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DSpace at My University: 英語教育リレー随想 92号(2017.10) 気がかりな CEFR

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Academic year: 2021

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 92 号 1 今学期、私は教員養成課程の学生たちとCEFR について学んでいます。議論を進めてい ると、「B2 レベルは、留学など海外経験なしに到達可能な最高レベル」「B2 レベルは TOEIC 785 点以上に相当」「英語で授業を行うためには最低 B2 レベルの英語力が必要」といった ような記述に出くわします。英語教員を目指す学生たちにとってはかなり厳しい目標です が、教員になるためにと皆、努力を重ねています。そして先日、一人の学生から質問。「自 分のCEFR レベルを知るためには、いつどこで試験を受ければいいですか?」 今、CEFR のことが気がかりです。その気がかりは、教員養成課程の学生にとっても、 小学校から大学まで英語教育に携わる教員にとっても現実的な問題です。というのも、 CEFR がいつの間にか既成事実になり、多くの英語教育施策が CEFR を基準に論じられ るようになっているにもかかわらず、CEFR とは何かについて理解するために拠り所とす べき確たるものが示されていないからです。勿論、2001 年に欧州協議会が公開した Common European Framework of Reference for Languages に立ち返ればよいのでしょ うが、日本では日本版CEFR も存在し、文科省のいう CEFR はどちらのことなのか、必 ずしも明確ではありません。

確かに、CAN-DO ディスクリプタで目標を設定することによって英語教育の在り方を 見直すことは、英語授業のダイナミックスを変えていく具体的な方法論として「実際に使 える英語」を目指す日本の英語教育改革の救世主にもなり得るでしょう。例えば、助動詞 will を学ぶ授業でも、他の助動詞 can, may, must と並べて will は「未来を表す」助動詞 と捉えるよりも、「これからのこと(未来)について述べることができる」という到達目 標のもとで取り扱われる方が、学習者にとって主体的な言語活動になることは明らか。発 想の転換です。CEFR の CAN-DO ディスクリプタは、まず自分のことが表現できること、 次に自分の家族や友人とやり取りができること、そして次第に生活範囲を拡大し社会の中 で必要とされる言語活動ができること、というふうに展開されるのであり、発達段階に応 じて到達目標を設定していくという観点から小学校英語教育の導入にも馴染む指針と考 えられます。CEFR で謳う CAN-DO ディスクリプタを共通基準にして、教科書や教材の レベルを明示したり、試験の難易度を明示することができれば学習者・教授者双方にとっ て有用です。 しかし、CEFR という「国際規格」を大学入試センター試験に代わる入試制度の基準と 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター

〈英語教育リレー随想〉

2017 年 10 月

気がかりな CEFR

東條 加寿子 第 92 号

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/

〈英語教育リレー随想〉第 92 号 2

して使用することについては十分な精査が必要です。平成 32 年度導入を目指している大 学入試改革では、英検や TOEIC などの民間試験を活用して「聞く・話す・読む・書く」の 4 技能を取り入れ、成績を点数ではなく CEFR の示す段階別で示す方針とのことです。 TOEIC, TOEFL, IELTS などの民間試験は CEFR レベルとの対応表を公開していますか ら、日本の大学入試でもこれらの対応表を用いて、受験生の民間試験得点を CEFR レベ ルに読み替えることになります。冒頭で質問した学生も、TOEIC などの民間試験を受け ることによって自分のCEFR レベルを知ることができるわけです。10 月半ば、国立大学 協会は、35 年度まではマークシート式と英検など民間検定試験の両方を受験生に課すこ とを決定しました。この移行期間に、マークシート式試験、民間検定試験、および CEFR レベル間の相関関係が十分に精査され、受験生にとっても納得がいく公平な入試制度にな ることを期待します。 (東條加寿子 教授/教員養成センター)

参照

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