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茶樹園におけるカンザワハダニTetranychus kanzawai Kishida(蛛形綱,ダニ目,ハダニ科)の個体群に関する一研究-香川大学学術情報リポジトリ

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茶樹園におけるカンザワハダニ乃批明′Cカ∽んα〃ZαWα′KIS川DA

(妹形鋼,ダニ目,ハダニ科)の個体群に関する…・・■・研究**

中 村 寛 志***,岡 本 秀 俊

A PRELIMINARY STUDY ON THE′POPULATION OF THE KANZAWA

SPIDER MITE,,7甘77uNYCHUS KANZAfmIKISHIDA(CLASS ARACHNIDA, ORDER ACARINA,TETRANYCHIDAE)IN THE,TErA PLANTATION**

HiroshiNAKAMURA***and HidetoshiOKAMOTO Thenumberofeggs,1arvae,nymphsandadultsofT>tYanyChu3kanzawaionthefieshleavesofteawereexamined attheteaplantationsinrakase−Cho,KagawaPrefectureduringthetwomonthsofJuneandJulyin1980. ThedensitiesofmitepopulationsvaTiedwiththeteagardensurveyed.Thedensitiesinhighlevelwere observed intheteagardenswhichhadnofacilityofthesprinklersystem‖ Themosthighestpeakofoccurrenceofthemite WaSObservedinmid−Juneandafterthattimethedensitiesofthemitedecreasedrapidlyastheresultsof thespray

OfpesticidesandsettingintherainyseasonWithinthemitepopulationtheeggswerethemajorpartofthepopu−

1ationsonthebasisofthenumberEachnumberofadults,nymphsandlarvaewasfarlessthanthatofeggsin order. ByanalyzingtheftequenCydistributionofthenumberofindividualsofmitesonaleaf■ofteathepatternsofspacial

distributionofthemitepopluationsweremadecleartoshowmarkedoverdispersionhoweveIthedegreesof that

distributionbecamelowerwiththeprogressofdevelopmentofthemites.From晶−mr:egreSSionanalysisthefunda− mentalsizeofeachcoloyofegg,larva,nymphandadultwasestimatedtobelO,1<,1<,andlrespectively… 香川県高瀬町所在の茶樹園を調査現地とし,1980年6月と7月の2簡月間,カンザワハダニrんα乃ZαWαJの卵,幼 虫,若虫,成虫それぞれの茶樹生薬上における生息個体数を調べた. カンザワハダニの生息密度は調査馴こよって異なった.密度が最も高かったのはスプリンクラーが設置されていな い園であった調査期間中のカンザワハダニの発生は6月中旬に政商のピ1−・クに達し,生息密度はその後殺虫或いは 殺ダニ剤の散布や入梅によって急激に低下した.その数の多さからいえば,カンザワハダニ個体群の主要構成部分は 卵であった‖ 成虫,苦虫,幼虫の個体数はその順に卵よりもはるかに少なかった.茶葉1枚上のカンザワハダニの生 息個体数を解析した結果,本種の共当り個体数の分布は高度の集中型分布であること,しかし,その集中性の程度は 発育の進行に伴って低下することがわかった.また,品−∽回帰分析によって,本種の卵,幼虫苦虫,成虫それぞ れのコロニ・−の基本的なサイズは10,1<,1<こ,1であることが推定された。 1.緒 カンザワハダニTbtra73yChuskanzawalKISHIDAは,ダニ目 Acarinaのハダニ科Tetranychidaeに属し,古くか ら「赤ダニ」の名で知られている茶の重要書虫である.本種は茶葉の裏面に生息し,敷こ口針を挿入して薬液を吸汁 する(12・13).本種による加審が激甚な場合,茶の葉色は褐色あるいは黒色に変化し,寄生・加害部位が若菜の場合, **昭和5‘7年度日本尾虫学会四国支部大会において講演 ***香川県三豊郡高瀬町,上戸学女子短期大学昆虫学研究室 EntomologicalLaboratory,JotoGakuenWomen’sJuniorCollege,Takase−Cho,Mitoyo−gun,Kagawa−ken,767

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これらの若葉は落葉するものが多くなり,収畳の減少と品質の悪化を招く(2).・著者らは,茶樹におけるカンザワハダ ニの効率的な防除法を案出するためには,本種の生態に関する諸種の研究をすすめることがきわめて大切であると考 え,発生最盛期を中心とした時期に栽培茶樹におけるカンザワハダニ個体群について,発生密度の時間的変化並びに 調査地点(園)間差を調べるとともに,生息葉上における個体群の組成や構造について研究したので報告する・ 本文に先だち,調査現地を提供していただいた香川県三豊郡高瀬町高瀬茶業組合,調査の遂行に終始協力を惜しま れなかった同組合の近藤久志技師に謝意を表したい 2.材料および方法 (1)調査地点並びに諷査時期 本調査は香川県三豊郡高漱町この宮地区に所在する高瀬茶業組合経営団地を現地として実施した・本団地茶園の総 面積は約16」7baであるこれらの園の大部分には一億管理方式によるスプリンクラーが設置されており,このスプ

TablelTheexplanationfbrtheteagardenssurveyedandthenumberofffeShleavesofteasampled

atthegardens NumberoffleShleavessampled

⊥ ・、 12 19 26 4 10 .June .July 2 1 22 1 32 32 7 0 2 nフ つ︼ っJ 3 4 0 8 0 0 0 0 3 3 つJ ︹J 3 3 3 1 2 2 1 0 0 3 つん 3 3 3 3 つ︶ 3 0 3 ■1 0 0 0 0 3 3 3 つJ つJ 3 3 7 2 3 Unequlpped Equipped Unequlpped Equipped Equipped fquipped Equipped A Asazuka Yabukita B Asazuka Yabukita C Katabuki Yabukita D Katabuki Yabukita E Ishigatani Yabukita F Ishigatani Suruga G Mukodani Yabukita 31293330 4 3 0 1 つ︼ つ︼ 0 0 3 3 0 0 3 3 7 8 つム 2 9 4− 1 1 つん 5 つん Tota1 205 214 219 222 153

Table2.Theinsecticideandacaricidesprayprogrammepracticedusingthesprinklersystem

Datried pesticides () Targetspeciesofpests r人(〃に(川・(7∫ (Kanzawaspidermite) r ん(7〃ニ〝Il血 (Kanzawaspidermite) Cbわ〆メ〟α才力eル∂′α (T¢alea丘O11eI) 丘〝岬♂α5(α¢川畑減 (TeagIeenleafhopper) 5cメ′JOJカ′妙5(わ/5α〟5 (Ye1lowteathrips) rん〃乃Z8Ⅳα∫ (Kanzawaspidermite) C.才力ビル0′d (T■ealeaf上011er■) 丘.〃〝〟んJ≠ (Teagr・eenleafi■011eI■) ∫.(わ川α/≠j (Ye110Wteathrips) 2500 500 5000 500

16 March Omite Emul. 28 May Plictran Wett

5June Padan Watsol 2000 500

2500 500

6.July Omite Emul・

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リンクラーを供用した農薬のスケジ,ユール散布によって病書虫の防除や湛水が行なわれている. 調査地点としては」7箇所の茶園を設定した= これらの茶園のうちの2箇所(地点Aと地点C)にはスプリングラー が設置されていなかった‖ 調査各地点の所在地,植栽品種,調査時期,抽出標本英数は第1表,また,調査終了まで の期間における散布殺虫および殺ダニ剤の種類,盈,散布期日は第2表に示したとおりであるい (2)カンザワハダニ生息個体数の調査 カンザワハダニには卵,幼虫,苦虫,成虫として区別可儲な4種の発育段階の他 苦虫期には第1苦虫期と第2若 虫期がある(11)… 本調査では地点動こ30枚前後の茶菓(緑および濃緑菓)をそれぞれの茶園においてランダムサンプリ ングして研究室に持ち帰り,実体顕微鏡下で抽出標本柴1枚毎に葉上の卵,幼虫,若虫それぞれの数をかぞえた。幼 虫と苦虫の区別は主に個数によって行ない,淡費色を呈し,3対の脚を有する個体を幼虫,微紅色で4対の脚を有す るものを苦虫とした小 第1若虫と第2苦虫の区別はしなかった小 3.結果および考察 (1)発生密度の地点間差 7回の調査によって得られた生息個体数の通界値を第3表に示す.6月および7月期に7箇所の調査地点で7回に Table3。ThepopulationdensitiesofT.kanzawaiineachteagardensuIVeyed

Numberoftheleaves Number・Ofthemite Densitiesofthemite

Tea garden ofteasampled collected (Num

r 8 7 3 7 0 0 ′0 3 〇 7 2 ﹂ 2 4 1 0 7.〇 〇 〇 〇 2 5 5 3 1 0 qノ q/ l 1 5 2 4 0ノ 2 7 A B C D 五 戸 G 2 4 っ︼ ▲う 1 4 っJ 21 2122 19 182021 Total 1439 2235 AveIage 205・59 319・29 1“55 Table4。Therateinpercentofleavesofteaparasitizedby Tkanzawai Dates surveyed Average Teagarden 19 26 0 0 0 0 0 0 0 17−5 0.9 32‖4 4,1 2.2 210 10 8 0 0 0 0 つJ O O O ′0 3 0 3 0 0 0 ︻J 8 3 3 7 2/ひ /打 q/ 0 0 ′0 3 5 1 2 1 7 0 /0 0 0 0 /0 8 ′h︶ 7 7 5 . 436.〇 9 0 71 3 1 5 ︵J ′α 7︰つJ ▲︸ 0 へJ 3 1 1 つっ 3 3 っム 5 8 A 丑 C D E F G 14.8 7 0 Average 18・0 25‖2 160 9・5 3・3 0・5 0 10・6*

*The totalnumber ofleaves parasitized(=153)/Thetotalnumberofleaves sampled

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わたってサンプリングした調査薬は総数が1439枚,これらの葉上で生息を確認したカンザワハダニの個体数(卵,幼 虫,若虫,成虫の合計)は2235個体であった.この結果から1菓当りの個体数を静出すると1‖55個体となる.第3表 から明らかなとおり,発生密度には地点による差が認められるい 密度が著しく高かった地点はA地点とC地点であ るが,このうちでもC地点の1葉当り個体数は773という値を示し,発生密度が最も低いB地点の数値の100倍を超 える大きな値であったA並びにC園(地点)におけるカンザワハダニの高密度発生は,方法の部分に述べたことで あるが,これらの園はスプリンクラーが未設置であることによる准水および農薬散布の不充分さが関係しているので はないかと考えられる.摘出標本菜中に占めるハダニ生息葉の割合,つまりハダニ生息葉率は被害薬率の1示数と考 えられる.生息薬率に関する結果は第4表に示したとおりで,発生密度同様地点あるいは恩薬散布および准水の如何 による差が大であった. (2)生息密度の経時的変化 卵,幼虫,若虫,成虫それぞれの1葉当り個体数を調査日を区別して示すと第1図のとおりであるF地点の園で 5 0 0 0 嵩むJ LむロS莞t⊆∴ちh父︼∈nZ 5 5 0 0 0 0 0 1 512192641017 512192641017 512192641017 512192641017

June July June July June luly June July Date surveyed

Fig1“rheseasonalchangeofthepopulationdensitiesofT ka71ZaWaiineachteagarden

(A′−G)surVeyed. ほ卵,幼虫および成虫それぞれの発生のピークは7月4日前後であると考えられるが,F以外の園では6月中旬に発 生の山が出現し,7月期になると生息個体数が減少する傾向がみられ∴7月10日および17日の両調査時点ではどの調 査地点においても,卵∼成虫の発生密度は0に近くなった 農薬の散布は著者らによるハダニの調査とは無関係に, 定められたスケジュール(方法の項,前出)にしたがって実施されたが,カンザワハダニを対象とした散布は‘7月6 日のオマイト乳剤散布だけであった.第1図にみられるとおり,この一7月6日の散布は,調査各地点における卵∼成 虫の密度低下に若干の関係があったことはたしかであろうが,それよりも,‘7月6Elから10日までの間の降雨が強く 作用したのではないかと考えられるけ 表示を省略したが∴7月6日から10日までは降雨が連続し,特に9日の降水丑 は60mm前後に達した.各調査地点の卵∼成虫の密度は既述のとおり,F地点を除き6月12日前後に発生のピーク があり,6月19日には急激な密度の低下がみられた.6月1−7日と18日の降水蕊を調べてみると,約22mmに達してい ることがわかったい これらを総合すると,カンザワハダニの密度は降水に強く影響されるもののようであり,柑橘園

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におけるミカンハダニの防除に有効とされているスプリンクラーによる散水防除法(8,910)が茶園におけるカンザワハ ダニの防除にも有効であることが示唆されているように思われるい

多少乱果なやり方ではあるが,カンザワハダニの個体群組成を大づかみに捉えるため,卵∼成虫それぞれの葉当り 生息個体数を調査地点,調査期日を区別せずに集罰した倍を第5表に示す−葉当りの生息個体数は,幼虫と苦虫では

Table5,Thenumberofindividuals of Tkanzawaionaleafof■tea Totalnumberof Totalnumberof Number of

leaves sampled T,kanzawai Tkanzawaiperleaf

0ノ qノ 0ノ 9 3 3 3 つJ 4 4 4 4 5 7 1▲ nフ 2 8 1 4 1 4 5 O 801 O 332 O 355 O 065 Eggs LaIVae Nymphs Adults 5756 2235 15533 1439 558て5 0.388 Average 0332,0355となり数値の大小がイ馴、差ながら逆になっているものの, 発育の進行に伴ったこのような個体数の減少は,本種の生存曲線がど のようなものであるかを或る程度物語るもののように思われる− (4)糞当り個体数の分布型 第2図は卵,幼虫,若虫,成虫のそれぞれについて,1柴当りの生 息個体数の頻度分布(百分率)を求め示したものである,ヒストグラ ムは調査地点並びに調査期日を区別することなく,一偏して作成して ある.この分布型の特徴は,卵∼成虫のどの発育段階に属する個体も, 生息個体数0の数値を示す尭が多く,このような薬の割合が90%を超 えること,その一・方では,極めて多くの個体が集中的に生息分布する 繋が存在したことである.分布値が平均値より大きい場合,分布は負 の二項分布に良く適合することが示されている(2)ので,葉当り個体数 の分布が,次の①式の展開式で示される負の2項分布, (q−タ) ̄た …① 但しq一夕=1,椚=んP,∽は平均値 に過食するかどうかをみることにした.そのためには①式のたの値を 推定しなければならない.たの推定には次の二つの方法がある(1).そ

の第1は次式,

た= ① 盲 但し克は標本平均値,∫2は分散 から求める方法であり,第2は次式 〃0=中・封 ̄た ⑧ 但し侮は観測値の0項,〃は標本数 における等号関係を満足するんを試行的に求める方法である.本報告 では第1の方法で求めたんをん(1),第2の方法のんをた(2)とし,こ れらの方法で推定したん(1)およびん(2)の値を第6表に示すい 第5表 Numberofmitesperleaf Fig2.Thef上equenCy distributionofthe numberofindivjdualsofthemite Onaleaf“Thehistogramshowsthe value obserVed。The dottedline describes the expectation fi■Om negativebinomiaJdistribution”

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Table6ThenumericalvaluesofeachkandC^Obtainedbycalculation Developmental stage

f3,ggS Larvae Nymphs Adults

k(1) 0。0129 00175 00312 O 0394 k(2) 0‖0105 0.0139 00282 O 0390 C。(1) 77.232 57い015 32010 251379 C。(2) 95238 71.942 35461 25 641 C。(3) 81.687 59.497 32・804 26・119 Note:Themethodofcalculation;Seethetext にみられるとおり,どの発育段階の個体の場合にも観測値の0項から試行的に推定したん(2)の値の方がん(1)より小 さく,また観測値の適合度を示すズ吉備も小さかった・・第2図中に示した破線はこのん(2)をもとに計静した負の二項 分布の理論値である.この理論値に対する実測値の適合度は,卵では㌶=6397(0750二>タ(ズ2≧ズ孟)二>・0500),幼虫が Z孟=2675(09J75>タ(ズ2≧X孟1>0950),若虫では㌶=1,6J75(0990>♪(ズヱ≧ズ岩)>0」9」75),成虫の場合はズ孟=0341(0‖975> ♪(ズ2≧ズ孟)>0.950)となり,いずれの場合にも薬当り個体数の分布は負の二項分布によく適合していることがわかる′ (5)分布の集中度 菓当り個体数の分布型が負の二項分布によく適合したことは,本種の卵∼成虫のいずれもが特定の葉に集中的に分 布する性質を有することを示しているように思われる.分布の集中度を判定する方法としては,分散と平均値との比

(∫2/元)や〟示教法(7),G示数法く4),議/∽法(5)などの方法がある.

本報告においては,G示数法と品/刑法を用いて分布の集中度を判定することにする.G示数とは母集団の平均

値と分散をそれぞれm,げ2 とすると,次の関係式 ④ であらわされる示教であるい これは負の二項分布のん(=∽2/(α2−∽))の逆数と等しい.標本数Ⅳの標本集団からの Gの不偏推定値G は次の式 ∫2一丈 ① CA= 丈2−∫2/〃 によって与えられる①.G示数はポアソン分布のときその植は0となり,集中度が高くなるほど大きな倍をとる.. 本調査による薬当り個体数分布のデータ(前出)をもとに,前述にしたがって求めた示数を示すと第6表のとおり である.薬当り個体数の分布型が既述のとおり負の二項分布によく適合したため,ここでは,G示数は負の二項分 布のんの逆数に等しいとして,G(1)(=1/ん(1))とG(2)(=1/ん(2))を求めた‖G(3)は上述の不偏推定値の式を用 いて求めた.これによると若虫と成虫においては3種類のG相互間に大きな差は存在しなかったが,卵と幼虫にお いてはG(1)とG(2)との間ではその偶に差がみられたい これはんの値が1より相当小さい場合には,ん(1)と・虎(2) の差が僅少であるとしても,示数がこれらの値の逆数である関係からこれらの差が大きくなることによるものと考え られる.一方不偏推定式で計算したG(3)はG(1)とG(2)の間の値となった.そこで本調査の発育段階別の英当 り個体数の集中度を示す示数としてはG(3)を代表権とすることにした. ある個体が平均何個体の他の個体と同じ場にいるかを示す平均こみ合い度晶は次式 ∑.x∫(x‘−1) 王=1 * 〝7= ∑x‘ i=1 で与えられ,これを平均値mで除した値は分布の集中度を示す示数として用いられ,品/mとG示数の関係は次の 式 晶′∽=1・穿=1+G ⑦

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のとおりとなり,晶/∽が1の場合はポアソン分布,この値が1より大きくなるに伴って分布の集中性が高くなると

されている(S)

今述べたG示数と晶/∽の簸出値は第3図に示したどの方法の場合とも示数の値は卵においては紬前後とな

Eg5lS l」ar、a()N、mPhs Adults Eggs Lrarvae Nymphs Adults Stage of development

Figh3Thechangeintheratio議/mandCAIndexofindividualdistributioninthecourseofdevelop−

ment ofrた〟〃Zαル(JJ り,集中度が極めて高く,また,発育が遊行するにつれて集中度は低下することがわかる..とはいうものの,卵と比 較した場合,別1度カiずっと低いノ戊山こおいても,Gと議/∽の値はいずれも20以上となっているから,発育がずっ と進んで成虫に達した場合においても,カンサワハダニ・は茶葉間でランダム分布することはなく,その分布は特定の 薬に限っており,集中的な分布を示すことがわかる. (6)空間分布構造 生息葉上でのカンザワハダニ個体群の構造(空間分布構造)を知るため,調査時期と調査地域別に薬当り個体数の 平均値椚と平均こみ合い皮品を求め,議−∽回帰分析法(3)による解析を試みることにする=晶一肌回帰分析法に おいては,品と∽は次式 品=α+β∽ で示されるとおり直線関係にあり,α+1の値は1枚の斐の上にみられる集団(コロニー)の平均サイズを,傾きβ はこの集団の分布型を示し,例えばポアソン分布のときはα=0,β=1となる.そしてαが0より大きくなるに従い 集団のサイズが大きくなり,β>1のと善はこの集団が集中分布していることを示す.

卵∼成虫のそれぞれについて求めた品一椚回帰直線は第4図に示す.卵,幼虫および苦虫では,α=1,β=1とな

り,一・定の平均個体数をもつコロニーが集中分布していることを示し,成虫の場合はα=0,β>1となり負の二項分 布を示した・ところが第2図の個体数の頻度分布は,いずれの発育段階でも負の二項分布に適合した−しかし解析緬 果のこのくい速いは,葉当り個体数の平均値が本調査の結果では小さく,0項以外の頻度が極めて小さかったために, 負の二項分布に見かけ上適合したことによるのであって,卵∼若虫期の空間分布は実のところ議−∽回帰分析法に よって今明らかにしたとおりの構造をもつと考えるペきであろう.葉上に生息することが確認された菓(生息葉)に

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1 2 2 4 05 1 m 1 2 m Fig4.Therelationofmeancrowding&tomeandensltymineachdevelopmentalstageThesolidline showshz−mregreSSionandthedottedlinedescribestheexpectationf上OmPoissondistribution. おける卵の分布構造を示す諸数値は,β=15280,α=8,730となり,この低から生息葉における平均卵数は10前1後であ ることが推定できるから,10卵が基本単位となって,特定の尭の上に集中分布していることがわかる.幼虫や若虫の 場合にも,αと βの倍は,α>1,β>1で複数の個体が分布の基本単位を構成し,この単位が集中分布していること が示されている他方,成虫においては,α,βはそれぞれ0い111,」7.905となり,1個体が生息単位となって特定の菓 に集中生息していることがわかるい αの値は卵8‖一73q,成虫が0.、111となり,卵で最大,成虫で最小であった.幼虫と 苦虫における α値はいずれも卵と成虫の中間値を示し,それぞれ2・・103と4小679であった.幼虫と苦虫の間では,数

倍の大小関係が発育の進行程度とは逆になった.若虫においては品と∽との間に存在する相関関係の大きさを示す

相関係数の植が小さい(γ2=0.513)のため,得られた回帰直線のα,βのそれぞれの分散が大きくなると思われるの で,幼虫と苦虫との間における数値の大小関係については高い精度の結論は無理であろう..苦虫の場合を除いて卵, 幼虫,成虫の間で比改してみると,αの値は発育の進行に伴って減少しており,分布の基本単位を柵成する個体の数

(9)

が少なくなる傾向が認められるり 一・方,βの催も発育の進行に伴って小さくなり,集団の分布型における集中性が小 となることを示している, コロニー・の大きさを示すαの値は,成虫の場合0・111と小さかったが,卵の場合は大きく増加して8/730になった・ これは成虫の多くが1枚の尭に卵を1個宛産卵したのではなく,複数の卵(約10卵)を産卵したことを示しているの ではないかと思われる..また発育が進むにつれてαの値が減少したのは,このような卵のコロニーから摺化した幼 虫の中には発育の過程で死亡したり,他の斐に移出していく個体があることを示しているのではないかと考える・そ してαが0.111となる成虫ではコロニーの分割が極度に進行し,遂に単独で生活するようになることが示されている のではなかろうか,−・方,コロニ・−の集中性を示すβの値もαと同様に,発育の進行に伴って小さくなっているの は,発育が進むにつれて他の薬に分散していく個体が増えることを示しているように思われる‖ ところが成虫になっ てもβ値ば7905と依然として集中性を示す値であるのは,成虫がある特定の菓,例えば新薬を生息の場として選択 する結果によるものかも知れないまた卵のβ値が15.280とさらに大きくなったのは,成虫が産卵の対象として或る 薬を選択する場合,生息の場としての選択とはちがったやり方で菓を選択することによるのではないかと考えられるり 生息並びに産卵のための菜の選択においては,薬の生育段階とか樹内における菓の位置などが選択の基準となること が考えられるが,これらの問題は,発育に伴って生ずると考えられる移動問題の研究などと併せ,今後研究をすすめ るペき課題の一・つであろう= 引 用 文 献 2,215−235(1959) (8)岡本秀俊,青木 敏,真崎 誠:散水法によるミ カンハダニの防除に関する研究,第20回日本応用 動物昆虫学会大会講演要旨,148(1976). (9)OKAMOTO,H:Effectsofthewatersprayingon

the population density ofthe citrusIed mite,

d∂5f.ズー7血.CbJぽ.励Jo∽OJ(Kyoto,Japan), 453(1980) (10)岡本秀俊,市川俊英,宮本裕三:樹冠部散水が柑 橘樹のミカンハダニの個体群に及ぼす影響,ミカ ンハダニの新防除法(散水法)の開発に関する研 究(昭和54年度科学研究費補助金(試験研究2) 研究成果報告啓),1−8(1980) (11)刑部 勝‥カンザワハダニの生態学的研究,茶業 研究,4,35−156(1967) (12)佐々 学:ダニ類,8−16,東京,東京大学出版会 (19(55) (13)佐々 学,青木浄−・(編):ダニ学の進歩,327− 343,東京,北隆館(197−7) (1982年10月30日受理) (1)Anscombe,FJ.:The statisticalanalysis of

insect counts based on thenegative binomial

distIibution,BiometYics,5,165−173(1949) (2)Bliss,CI&R‖AFisher:Fittingthenegative

binomialdistIibution to biologicaldata and

note on the efBcientfitting of the negative

binomial,β血糊伽ぐ5,9,176−200(1953) (3)Iwao,S.:Anewregressionmethodfbranalyz−

1ng theaggIegation pattern of animalpopula−

tions,R郎.上旬)〟7&・OJ.,10,1−20(1968) (4)久野英二:水田における稲ウンカ・ヨコバイ類個 体群の動態に関する研究,九州農試粂報,14, 131−246(1968) (5)Lloyd,M:Meancrowding,).Anijn.&ol.,36, 1−30(196」7) (6)三重県農業試験場茶業分場:昭和44,45年度ハダ ニ類の発生予察方法確立に関する特殊調査成続沓, 1−11(1971)

(7)Morisita,M.:Measuring ofthe dispersion of

individuals and analysis of the distributional

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