に 納 入 す る と さ れ て い る 。 し か し 、 こ れ に よ っ て 生 み 出 さ れ た の は 、 効 果 的 な 新 た な 団 体 訴 の 可 能 性 で は な く 、 張 り 子 の 虎 に す ぎ な い 。 火 中 の ク リ を 拾 う た め に 問 題 を 抱 え た 剥 奪 金 を 、 場 合 に よ っ て は 少 な く な い 訴 負 担 を 好 ん で 引 き 受 け る 団 体 は 、 存 在 し な い か ら で あ る 。 こ の 解 決 策 に つ い て の 十 な 根 拠 は 、 国 外 で も こ れ ま で 見 ら れ な い 。 国 外 の 制 度 は 、 た い て い は 団 体 が 固 有 の 権 限 に よ っ て 、 個 人 を 超 え た 損 害 を 請 求 す る と い う 型 に 依 存 し て い る 。 こ の 場 合 の 損 害 額 は 、 消 費 者 各 個 人 の 損 害 額 を 基 に し て は い な い 。 結 局 、 個 人 を 超 え た 損 害 と し て 請 求 し て い る 。 し か し な が ら 、 フ ラ ン ス で 過 去 に あ っ た よ う に 、 象 徴 的 な あ る い は 団 体 に 帰 属 す る 相 対 的 に 少 な 金 額 を 団 体 が 手 に す る の で あ れ ば 、 本 来 的 に 望 ま れ る 予 防 と 抑 制 機 能 が 実 現 化 さ れ え な い 。 こ の た め 、 責 任 者 の 利 益 が 剥 奪 さ れ 、 あ る い は 実 際 の 損 害 額 が 訴 え で 求 め ら れ る 必 要 が あ る 、 と 主 張 す る 。 賠 償 請 求 権 の 範 疇 で 察 す る な ら ば 、 団 体 ま た は 集 団 的 消 費 者 の 利 益 に 対 す る 財 産 権 上 の 損 害 と 非 財 産 権 上 の 損 害 の い ず れ か の 選 択 と な る に す ぎ な い 。 不 当 利 得 返 還 請 求 権 が 団 体 に 実 体 法 上 帰 属 す る こ と を 承 認 し う る と も え ら れ る 。 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は 、 剥 奪 の 見 解 を よ り 正 当 化 す る こ と に な る 。 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は 、 し か し な が ら 構 成 要 件 の 面 に 困 難 を き た す 。 団 体 が 不 当 利 得 の 意 味 に お い て 、 の 利 益 な い し 消 費 者 の 利 益 か ら 代 表 者 と し て の 地 位 が 委 託 さ れ る 場 合 に 限 っ た と し て も 、 与 え ら れ た 法 律 上 の 地 位 を 有 す る 論 拠 が 示 さ れ な け れ ば な ら な い 。 消 費 者 保 護 規 定 違 反 の 場 合 に は 、 当 然 に 北研 46 (1・ )
は 不 当 利 得 の 典 型 的 な ケ ー ス と な ら な い 。 違 反 行 為 は 、 他 人 の 法 律 上 の 地 位 を 不 当 に 具 体 的 に 利 用 す る こ と に よ っ て 不 当 な 利 得 を も た ら す も の で は な く 、 ま さ に 権 利 侵 害 そ の も の に ほ か な ら な い 。 団 体 に は 消 費 者 保 護 に 関 し て 当 然 に 防 御 権 が 帰 属 す る だ け で 、 不 当 利 得 の 概 念 の 意 味 に お け る 受 益 権 は 帰 属 し て い な い の で あ る 。 以 上 の こ と か ら 、 著 者 は 、 以 下 の よ う な 見 解 を 述 べ て い る 。 集 団 的 消 費 者 の 利 益 の た め の 剥 奪 請 求 権 は 、 原 理 的 な 理 由 か ら 、 不 法 行 為 法 と も 、 不 当 利 得 法 と も 適 合 し な い 。 特 殊 な 請 求 権 と し て 、 違 法 に 獲 得 さ れ た 利 益 の 剥 奪 を 求 め る 点 に 目 が 向 け ら れ な け れ ば い け な い 。 被 告 が 必 要 経 費 を 差 し 引 く こ と が で き る か 。 U W G の 草 案 理 由 に よ る と 、 収 益 が 剥 奪 さ れ る べ き で あ っ て 、 そ の 収 益 は 、 売 上 高 か ら 、 え ら れ う る 生 産 コ ス ト と 生 じ た 営 業 経 費 を 差 引 い て 算 定 さ れ る 。 つ ま り 、 諸 経 費 お よ び そ の 他 の 経 営 上 の 必 要 経 費 は 、 控 除 さ れ る べ き で は な い と さ れ て い る 。 剥 奪 さ れ る べ き 利 益 に つ い て 、 難 し い 計 算 問 題 が 存 在 し て い る 。 iii) さ ら に 、 団 体 の 請 求 権 と 個 人 の 損 害 賠 償 請 求 権 と の 関 係 が 述 べ ら れ て い る 。 団 体 に 固 有 の 剥 奪 請 求 権 が 承 認 さ れ る な ら ば 、 消 費 者 の 個 人 的 損 害 賠 償 請 求 権 と の 競 合 関 係 が 問 題 と な る 。 し か し こ の 競 合 関 係 に つ い て 著 者 は 、 比 較 的 容 易 に 解 決 し う る 、 と 述 べ る 。 と い う の は 、 訴 法 上 は 、 異 な っ た 訴 物 の 問 題 だ か ら で あ る 。 重 複 の 訴 え の 禁 止 ︵ d ie R ec h ts h a n g ig k ei ts sp er re ︶ ま た は 既 判 力 の 抵 触 の 問 題 は 、 個 人 の 損 害 の 額 た と え ば 法 定 訴 担 当 者 と し て を 団 体 が 提 訴 す る 場 合 に 生 じ る に す ぎ な い 。 著 者 の 察 の 出 発 点 は 、 少 損 害 の 場 合 に 、 個 人 が い ず れ に せ よ 何 も 行 動 を し な い ま ま で い る こ と に あ る 。 他 人 の 権 利 追 求 で は な く 、 団 体 自 身 の 権 利 の 追 及 で あ る 。 そ れ に も か か わ ら ず 許 さ れ な い と す る な ら ば 、 U K l a G 一 一 条 の 差 止 判 決 の 効 力 で あ る 限 定 的 な 既 判 力 の 拡 張 を 採 用 す る こ と で 、 団 体 の 提 起 し た 訴 え に 対 す る 判 決 の 既 判 力 抵 触 の 問 題 は 、 解 決 で き る 。 団 体 が 勝 訴 し た と き 、 す べ て の 関 係 者 は 判 決 を 援 用 す る こ と が で き る と し 、 訴 え 却 下 の と き は 、 各 個 人 に 影 響 を 及 ぼ さ な い 、 と す る の で あ る 。 支 配 的 な 見 解 に よ る と こ の え 方 は 、 法 定 審 問 権 に 由 来 し て い る 。 つ ま り 権 利 者 が 関 与 し な い 手 続 き に お い て 、 権 利 者 の 権 利 を 奪 う こ と は 許 さ れ な い 。 既 判 力 の 拡 張 に よ る 各 個 人 の 請 求 権 喪 失 は 、 団 体 北研 46 (1・ )
が 勝 訴 し 、 か つ 団 体 が 被 害 者 に そ の 利 益 を 配 し な け れ ば な ら な い と き に 限 っ て 、 団 体 の 訴 へ の 関 与 と し て 、 議 論 の 実 益 が 生 ま れ る で あ ろ う 、 と の 見 解 を 著 者 は 、 述 べ て い る 。 iv) 最 後 に 、 複 数 団 体 か ら 繰 り 返 し 提 起 さ れ る 訴 か ら の 被 告 保 護 の 必 要 性 に つ い て 述 べ て い る 。 団 体 と 個 々 の 被 害 者 に よ る 重 複 す る 主 張 は 、 望 ま し い も の で は な い 。 U W G に 関 し て B M J は 、 困 難 か つ 非 実 用 的 な 方 法 を 採 り い れ た 。 す な わ ち 、 違 反 行 為 が 個 人 的 損 害 と さ れ て い る 場 合 に は 剥 奪 請 求 訴 で 認 容 さ れ る 額 は 、 清 算 さ れ た 後 の 範 囲 に 減 額 さ れ る 。 こ の よ う な 請 求 権 の 行 が 追 加 的 に 行 わ れ た 場 合 に は 、 団 体 は 証 明 さ れ た 支 払 額 の 程 度 で 剥 奪 し た 利 益 を そ の 被 告 で あ る 違 反 者 に 還 付 す る 。 こ れ が 国 庫 に 支 払 わ れ た 後 で あ る と き は 、 団 体 か ら 還 付 が 請 求 さ れ う る と す る の で あ る 。 団 体 訴 を 少 損 害 の 場 合 に 限 定 す る な ら ば 、 す で に 述 べ た よ う に 、 少 の 概 念 を 超 え る 場 合 に 限 っ て 、 個 人 的 追 求 が 許 容 さ れ る と す る こ と が 支 持 さ れ る 、 と 主 張 さ れ る 。 そ し て 、 団 体 に よ る 繰 り 返 さ れ る 手 続 の 解 決 策 が 述 べ ら れ て い る 。 重 要 性 を も つ 剥 奪 訴 は 、 訴 追 行 権 を 有 す る 諸 団 体 に と っ て 当 然 に 高 度 の 魅 力 を も つ 。 と り わ け そ れ を 剥 奪 し 、 利 益 を 団 体 の 元 に 留 め 置 く こ と が で き る 場 合 に は 、 い っ そ う そ う で あ る 。 被 告 は 、 だ が 諸 団 体 か ら 繰 り 返 さ れ る 請 求 か ら 保 護 さ れ な け れ ば な ら な い 。 フ ラ ン ス で は こ れ ま で こ の 点 が 慮 さ れ て こ な か っ た よ う で あ る 。 フ ラ ン ス の 裁 判 所 は 、 原 告 に 対 し 、 少 金 額 で あ っ て も 支 払 を 承 認 し て き た 。 そ の 結 果 被 告 の 負 担 は 、 重 い も の と な っ た 。 効 果 的 な 利 益 剥 奪 の た め に 、 同 一 の 不 当 行 為 に つ い て の 同 一 被 告 に 対 す る 訴 は 、 わ ず か に 一 度 だ け と せ ね ば な ら な い 。 繰 り 返 し 提 起 さ れ る 訴 え か ら 生 じ る 問 題 の 解 決 策 は 、 先 に 提 起 さ れ た 団 体 訴 に 基 づ い て 、 重 複 の 訴 え を 禁 止 す る こ と に あ る 。 た く さ ん の 組 織 が 訴 権 を 承 認 さ れ て い る が 、 剥 奪 の 法 政 策 上 の 目 的 を 慮 し て 被 告 の 負 担 を 一 度 き り と す る 。 U W G 改 正 の 際 に 提 案 さ れ た よ う な 、 B G B 四 二 八 条 以 下 の 連 帯 債 権 者 団 体 の 規 定 を 採 用 す る の で あ る 。 こ れ は 、 原 告 た る 団 体 に 剥 奪 し た 金 額 を い ず れ に せ よ 留 め 置 か な い と す る と き に 限 っ て 有 益 で あ る 。 と い う の は 、 連 帯 債 権 者 団 体 は 、 団 体 内 で の 清 算 義 務 か ら 生 じ る 争 を 内 包 す る か ら で あ る 。 も っ と も ふ さ わ し い の は 、 立 法 論 と し て 、 北研 46 (1・ )
明 確 に 規 定 上 に お い て 重 複 す る 訴 え を 禁 止 す る こ と で あ る 。 疑 問 の 余 地 が な い の は 、 訴 え 提 起 に よ る 、 あ る 種 の 競 争 が も た ら さ れ る 可 能 性 の あ る こ と で あ る 。 の 利 益 の た め に 団 体 が 訴 に よ る 負 担 を 甘 受 し て い る に も か か わ ら ず 、 剥 奪 し た 利 益 を 団 体 に 保 持 さ せ る べ き で な い と す る 見 解 に 著 者 は 、 反 対 す る 。 4 集 団 訴 こ こ で は 、 適 用 範 囲 と 憲 法 上 の 構 造 要 件 、 ア メ リ カ の 典 型 的 な ク ラ ス ア ク シ ョ ン 導 入 の 賛 否 、 強 制 参 加 を 伴 わ な い 集 団 的 手 続 、 資 本 市 場 法 の 代 理 人 の 典 型 例 、 成 功 報 酬 と の 断 絶 が 述 べ ら れ て い る 。 ⑴ 適 用 範 囲 と 憲 法 上 の 構 造 要 件 損 害 額 が 高 い が 故 に 個 人 が 自 ら 訴 え を 提 起 し よ う と す る 動 機 が 、 十 に 働 く 場 合 の 集 団 訴 を 論 じ て い る 。 裁 判 所 が 同 一 指 向 性 を 有 す る 大 量 の 訴 え を 訴 経 済 上 克 服 し う る よ う な 、 一 九 九 一 年 以 来 行 政 裁 判 所 法 ︵ V w G O ︶ 九 三 条 に お い て 行 政 裁 判 手 続 に 規 定 さ れ て い る ケ ー ス を 例 に 挙 げ て い る 。 裁 判 所 が 職 権 に よ っ て 多 数 の 訴 え か ら 代 表 す る ム ス タ 手 続 を 選 択 し 、 ム ス タ 手 続 の 拘 束 力 に よ っ て 残 り の 訴 え を 結 論 付 け よ う と す る も の で あ る 。 他 の 訴 え に 対 し て ム ス タ 手 続 に よ る 結 果 が 適 用 さ れ る こ と は 、 V w G O の 構 造 の 中 で 、 職 権 調 査 主 義 を 顧 慮 し て い る か ら こ そ 是 認 さ れ る 。 職 権 調 査 主 義 は 、 ム ス タ 手 続 に よ る こ と の 十 な 保 障 と な る 。 民 事 訴 に お い て 、 ム ス タ 手 続 に よ っ て 剥 奪 に 係 る 事 実 関 係 を 弁 論 主 義 に 依 拠 す る こ と は で き な い 。 裁 判 所 の 責 任 で 、 す べ て の 被 害 者 を 代 表 し て 訴 を 追 行 し よ う と す る 意 思 を も た な い 者 を ム ス タ 原 告 と し て 選 出 す る な ら ば 、 な お い っ そ う 当 て に で き な い 。 事 後 の 手 続 に お け る 拘 束 効 果 に つ い て の 争 は 、 不 可 避 と な る 。 行 政 法 上 の 取 消 訴 の 場 合 と は ち が い 、 個 人 的 手 続 の 中 で 生 じ る 事 実 上 の 問 題 と 法 律 上 の 問 題 は 、 わ ず か に 責 任 原 因 に お い て の み 一 致 す る に す ぎ な い 。 権 利 の 集 束 は そ れ ゆ え 共 通 す る 問 題 に 関 し て の み 意 味 を も つ 。 カ ナ ダ 、 オ ー ス ト ラ リ ア で の 改 善 さ れ た ク ラ ス ア ク シ ョ ン は 、 効 果 が 上 が っ て い る 。 今 で は ス ペ イ ン で も 導 入 し よ う と し て い る 。 ド イ ツ で は 、 ア メ リ カ の ク ラ ス ア ク シ ョ ン 制 度 を 導 入 し よ う と し な い 。 そ の 理 由 を 著 者 は 、 以 下 の よ う に 述 べ る 。 ア メ リ カ で は の 利 益 の た め に 、 そ し て 消 費 者 利 益 の 保 護 北研 46 (1・ )
の た め に 訴 追 行 の 手 段 と し て 、 導 入 さ れ て い る 。 ア メ リ カ の 株 式 法 、 反 差 別 法 、 競 争 法 そ し て カ ル テ ル 法 は 、 個 人 に よ る 訴 提 起 へ の 動 機 付 け が 働 く と き に 、 効 果 的 な 権 利 追 求 の 保 障 の 手 段 を ま ず 求 め て い る 。 本 来 的 な 野 に お い て そ れ は 、 欧 州 に お い て 以 前 か ら 団 体 訴 に 承 認 さ れ て い た 範 囲 と 合 致 す る 。 今 日 ま で ド イ ツ に お い て 、 ア メ リ カ の 司 法 手 続 に 対 す る 態 度 が 消 極 的 な の は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン が そ も そ も 、 ド イ ツ で の 損 害 賠 償 訴 を 許 容 す る も の で あ る と の 誤 解 か ら で あ る 。 集 団 訴 が い ず れ に し て も 少 損 害 の 場 合 あ る い は ア ス ベ ス ト な ど の 大 事 故 か ら の 克 服 の た め に 、 ド イ ツ に 導 入 さ れ る か ど う か は 、 複 雑 な 多 数 当 事 者 訴 そ の 他 の 集 団 的 問 題 が ド イ ツ の 法 制 度 上 、 克 服 さ れ う る か ど う か に あ る 。 今 日 の ア メ リ カ で は こ の よ う な 場 合 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン よ り も 管 轄 規 定 に よ っ て 限 界 を 克 服 し 、 各 個 人 か ら の 訴 え を 併 合 す る こ と に よ り 解 決 し よ う と し て い る 。 こ れ に よ っ て す べ て の 審 理 と 証 拠 調 べ を 同 時 に 実 施 し 得 る し 、 法 定 審 問 権 は 、 ド イ ツ の 手 続 法 の カ テ ゴ リ ー で え た と し て も 、 依 然 と し て す べ て の 関 係 者 に 保 障 さ れ う る か ら で あ る 。 も っ と も 、 数 百 人 に も 及 ぶ 大 規 模 な 場 合 に は 問 題 が 残 さ れ る 。 ⑵ ア メ リ カ の 典 型 的 な ク ラ ス ア ク シ ョ ン 導 入 の 賛 否 ド イ ツ で の 議 論 の 中 で ク ラ ス ア ク シ ョ ン が い つ も 否 定 的 に 扱 わ れ る こ と は 、 部 的 に は 誤 っ た 前 提 、 す な わ ち 濫 用 の お そ れ に 基 づ い て い る 。 濫 用 の お そ れ は ア メ リ カ で も 決 し て 否 定 さ れ て い る も の で は な い 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン に よ る ゆ す り の 可 能 性 ︵ d a s er p re ss er is ch e P o te n tia l ︶ は 、 ア メ リ カ で は 基 本 的 に 故 意 の 効 果 と さ れ て い る が 、 そ の 効 果 は 次 第 に 慮 の 対 象 と さ れ な く な っ た よ う で あ る 。 ア メ リ カ で も 長 年 議 論 さ れ 、 濫 用 的 な ク ラ ス ア ク シ ョ ン を 防 止 す る 規 定 を 採 用 し た の は 、 こ れ ま で 投 資 家 の 保 護 の た め の 法 律 の 一 九 九 五 年 改 正 法 だ け で あ っ た 。 原 告 と 弁 護 士 が 直 面 す る 危 険 性 に つ い て は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン が と り わ け 単 な る 訴 上 の 利 益 集 束 か ら で は な く 、 ア メ リ カ の 手 続 法 と 賠 償 責 任 法 の 広 い 範 囲 の 構 造 要 件 か ら 切 り 離 さ れ て い た か ら で あ る 。 提 起 さ れ た 訴 え に つ い て 、 随 所 に み ら れ る 裁 判 上 の 統 一 的 審 理 の 欠 如 、 長 期 化 し 、 費 用 が か さ む デ ィ ス カ バ リ ー 手 続 、 そ し て 複 雑 に 絡 み 合 う 司 法 シ ス テ ム の 存 在 、 加 え て 厳 し い 賠 償 金 が 結 局 は 課 さ れ る 可 能 性 が 、 ア メ リ カ に お い て は 、 こ れ ら の 相 互 作 用 に よ っ て 被 告 に と っ て 威 嚇 と な る の で あ る 。 い わ ゆ る 剥 奪 理 論 か ら ア メ リ カ に お い 北研 46 (1・ )
て は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン が 法 律 上 の す べ て の 要 件 の 下 で ま さ し く 恣 意 的 過 ぎ て い て 、 か つ 搾 取 的 な 訴 と し て 追 行 さ れ る と 理 解 さ れ て い る 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン は と り わ け 、 名 声 の た め に 、 不 当 に 、 ま た は ほ と ん ど 有 望 と は い え ず 、 よ り 費 用 と 時 間 を 要 し 、 勝 訴 し た と し て も 結 局 回 復 さ れ な い 結 果 が 待 っ て い る 手 続 き で あ る 。 し た が っ て 、 こ の よ う な 手 続 よ り も 和 解 に よ っ て 終 結 さ せ る ほ う が 、 よ り よ い と さ れ る 。 し か し 、 ド イ ツ と は 要 件 の 構 造 が ま っ た く 異 な っ て い る の で 、 こ の よ う な 濫 用 は 、 杞 憂 に す ぎ な い 、 と 著 者 は 主 張 す る 。 集 団 訴 に よ っ て 、 同 質 の 利 益 が 結 合 さ れ 、 廉 価 で 効 果 的 な 権 利 追 求 は 、 原 告 側 に と っ て 利 点 が な い と は い え な い 。 し か し 、 被 告 に と っ て は 重 い 証 明 負 担 と 費 用 負 担 を 負 う こ と か ら 、 す べ て の 被 害 者 が 自 ら そ れ ぞ れ に 提 起 す る 訴 よ り も 大 き な 圧 力 と な る 。 和 解 を 準 備 し 、 同 時 に 申 し 立 て ら れ る 手 続 き ま た は 後 日 に 申 し 立 て ら れ る 手 続 き か ら 生 じ る 強 い 影 響 を 回 避 し よ う と す る 被 告 は 、 そ の 圧 力 に 直 面 す る の で あ る 。 原 告 の 利 益 を 訴 上 併 合 す る こ と は 、 被 告 の 戦 術 的 利 益 を 中 和 化 し 、 そ し て す べ て の 関 係 者 の 間 で の 意 見 の 統 一 を 図 る た め に 、 現 行 シ ス テ ム の 中 で 採 り 得 る 手 段 に 過 ぎ な い 。 ア メ リ カ で の 典 型 的 な ク ラ ス ア ク シ ョ ン が 何 の 躊 躇 も な く ド イ ツ の 法 シ ス テ ム に 転 化 さ れ る こ と は あ り え な い 。 と い う の は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン は 、 法 シ ス テ ム の 基 礎 に 強 制 参 加 が 存 在 し て い る か ら で あ る 、 と 析 す る 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 提 起 に は 、 原 則 と し て 受 訴 裁 判 所 か ら の 許 可 を 必 要 と す る 。 そ れ は 、 ア メ リ カ の 立 法 者 も 濫 用 に 対 す る 予 防 措 置 が 必 要 で あ る と み て い る か ら で あ る 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン 手 続 き で の 裁 判 所 の 判 断 は 、 手 続 き を 進 行 す る 原 告 だ け が 訴 上 の 当 事 者 と さ れ る に も か か わ ら ず 、 す べ て の ク ラ ス メ ン バ ー に 対 し て 拘 束 力 を も つ 。 同 様 に 、 し ば し ば ク ラ ス ア ク シ ョ ン の 本 来 の 目 的 と さ れ て い る い わ ゆ る 裁 判 上 の 和 解 に は 、 裁 判 所 に よ る 承 認 が 必 要 で あ る 。 個 々 の 関 係 者 は 、 手 続 に お い て 明 確 に 、 期 限 内 に オ プ ト ア ウ ト の 宣 言 に よ っ て の み 、 訴 効 果 が 及 ば な い と す る こ と が で き る に す ぎ な い の で あ る 。 ア メ リ カ の 適 正 手 続 き の 観 点 か ら も 、 訴 に 関 与 し て い な い 者 に ほ と ん ど 自 動 的 に 既 判 力 が 及 ぶ と す る こ と は 、 問 題 が 多 い 。 そ こ で ア メ リ カ で は 、 可 能 な 限 り 多 く の ク ラ ス メ ン バ ー と な る 者 に 訴 え 提 起 を 告 知 す る 努 力 を 原 告 に 求 め て き た 。 実 際 正 当 な 利 益 の 代 表 者 は 、 訴 え 提 起 の 告 知 だ け で な く 、 手 続 き の 進 行 に 関 す る 通 知 も 求 め ら れ て き た 。 通 知 に 要 す る 費 用 が 重 い 負 担 で あ る が ゆ え に ク ラ ス ア ク シ ョ ン を 専 門 に 扱 う 法 律 事 務 所 だ け 北研 46 (1・ )
が ク ラ ス ア ク シ ョ ン に 関 与 し え た 。 成 功 報 酬 取 得 へ の 動 機 づ け な く し て 、 集 団 訴 は 、 成 り 立 た な い の で あ る 、 と 著 者 は え て い る 。 訴 当 事 者 の 処 権 の 自 由 と 法 定 審 問 権 を 保 障 す る ド イ ツ の 憲 法 の 目 指 す と こ ろ か ら し て 、 単 に オ プ ト ア ウ ト の 機 会 が あ る と い う だ け の 強 制 参 加 を 伴 う 集 団 訴 は 、 ほ と ん ど 支 持 さ れ え な い 、 と 著 者 は 見 込 ん で い る 。 現 代 的 な 通 信 手 段 を 導 入 し た と し て も 、 す べ て の 関 係 者 が 手 続 開 始 を 本 当 に 信 頼 し 得 る ほ ど に 告 知 さ れ 、 そ し て オ プ ト ア ウ ト を 宣 言 で き る か ど う か は 、 保 障 の 限 り で は な い 。 こ れ ま で ド イ ツ の 法 律 は 、 ご く わ ず か な 例 外 の 場 合 に 、 特 定 の 人 に 告 に よ っ て 告 知 が 到 達 し 、 無 応 答 を 権 利 喪 失 と 結 び つ け て き た 。 手 続 き 開 始 の 書 類 の 示 送 達 も 、 同 様 に そ の 部 を 手 続 法 で の 擬 制 も 、 厳 密 な 要 件 の 下 で の み 正 当 化 さ れ う る と し て き た 。 訴 上 の 強 制 参 加 は 、 そ れ は 多 か れ 少 な か れ 擬 制 的 な 通 知 と 期 限 ま で の 無 回 答 を 基 礎 に 置 く が 、 そ れ ゆ え と て も 疑 わ し い 手 続 で あ る 。 ア メ リ カ で も オ プ ト イ ン シ ス テ ム へ の 変 を 望 ま し い と す る 意 見 は 、 い つ も 大 き な 影 響 力 を も っ て い る の で あ る 。 ⑶ 強 制 参 加 を 伴 わ な い 集 団 的 手 続 強 制 参 加 を 伴 わ な い 集 団 的 手 続 を 導 入 す る こ と は 可 能 で あ ろ う か 。 著 者 は 、 す で に 7 ︶ 別 稿 に お い て 以 下 の 点 を 指 摘 し て い る 、 と の こ と で あ る 。 ド イ ツ 独 自 の 集 団 訴 手 続 シ ス テ ム は 、 ア メ リ カ 流 の ム ス タ 手 続 へ の 強 制 参 加 を 伴 わ な い 手 続 シ ス テ ム を 採 用 す る こ と で 問 題 を 解 決 で き る 。 こ の 立 場 に 立 っ て 著 者 は 、 以 下 の 提 案 を し て い る 。 強 制 参 加 は 、 破 産 手 続 き に お い て 、 ま た は 債 務 証 書 法 に 基 づ く 手 続 き に お い て す で に 採 用 さ れ て い る 。 強 制 参 加 を 権 利 追 求 の 場 合 に 限 っ て 許 容 さ れ る 限 定 さ れ た 手 続 き と す る 。 す で に 過 去 に 大 量 か つ 少 損 害 の 場 合 に 、 関 係 者 が 自 ら 設 立 し た 組 織 に 訴 を 提 起 さ せ 、 あ る い は 少 な く と も さ せ よ う と し た こ と が あ っ た 。 そ こ で 法 律 相 談 法 に お け る 制 約 と 同 様 に 関 係 者 に 先 ず 共 同 歩 調 を 取 ら せ る た め に 、 関 係 者 へ の 通 知 漏 れ を 防 ぐ こ と が 重 要 で あ る 。 そ れ は 、 手 続 上 相 対 的 に 簡 単 に 行 う こ と が で き る 。 す な わ ち 、 被 告 の 住 居 地 を 集 団 訴 の 専 属 管 轄 に す え る 。 そ し て 原 告 と な り 得 る 者 に 共 同 歩 調 を と る よ う に 努 め さ せ 、 全 員 が 集 団 手 続 に よ っ て 権 利 行 を す る と い う 同 じ え に 立 っ て 、 訴 え を 申 立 て な け れ ば な ら な い と す る 。 具 体 的 に は 手 続 き そ の も の を 、 二 す る 。 ま ず 、 告 後 す べ 北研 46 (1・ )
て の 利 益 を 享 受 し よ う と す る 者 は 、 参 加 を 申 出 な け れ ば な ら な い 。 裁 判 所 の 招 集 す る 債 権 者 集 会 で 代 表 者 が 選 出 さ れ 、 そ の 代 表 者 は 手 続 き を 以 後 自 己 の 名 を も っ て 進 行 す る 。 ク ラ ス ア ク シ ョ ン と は 対 照 的 に 、 訴 費 用 は 、 全 債 権 者 が 負 担 す る 。 選 出 さ れ た 代 表 者 は 、 ど の よ う な 行 為 と 権 利 が 請 求 権 の 根 底 に お い て 共 通 し た 争 点 と な っ て い る か を 定 め る 。 そ し て 次 に 、 す べ て の 参 加 債 権 者 を 拘 束 す る 効 果 を も っ て 、 適 合 す る 確 認 訴 を 申 し 立 て る 。 代 表 者 は 、 債 務 証 券 法 で も 予 定 さ れ て い る よ う に 、 ま っ た く 自 由 に 行 動 す る こ と が で き る 。 も っ と も 、 訴 え の 取 下 げ 、 訴 上 の 和 解 の よ う な 事 項 に つ い て の み 債 権 者 集 会 の 同 意 を 得 な け れ ば な ら な い 。 集 団 的 確 認 の 申 立 て に 関 す る 決 定 が 出 さ れ る ま で 、 集 団 手 続 と は 無 関 係 に 提 起 さ れ た 個 人 の 訴 え は 、 職 権 で 中 断 さ れ る 。 確 認 判 決 と 関 連 す る 個 人 の 請 求 権 が 裁 判 外 で 処 理 さ れ え な い な ら ば 、 被 害 者 は 、 自 己 の 手 続 き の 中 で 裁 判 所 に 請 求 額 に つ い て も 決 定 さ せ う る よ う な 道 を 残 す 。 し か し じ て 、 核 心 的 問 題 に つ い て 、 法 は 共 通 の 審 理 と 証 拠 調 べ 手 続 き を と お し て 、 重 複 す る 手 続 き を 避 け よ う と す る だ ろ う か ら 、 こ の よ う な 配 慮 は 不 要 で あ る 。 そ し て 、 著 者 は 、 こ こ で の 提 案 が 好 ま し い も の で あ る こ と を 以 下 の よ う に 説 明 す る 。 関 係 す る 被 害 者 に と っ て 手 続 き は 、 集 団 の 代 表 者 に 対 す る 費 用 に 関 わ ら ず じ て 個 人 で 訴 え る よ り も な お 著 し く 好 都 合 と な る で あ ろ う 。 任 意 の 利 益 団 体 の こ れ ま で の 自 発 的 な 活 動 は 、 被 害 者 が 自 己 の 訴 追 行 を 断 念 し 、 自 ら 進 ん で そ れ を 専 門 的 知 識 を 持 つ 代 表 者 に 委 ね て き た と い う 背 景 を も つ こ と か ら も 明 ら か で あ る 。 ⑷ 資 本 市 場 法 の 代 理 人 の 典 型 例 投 資 家 保 護 法 の 改 正 の 政 府 委 員 会 の 提 案 は 、 提 案 し た 集 団 訴 モ デ ル と 似 て い る 、 と 著 者 は 述 べ て い る 。 新 た に 取 り 入 れ ら れ た 証 券 取 引 法 七 九 条 に 基 づ い て 取 締 役 会 ま た は 監 査 役 会 の 各 構 成 員 は 、 一 定 の 要 件 を 満 た す と き 、 投 資 家 に 損 害 賠 償 責 任 を 負 う べ き で あ る 。 こ の 請 求 権 の 集 束 に よ っ て 投 資 家 保 護 の ケ ー ス で の 典 型 的 な 立 証 問 題 は 、 是 正 さ れ る で あ ろ う し 、 場 合 に よ っ て は 、 各 個 人 の 無 関 心 は 克 服 さ れ る で あ ろ う 、 か ら で あ る と さ れ て い る 。 ド イ ツ で は ア メ リ カ 法 に あ る よ う に 、 効 果 的 な 訴 上 の 権 利 追 求 は 、 実 体 法 上 の 補 償 効 果 を 促 進 す る だ け で な く 、 活 動 コ ン ト ロ ー ル に も 高 度 の 効 果 を も た ら し 、 理 想 的 な ケ ー ス で は 資 本 市 場 へ の 包 括 的 か つ あ り の ま ま の 情 報 提 供 に 寄 与 し う る 。 訴 上 の ハ ー ド ル は 、 当 然 遵 守 さ れ る べ き 企 業 活 動 の 自 由 の た め に も 高 く 設 定 さ れ て よ い 。 北研 46 (1・ )
投 資 家 保 護 は 、 請 求 要 件 に つ い て す べ て の 関 係 者 に と っ て 統 一 さ れ て 決 定 さ れ る だ け で な く 、 損 害 額 に つ い て も 比 較 的 容 易 に 計 算 さ れ う る 点 か ら 利 点 を も つ の で あ る 。 集 団 訴 は 、 そ れ ゆ え 責 任 原 因 に つ い て の 確 認 手 続 き に 限 定 す べ き で は な く 、 全 損 害 を 対 象 と す る 手 続 と 理 解 す る べ き で あ る と し て 、 著 者 は 以 下 の よ う に 述 べ る 。 こ の 請 求 権 は 、 政 府 委 員 会 の 提 案 に よ る と 、 特 定 の 代 表 者 に よ っ て 権 利 追 求 さ れ る と あ る 。 そ の 代 表 者 は 、 受 訴 裁 判 所 か ら 投 資 家 の 申 立 て に つ い て 伝 え ら れ る 。 代 表 者 は 、 被 害 を 受 け た 投 資 家 に 、 一 か 月 以 内 に 参 加 を 申 し 出 る よ う に 呼 び か け る 。 代 表 者 は 、 自 己 の 名 を も っ て 訴 の 当 事 者 と し て 権 限 に よ り 訴 え を 提 起 す る 。 認 容 さ れ た 金 額 か ら 費 用 と 経 費 を 控 除 し て 、 各 投 資 家 に 配 す る 。 こ の モ デ ル は 、 委 員 会 が 明 確 に 強 調 し た よ う に 強 制 参 加 を 採 用 し て い な い 。 各 投 資 家 は 自 己 の 請 求 権 を 個 人 と し て 訴 提 起 で き る 。 委 員 会 の 提 案 は 、 す で に 存 在 す る ド イ ツ 組 織 変 法 ︵ U m w G ︶ 二 六 条 、 二 〇 六 条 の 規 定 に 依 拠 し て い る 。 そ れ に よ る と 配 金 を 受 領 す る こ と の で き る 損 害 賠 償 請 求 は 、 同 様 に 裁 判 上 指 名 さ れ た 代 表 者 に よ っ て 追 求 さ れ う る 。 そ こ で さ ら に 個 人 の 権 利 追 求 を 排 除 す る 強 制 参 加 が 、 関 係 者 の 議 を 避 け る た め に 問 題 と な る 。 こ れ と よ く 似 た 規 定 が 国 外 に 存 在 す る 。 ス イ ス の 投 資 フ ァ ン ド の た め に 制 定 し た 規 定 で あ る 。 こ の 規 定 に よ る と 裁 判 官 が 投 資 家 の 代 表 者 を 指 名 し 、 そ の 訴 追 行 は 、 す べ て の 投 資 家 の た め に あ る い は す べ て の 投 資 家 に 対 し て 効 果 を 有 す る 。 ま た イ ギ リ ス の 資 本 市 場 法 は 、 他 の 方 法 に よ っ て 官 庁 の 権 限 を 強 化 し て い る 。 イ ギ リ ス の 株 式 監 督 官 庁 は 、 市 場 参 加 者 の 加 害 行 為 の 際 に と り わ け 市 場 の 濫 用 の ケ ー ス で は 上 級 裁 判 所 に 返 還 命 令 を 求 め る こ と が で き る 。 だ が し か し 各 個 人 の 訴 え は 排 除 さ れ な い の で あ る 。 国 家 機 関 の 干 渉 は 、 イ ギ リ ス で は 大 陸 法 よ り も は る か に よ り 大 き な 伝 統 と な っ て い る 。 こ こ ま で の こ と が 以 下 の よ う に ま と め ら れ て い る 。 被 害 者 が 最 終 的 に 自 己 が 選 任 し た 、 ま た は 裁 判 所 が 指 名 し た 者 の い ず れ が 訴 上 の 代 表 と な る か は 、 副 次 的 な 問 題 で あ る 。 い ず れ の 解 決 方 法 も 、 指 名 さ れ た 代 表 者 で あ る と い う 点 に お い て 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン の シ ス テ ム よ り も 実 際 正 当 な も の と な る 。 確 か に 手 続 運 営 上 、 行 政 か ら の 費 用 の 支 援 に か か わ ら ず 、 手 続 追 行 の 引 受 人 は 、 多 数 の 洗 練 さ れ た 訴 代 表 者 に よ る の 選 任 の 場 合 よ り も 高 額 の 負 担 を 負 う こ と と な っ て し ま う の で あ る が 。 北研 46 (1・ )
⑸ 成 功 報 酬 と の 断 絶 著 者 の 提 案 し た 集 団 訴 の モ デ ル と 資 本 市 場 法 で 想 定 さ れ た 解 決 策 に 共 通 し て い る の は 、 ク ラ ス ア ク シ ョ ン に お け る 弁 護 士 の 成 功 報 酬 を 断 絶 し て い る こ と で あ る 、 と 著 者 は 述 べ る 。 弁 護 士 の 報 酬 に つ い て は 、 こ れ ま で ア メ リ カ で も 批 判 さ れ て い る 。 ド イ ツ 証 券 法 の 改 正 で は 集 団 訴 で の 和 解 の 場 合 に 弁 護 士 費 用 を 控 除 す る と さ れ た 。 す る と 被 害 者 は 、 部 的 な 回 復 し か も た ら さ れ な い 。 こ れ は 、 避 け な け れ ば な ら な い 。 訴 上 の 和 解 は 、 改 正 さ れ た 投 資 家 法 に よ る と 、 原 則 的 に 裁 判 官 の 審 査 と 許 可 を 必 要 と し 、 そ の 内 容 は 、 告 さ れ る 。 職 権 で 選 任 さ れ た 代 表 者 と 当 事 者 と の 関 わ り 度 合 い に よ っ て 、 ド イ ツ の 法 シ ス テ ム で 認 知 さ れ て い る 方 向 へ と 向 か わ せ る 。 す な わ ち 、 代 表 者 の 活 動 は 、 当 然 根 拠 の な い も の で は な い か ら 、 そ の 活 動 に 対 し て 、 通 例 の 基 準 に 基 づ い て 適 切 な 報 酬 を 支 払 う こ と が で き る 。 こ れ に よ っ て す べ て の 集 団 構 成 員 へ の 継 続 的 な 情 報 提 供 に つ い て ア メ リ カ で 発 生 す る よ う な 費 用 は 、 最 小 限 度 ま で 削 減 さ れ る 。 5 結 著 者 は 、 ド イ ツ 法 に ク ラ ス ア ク シ ョ ン は 必 要 と さ れ て い な い 、 と 述 べ て い る 。 だ が し か し 拡 散 損 害 と 少 損 害 の 場 合 に お い て 、 主 観 的 権 利 の 効 果 的 な 追 求 の た め に 、 不 当 な 利 益 を 剥 奪 す る 団 体 訴 は 、 必 要 で あ る と い う 。 そ れ に は 、 代 表 者 モ デ ル に よ る 集 束 さ れ る 同 一 の 法 律 上 そ し て 事 実 上 の 問 題 に つ い て 生 じ る シ ス テ ム 上 克 服 し 得 な い 点 、 す な わ ち 、 繰 り 返 さ れ る 訴 か ら 生 じ る 司 法 制 度 上 の 問 題 の 負 担 軽 減 が 必 要 と な る 。 手 続 の 整 備 、 場 合 に よ っ て は 裁 判 費 用 の 特 別 な 支 援 が 、 任 意 に 訴 に 関 与 し よ う と す る 動 機 へ の 働 き か け と な る に 違 い な い 。 こ の よ う な 方 向 に 向 か う 限 り 、 被 害 者 の 法 律 上 の 強 制 参 加 は 、 採 用 せ ず に す む で あ ろ う 、 と 著 者 は 見 込 ん で い る 。 三 お わ り に 二 〇 〇 九 年 一 一 月 二 四 日 か ら 開 催 さ れ て き て い る 集 団 的 消 費 者 被 害 救 済 制 度 研 究 会 は 、 平 成 二 二 年 四 月 一 九 日 に 第 八 回 目 の 研 究 会 を 開 催 し て 8 ︶ い る 。 ほ ぼ 二 〇 日 ご と に 国 内 外 の 財 産 保 全 の 諸 制 度 の 現 状 と 運 用 実 態 等 の 検 討 、 諸 外 国 で 導 入 さ れ て い る 制 度 の 析 と 論 点 整 理 が な さ れ て き て い る 。 不 正 競 争 防 止 法 上 に 利 益 剥 奪 請 求 権 が 認 め ら れ て い る ド イ ツ で は 、 二 〇 〇 五 年 の 資 本 市 場 法 上 の 訴 に お け る ム ス タ 手 続 に 関 す る 法 律 に よ り 、 投 資 家 の 保 護 を 目 的 と し た ム ス 北研 46 (1・ )