小牧市公共施設適正配置計画
平成28年●●月
目次
第1章 小牧市公共施設適正配置計画の概要 ... 1 1.適正配置計画策定の主旨と位置付け ... 1 2.対象施設の範囲 ... 2 3.計画期間 ... 2 第2章 適正配置に向けた基本的な考え方 ... 3 1.適正配置計画策定にあたっての考え方 ... 3 2.施設ごとの今後の取組みについて ... 4 第3章 施設ごとの今後の取組み ... 9 Ⅰ.施設ごとの今後の取組みとスケジュール ... 91 第6次小牧市総合計画新基本計画 公共ファシリティマネジメント 基本方針 (公共施設等総合管理計画) 公共施設 適正配置計画 公共施設 長寿命化計画 《相関図》 公共ファシリティマネジメント推進計画
第1章 小牧市公共施設適正配置計画の概要
1.適正配置計画策定の主旨と位置付け 今後の人口減少や少子高齢化の進展は、公共施設に対する市民ニーズに変化をもたら します。20 年先、30 年先までを見据えた場合、年少人口の減少により小中学校や保育 園、子育て支援施設などの利用者数は減少し、現在の施設定員に対し余剰が発生するこ とが予測されます。一方で高齢者人口の増加により高齢者の福祉や余暇・生きがい活動 のための施設ニーズが高まってくることが考えられます。 また、少子高齢化は、大規模な住宅団地を有する地域や人口流入の少ない地域で顕著 となり、地域によってもその進行度合いは異なります。 将来こうしたことが予測されるため、公共施設全体の保有量や施設配置の適正化に向 けた「公共施設適正配置計画」を策定することとしました。 なお、この計画は、「公共ファシリティマネジメント基本方針」の中で「公共建築物 の配置と総量の適正化」の取り組みに位置付けられています。 図表:適正配置計画の位置付け2 2.対象施設の範囲 適正配置計画では、庁舎、小中学校、保育園などの公共建築物(ハコモノ)を対象施設 とします。このうち、倉庫、屋外トイレ、管理棟など小規模な建物で個別の検討を要し ない付属的な公共建築物は対象から除きます。また、インフラ施設・企業会計の施設に ついては、ライフラインとして不可欠であり、統合、廃止などが困難な施設であるため 本計画の対象としません。 図表:対象施設の範囲 3.計画期間 適正配置計画の計画期間は、基本方針の計画期間と同様、平成 28 年度から平成 57 年 度までの 30 年間とします。 これは、昭和 40 年代から 50 年代に次々と建設した公共建築物が、一般的な建築物の 耐用年数を 60 年とした場合、これから 30 年の内に全て耐用年数を迎えることとなり、 大規模修繕や建替えの時期について検討する必要があるためです。 計画全体は 30 年の長期間としますが、20 年先、30 年先の人口動向、施設ニーズなど の将来予測が難しいことから、30 年間を 10 年ごとに第1期、第2期、第3期と分け、 10 年単位の計画を示すこととします。そのうち第1期(平成 28∼37 年度)については、 より具体的な取組みを示したアクションプランとして位置づけます。 なお、適正配置計画は 10 年ごとに更新し、5年ごとに中間見直しを行います。また、 社会情勢や本市の財政状況等が、大きく変化した場合も適宜見直しを行います。 図表:計画期間 平成 28∼37 年度 平成 38∼47 年度 平成 48∼57 年度 第1期 第2期 第3期 実効性の高い計画とする 構想としての計画とする アクションプラン 公共施設 庁舎、市民会館、小中学校、保育 園、市営住宅、老人福祉センター、 図書館 等 公共建築物(ハコモノ) インフラ施設・企業会計の施設 道路・橋りょう・公園・駐車場・ 上下水道管・浄水場・ポンプ場・ 市民病院 等 適正配置計画の対象
3
第2章 適正配置に向けた基本的な考え方
1.適正配置計画策定にあたっての考え方 保有する施設について、公共ファシリティマネジメント基本方針で掲げた基本理念及 び基本方針を達成するために、施設ごとの実情を考慮し、次の考え方により公共施設の 最適化を図っていきます。 ❚1.公共サービスの需給バランス 人口減少、少子高齢化の進展により人口構造が変化し、公共施設に対する施設ニ ーズも変化していきます。施設利用状況や、将来の人口動向等により、公共サービ スの需給バランスに偏りが生じないか将来を見据えて検証します。 ❚2.民間施設や管理運営方法の検討 「行政が行うべき公共サービス」は従来どおり行政が提供していきますが、民間 でも同様なサービスを提供している場合や、民間で行ったほうが効率的な運営が期 待できる場合は、公民連携の手法などを検討します。 ❚3.施設の設置目的と利用実態 施設ニーズの変化によって利用実態が変化し、施設の設置目的と相違していない か検証し、相違している場合は用途変更や廃止を検討します。 ❚4.施設の長寿命化 公共施設は、原則、安全、安心に長く利用し長寿命化を図っていきます。しかし、 長寿命化については、施設の劣化状況により長寿命化に適さないと判断する場合のほ か、施設の利用状況や改修状況、統廃合や複合化の取組みなどからも、長寿命化を図 るか否かについて検討します。 ❚5.施設の効率的な利用 利用者数の減少等により余剰スペースが生じた場合は、他の用途へ変更など施設 の有効活用を図ります。また、会議室・集会室等の貸室機能は、施設の用途や部屋 の名称にとらわれることなく、集約するなど、効率的な利用方法について検討しま す。 ❚6.施設重視から機能優先への転換 公共施設の最適化のために、施設の質・量・コストのバランスを保つことを目指 す必要があります。そのため、1 施設 1 機能(サービス)という従来の公共施設の あり方を見直し、これからは統合や、複合化を図り、機能(サービス)を維持しな がら総量抑制を検討します。4 2.施設ごとの今後の取組みについて 「1.適正配置計画策定にあたっての考え方」に基づき、建物の状況、利用状況、配 置状況、収支状況等を検証し、施設ごとの存続・統合・建替え等の今後の取組み方法を 導きだします。また、施設の状況だけでなく、社会情勢(人口動向・施設ニーズ等)や 財政状況等にも着目して検討します。 施設ごとの今後の取組み 存続 統合 複合化 集約 移転 建替え 廃止 用途変更 民営化 再配置 ※ 施設固有の事情等に応じて、上記以外の取組みを示すこともあります。 施設検証項目 ■利用状況 ・将来人口動向 ・利用者アンケート ・利用度 ■建物の状況 ・老朽化状況 ・劣化状況 ・耐震化状況 ■収支状況 ・施設ごとの収支状況比較 ■配置状況 ・類似機能施設の配置 ・配置エリアの特性 その他(関連計画との整合、市民アンケートの動向等) これらを踏まえ、いずれかの取組みにより対応します。
5 今後の取組みに記載する用語の定義は以下の通りです。 用語 用語の定義 存続 既存施設について、配置、規模、機能(サービス)等を現状のま ま引き続き維持すること。 統合 類似した施設を、一つの施設にまとめること。 複合化 異なる施設や機能を、一つの施設にまとめること。 集約 類似した機能(サービス)を一つにまとめること。 移転 建物または機能(サービス)を、別の土地や建物に移すこと。 建替え 施設の老朽化等に伴い、建物を解体し、同一敷地内で新たに建物 を建設すること。 廃止 建物または機能(サービス)をなくすこと。 用途変更 利用度が低い等の理由により、現在の機能(サービス)を見直し、 別の機能(サービス)にすること。 民営化 施設の設置運営は公共だが、運営主体を民間に移管すること。ま たは、施設の設置運営主体を公共から民間に移管すること。 再配置 地域バランスや施設需要等を考慮し、施設の統合や移転などの取 組みを進めること。
6 3.適正配置へ向けた取組み (1)類似施設の統合や異なる用途の複合化等 公共施設の統廃合や複合化、機能の集約化等の取組みは、施設総量の縮減による維持 管理・建替え費用の削減はもとより、施設の無駄を省き効率よく活用することで、施設 サービスの向上と公共施設の適正化を図ることができます。また、類似した機能が重複 している場合は、施設用途にとらわれることなく、集約化することで、施設サービスを 維持しながら新たなニーズに対応することができます。施設の質・量・コストについて バランスを保ちながら取組みを進める必要があります。 図表:取組みのイメージ図 利用圏域 用途 A地区 B地区 C地区 小学校 中学校 児童クラブ 地区集会場 公民館 児童館 保育園 高齢者福祉 施設 市営住宅 複 合 化 複 合 化 統合 複 合 化 民営化 利用圏域を超えた類似機能の横断的な集約化 :縮減可能な既存公共施設を示す 複 合 化 小中一貫校 移転 民営化 規模縮小(ダウンサイジング) 統合 空 き ス ペ ー ス 活 用 新たなニーズに機能変更
7 (1−1)横断的な視点による類似機能の重複状況の検討 類似施設(例えば下表の公民館、コミュニティセンターや女性センター)の機能の重 複を検証するだけでなく、異なる用途の施設にある類似機能の重複も横ぐしを刺して、 しっかりと検討する必要があります。例えば、貸室機能でみた場合、公民館やコミュニ ティセンターにある会議室・学習室が、スポーツ公園(パークアリーナ)や児童館にも 類似機能があります。また、音楽室や和室についても公民館やコミュニティセンター以 外にも児童館や勤労センターにも存在しており、類似機能として重複しています。 このように、異なる施設の部屋単位の機能も利用状況や配置状況などについて検証す ることは、無駄のない効率的な施設活用をする上で必要であり、既存施設のみでなく新 規施設の整備をする場合についても十分検証し、余分な施設面積を増やさないことが大 事です。 類似用途の施設 異なる用途の施設 用途 機能 公民館 コミュニテ ィセンター 女性 センター 図書館 スポーツ 公園 勤労 センター 児童館 会議室・学習室 ○ ○ ◎ ◎ ◎ 集会室・研修室 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ 講堂・ホール ○ ○ ○ ◎ 音楽室 ○ ○ ◎ 視聴覚室 ○ ◎ 調理室 ○ ○ ○ 和室 ○ ○ ○ ◎ ◎ ○:類似施設の機能の重複 ◎:異なる施設の類似機能の重複
8 (1−2)地域や地区等を超えた施設利用の検討 これまで公共施設は、施設を重視し、用途ごとに地域や地区に、それぞれ類似施設を配 置してきました。今後は、施設重視から機能を優先し、地域施設や地区施設にとらわれず、 統合、複合化、集約等を検討していきます。 また、市の施設にこだわることなく国、県や民間の施設、更には近隣自治体との広域 連携も検討していきます。 図表:地域や地区等を超えた施設利用のイメージ 国・県の施設 近隣自治体施設等 庁舎・市民会館 保健センター等 小学校・中学校 保育園・会館等 広域施設 市域施設 地区施設 地域施設 既存の利用圏域にとらわれず、統合、複合化など検討 公民館 各市民センター コミュニティ センター等 会館 コミュニティセンター 会館 庁舎 勤労センター 保健所
9 (1)市⺠会館 1 5,461 市⺠会館 (2)公⺠館等 6 21,239 公⺠館(5)、⼥性センター・学習広場 (3)コミュニティセンター 2 3,396 コミュニティセンター(2) (4)会館・⽼⼈憩の家 84 20,747 会館(81)、⽼⼈憩の家(3) (5)⻘年の家・創垂館 2 627 ⻘年の家、創垂館 (6)図書館・図書室 5 3,996 図書館、図書室(3)、えほん図書館 (7)文化施設 1 717 歴史館 2 スポー ツ・ レク リエ ーシ ョン系施設 (1)スポーツ施設 7 41,012体育館(2)、スポーツセンター(2)、総合体育館(スポーツ公園内)、総合運動場(市⺠球場)、温⽔プール 3 産業系施設 (1)勤労センター 1 4,252 勤労センター(研修・宿泊施設) (1)学校 25 184,481 小学校(16)、中学校(9) (2)給食センター 3 6,440 給食センター(3) (3)その他学校教育関連施設 4 357 適応指導教室(2)、日本語初期教室(2) (1)保育園・幼稚園 21 18,346 保育園(20)、第一幼稚園 (2)児童館等 11 4,960 児童館(8)、⼦育て⽀援センター、⼦育て広場、少年センター (3)児童クラブ 16 2,757 児童クラブ(16) (1)福祉施設 1 3,596 総合福祉施設ふれあいセンター (2)障がい者福祉施設 3 1,612身体障害者デイサービスセンター、心身障害児通園施設あさひ学園、障害者デイサービス施設ひかり (3)高齢者福祉施設 6 7,278⽼⼈福祉センター(2)、⾼齢者⽣きがい活動施設(2)、 デイサービスセンター(2) (4)保健・医療施設 2 2,737 保健センター、休⽇急病診療所 7 市営住宅 (1)市営住宅 2 6,779 市営住宅(2) (1)庁舎 5 28,291 市庁舎、支所(3)、小牧駅出張所 (2)消防施設 10 5,240 消防庁舎、消防署⽀署(3)、分団⾞庫(6) 218 374,322 主な施設 Ⅰ 市⺠利⽤施設 1 市⺠⽂化系施設 4 学校教育系施設 5 子育て支援施設 6 大分類 中分類 小分類 施設数 延床面積(㎡) 保健・福祉施設 Ⅱ ⾏政施設 1 ⾏政系施設 合計
第3章 施設ごとの今後の取組み
Ⅰ.施設ごとの今後の取組みとスケジュール 本章では、以下の表の小分類ごとに建物の状況や利用状況等の施設の状況を示し、そ の結果に基づき導いた施設ごとの今後の取組みやスケジュールを示します。 図表:対象施設 ※ 施設数について、複合施設は1つの建物であっても機能ごとに1施設として数えています。10 █ 本章の見方について 本章では、施設用途ごとに(1)施設の概要、(2)施設の状況、(3)施設のまと め、(4)施設ごとの今後の取組み、(5)施設ごとの今後のスケジュール、(6)第1 期のアクションプランを記載しています。なお、以下では、それぞれの主な記載内容 や記載ポイントを示しています。 (1)施設の概要 施設名や地区、建築年度、延床面積、管理形態等を記載した表のほか、配置図を記 載しています。また、施設の機能・設置目的等を記載しています。 (2)施設の状況 ①建物の状況 築年数や大規模改修実施状況、耐震性の有無、劣化診断結果を踏まえ、施設のハ ード面の状況等について記載しています。また、必要に応じて築年別の整備状況等 も記載しています。 ②利用状況 施設ごとの利用者数や稼働率等の状況およびそれらの特徴点を記載しています。 なお、主に「小牧市公共施設白書」や「統計年鑑」のデータを用いて分析していま す。 ③その他 評価にあたって考慮することが適当と考えられる場合は、配置状況、市民アンケ ート、関連する将来人口動向、民間施設の状況、関連計画等についても記載してい ます。 上記①∼③は、全ての用途において等しく記載しているものではなく、特徴のみら れた項目に絞って記載しています。 (3)施設のまとめ 「(2)施設の状況」で示した分析結果等に基づき、今後の施設の方向性について記 載しています。
11 (4)施設ごとの今後の取組み 「(3)施設のまとめ」で示した方向性をもとに、施設ごとの今後の取組み内容やそ の根拠、その他考慮事項などを記載しています。また、共通した取組みがある施設用 途については、施設ごとの取組みの前段に全体の取組み内容を記載しています。 《例》█ 施設ごとの今後の取組み No 施設名 今後の取組み 1 施設A 計画的な維持修繕により長寿命化を図ります。 2 施設B 施設の老朽化や狭隘化に伴い、長寿命化を図らず、建替えます。 3 施設C 施設は長寿命化を図り、第3期に建替えます。 (5)施設ごとの今後のスケジュール 「(4)施設ごとの今後の取組み」で記載した内容等を踏まえ、施設ごとの長寿命 化の有無、想定建替時期、計画期間中の今後の取組みを表に示しています。 《例》█ 施設ごとの今後のスケジュール № 施設名 長寿命化 想定建替時期 H28∼H37(1 期) H38∼H47(2 期) H48∼H57(3 期) 1 施設A ○ H58 以降 存続 ⇒ ⇒ 2 施設B × 第1期 建替え 存続 ⇒ 3 施設C ○ 第3期 存続 ⇒ 複合化 ・ 上記表中、長寿命化の欄について、長寿命化する場合は「○」として、計画的な 修繕を行うことにより、下表の目標耐用年数まで維持していくことを示しており、 長寿命化しない場合は「×」として事後修繕で維持していき、下表の耐用年数を目 途に建替えを検討することを示しています。 【構造別耐用年数表】 構造 目標耐用年数 耐用年数 長寿命化有 長寿命化無 鉄筋コンクリート造(RC 造) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC 造) 鉄骨造(S 造) 80 年 60 年 軽量鉄骨造(LS 造) 50 年 40 年 木造(W 造) 50 年 40 年
12 ・ 施設ごとの今後のスケジュールの表中、想定建替時期の欄は、目標耐用年数及び 耐用年数を目途に建替えする 1∼3 期又は計画期間を超える平成 58 年度以降のいず れかを記載します。建替えを目途とする年数は、建物の構造や長寿命化の実施の有 無に応じて前記表のとおり異なります。また、建替えをする時期については、費用 の平準化を図る場合や施設個別の事情等により、目標耐用年数の前に建替える施設 や耐用年数の前後に建替える施設もあります。 ・ 他施設の建物の一部を利用している施設については、機能面のみを評価し、長寿 命化や想定建替年度といった建物に関する評価は行っていません。 (6)第1期のアクションプラン 第1期に「存続」以外の取組み(建替え、複合化等)を計画している施設については 10 年間の年度別のスケジュールを記載しています。 《例》█ 第 1 期のアクションプラン 施設名 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 施設B 準備・調整 建替え