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海洋汚染の現状(仮称)

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問い合わせ先 海上保安庁警備救難部環境防災課 専門官 上村 ℡ 3591-6361(内線3902) ℡ 3591-9819(直通) 海上保安庁警備救難部刑事課 専門官 西垣 ℡ 3591-6361(内線5403) ℡ 3591-7988(直通) 平 成 2 0 年 4 月 2 4 日 海 上 保 安 庁

平成 19 年の海洋汚染の現状について

油、有害液体物質等による平成 19 年の海洋汚染の現状を取りまとめましたのでお知 らせします。海上保安庁が確認した海洋汚染の発生確認件数は昨年より若干増加し、 海上環境法令違反件数は若干減少していますが傾向としては依然高い水準にあります。 海上保安庁では、これらの現状を踏まえ、海洋環境保全講習会や海洋環境保全教室 の開催、訪船指導等の海洋環境保全の指導・啓発活動を行うとともに、巡視船艇・航 空機による監視取締り、沿岸部における陸上からの取締り等、海陸空一体となった海 洋汚染の取締りを行い、海洋汚染の未然防止に努めてまいります。

海洋汚染の現状(要旨)

1 海洋汚染の発生確認状況 ・平成 19 年に我が国周辺海域において確認した海洋汚染の発生確認件数は 477 件で、 前年(470 件)に比べ7件増加しました。汚染物質別による内訳は次のとおりです。 ① 油による汚染は 302 件で、前年(306 件)に比べ4件減少 ② 廃棄物による汚染は 97 件で、前年(106 件)に比べ9件減少 ③ 有害液体物質による汚染は4件で、前年(8件)に比べ4件減少 ④ 赤潮による汚染は 46 件で、前年(23 件)に比べ 23 件増加 ⑤ 青潮による汚染は4件で、前年(3件)に比べ1件増加 ⑥ その他(工場排水等)による汚染は 24 件で、前年(24 件)と同じ ・上述の海洋汚染発生確認件数 477 件のうち、外国船舶によるものは 40 件(前年 56 件)であり、うち 38 件は油によるものです。海域別にみると、我が国領海内が 33

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件(前年 46 件)、領海外(排他的経済水域又は公海)が 5 件(前年 5 件)となっ ています。 また、これら外国船舶による海洋汚染のうち、海洋汚染等及び海上災害の防止 に関する法律に違反する15件に対しては、同法に基づき早期釈放制度を適用し対 応しました。 その他、我が国の法令を適用できない公海等での外国船舶による油等の排出に ついて、旗国に適切な処置を求めるため国際条約に基づき7件の旗国通報を実施 しました。 2 廃油ボールの漂流・漂着状況 平成 19 年は、昨年に引続き漂流・漂着廃油ボールは殆ど採取されませんでした。 油による海洋汚染発生確認件数の減少に合わせて、漂流・漂着廃油ボールの採取量 も減少しています。 3 監視取締りの状況(送致件数) 平成 19 年に送致した海上環境法令違反件数は 652 件で、前年(680 件)に比べ 28 件減少しました。法令別による内訳は次のとおりです。 ① 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律違反は 448 件で、前年(440 件)に比べ8件増加 ② 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反は 115 件で、前年(152 件)に比べ 37 件減少 ③ 水質汚濁防止法違反は 13 件で、前年(10 件)に比べ3件増加 ④ 港則法違反は 45 件で、前年(73 件)に比べ 28 件減少 ⑤ その他は 31 件で、前年(5件)に比べ 26 件増加 4 投棄船舶(廃船)の確認状況 平成 19 年に当庁が確認している投棄船舶(廃船)は 1,372 隻で、前年に比べ 11 8 隻増加しました。このうち処理された船舶は、全体の約 56%に当たる 770 隻とな っています。 上記 1,372 隻のうち 738 隻に「廃船指導票」貼付による指導を行い、このうち 3 20 隻が処理されました。

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海洋汚染の現状

(平成19年1月~12月)

平成20年4月作成

海上保安庁

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目 次 はじめに Ⅰ 海洋汚染の発生確認状況 1,海洋汚染の物質別発生確認件数及び推移(過去 10 年分) ・・・・・・・・・1 2,海洋汚染の海域別発生確認件数(平成 19 年分) ・・・・・・・・・・・・・2 3,海洋汚染の排出源別発生確認件数(赤潮・青潮を除く)(平成 19 年分 )・・3 4,海洋汚染の原因別発生確認件数(平成 19 年分) ・・・・・・・・・・・・・3 5,外国船舶による海洋汚染等の状況(平成 19 年分 )・・・・・・・・・・・・4 6,平成19年の海洋汚染発生確認状況の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・5 Ⅱ 廃油ボールの漂流・漂着状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 Ⅲ 監視取締りの状況(送致件数) 1,海上環境関係法令違反の送致件数及び推移(過去5年分)・・・・・・・・・6 2,海防法違反の送致件数及び推移(過去5年分)・・・・・・・・・・・・・・6 Ⅳ 投棄船舶(廃船)の確認状況等(過去5年分)・・・・・・・・・・・・・・・7 Ⅴ 油等流出事故事例(平成 19 年分) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 Ⅵ 海洋環境保全のための海上保安庁の取組事例(平成 19 年分) ・・・・・・・・9 Ⅶ まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 ★資料編 資料1 海洋汚染の物質別発生確認件数の推移(過去 10 年分)・・・・・・・・11 資料2 海洋汚染の海域別発生確認件数の推移(過去5年分) ・・・・・・・・12 資料3 海洋汚染(赤潮・青潮を除く。)の 排出源別発生確認件数の推移(過去5年分) ・・・・・・・・・・・13 資料4 海洋汚染(赤潮・青潮を除く。)の 原因別発生確認件数の推移(過去5年分) ・・・・・・・・・・・・14 資料5 外国船舶による海洋汚染発生確認件数等の推移(過去5年分) ・・・・15 資料6 海上環境事犯法令別送致件数の推移(過去5年分) ・・・・・・・・・15

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はじめに

海上保安庁では海洋環境を保全するため、「未来に残そう青い海」をスローガンに掲げ、巡 視船艇や航空機により我が国周辺海域における油、有害液体物質及び廃棄物等に関する海洋 汚染の監視取締りを実施するとともに、海守や海洋環境保全推進員等の民間ボランティア、 一般市民の方々による緊急通報用電話番号「118 番」等への通報を基に調査・確認・取締りを 行うことにより、海洋汚染の実態を把握し、海洋汚染の未然防止を図っています。 また、衝突や船舶火災等の海難に起因する油や有害液体物質等の排出事故等による被害の 拡大を防止するための活動や海洋環境保全思想を普及させるための取組みを実施しています。 平成 19 年の海洋汚染の現状は次のとおりです。

Ⅰ 海洋汚染の発生確認状況

1.海洋汚染の物質別発生確認件数及び推移(P11、資料1参照) 平成19 年に我が国周辺海域において確認した海洋汚染の発生件数は477 件で、前年(470 件)に比べ7件増加した。 これを汚染物質別に見ると、油による汚染が 302 件で前年(306 件)に比べ 4 件減少、 廃棄物による汚染は、97 件で前年(106 件)に比べ9件減少、有害液体物質による汚染が 4件で前年(8件)に比べ4件減少、その他(工場排水等)による汚染が 24 件で前年(24 件)に同じ、赤潮・青潮(うち青潮4件)による汚染が 50 件で前年(26 件)に比べ 24 件増加した。 図1 海洋汚染の物質別発生確認件数及び推移 388 339 307 327 358 382 270 229 306 302 211 181 226 103 79 124 67 94 106 97 46 20 30 8 26 26 31 37 48 43 51 18 23 46 26 23 16 13 24 24 8 3 8 4 8 7 3 5 4 0 0 0 4 9 3 4 24 14 11 7 0 100 200 300 400 500 600 700 800 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 油 廃棄物 有害液体物質 赤潮 青潮 その他 合計477 合計 697 合計 589 合計486 合計610 合計 516 合計 571 合計 425 合計 360 合計470 有害液 廃棄物 油 赤潮 その他 体物質 青潮

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2 2 海洋汚染の海域別発生確認件数(P12、資料2参照) 海域別では、昨年同様、上位3海域を占める海域に変化はないが、瀬戸内海が 72 件 (前年 65 件)と最も多く全体の約 15%を占め、次いで東京湾が 71 件(前 77 件)、北 海道沿岸が 70 件(前年 63 件)と続いている。油による汚染は瀬戸内海が 62 件(前年 41 件)、東京湾が 55 件(前年 66 件)、北海道沿岸が 53 件(前年 34 件)と多かった。 図2 海域別の海洋汚染発生確認件数(平成19年分) 53 31 55 9 11 62 16 32 16 17 13 13 32 4 2 23 3 1 8 20 5 2 3 3 1 2 13 8 1 1 5 4 1 1 2 4 4 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 北海 道沿岸 本州東岸 東 京湾 伊勢湾 大阪湾 瀬戸内 海 本州 南岸 九州 沿岸 日本 海沿岸 南西海域 油 廃棄物 有害液体物質 赤潮 青潮 その他 北海道沿岸 本州東岸 本州南岸 南西海域 九州沿岸 日本海 東京湾 伊勢湾 瀬戸内海

図3 海域区分図

湾の境界線を示す。 北海道沿岸 本州東岸 本州南岸 南西海域 九州沿岸 日本海 東京湾 伊勢湾 瀬戸内海

図3 海域区分図

湾の境界線を示す。

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3 3 海洋汚染の排出源別発生確認件数(P13、資料3参照) 図4,5は、「船舶」、「陸上等」の排出源別の海洋汚染発生確認件数を表したもので ある(赤潮・青潮を除く)。毎年同様の傾向が見られるが、油による汚染のうち船舶か ら排出されるものが 208 件(前年 210 件)約 69%と最も多く、油以外のものによる汚 染のうち陸上からのものが、廃棄物の不法投棄が多数を占め 82 件(前年 85 件)約 64% と最も多い。 4 海洋汚染の原因別発生確認件数(P14、資料4参照) 図6、7は、海洋汚染の原因となる「故意」、「取扱不注意」等の海洋汚染発生確認件 数を表したものである。油による汚染の原因は、取扱不注意によるものが 137 件(前年 142 件)約 56%と最も多く、次いで、海難によるものが 39 件(前年 39 件)約 16%、 破損によるものが 26 件(前年 26 件)約 11%と続いている。油以外のものによる汚染 の原因は、故意によるものが 104 件(前年 124 件)と約 83%を占めている。 *排出源が判明したもののみを対象としている。 3 故 意, 104 取扱不注意, 9 破 損, 4 そ の 他 8 原因不明, 1 図7 油以外のものによる汚染 合計 126 83% 7% 故 意, 27 取扱不注意, 137 破 損, 26 海 難, 39 そ の 他 10 原因不明, 7 図6 油による汚染 56% 合計 246 11% 16% 図4 油による汚染 船舶, 208 陸上, 30 排出源 不明, 56 その他, 8 合計 302 図5 油以外のものによる汚染 船舶, 35 陸上, 82 その他, 9 合計 129 64% 69% 27% 10% 19%

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4 5 外国船舶による海洋汚染等の状況(P15、資料5参照) ① 外国船舶による海洋汚染の発生確認件数 平成 19 年に海上保安庁が、我が国周辺海域にお いて確認した海洋汚染発生確認件数 477 件のう ち、外国船舶によるものは 40 件(前年 56 件)で あった。このうち油によるものが 38 件であり、こ れを海域別にみると、我が国領海内が 33 件(前年 46 件)、領海外(排他的経済水域又は公海)が5 件(前年7件)となっている。国籍別では、パナ マが8件で最も多く、次にカンボジア・中国が5 件と続いている。 原因別では、取扱不注意によるものが 24 件と全 体の約 59%を占めている。 また、船舶に起因する汚染は全体で 243 件(前 年 255 件)であり、外国船舶の占める割合は約 16% (前年約 22%)であった。 ② 早期釈放制度適用件数 国連海洋法条約の締結に伴い、平成8年7月 20 日から、領海に加え、排他的経済水域等 における外国船舶による海上環境事犯について、一定の条件の下に海防法を適用して取締 りを実施しており、また、その際には、船舶の航行の利益を考慮し、早期釈放制度(担保 金制度)を適用している。 平成 19 年に、外国船舶による海上環境事犯に担保金制度を適用したのは 15 件(前年 23 件)であった。これを海域別にみると、我が国領海内が 14 件(前年 20 件)、排他的経済 水域が1件(前年3件)となっている。また、国籍別では、パナマ6件、中国4件、その 他の国5件となっている。 ③ 旗国通報件数 我が国の法令を適用できない公海等での外国船舶による油の違法排出等については、国 際条約に基づき、当該船舶の旗国に対して違反事実の通報を行い適切な措置を求める旗国 通報制度を適用しており、平成 19 年には7件(前年4件)の旗国通報を行った。 図9 外国船舶による海洋汚染発生確認件数の推移 69 52 38 56 40 24 22 20 23 15 10 9 2 4 7 0 10 20 30 40 50 60 70 80 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 外国船舶による海洋 汚染発生確認件数 旗国通報件数 担保金制度適用件 図8 外国船舶による原因別海洋汚染 発生確認件数 破損, 4, 10% 取扱不注意, 24, 59% その他, 1, 3% 故意, 0, 0% 不明, 4, 10% 海難, 7, 18% 外国船舶 汚染件数 40件

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5 6 平成 19 年の海洋汚染発生確認状況の特徴 平成 19 年における海洋汚染の発生確認件数は、前年にとほぼ同程度であり、依然とし て海洋汚染は後を絶たない状況にあります。油や有害液体物質などによる汚染はほぼ横ば いですが、赤潮は昨年比、約 2 倍の 46 件が全国各地で確認されました。この原因として、 は不明ですが、水温の高い日には発生しやすいともいわれています。

Ⅱ 廃油ボールの漂流・漂着状況

海上保安庁では、我が国周辺海域及び沿岸部における廃油ボール調査を定期的に実施して いる。平成 19 年は、漂流・漂着廃油ボールは殆ど採取されなかった。 図 10 は、昭和 54 年からの油による海洋汚染発生確認件数と漂着廃油ボールの採取量の推 移を表したものであり、油による海洋汚染の減少に合わせて漂着廃油ボールの採取量も減少 していることがわかる。 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 漂着廃油ボール総重量 油による海洋汚染確認件数 kg S *廃油ボール 船からの不法排出、海難事故等により流れ出した 油分が海上又は砂浜において変性し、凝固したもの。 一般的に油が海に流出した場合、油膜は水面を覆い帯 状に流れて行き、海面下に住む生物に必要な光や空気 を遮断する。流出した油の一部は揮発又は分解するが、 残りは海水が徐々に混ざり、ムース状になる。そして、 長時間漂流するうちに、タール成分が徐々に硬化して 固形状の油の塊である廃油ボールとなる。 参考写真:廃油ボール 図10 油による海洋汚染発生確認件数と漂着廃油ボール採取量

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Ⅲ 監視取締りの状況

(P15、資料6参照) 1 海上環境関係法令違反の送致件数及び推移 平成 19 年に送致した海上環境関係法令違反件数は、652 件で、前年(680 件)に比べ 28 件(約4%)減少した。 送致件数を法令別にみると、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」(以下 「海防法」という。)違反が 448 件(約 69%)と大半を占め、次いで、「廃棄物の処理 及び清掃に関する法律」(以下「廃掃法」という。)違反が 115 件(約 18%)、「港則 法」違反が 45 件(約7%)、「水質汚濁防止法」(以下「水濁法」という。)違反が 13 件(約2%)等となっている。 2 海防法違反の送致件数及び推移 海防法違反の送致件数内訳を見ると、プレジャーボート等小型船舶の不法投棄が後 を断たず、船舶の不法投棄が 167 件(約 37%)となっている。また、船舶からの油の 不法排出は 141 件(約 31%)となっている。 図11 海上環境関係法令違反の送致件数及び推移 325 288 366 440 448 105 89 153 152 115 45 54 60 68 10 19 8 18 73 13 6 9 16 5 31 0 100 200 300 400 500 600 700 800 15年 16年 17年 18年 19年 海防法 廃掃法 港則法 水濁法 その他 合計 652 合計 509 合計 454 合計 621 合計 680 図12 海防法違反の送致件数及び推移 141 119 125 152 141 26 32 48 34 97 102 133 140 167 51 37 67 89 100 6 11 9 4 7 29 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 15年 16年 17年 18年 19年 船舶からの油排出 船舶からの有害液 体物質排出禁止規 船舶からの廃棄物 廃船等の投棄禁止 その他の規定違反 合計 325 合計 288 合計 336 合計 440 合計 448

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Ⅳ 投棄船舶(廃船)の確認状況等

海上保安庁が平成 19 年に確認している投棄船舶(廃船)は、1,372 隻(うち平成 19 年に新 たに確認した投棄船舶(以下「新規確認船舶」という。)は 715 隻)で、このうち処理され た船舶は、全体の約 56%にあたる 770 隻(うち新規確認船舶 608 隻)、未処理の船舶は 602 隻(うち新規確認船舶 107 隻)となっている。また、新規確認船舶 715 隻は前年の 625 隻に 比べ 90 件増加している(対前年比 約 114%)。 一方、海上保安庁は、上記 1,372 隻のうち 738 隻(うち新規確認船舶 309 隻)に対して「廃 船指導票」による指導を行い、このうち 320 隻(うち新規確認船舶 240 隻)が処理された。

図12 投棄船舶等の状況の推移

770 66 2 6 10 6 6 5 7 1 5 6 02 867 635 589 470 71 5 1372 1254 1132 1245 1582 5 2 2 6 25 7 0 6 8 8 4 0 500 1000 1500 2000 H15 H16 H17 H18 H19 (年) (隻数) 当該年処理隻数 当該年未処理隻数 当該年新規確認隻数 注1 投棄船舶とは、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律違反の状態であると海上保安庁が認めた船舶を 言う。 注2 海難による放置船舶(乗揚げ又は沈没等の海難に遭遇した船舶のうち、海岸線付近又は海底に放置されてい るもの。)は含まない。

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Ⅴ 油等流出事故事例

1 宮城県山元町沖 Saint Vincent and the Grenadines 籍貨物船「JANE」乗揚げ 平成 19 年 4 月 17 日午前 4 時頃、貨物 船「JANE」(4,643 総トン 乗組員ロ シア人 17 名 積荷石炭約 5,000 トン)が 宮城県山元町沖に乗揚げ、燃料油の一部 が流出した。海上保安庁では、巡視船艇、 航空機、特殊救難隊及び機動防除隊を出 動させ、午前9時までに乗組員全員を救 助しました。 その後、巡視船艇等によるJ号の監視、 関係者への油防除指導等を実施し、5 月 7 日、第二管区海上保安本部長から船主に対し、海 洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第 40 条に基づく、船体の撤去命令を発出しまし た。 2 新潟県直江津港内に水酸化マグネシウムが流出 平成19年8月11日午前9時25分頃、新潟 県上越市所在の工場から海洋汚染等及び 海上災害の防止に関する法律施行令で定 めるZ類に分類される水酸化マグネシウ ムが同工場地先海上(直江津港内)に流出 しました。通報を受けた、海上保安庁は、 直ちに巡視船艇、航空機等を出動させ、現 場海域の調査等を実施したところ、長さ約 350m、最大幅約50mの白濁した海域を確 認しました。 同工場では、作業員9名が海水ポンプ2台を使用し、海底に沈殿した水酸化マグネシウム を直接吸い上げ工場内のタンクに貯留する等の回収作業を実施し、翌12日午後4時までに海 水混じりの水酸化マグネシウム約100㎥を回収しました。 3 愛知県伊勢湾・三河湾での赤潮の発生 平成19年4月12日午前中、海上保安庁航 空機により三河湾中央部及び伊勢湾(津市 ~松坂市沖合い)において、広範囲の赤潮 の発生を認め、愛知県等に通報しました。 海上保安庁では、平成19年は、このような 赤潮を、日本海沿岸、伊勢湾などで46件を (昨年比23件増)確認しました。

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Ⅵ 海洋環境保全のための海上保安庁の取組状況

海洋汚染は人為的要因により発生しているため、海洋汚染を防止するためには、国民一人 一人の海洋環境の保全に関する意識の高揚が必要不可欠です。 このため、海上保安庁では、将来を担う子供達を含む一般市民や海事・漁業関係者等を対 象として、海洋環境保全教室や海洋環境保全講習会等の海洋環境保全指導・啓発活動を実施 しています。 平成 19 年における主な活動の実施状況は次の通りです。 海洋環境保全教室 457 回(29,428 名) 海洋環境保全講習会 196 回(8,637 名) 放船指導 1,401 回 訪問指導 1,054 回 以下に、その取組事例の一部を紹介します。 1 未来に残そう青い海・図画コンクール 海上保安庁では、(財)海上保安協会と協力して、全 国の小中学生を対象とした「未来に残そう青い海・図 画コンクール」を実施しています。 第8回目となる平成 19 年度は、過去最多の 45,321 点(昨年比:12,843 点増加)の応募があり、これまで 18 万人以上の方から、応募をいただいています。右の ポスターは、平成18年度図画コンクールの海上保安 庁長官賞受賞作品を活用した啓発用のポスターです。 (募集期間:平成 20 年 6 月 1 日~同年 9 月初旬頃) 2 海洋こどもエコクラブの活動 広島海上保安部は、平成 9 年から効果的に海 洋環境保全思想の普及を図ることを目的とし て、ボランティアである海洋環境保全推進員 を母体とした「海洋こどもエコクラブ」を発 足させ、各種活動の企画、事務局の運営を行 い、約 10 年間で 40 回にのぼる様々な海洋環 境保全のための活動を実施しています。写真 は、漂着ゴミ分類調査を実施している状況で す。 3 巡視船いずにおける図画の展示 横浜海上保安部は、海上保安庁では初めての 試みとなる巡視船いずの外板を使用した第 8 回 未来に残そう青い海・図画コンクール作品の展 示会及び同船船上において表彰式等をボランテ ィア等と協働して盛大なイベントを実施しまし た。

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Ⅶ まとめ

海洋汚染発生確認件数は昨年より若干増加し、海上環境事犯の送致件数は若干減少してい ますが、傾向としては依然高い水準にあります。これは、海上保安庁が実施する様々な海洋 環境保全指導・啓発活動の結果、一般市民等に海洋環境保全の思想が普及し、通報活動に繋 がったこと等に加え、巡視船艇・航空機及び陸上からの監視取締り体制を強化してきた結果 であると考えられます。 今後も海上保安庁では、「未来に残そう青い海」をスローガンに掲げ、国民の海洋環境保 全意識を高め、海洋汚染を未然に防止することを目的とした「指導・啓発活動」、海洋汚染 の実態を把握しその情報を国民の皆様方に提供することを目的とした「海洋汚染発生状況調 査」、海上環境関係法令違反を摘発し、原状回復を図る「監視取締り」、という3つの手法を 組み合わせて、海洋環境保全対策に取り組んでまいります。

参照

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