住吉大社御文庫蔵十市遠忠『住吉法楽百首』

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全文

(1)

百三

四号

平成

二月

は じ め に 室 町 時 代 の大 和 の武 家 歌 人 と し て名 高 い 十 市 遠 忠 の生 涯 に つ い て は 、 は や く 井 上 宗 雄 氏 の ﹁ 十 市 遠 忠 に つ い て ﹂ (東 京教 育大 学 ﹃ 国文学 言 語と 文芸﹄ 50、大修 館 書店 、昭 和 四 二 年 一 月 ) が あ り 、 ま た ﹃ 中 世 歌 壇 史 の 研 究 室町 後 期 ﹄ (明治 書 院 、昭 和 四七 年) に も 述 べら れ て い る 。 そ し て 、 遠 忠 の和 歌 の 主 な る も の は 、 群 書 類 従 13、 続 群 書 類 従 14 下 ・ 15 下 、 私 家 集 大 成 7 等 に 所 収 さ れ 、 比 較 的 容 易 に 見 る 事 が 出 来 る 。 し か し 、 こ れ で遠 忠 の歌 業 の全 貌 が 把 握 可 能 か と いう と そ う で は な い 。 例 え ば ﹁法 楽 五 十 首 ﹂ ﹁法 楽 三 十 首 ﹂ 等 と あ っ て も 、 実 際 に は 歌 数 が 五 十 首 な り 三 十 首 な り に お さ ま って いな い場 合 が 大 半 で あ る 。 で は 、 こ の場 合 ど の 様 に 整 合 さ せ た の か 、 大 層 興 味 深 いが 詳 細 は 不 明 の ま ま で あ る。 か か る 折 柄 、 大 阪 市 の 住 吉 大 社 御 文 庫 に ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ な る 十 市 遠 忠 の詠 歌 一 冊 が 架 蔵 さ れ る 事 を 知 った 。 こ の 一 冊 は す で に 国 文 学 研 究 資 料 館 の 調 査 も あ り マイ ク ロ化 も さ れ て は い る が 、 未 だ そ の 内 容 は 必ず し も 明 ら か に な い。 こ の度 、

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八 木 ・ 前 田 が 許 さ れ る こ と と し た 。 (平成 十 五 年 六 月 十 八 日 付 、 住 吉 大 社 宮 司真 弓常 忠 ) て翻 刻 す る に あ た り 、 些 か 内 容 に つ い て も考 え

と こ ろ で 、 私 家 集 大 成 7 に 所 収 の 遠 忠 集 1 ∼ V が 年 次 別 詠 藻 で あ る と す る と 、 十 市 遠 忠 に は 人 丸 ・ 八 幡 宮 ・ 東 大 寺 八 幡 ・ 聖 廟 ・三 輪 社 ・ 春 日社 ・ 高 野 大 師 ・ 当 城 新 宮 住 吉 社 ・ 釜 口 長 岳 寺 愛 染 堂 ・ 長 谷 寺 ・ 玉 津 島 ・ 三 和 田 郷 春 日 若 宮 ・ 鞍 馬 寺 ・ 熊 野 ・ 祇 園 ・ 稲 荷 社 ・ 賀 茂 社 等 へ の 法 楽 和 歌 が 認 め ら れ 、 そ の 中 に 住 吉 社 へ の 法 楽 和 歌 も 含 ま れ る 。 十 市 遠 忠 が 住 吉 社 へ 参 詣 し た 事 は 、 次 に よ り 明 ら か で あ る 。 住 吉 へ 参 詣 せ し事 を お も ひ い て つ Σ 御 祓 せ し 事 は わ す れ す 住 の 江 や 宮 ゐ す ﹂ し く き ﹂ し 松 風 当座 の 御詠とき こ え候 へ く候、 過去 のし も し も ふ た つ 候、さ し たるふし なく 候 (遠 忠 1 、 一 七 一 ) 六 月 祓 に 住吉 へ 昔年参詣せし 事なと思出 て り て し て サ 住 の 江 や 夕 波 す ﹂し は つ く と な か め や る に も 夏 祓 か な (遠 忠 m 、 七 五 ) 昔 住 吉 へ 今 日参 詣 之 事 思 出 て わ れ も み し 河 へ す ﹂し き 松 か け の 御 祓 わ す れ ぬ す み よ し の 浜 (遠忠 W 、 = 六) 六 月 御 祓 に 住 吉 へ 昔 参 詣 せ し 事 を 思 出 て か な 年 へ て も け ふ は 忘 す御 祓 せ し 思 へ は 涼 し住 吉 の は ま (遠忠 V 、 二二 六) れ 駅 住 吉大 社御 文庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住吉法楽 百 首﹄

(3)

全 て が 同 じ 折 を 指 し て いる と す れ ば 、遠 忠 の住 吉 参 詣 は 大 永 七 年 ( 一 五 二 七 )五 月 廿 五 日 の 出 来 事 であ っ た こ と に な る。 五 月 廿 五 日 で あ れ ば 、 堺 宿 院 頓 宮 で の南 祭 と 同 じ 所 の解 除 で あ った の で あ ろ う か 。 ﹁わ れ も み し 河 へ ﹂ 句 は 大 和 川 を 想 起 さ せ る 。 そ し て こ の海 浜 で の 解 除 は 、 遠 忠 に と って忘 れ 得 ぬ 出 来 事 と な り 、 年 毎 に 思 い出 さ れ た の で あ る 。 十 市 遠 忠 の住 吉 社 法 楽 和 歌 十 市 遠 忠 は 和 歌 の道 に 心 を 尽 し た 武 人 であ る。 故 に 住 吉 社 へ の法 楽 を 志 す の は 自 然 の こ と で あ る 。 住 吉 井 勝 手 両 社 勧 請 之 時 年 く に み つは よ つは の 宮 つく り 神 の め く み も や と に つ き せ し (遠 忠 H 、 二 一 三) と 、 勝 手 神 社 と 共 に 住 吉 社 が 勧 請 さ れ の も 志 の 現 わ れ に 他 な る ま い。 天 文 六 年 ( 一 五 三 七 ) 中 の 詠 藻 を 控 え る 遠 忠 V に 認 め ら れ る 次 の歌 群 は そ の 一つに 他 な ら な い。 旧 冬 夢 想 在 冠 題 者 先 帝 住 吉 法 楽 三 十 一 首 内 十 六 首 百 首 御 製 内 抜 之 、三 月 + 三 日 始廿 五 日 終 功 な山 早 春

みま

りさ

や立

の江

かす

のあ

はち島

松残

も猶

けさ

しら雪

る松

しもな

見花

のみ

むか

は世

こと

しけ

きを

は忘

花慰

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に は 老 木 も の は 鵬 け に や 身 の 此 春 よ り そ し り ぬ へ き 花 は 老 木 も さ か り あ り と そ ゐ 郭 公 何 方

ま饗

十 五 は ⋮ ⋮ ゐ る 月 を 鳴 ね に し た ふ そ な た と も 思 ひ さ た め ぬ 郭 公 哉 の 遠 夕 立

かき山かせ

し鑛

をちか

夕立

ミ ζ / 田 家 雁

色こ

きい

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立み

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/ く や 公 条卿 ζ た秋 月 添 光

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り光も

ます

月は

秋と脅

そ醜

ミ / つ 独 惜 月 廿 三 皿 月 の か け あ か す そ み つ る 我 の み と 思 へ は た れ か い る を お し ま ぬ 暁 聞 千 鳥

こてう

かきね

れな

/ き雪 中 暁 望 m N 昨 日 み し 霜 を き か へ て小 篠 原 一 よ のほ と に ふる の白 雪 \ い ら の 中 踊 き ㌧す た つ か た の ﹄ み か り 雪 に ふ り ぬ る 道 を み る よ と も か な ≧ み 伝 聞 恋 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 十市遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄

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蝿 み し 人 の な こ り や そ れ と 玉 か つ ら か ㌧ る を 聞 そ 思 ひ み た る } の尋 在 所 恋 は あ る 世 も \ 伽 か れ す む 人 あ り と て も m あ は れ さ そ あ る に も あ ら ぬ か け ろ ふ の を の Σ山 か け と ひや わ ひ け ん 囎 合 の 世 とお も ひし人ぴ かけ ろふ の を の缶 かけと ひやわ ひ け ん ζ 爪 二 、 二 立 かへ り 公 条 卿 囎 後 は 身 の い か な る つみ に 逢 と て も と は て は し ら し か く す 所 を \ ﹂ し カ ﹂ す まの う き ね を よ古 寺 鍾 (一 行 分 空 白 ) ふ A 泄 く 伽 よ し あ し も な に は に つ け て ○ か ね の 声 の つね な ら ぬ 世 は と に も か く に も ≧ ︾ へ こ 述 懐 聞 廿 三 A 削れ ら \ 琳 A 猟 か ら ん 皿 こ と の は の 折 に つ け て は 花 か た み も Σさ て み る も 色 か こ そ な き 寄 神 祇 祝 廿 四 A 留 そ た の む 伽 と き は な る う ら は の松 の 数 く に め く み あ れ な と す み よ し の神 右 は 、 天 文 五 年 冬 に住 吉 神 の夢 想 を 得 て 、 翌 天 文 六 年 三 月 十 三 日 か ら 廿 五 日 に か け て詠 ん だ 十 六 首 であ る と いう 。 全 体 が 夢 想 の歌 を 一 字 ず つ 頭 に 置 字 し た 三 十 一 首 企 画 で あ っ た 故 、 半 分 と い う こと に な る。 続 群 書 類 従 14 下 所 収 ﹃ 十 市 遠 忠 百 首 ﹄ 中 に ﹁住 吉 法 楽 三 十 一 首 中 ﹂ と あ る が 、 これ と 一 致 す る 歌 は 一 首 も な い。 故 に 両 者 同 一 か 否 か は 不 明 。 と こ ろ が 、 遠 忠 の住 吉 法 楽 歌 は 上 以 外 に 今 一 度 認 め ら れ る 。 天 文 二 年 中 詠 草 を 控 え る 遠 忠 ∬ に あ る 次 が そ れ で あ る 。 こ れ は ﹁ 百 首 ﹂ と あ る 故 、 当 然 、 上 の三 十 一 首 と は 異 な る 。

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去 年 住 吉 法 楽 百 首 中 、 適 御 不審 之 歌 詠 直 候 嶺 五 月 雨 鵬 五 月 雨 は い く かの 雲 の ふ し の ね に み 雪 を う つむ 空 の つれ な さ 此 百 首の 月 歌 に 冨 士 を詠 候 間 、 可 有如 何 候 哉 清 書に 載之 冨

N

ぎみた

の日数

ひかねや

も見

ぬさ

⋮⋮ ⋮ つ く は ね の 嶺 ふ り く ら す み な の 河 み な か ら 渕 と さ み た れ の 比 ハマ マ 沼 水 ハマ マ リ 鵬 か つ み れ は 浅 賀 の沼 の枯 葉 ま て 名 も む つ ま し く こ ほ る し ら 波 遊 女 清書 に 載 之 冨 鵬 \ ぎ た め な く 波 の 枕 を か は し ま や め く り あ ふ と も た れ か た の ま む 洲 鶴 遣 へ + 首 清 撰 内 霜 夜 も さ そ な

遣か さ ねて そ 鳴 と 第 五の 字に 置か へ ら れ 候 へ か し ・ 如 何 右 六 首 は 、 天 文 元 年 ( 一 五三 二) に 詠 み 、 遣 遥 院 尭 空 三 条 西 実 隆 に 添 削 を 依 願 し た ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ の詠 み直 し で あ る 。 住 吉 大社 御 文 庫 蔵 十市 遠 忠 ﹃ 住吉 法 楽 百首﹄

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し か し な が ら 、 これ だ け で は ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ の実 像 は ほ と ん ど 把 握 不 可 能 と 言 わ ね ば な ら な い。 そ こ で 本 稿 で 紹 介 す る の は 、 こ の ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ で あ る 。 十 市 遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ 大 阪 の住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ は 、 ﹃ 住 吉 大 社 御 文 庫 目 録 (国 書 漢 籍 ) ﹄ に 住 吉 法 楽 百 首 一 冊 (箱 入 ) 特 五 五 十 市遠 忠 詠 三 条 西公 条 点 自 筆 ※ 明 治七 年 一 一 月 西 尾 播 吉 奉 納 と あ る も の で 、 井 上 宗 雄 氏 が ﹁住 吉 大 社 の 目 録 に よ る と 同 社 に も 蔵 す る 由 。 ﹂ (前 掲 論 文 ) と さ れ る も の で あ る 。 享 禄 四 年 ( 一 五 三 一 ) 七 月 に 物 忌 み の中 で 霊 夢 を 蒙 り 、 天 文 元 年 ( 一 五 三 二) 十 月 に 詠 み 終 え た も の で あ る 。 そ れ で あ れ ば 、 ﹃ 実 隆 公 記 ﹄ ○ 天 文 二 年 ( 一 五 三 三 ) 二 月 九 日条 (遠 忠 ) 鍮 石 十 市 詠 草 合 点 、 調 書 状 、 火 箸 遣 之 、 副 物 名 寄 待 便 風 也 、 o 天 文 二 年 四 月 十 五 日 条 (補 書 )( 宣 賢 ) 清 三 位 来 、 十 市 詠 草 書 状 到 来 、 ○ 天 文 二 年 五 月 十 一 日 条

、窪

(注 ) あ た り が こ れ と 関 わ る 記 述 と 考 え ら れ る。 こ の 二 月 九 日 条 に実 隆 よ り 火 箸 を 送 ら れ た 事 は、 ﹃ 遠 忠 H﹄ に 従 適 愚 詠 一 帖 下 給 時 、 火 箸 に 付 給 て

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撤 お も ふ こと か き つ け 灰 の 手 す さ ひ は し る 人 も な し あ は れ な ら す や 御 返 し に 鰍 瑚 手 す さ ひ の か く 一 筆 の 玉章 も 身 に め つ ら し と い く た ひ か み し 面 白 候 何 と 哉 覧 、 此 御 贈 答 如 何 存之 間 、 如 此 詠 し なか ら 不 進 献 候 、 猶 案 し 候て 重 而可 得 貴 意候 、 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 の 十市 遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ は 、 全 九 十 五首 の姿 で 批 点 を 請 う た の で あ る が 、 遠 忠 皿 鵬 ∼ 蜘 に よ り 清 書 段 階 ま で に 詠 み 加 え られ 歌 数 の整 合 が 図 ら れ た と 知 れ る 。 ま た 、 公 条 批 点 と の み 称 さ れ て い る が 、 上 の遠 忠 H 鵬 ∼ 蜘 に よ る か ぎ り 実 隆 の 批 点 もあ っ た と しな け れ ば な ら な い 。 公 条 名 の 記 さ れ た 点 は 一 個 所 ( 29) に 見 え る の み で あ る。 次 に 、 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ は 、 続 群 書 類 従 四 一 七 ﹃ 十 市 遠 忠 百 番 自 歌 合 ﹄ と 関 わ る。 自 歌 合 二 番 左 ﹁す み の 江 や ﹂ 八 番 左 ﹁春 さ むき ﹂ 十 一 番 右 ﹁と ふ 人 も ﹂ 十 七 番 左 ﹁春 に あ ひ て ﹂ 十 七 番 右 ﹁う つろ は ぬ ﹂ 十 九 番 右 ﹁鴎 ゐ る﹂ 二 十 番 左 ﹁心 あ る﹂ 二 十 一 番 左 ﹁故 郷を ﹂ 二 十 五 番 右 ﹁郭 公﹂ 法 楽 百 首 ー -⊥ I FO 1 12 1 14 1 15 1 20 1 19 1 22 1 25 住 吉大 社御 文 庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住吉 法楽 百首﹄ 三 十 番 右 ﹁ あ つき 日 も ﹂ 三 十 一 番 右 ﹁ ゆ ふ ま く れ ﹂ 三 十 二 番 右 ﹁ 秋 か せ も ﹂ 三 十 七 番 右 ﹁ 聞 わ ひ し ﹂ 三 十 八 番 左 ﹁ さ ひ し さ は ﹂ ハマ マ リ 四 十 三 番 右 ﹁ な か む れ む ﹂ 五 十 二 番 左 ﹁ ふ か き 夜 の ﹂ 五 十 四 番 右 ﹁ せ き て み ん ﹂ 五 十 五 番 左 ﹁ い と は や も ﹂ 五 十 六 番 左 ﹁ さ ゆ る 夜 の ﹂

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五 十 八 番 左 ﹁と は ﹂や な ﹂ 五 十 九 番 右 ﹁ふ る ま ㌧ に ﹂ 六 十 五 番 右 ﹁思 ひ か ね ﹂ 六 十 八 番 左 ﹁ こ よ ひ 先 ﹂ 七 十 番 右 ﹁人 は いさ ﹂ 七 十 一 番 右 ﹁消 ね た Σ﹂

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三番右

五番右

七番

百番右

﹁ 恨 わ ひ ﹂ ﹁ た ち ぬ は ぬ ﹂ ﹁ 法 の 舟 ﹂ ﹁ あ ふ き 来 ぬ ﹂ ﹁ 難 波 津 の ﹂

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以 上 三 十 首 が 当 該 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ 中 で あ る 。 そ し て 、 こ の三 十 首 は 合 点 の存 す る も の に 限 ら れ て い る 。 し か も 、 実 隆 の 添 削 が 入 っ た 歌 は 、 次 の如 く そ れ を 受 け 入 れ た か た ち で ﹃ 自 歌 合 ﹄ に は 採 歌 し て い る のが 現 実 で あ る 。 変 恋

飢藩

草の

ふ袖

もひか

ねあ

ひミ

すれねと

ニ ミ ち か け て い の る 神 か き 七 十 一 番 右 変 恋 消 ね た ㌧ か け し情 は 月 草 の あ た に う つろ ふ そ て の上 露

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六十五番右 祈恋

かね

みす

は剣

忘ね

みち

かけ

のる神

かき

ま た 、 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 ﹃ 住 吉 法 楽 百首 ﹄ で は 、 計 三 十 七 首 に合 点 が 認 め ら れ 、 こ の中 の 三 十 首 は 上 に述 べ た 通 り であ る が 、 残 り 七 首 も 含 め て 続 群書 類 従 四 一 八 ﹃ 十 市 遠 忠 百 五 十 番 自 歌 合 ﹄ にも 採 歌 し て い る。 百 五 十 番 自 歌 合 三 番 左 ﹁ い つし かと ﹂ 十 一 番 左 ﹁槙 の 戸 に﹂ 十 三 番 右 ﹁春 か せ に ﹂ 三 十 三 番 右 ﹁ か け か すむ ﹂ 三 十 四 番 左 ﹁ な こ り あれ や ﹂ 三 十 八 番 右 ﹁夕 月 夜 ﹂ 四 十 八 番 右 ﹁ 五 月 雨 の ﹂ 五 十 番 右 ﹁み る ま Σ に ﹂ 法 楽 百 首 i 2 1 6 1 8 1 18 1 17 1 23 ー 遠 忠 π 鵬 ー 35

六十

二番右

六十

七番

六十

八番

九十

百十

三十番

三十番

十五

番右

﹁ 露 ふ か き ﹂ ﹁ 色 見 え て ﹂ ﹁ あ ふ き み よ ﹂ ﹁ 泉 河 ﹂ ﹁ 大 か た の ﹂ ﹁ 露 時 雨 ﹂ ﹁ 子 を お も ふ ﹂ ﹁ さ た め な く ﹂ 1 42 -47 1 45 1 53 1 71 i 87 1 遠 忠 ∬ 蜘 遠 忠 n 鵬 か か る 現 状 を 井 上 氏 前 掲 論文 が 私 は 、 見 当 違 い か も し れ ぬ ﹁大 ま か な 印 象 批 評 ﹂ に 転 ぜ ざ る を え な い の だ が 、 通 読 し た 所 (そ れ は 正 続 類 従 所 収 のも の だ け で も よ い 。 未 刊 の 詠 草 類 と て そ う 違 っ た も の で は な い) 、 当 時 の レ ベ ルを 抜 く も の で は な い。 住 吉大 社御 文庫 蔵 十 市遠忠 ﹃ 住吉 法 楽 百首﹄

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と いわ れ る の に 重 ね る こ と は 易 い。 し か し 、 遠 忠 の歌 業 を 知 る 事 と は 異 な り 、 な り 、 自 歌 合 の成 立 の 問 題 は 別 に考 え る 必 要 が あ る 。 お わ り に

つの

画作

の全

体像

要 す る に 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ は 、 住 吉 社 へ 遠 忠 が 奉 納 し た ﹃ 百 首 ﹄ そ の も の で は な い 。 実 際 に は 点 を 受 け 詠 み 直 し を し 、 清 書 を し て 奉 納 し た と 思 量 さ れ る 。 し か し 、 奉 納 さ れ た 現 品 が 知 ら れ 得 な い 以 上 、 こ れ を も っ て 推 し 量 る こ と に な ろ う 。 そ の 資 料 を 提 供 す る も の で あ る 。 な お 、 前 掲 井 上 氏 論 文 に よ れ ば 尊 経 閣 文 庫 の ﹃ 歌 書 数 種 ﹄ に こ の ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ を 備 う 由 で あ る が 、 こ こ で は そ れ に ヘ ヘ ヘ へ の は ふ れ な い 。 あ く ま で も 住 吉 大 社 架 蔵 の ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ の 立 場 に よ る 故 の こ と で 他 意 は な い 。 注 ﹃ 実 隆 公 記 ﹄ 中 の遠 忠 関 係 記 事 と し て は 次 の如 き が 拾 え る。 ○ 享 禄 二 年 ( 一 五 二九 ) 十 一 月 十 二日 条 (補 書 ) 内 山 有 書 状 、 十 市 兵 部 少輔 遠 忠 寄 合 一 巻 送 之 、 油 煙 計 丁 進 之 、 ○ 享 禄 三 年 ( 一 五 三 〇 ) 正 月 八 日条 十 市 寄 合 付 勝 負 、 書 状 遣 内 山 、 遣 万 里 小 路 了、 ○ 享 禄 五 年 ( 一 五 三 二 ) 正 月 人 日条 遠 忠 (合 点 ) 今 日 十 市 -遠 忠 百 首 井 多 社 五 十 首 、 春 日社 計 首 等 詠 草 一 覧 了 、 ロ ロ 書 詞 了 、 ○ 享 禄 五 年 ( 一 五 三 二 ) 正 月 十 一 日 条

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十 市 遠 忠 寄 合 点 了、 ○ 享 禄 五 年 ( 一 五 三 二) 正 月 十 七 日 条 清 三 位 来 、 十 市 詠 寄 } 帖 合 点 渡 遣 之 、 ○ 享 禄 五 年 ( 一 五 三 二) 二 月 十 一 日 条 (宣 賢 ) (遠 忠 ) ( 一 ) \ 清 三 位 入 道 来 、 十市 兵 部 少 輔 先 日礼 太 刀 口 腰 ・ 鳥 目参 百 疋送 之 、遣 状 於 清 三 位 謝 遣 了 、 詠 草 一 帖 又送 之 、 先 預 置 者 也 、 ○ 天 文 二 年 ( 一 五 三 三) 二 月 九 日条 (遠 忠 ) 鍮 石 十 市 詠 草 合 点 、 調書 状 、 火 箸 遣 之、 副 物 名 寄 待 便 風 也 、 O 天 文 二 年 ( 一 五 三 三) 四 月 十 五 日 条 (補 書 ) (宣 賢 ) 清 三 位 来 、 十 市 詠草 書 状 到来 、

(

二)

口 口 法 楽、 断 櫛 清 書 之、 ○ 天 文 二 年 ( 一 五 三 三) 七 月 廿 五 日 条

+

○ 天 文 三 年 ( 一 五 三 四 ) 閏 正 月 廿 四 日 条 (遠忠) (近 ) 十 市 書 状 年始、 到 来 、 油 煙 十 廷 送 之 、 和 寄 一 昏 先 度 申 遣 嵜 共 詠 直 令 見 之 、 則 勘 付 之 、 先 以 一 需 愚 存 申 遣 之 、 返 事 口 日 可 遣 之 由 申 送 了 、 ○ 天 文 三 年 ( 一 五 三 四 ) 三 月 廿 四 日 条

+

グ薯

ザロ

草数

送≧

百疋

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遣之

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申ζ

○ 天 文 五 年 ( } 五 三 六 ) 正 月 廿 一 日条 (遠 忠 ) 十 市 有 状 、 油 煙 十 廷送 之 、 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 十 市遠 忠 ﹃ 住吉 法 楽 百 首 ﹄

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︿翻 刻 ﹀ 住 吉 大 社 御 文 庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住 吉 法 楽 百 首 ﹄ の翻 刻 は 次 の要 領 に よ る。 ω 書 誌 は 故 意 に 記 さ な い。 ② 字 詰 は 原 の マ マ を 心 掛 け た が 、 歌 頭 に ー ∼ 95 の 整 理 番 号 を 付 し た 。 ㈹ 漢 字 は 原 則 と し て 現 在 通 行 字 体 に 改 め た 。 ω カ タ カ ナ は そ の ま ま 残 し た 。 ㈲ 点 は 大 略 原 の 位 置 に 始 ま る 様 心 掛 け た 。

法楽

春 二 十 首 山 早 春 1 \ が み の え や 神 代 の春 も 波 ま よ り か す ミ そ む ら ん あ ハ ち し ま 山 2 い つし か と 波 路 し つ け き す ミ の江 に

遠忠

3 4 春 日 う つろ ふ む こ の 山 か け 浦 霞 あ さ な ゆ ふ な あ か ぬ ミ る め ハ 伊 勢 の海 の な ミ路 か す め る 春 の 空 か な 摘 若 菜 春 の 野 に袖 う ち は へて松 か け の わ かな に 千 世 を つミ や そ へ ま し 雪 中 鶯 5 \ 殺 さ む き そ の ふ の竹 を ね く ら に て 雪 に こも れ る う く ひす の 声 戸 外 梅 6 槙 のと に春 の嵐 のさ そ ひ き て む め か ﹂ に ほ ふ 明 か た の空 夜 梅 7 か す む 夜 の 月 も 色 香 に も り く る や 軒 は の梅 の花 の し た か け 池 柳 8 暴 風 に ち り な き 池 の ミ き ハを も

(14)

は ら ふ と そ ミ る 岸 の 青 柳 野 春 雨 9 た ひ枕 日 も ゆ ふ 山 にた か し ま や か ち 野 に か す む 春 雨 の 空 帰 雁 幽 10 立 わ か れ か す む そ な た に 行 雁 の こ し ち の春 や ミ ね の し ら 雲 花 洛 春 月 11 な か め や る 花 の ミ や こ の 山 の は に に ほ ふ ハ か り の 春 の 夜 の月 独 待 花 12 \ ど ふ 人 も あ ら し ミ 山 の 春 の 日 に ひ と り や 花 を ま つ の と の内 遠 尋 花 13 は る く と き つ }なれ ぬ る み よ し 野 ﹂ よ し 野 の花 の 比 も へ に け り 花 慰 老

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住吉 大社 御 文庫 蔵 十市 遠 忠 ﹃住 吉法楽 百首﹄

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ち る た に お し き花 の し た か せ 名 所 春 曙 16 言 葉 も な き た る波 に あ け ほ の ﹂ 和 可 の 浦 半 の春 ハ わ す れ し 庭 董 菜 17 \ 船 残 あ れ や 野 と成 て た にす ミ れ さ く 庭 も ま か き も 春 の ふ る 郷 沢 雲 雀 18 か け か す む 沢 辺 の水 に は ﹂木 ﹂ の あ る に も あ ら て ひ は り た つ 空 岸 款 冬 19 A 州 あ る 川 お さ な れ や 山吹 の 花 の か け ゆ く 岸 の柴 舟 江 藤 20 N 騨 ゐ る水 の み と り も 春 ふ か く

(15)

21 藤 江 に か ﹂ る 花 の し ら 波 三 月 尽 ゆ く 春 を し た ふ も あ や な 花 鳥 の 色 音 は し ハし 世 に 残 る と も 夏 十 五 首 旅 首 夏 22 \ 射 る 郷 を 思 ひ い つ れ は か す ミ た つ 日 か す も の う き 枕 か へ か な 岡 卯 花 23 \ 墾 月 夜 猶 か け み え て 岡 の への さ と の か き ね に の こ る う の花 郭 公 声 遅 24 此 こ ろ も な く ね ハ を そ き 五 月 雨 の や ま す ま た る ︾ ほ と ﹄き す 哉 雲 外 時 鳥 25 \掛 と ㌧き す や と り や い か に 夕 は 山 す そ 野 の雲 に か ﹂ る 一 こゑ 郭 公 稀 26 ま れ に た に い つか ハ と ひ し 草 のと の し け き こゑ な き 山 ほ と 、き す 採 早 苗 27 さ な へ と る いと ま も な ミ の袖 か け て 田 子 の も す そ や ほ す 空 も な き 浜 五 月 雨 28 み く ま の ﹄ 浦 の は ま ゆ ふ 朽 ぬ へ し 日 か す か さ な る さ み た れ の 比 嶺 五 月 雨 29 そ こと な く さ ミた れ そ め て 山 鳥 の 尾 上 へ た て ぬ ミ ね の 松 原 お の へ 嶺 お なし 事 軟 公 條 里 盧 橘 30 た ち は な の花 ち る さ と の夕 風 に お り た か へ た る 雪 や ふ る ら し 夏 草 滋 \ ま 歓 31 夕 暮や 草 の し け ミ を 分 く れ ハ

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岩 波 た か く 行 ほ た るかな 嶋 盟 麦 33 あ ま 人 も 色 あ る 袖 やな て し こ の は な の ま か き の嶋 にミ ゆ ら ん 船 納 涼 34 \ 翻 つ き 日 も 夕 に な れ ハ 舟 さ し て 川 辺す ﹂し く 夜 を ふか し つる 村 夕 立 35 \ か るま }に 照 日 へ た つる む ら 雲 も さ と わ け て 行 夕 た ち の空 社 夏 祓 36 河 や し ろ 波 の し ら ゆ ふ吹 風 の し の に お り か け み そき す ら し も 秋 二 十 首 住吉 大社 御 文庫蔵 十市 遠忠 ﹃ 住 吉法楽 百首﹄ 行 路 初 秋 37 玉 ほ こ の 道 行 袖 に を く 露 も 身 にさ む か ら ん 秋 は 来 に け り 織 女 後 朝 38 あ ま の川 ほ し の 契 も し ら 波 の た ち へ た て つ ㌧明 ぬ こ の夜 ハ 故 郷 萩 39 た か 世 に か き て も ミ つ ら ん ま 萩 さ く は な の に し き のふ る 郷 の 秋 閑 庭 薄

さは

さそな小

、 、 、 、 露 も へ た て ぬ 庭 の 蓬 生 寝 覚 荻 風 41 \ 閉 わ ひ し 夕 の う さ を そ よ さ ら に ね 覚 に お き の 上 か せ そ ふ く 叢 露 42 露 ふ か き 床 の 山 か せ は ら ふ 夜 の 草 む ら こ と に う つ ら な く な り

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43 44 45 海 霧 秋 さ む ミ 明 ゆ く な ミ の う す く こ く ゑ し ま の松 ハ 霧 た ち わ た る 田家 鹿 も る 人 ハい か ﹂ 聞 ら し 秋 の 田 に を し か な く 夜 の いね か て の空 杣 月 あ ふ き み よ わ か た つ 杣 に秋 を へて を ひ え の ミ ね に あ り 明 の 月 関 月 46 \ 掛 か む る に 秋 も う き 世 の関 の戸 を い て や と い そ く 月 の か け 哉 林 月 47 薗 み え て は や し に し け き 言 葉 も 48 月 のた め と や 秋 は 成 ら ん 浪 上 月 ふ し のね の 雪 も う つ ろ ふ清 見 か た 月 な を さ ゆ る 浪 の上 の か け 浅 茅 生 月 49 秋 ふ く る あ さ ち の露 にう つ り き て す そ 野 色 そ ふ ミ ね の 月 影 夕 初 雁 50 春 は 又 か へ る 夕 の空 に ミ ん そ を た に ち き れ 秋 の騰 金 聞 椿 衣 51 く り 返 し 遠 山 さ と に う つこ ろ も 夜 さ む し ら る ﹂し つのを た 巻 雨 後 虫 52 \ 射 か き 夜 のま か き に か Σる 秋 の雨 の 又 ふ り い つる す ﹂ む し の声 渡 紅 葉 53 △ 騨川 ち ら ぬ も み ち の木 す ゑ を も わ た る は Σ そ の も り の し た か け 隣 紅 葉 54 色 ふ か く み え て も 今 ハ 中 か き を へ た て す か Σ る つた の 紅 葉 ﹂

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残菊

駈余

ろひの

る山

けの

56 に ほ ひ も ふ か き 菊 の し た ミ つ 泊 暮 秋 そ な た に や い ま か へ り 行 か ら と ま り 人 の国 ま て 秋 を し た ハ ん 冬 十 五 首 森 初 冬 57 木 か ら し ハ け ふ 吹 そめ つ 秋 に た に いく 田 の も り ハ と はれ し 物 を 時 雨 知 時 58 \ ⋮と は や も ミ な れ ぬ雲 や し か ら き の と や ま し く る Σ冬 を告 ら ん 河 時 雨 59 神 な 月 い る ま も な ミ の 名 取 河 し く れ に く ち ね 瀬 ミ の 埋 木 橋 落 葉 住 吉大社 御 文庫 蔵 十 市 遠 忠 ﹃ 住吉 法楽 百首 ﹄ 60 は ら ひ 来 て む へ 山 か せ に暮 わ た る ま つ のた な は し散 木 の は か な 擁 落 葉 61 木 か ら し や ま か き に の こる 露 霜 の 後 は も みち を さ そ ひ を く 覧 篠 霜 62 \ ざ ゆ る 夜 の ほ と も し ら れ て出 る 日 に 霜 こ そ の こ れ道 の 篠 原 閨 霰 63 あ ら し吹 ね や の板 ま を も る 月 の か け よ り も ち る 玉 あ ら れ か な 沼 氷 64 か つみ れ は あ さ か のぬ ま のな か き ね も あ や め わ か れ す こ ほ り ゐ に け り か つ ミ な か き ね と よ むへ く 候 け ん 竹 雪 65 た のま し や よ のま ハか く て な ひ き つ 峯 折 へ く も あ ら ぬ 雪 のな よ 竹 原 雪

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66 \ ど ハ ㌧や な み か き か ハ ら の し ら 雪 に 幽 そ な ふ る さ と い と ﹂冬 こ も る ら ん 深 雪 67 \ 射 る ま ㌧に 松 の嵐 の た え し 夜 を お も ヘ ハ け さ の雪 お れ の こゑ 湖 水 鳥 68 ふ せ の海 や う き ね さ た め ぬ 水 鳥 の あ り そ の か よ ひ あ ら し た つ よ ハ 湊 千 鳥 , 69 暮 わ た る ゆ ら の ミ な と の夕 波 に 紀 の う ミ と を く た つ千 鳥 哉 炭 竈 煙 70 年 さ む き 雪 に 吹 ま く 炭 か ま の け ふ り も いと ﹄し ろ き 山 か せ 歳 暮 近 71 八 却か た の 世 の こ と わ さ も く る 春 を ひ と つに い そ く と し の暮 か な 恋 十 五 首 初 恋 72 \ 馴 ひ 入 す ゑ も は る け し し ら 雲 の か Σり そ め ぬ る 恋 の山 路 に 忍 恋 73 いか に せ ん 思 ひ ミ た る ﹂み ち の く の し の ふ あ ま り に う ら か せ そ 吹 聞 恋 74 あ さ ハ か に 思 ひ も や せ ん 人 つ て に き く よ り や か て 恋 し と い は } 見 恋 75 春 の花 秋 の 月 と も な か め わ ひ あ か ぬ こ 墨う に 恋 や ま か せ ん 契 恋 76 \ か は いさ わ か こ ㌧う さ へ し ら 糸 の あ ひ お も ふ と も た の ミ か た し な 逢 恋 77 \ 琳 夜 ま つ お ほ つか な く も 思 ふ こと

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い は て そ た ﹂ に新 ま くら せ ん 恨 恋 78 と は れ ね ハ 袖 のな み た の 浮 も な く う ら む ら さ き の く た けわ ひ つ ㌧ 増 恋 79 我 こ ひ ハ ま す け か る て ふ 池 ミ つ の ふ か き 思 ひ は い ひ も は る け し 顕 恋 80 い ま ハ Σや そ め し こ ㌧ ろ の夕 時 雨 ミ ね の も み ち の色 に い つら む 変 恋

ねた

さけ

あ た に う つろ ふ 袖 の う ハ 露 祈 恋

ひか

ひミす

れね

ニ ミ ち か け て い の る神 か き 隠 恋 83 し れ か しな つゐ に ハ みえ し こ と のは を 住 吉大 社御 文庫 蔵 十市 遠忠 ﹃ 住吉法 楽 百首﹄ ま き のは し ら に か へ す た め し も 厭 恋 84 \ デ ら ミ わ ひ い と ふ も な と か に く か ら て 85 86 猶 こり す ま に し た ひ き ぬ ら ん 別 恋 さ ら ぬ た に う き 別 路 の と り く に お と ろ か し た る 鐘 の こゑ 哉 絶 恋 いま は 世 に お も ふ か ひな し 岩 橋 の た え に し 中 に の こ る 恋 路 よ 雑 十 五 首 洞 松 87 \ 副 し く れ も み ち の ほ ら の ミ ね の松 そ め ぬ 色 ま て秋 の ひ と し ほ 洲 鶴 88 朝 日 影 つ は さ し ほ れ て沖 津 す に 霜 夜 や さ む き ま つ の友 鶴

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松 の 友鶴と終 の 句 聞なれぬやうに も有候 巌 苔

89

ちぬはぬ人煙襲

雲水

ふ か き い は ほ の 苔 の ころ も ハ 釣 漁 90 ま な へ 猶 つ り の翁 の世 か た り に も ろ こ し 舟 も か へ る こと の葉 狩 猟 91 か り に て も つミ や ハ あ ら ん よ の中 を お さ め ん 君 か え 物 な り せ は 遊 女 遊 女ハ 寺 水 辺 を 本 二 詠 な らハ し 候 歓 92 か れ ね た ﹂野 上 のさ と の 草 枕 ゆ ふ へ さ た め ぬ 露 の か こ と ハ 釈 教 93 泌 の舟 さ し て わ た ら ん し る へ に や ほ と け の 御 名 の数 を つ む ら ん 神 祇 94 \ か ふ き 来 ぬ 身 に む つ ま し く 住 吉 の も 神 の ま ほ り も 世 々 の契 と を 歓 祝 言

%

波津

の流

をく

ておさ

御 代 に あ つめ ん 大 和 こと の葉

百首

去七

物忌

比蒙

禮之

四十

二首

(京都女 子大学大 学院 文学 研究 科生) (京都 女子大 学短期 大 学部 教授)

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参照

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