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前回の改正労働基準法案の制定経緯

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(1)

長時間労働抑制策と

多様な働き方の普及促進策について

平 成 2 7 年 3 月 2 日 ( 月 )

(2)

「長時間労働削減推進本部」(厚生労働省)

本 部 長 本部長代理 事 務 局 長 厚生労働大臣 厚生労働副大臣(労働担当)、厚生労働大臣政務官(労働担当) 労働基準局長 【趣旨】 「日本再興戦略」改訂2014(平成26年6月24日閣議決定)に、「働き過ぎ防止のための取組強化」が盛り込まれ、 本年6月に「過労死等防止対策推進法」が成立。長時間労働対策の強化は喫緊の課題。 ⇒ 大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置(平成26年9月30日)

過重労働等撲滅チーム

➀ 長時間労働削減の徹底に向けた 重点監督の実施 ⅰ 相当の時間外労働時間が認められる 事業場等 ⅱ 過労死等に係る労災請求がなされた 事業場等を対象に、重点監督を実施。 ➁ 相談体制の強化 ➂ 労使団体への要請 ➃ 過労死等の防止に向けた取組

働き方改革・休暇取得

促進チーム

➀ 本省幹部による企業経営陣への働き かけ ➁ 地方自治体との協働による地域レベ ルでの年次有給休暇の取得促進 ➂ 切れ目のない年次有給休暇取得促進

省内長時間労働

削減推進チーム

若手職員からの意見聴取や 民間企業へヒアリング等を行い、 以下の方策を検討・実施 ➀ 長時間労働に係る負担軽減方策につい ➁ 早期退庁・休暇取得促進方策について ➂ 早期退庁後や休暇の有効な活用事例に ついて

働き方改革推進本部

(本部長 都道府県労働局長) ➀ 労働局長、労働基準部長による企業経営陣への働きかけ (仕事の進め方の見直しによる時短など) ➁ 地方自治体、労使団体等との連携による働き方の見直し に向けた地域全体における気運の醸成 (年次有給休暇の取 得促進など) 「地方創生」につなげる ◯ 仕事と生活の調和を図る ことができる環境の整備 ◯ 地域の特性を生かした、 魅力ある就業の機会の創出 〈協力要請・連携〉 ・都道府県 ・市町村 ・事業主団体 ・労働団体 各都道府県労働局に設置 (平成27年1月企業の自主的な働き方の見直しを推進

(3)

○ 監督の結果、違反・問題等が認められた事業場に対しては、是正勧告書等を交付し、指導 ○ 法違反を是正しない事業場は、送検も視野に入れて対応(送検した場合には企業名等を公表) 都道府県労働局長自らが経営トップに対して是正 勧告書を交付し是正指導(平成27年度から実施) 過重労働に係る大規模事案・困難事案等に対する 特別チームの新設(平成27年度から実施) ☞ 東京労働局・大阪労働局に、過重労働に係る 大規模事案・困難事案等に対応するため、特別 チームを新設 ☞ 実施した監督指導のうち、著しい過重労働の 実態と関係法令違反が認められた企業について、 労働局長から経営トップに対して是正勧告書を 交付 インターネットによる情報監視(1月から試行実施) 地方公共団体の労働関係部署や大学等の就職相談 窓口と連携した情報収集(平成27年度に実施) ☞ 本省がインターネット上の求人情報等を監視し 収集し、その情報を、労働基準監督署による監督 指導等に活用 (1月からの取組状況を反映し、平成27年度に本格 実施)

4.メンタルヘルス対策の強化

1.月100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底(平成27年1月から実施)

2.監督指導・捜査体制の強化

3.情報の提供・収集体制の強化

過重労働による健康障害等に関する労働者等の相談に対応する電話相談窓口を新設(平成27年度から実施)

過重労働対策の一層の強化

(4)

本省幹部による業界の リーディングカンパニーへの訪問 都道府県労働局長による地域の リーディングカンパニーへの訪問 ☞ 都道府県労働局に、労働局長を本部長とする 「働き方改革推進本部」を設置(平成27年1月) * 全局に本部を設置し、自治体・労使団体と連携の上 働き方改革を推進 ☞ 管内の企業トップへの働きかけを実施 ☞ 2月28日現在25社を訪問 *日新火災、カルビー、伊藤忠商事、富士ゼロックス など25社 ☞ 引き続き、働きかけを実施 ♦ 先進的な取組事例等について、ポータルサイトを活用して情報発信(平成27年1月30日開設) ☞ 企業が「働き方・休み方改善指標」を用いて診断を行い、その結果に基づき対策を提案 ☞ 社員が「働き方・休み方改善指標」を用いて診断を行い、自らの働き方・休み方を振り返る機会を提供 ☞ 地方公共団体における働き方改革の取組事例(知事等のメッセージや宣言など)を掲載予定

働き方・休み方改善ポータルサイトを活用した働き方改革の全国展開

働き方改革の一層の推進

◆ 本省と都道府県労働局が連携して、下記の取組を実施

① 企業の自主的な働き方の見直しの推進 ② 地域における働き方改革の気運の醸成

◆ 都道府県労働局と地方公共団体が連携して「まち・ひと・しごと」創生の観点からも取組

○ 「地域住民生活等緊急支援のための交付金」(平成26年度補正予算1,700億円)を活用し地域の実情に 応じた、地域企業の職場環境の改善を推進

平成27年1月から

全国展開へ

地域の実情に応じた取組を国・地方公共団体が一体となって推進

(5)

「働き方・休み方改善ポータルサイト」を利用して働き方改革を進めてみませんか

厚生労働省では、企業の皆さまが社員の働き方・休み方の改善に向けた検討を行う際に活用できる「働き方・休み方改善ポータルサイ ト」を開設しました。サイトでは、専用指標によって企業診断ができる「働き方・休み方改善指標」や、「企業における取組事例」などを 掲載しています。社員が自らの働き方・休み方を振り返るための診断も行えます。 長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、社員のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が高くなり、生産性が低下します。また、 企業としては、離職リスクの上昇や、イメージの低下など、さまざまな問題が生じることになります。社員のために、そして企業経営の観 点からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められています。 働き方改革ツールを提供します

専用指標による企業診断ができます 「働き方・休み方改善ポータルサイト」 http://work-holiday.mhlw.go.jp (平成27年1月30日開設) 診断結果に基づき対策を提案します 企業の取組事例を詳しく紹介します

提案内容に関連した取組を実施して いる企業の取組概要を紹介します

(6)

働き方の見直しに向けた労働時間法制の改正について

ニーズ・必要性

対応案

<一般の勤労者>

「長時間労働抑制策、年次有給休暇取得促進策」  「企業等における長時間労働が是正されるよう、監 督指導体制の充実強化」  「仕事と生活の調和の取れた働き方を推進するため、 特に、朝早く出社し、夕方に退社する『朝型』の働き 方を普及」

ア 年休取得が確実に進むよう、使用者に義務づけ

(年休の一部について、使用者が「●月●日は休みなさい」と いう仕組みの導入)

中小企業における月60時間超の時間外労働に対す

る割増賃金率の引上げ(現行25%改正案50%)

ウ 時間外労働に対する監督指導の強化

エ 「朝型」など働き方の見直しに向けた企業の取組の

促進

<グローバルに活動するプロフェッショナル>

• 「労働時間の長さと賃金のリンクを切り離した「新たな労 働時間制度」を創設する」

• 時間ではなく成果で評価される「特定高度専門業

務・成果型労働制」(高度プロフェッショナル制度)の

創設

<中核的なホワイトカラー>

• 「対象範囲や手続きを見直し、「裁量労働制の新たな枠 組み」を構築する」

• 企画業務型裁量労働制の対象業務を拡大

(新たな類型の業務を対象に追加)

<子育て中の勤労者>

• 「月をまたいだ弾力的な労働時間の配分を可能とする清 算期間の延長」

• フレックスタイム制を、使い勝手が良くなるよう見直

(「清算期間」を最長1か月から3か月に延長)

①働き過ぎ防止のための取り組み強化

②時間ではなく成果で評価される制度への改革

③裁量労働制の新たな枠組みの構築

④フレックスタイム制の見直し

 2月13日(金)、厚生労働省の審議会で、上記の方向性を取りまとめたところ。

 審議会取りまとめに即して法案を作成し、本通常国会に提出予定

(7)

①働き過ぎ防止のための取り組み強化

①-(1) 年次有給休暇の取得促進【労働基準法の改正】

 いつ休むかは労働者が決める。

 労働者が請求しない限りは年休を

とらせなくてもよい。

 使用者が、休む日を指定する仕組み

を導入する。(年5日)

注1:使用者に対し年次有給休暇の付与日数が10日以上であ る労働者について、年5日分の指定を義務づける方向で 調整中 注2:ただし、労働者が時季指定をしたり、計画的付与がなされ れば使用者は上記の義務から解放される

現状

改正案

⇒ 「職場の雰囲気」などで年休を取りにくい

実態(平成24年:66.5%)

(8)

①-(2) 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(適用猶予の見直し)

【労働基準法の改正】

 時間外労働が1ヶ月60時間を超えた分の

割増賃金率は、大企業

50%

中小企業 25%

(中小企業は50%規定適用猶予)

※中小企業労働者は全労働者の66%

現状

①-(3) 健康確保のための時間外労働に対する監督指導【労働基準法の改正】

 健康確保のための時間外労働に対する監

督指導の方針は、労働基準法で定められて

いない

現状

 健康確保のための時間外労働に対する監督

指導の方針(※)を労働基準法で定める

※助言指導を行うに当たっては、「労働者の健 康が確保されるよう配慮する」旨を法定

改正案

①働き過ぎ防止のための取り組み強化

 時間外労働が1ヶ月60時間を超えた分の

割増賃金率を 大企業 50%

中小企業 50%

に引き上げ

 同時に、長時間労働者が多い運輸業界に支援

 施行時期:平成31年4月

改正案

(9)

①働き過ぎ防止のための取り組み強化

①-(4) 働き方の見直しに向けた企業労使の自主的取組の促進【労働時間等設定改善法の改正】

 働き方の見直しに関するガイドラインが改訂

されておらず、企業に対して推奨する取組

の内容が古くなっている

現状

 ガイドラインを改訂し、「ノー残業デー」や「長

期休暇の付与」等の従来の内容のほか、

「インターバル措置」、「朝型の働き方」、「勤

務時間を限定した正社員制度」などの取組

についても、新たに盛り込む

 働き方の見直しに向けた全社的な取組を促

進(全社的な労使の話し合いの場を設定)

改正案

(10)

 フレックスタイム制は、労働者が一定の

労働時間の枠内で、始業・終業時刻を

自由に選べる制度

(労働者は、

現在、「最長1か月」

(清算

期間)で定められた労働時間の枠内で

働く)

現状

 清算期間を

「最長3か月」に延長

し、より柔

軟な働き方を可能とする。

例えば、「6・7・8月の3か月」の中

で労働時間の調整が可能となるた

め、

子育て中の親が8月の労働時

間を短くすることで、夏休み中の子

どもと過ごす時間を確保しやすくな

改正案

④フレックスタイム制の見直し【労働基準法の改正】

ニーズ

(11)

 フレックスタイム制とは、労働者が始業・終業時刻を自由に選べる制度。結果的に、労働時間

が長い日もあれば、短い日もある。

 このため、労働者は、

「清算期間」(現在、最長1か月)

で定められた所定労働時間に達するよう、

労働時間を調整して働く(法定労働時間の枠を超えれば割増賃金が発生)。

現在、「清算期間」が最長1か月なので、労働者は、1か月の中での生活上のニーズに

対応することはできるが、1か月を超えた労働時間の調整はできない。

現行制度

 「清算期間」を最長3か月に延長

し、より柔軟な働き方を可能とする。

 例えば、「6・7・8月の3か月」の中で労働時間の調整が可能となるため、

子育て中の親が8月

の労働時間を短くすることで、夏休み中の子どもと過ごす時間を確保しやすくなる

対応案

清算期間を3か月とすれば・・・ ①割増賃金を支払う必要はなくなる ②6月に働いた時間分は、8月に働かな くても欠勤扱いとならない

10

フレックスタイム制の見直し(清算期間の延長)について

課題

8月 7月 6月 労働時間 法定労働時間 ①現行では1か月で清算するので、 この分の割増賃金を支払う必要 ②所定労働時間(通常は法定労働時間以内で設定) 働いていないため、現行では欠勤扱いとなる

(12)

 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針を策定(閣議決定)。  地方公共団体(都道府県、市町村)は、上記基本方針等を勘案して、当該区域内における女性の職業生活における活躍 についての推進計画を策定(努力義務)。

基本方針等の策定

 国は、事業主行動計画の策定に関する指針を策定。  国や地方公共団体、民間事業主は以下の事項を実施(労働者が300人以下の民間事業主については努力義務)。  国は、優れた取組を行う一般事業主の認定を行うこととする。

女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置

 国は、職業訓練・職業紹介、啓発活動、情報の収集・提供等を行うこととする。地方公共団体は、相談・助言等に努めるこ ととする。  地域において、女性活躍推進に係る取組に関する協議を行う「協議会」を組織することができることとする(任意)。 豊かで活力ある社会の実現を図るためには、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分 に発揮されることが一層重要である。そのため、以下を基本原則として、女性の職業生活における活躍を推進する。  女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供及びその活用が行われること  職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備により、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立を可能に すること  女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきこと

事業主行動計画の策定等

 女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析 【参考】状況把握する事項: ①女性採用比率 ②勤続年数男女差 ③労働時間の状況 ④女性管理職比率 等  上記の状況把握・分析を踏まえ、定量的目標や取組内容などを内容とする「事業主行動計画」の策定・公表等  女性の活躍に関する情報の公表(省令で定める事項のうち、事業主が選択して公表)

その他

 原則、公布日施行(事業主行動計画の策定については、平成28年4月1日施行)。  10年間の時限立法。

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案の概要

11

(13)

※①~③について大企業(301人以上):義務/中小企業(300人以下):努力義務 ① 自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析 ② 状況把握・課題分析を踏まえた行動計画の策定・届出・公表 (指針に即した行動計画を策定・公表(労働者への周知含む)) ③ 女性の活躍に関する情報公表 ④ 認定制度 ⑤ 履行確保措置 厚生労働大臣(都道府県労働局長)による報告徴収・助言指導・勧告 ✎ 状況把握の必須項目(省令で規定) ①女性採用比率 ②勤続年数男女差 ③労働時間の状況 ④女性管理職比率 ※任意項目についてさらに検討(例:非正規雇用から正規雇用への転換状況等) ✎ 行動計画の必須記載事項 ▶目標(定量的目標) ▶取組内容 ▶実施時期 ▶計画期間 ✎ 情報公表の項目 (※省令で規定) 女性の職業選択に資するよう、省令で定める情報(限定列挙)から事業主が適切 と考えるものを公表

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案の概要 (民間事業主関係部分)

▶ 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針を策定(閣議決定)。 ▶ 地方公共団体(都道府県、市町村)は、上記基本方針等を勘案して、当該区域内における推進計画を策定(努力義務)。 1 基本方針等 2 事業主行動計画等 -行動計画策定指針(告示)- ▶ 国は、事業主行動計画の策定に関する指針を策定。 ✎認定基準(省令)は、業種毎・企業規模毎の特性等に配慮し、今後検討 ▶ 女性の活躍のために解決すべき課題に対応する以下の項目に 関する効果的取組等を規定。 ▶ 各企業は、これらを参考に自社の課題解決に必要な取組を選 択し、行動計画を策定。 ● 女性の積極採用に関する取組 ● 配置・育成・教育訓練に関する取組 ● 継続就業に関する取組 ● 長時間労働是正など働き方の改革に向けた取組 ● 女性の積極登用・評価に関する取組 ● 雇用形態や職種の転換に関する取組(パート等から正規雇用 へ、 一般職から総合職へ等) ● 女性の再雇用や中途採用に関する取組 ● 性別役割分担意識の見直し等 職場風土改革に関する取組 ▶地域において、女性活躍推進に係る取組に関する協議を行う「協議会」を組織することができることとする(任意)。 ▶原則、公布日施行(事業主行動計画の策定については、平成28年4月1日施行)。 ▶10年間の時限立法。 3 その他(施行期日等)

12

(14)

2 女性の活躍のために解決すべき課題

(4) 継続就業

(略)

▶ 一方、両立困難による退職の具体的理由としては、「勤務時間が合いそうもなかった」(65.4%)、

「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」(49.5%)を挙げる回答が多い。現に、第1子出産時の継続

就業状況と職場の育児休業制度との関係を見てみると、単に規定が整備されているだけでなく、実際に

利用しやすい雰囲気があるかどうかによって、大きく継続就業率が異なっている。(略)

▶ 女性が出産・子育てを通じて働き続けられる職場環境とするためには、長時間労働の是正に加え、

フレックスタイムやテレワークなど働き方の柔軟性が重要である。また、制度を整えることに加え、

出産・子育てをしながら働き続けることを支援する職場の雰囲気を作ることが重要である。

(略)

▶ さらに、配偶者の男性の家事・育児参画度合いも、女性の継続就業に非常に大きな影響を与えている。

(略)日本の男性は、アメリカや欧州諸国の男性に比べ、家事・育児の時間が極端に短いが、その背景

には、諸外国には見られない長時間労働の実態がある。

女性の活躍を推進するためには、男女を通じた、社会全体での長時間労働の是正が不可欠である。

労働政策審議会建議「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」(平成26年9月30日)

(抜粋)

13

(15)

2 女性の活躍のために解決すべき課題

(5) 男女を通じた長時間労働の是正など働き方の改革

▶ 上述のように、長時間労働は、その職場における女性の活躍の大きな障壁となるだけでなく、その職場

の男性の家事・育児分担を困難にし、当該男性の配偶者である女性の活躍の障壁ともなるとともに、

少子化の要因ともなっている等、当該企業だけでなく、社会全体へ負の影響を及ぼす。

(略)

▶ 長時間労働の是正には、労働者一人一人の時間当たりの生産性の高さを評価することが効果的だと

考えられている一方で、実際には7 割強の企業において取り組まれていない。

▶ また、女性が出産・子育てを通じて働き続けられる職場環境とするためには、長時間労働の是正に

加え、働き方の柔軟性が重要である。男女を通じた長時間労働の是正を含めた働き方の改革に向け、

事業主の取組につながるよう有効な方策を検討していく必要がある。

労働政策審議会建議「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」(平成26年9月30日)

(抜粋)

14

(16)

1.普及促進に向けた気運の醸成・ノウハウの周知 ○平成26年度に構築予定の、週1日以上在宅で就業する雇用型在宅型 テレワーク等を可能とする労務管理、人事評価、情報通信技術等に係る 「実証モデル」について、「課題の検証→モデル更新→再実証」を行う。 (平成26年度~平成28年度の3年間で実施)) ○業界団体と連携し、業種の特性に応じたテレワークの導入を促進するため、 団体傘下の企業に対し、コーディネーター等を通じた支援を実施。 業界団体と連携した支援(新規) ○サテライトオフィスを活用したテレワークについても助成の範囲とする等の 拡充を図る。 職場意識改善助成金(テレワークコース等)(拡充) ○テレワーク導入のための労務管理Q&A集を作成して、周知。 労務管理Q&A集の作成(新規) ○テレワーク普及に向けた社会的気運の醸成を図るため、先進的企業に対して政府 として表彰を行い、その取組みをシンポジウム等を通じて幅広く周知。 労使向けシンポジウムの開催(新規) ○労務管理上の留意点・VDT作業における留意点等について、関心のある 企業等へ広く周知するためのセミナーを開催。 テレワーク・セミナー(拡充) 3.テレワークモデル実証事業 2.個別企業・業界団体へのきめ細かな支援 ○テレワークの導入・実施時における労務管理上の課題等について、相談に 応える相談センターを設置。 ○相談センターにおいて、テレワークの導入を検討する企業に対して総務省 が実施するICT技術のためのコンサルタントと連携して労務管理等に関する 訪問によるコンサルティングを実施。 相談センター運営・訪問コンサルタント(継続) モデルを検証するための有識者による検討会を開催 平成26年度の成果を踏まえた事例集の作成(新規) 〇「日本再興戦略」改訂2014において、「テレワークの推進に向け、新たなモデルの構築、導入ノウハウの提供等に取り組む」とされ、世界最先端IT国家創造宣言に おいても、引き続き、「2020年には、テレワーク導入企業を2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10% 以上」にすることが宣言されている。 〇このため、テレワークの普及促進に向けた気運の醸成、個別企業へのきめ細かな支援に係る施策等を強化するとともに、テレワークモデル実証事業の平成26年度 成果を踏まえた検証の実施や業界団体と連携した傘下企業への支援を実施することによりテレワークの普及促進を図る必要がある。 ○テレワークにより仕事と子育て・介護との両立を支援する企業の事例集を作成。 子育て・介護との両立事例集の作成(継続) 平成27年度予算(案) 1,134,214千円

15

(17)

取りまとめた成果の周知・啓発等 ○ホームページの更新、運営 ・「多様な正社員」に関する事例、非正規雇用労働者の処遇改 善に取り組んでいる事例を追加 ○シンポジウムの開催 ・全国主要地域において、企業、有識者、マスコ ミ等を参加者 として、シンポジウムを開催し、「多様な正社員」に対する社 会的気運の醸成を図る ○企業向けセミナー

の開催

・事例等を活用し、都道府県労働局においてセミナーを実施

「多元的で安心できる働き方」の導入促進<平成27年度予算案>

○ 正規・非正規の二極化を解消し、雇用形態にかかわらず、労働者の希望に応じて、安心して生活できる多様な働き方を実現 するため、「日本再興戦略 改訂2014」(平成26年6月24日閣議決定)において、「働き方改革の実現」の一つとして「職務等を限 定した『多様な正社員』の普及・拡大」が盛り込まれた。 ○ 平成27年度は、「多様な正社員」の普及・拡大を図るため、成功事例や雇用管理上の留意点等の周 知を行うとともに、モデ ル就業規則の作成、多様な正社員制度の導入(無期転換ルールへの対応を含む。)を検討している企業に対するコンサルティ ングの実施を通じて、制度導入のノウハウを情報提供し導入促進を図る。 また、シンポジウムの開催等により、「多様な正社員」に対する社会的気運の醸成を図る。

背 景

○非正規雇用労働者の処遇改善 の取組を実施してい る事例収集 ・非正規雇用労働者の賃金水準の向上に取り組んで いる 事例 ・正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の『同一労働 同一賃金』を実現している事例 ○多様な正社員(無期転換含む)のモデル就業規則の作成等 ・業種別の実態調査、規定収集、モデル就業規則作成 ・企業アンケート調査による多様な正社員の運用実態等の把握 ○企業に対するコンサルティングの実施 ・多様な正社員制度の導入等を検討している企業(100社)への支援

取組概要

企業に対する多様な正社員の導入支援

・事例集

多様な正社員の周知・啓発

・モデル就業規則 ○モデル就業規則の周知等 ・各種機会を活用した企業への周知 ・局署において企業からの相談への対応や助 言に活用 ・収集事例(コン サルティング事 例等)

平成27年度予算案 99百万円 (123百万円)

16

(18)

キャリアアップ助成金について

(平成27年度予定額:221億円)

※ 上記の他、有期契約労働者等に対する人材育成(職業訓練)、処遇改善、法定外の健康診断制度の規定、所定労働時間延長を実施 した場合に助成

コース名・内容

助成額

( )内は大企業の額 (注)は平成28年3月31日まで助成額を拡充または要件を緩和 正規雇用等 転換 有期契約労働者等を正規雇用労 働者等に転換または直接雇用 ①有期→正規:1人当たり50万円(40万円) ②有期→無期:1人当たり20万円(15万円) ③無期→正規:1人当たり30万円(25万円) ※派遣労働者を正規雇用で直接雇用する場合、1人当たり30万円(大企業も同額)加算 多様な 正社員 勤務地・職務限定正社員制度を 新たに規定 有期契約労働者等を多様な正社 員に転換または直接雇用 ①勤務地・職務限定正社員制度規定・適用:1事業所当たり40万円(30万円) ②有期・無期→勤務地・職務限定、短時間正社員:1人当たり30万円(25万円) ③正規→短時間正社員、短時間正社員雇入れ :1人当たり20万円(15万円) ※派遣労働者を多様な正社員で直接雇用する場合、1人当たり15万円(大企業も同額)加算

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップ等

を促進するため、正規雇用転換や処遇改善などの取組を実施した事業主に対して包括的に助成。

本助成金の活用に当たって】

事前に事業所ごとに「キャリアアップ管理者」の配置、「キャリアアップ計画」の作成が必要。

《助成メニュー》

下線は平成27年度における新規または拡充部分 (注) (注) (注) (注)

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(19)

「多様な正社員」の普及・拡大のための有識者懇談会報告書の概要

趣旨・経緯

「いわゆる正社員」と「非正規雇用の労働者」の働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企 業による優秀な人材の確保や定着の実現のため、職務、勤務地又は労働時間を限定した「多様な正社員」を労使双方にとって 望ましい形で普及させることが求められている。 ⇒ 「日本再興戦略」(平成25年6月閣議決定)等を踏まえ、「多様な正社員の普及・拡大のための有識者懇談会」 (座長:今野浩一 郎学習院大学教授)において、「多様な正社員」の雇用管理をめぐる課題について検討。労使等の関係者が参照することができ る「雇用管理上の留意事項」や就業規則の規定例を整理するととともに、政策提言をとりまとめ、公表。(平成26年7月30日)

「雇用管理上の留意事項」のポイント

◇ 多様な正社員の効果的な活用が期待できるケース ◇ 事業所閉鎖や職務の廃止等への対応(雇用保障) ◇ 均衡処遇 ◇ 制度の設計・導入・運用に当たっての労使コミュニケーション ◇ 労働者に対する限定の内容の明示 ◇ 転換制度 ◇ いわゆる正社員の働き方の見直し ◇ 人材育成・職業能力評価 ・労働条件の明示 ・転換制度 ・均衡処遇 ・雇用保障 ⇒ 限定がある場合は、限定の内容を労働者に明示し、書面で確認 ⇒ 転換制度(社内のルール)を設け、転換応募資格、要件等についても制度として明確化 ⇒ 労使の話し合いで納得性のある賃金の水準とすること ※ いわゆる正社員と比較した勤務地限定正社員の賃金水準は、9割超~8割の水準とする企業が多い。 ⇒ 勤務地や職務の限定のゆえに、事業所閉鎖や職務廃止の際に直ちに解雇が有効となるわけではなく、整理解雇法 理を否定する裁判例はない

主な留意事項の内容

主な政策提言の内容

・労働契約の締結・変更時の労働条件の明示、いわゆる正社員との相互転換・均衡処遇について、労働契約法の解釈を通知し、周知を図る。 (7月30日付け通達発出) ・次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針に、限定の内容の明示等が望ましいことを明記する。(平成26年11月28日告示制定) ・多様な正社員の導入に対する新たな支援(助成措置等)を行う。

18

参照

関連したドキュメント

事前調査を行う者の要件の新設 ■

(ロ)

旧法··· 改正法第3条による改正前の法人税法 旧措法 ··· 改正法第15条による改正前の租税特別措置法 旧措令 ···

[r]

張力を適正にする アライメントを再調整する 正規のプーリに取り替える 正規のプーリに取り替える

平成28年度は社会福祉法が改正され、事業運営の透明性の向上や財務規律の強化など

非正社員の正社員化については、 いずれの就業形態でも 「考えていない」 とする事業所が最も多い。 一 方、 「契約社員」

契約社員 臨時的雇用者 短時間パート その他パート 出向社員 派遣労働者 1.