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航空機の運動方程式

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Academic year: 2021

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(1)

オブザーバ

状態フィードバックにはすべての状態変数の値が必要であった.しかしながら,システ ムの外部から観測できるのは出力だけであり,すべての状態変数が観測できるとは限らな い.そこで,制御対象システムの状態変数を,システムのモデルに基づいてその入出力信 号から推定する方法を考える.

1. オブザーバとは

n 次元m 入力r 出力線形時不変システム        x Ax Bu y Cx  (1) の状態変数ベクトルx の推定値を ˆx として,状態方程式 ˆ ˆ xAx Bu (2) を考える.状態変数x とその推定値 ˆx の推定誤差を ˆ   e x x (3) と定義すれば, ˆ ˆ ( )      e x x A x x Ae    (4) ( )t eAt (0) e e (5) に従って,初期推定誤差e(0)から推定誤差は遷移する.ゆえに,lim ( ) tet0 になるために は,制御対象システムが安定である場合であり,不安定な場合はe( )t は発散する.また, lim ( ) tet0 であってもその収束の速さは行列Aの極に依存する. そこで,式(2)を ˆ ˆ ( ˆ) ˆ ˆ          x Ax Bu G y y y Cx  (6)

(2)

( )   eA GC e (7) ( ) ( )t eA GCt (0) e e (8) となる. ゆえに,行列A GC の極のすべての実部が負になるように行列G を選ぶことができれ ば,lim ( ) te t0となる.このような式(6)のシステムをオブザーバ(状態オブザーバ,状態 観測器)という.また,行列G をオブザーバゲインとよぶ. 定理 式(1)で与えられるシステムに対して,式(6)のオブザーバが構成できるための必要十 分条件は,このシステムが可観測であることである. これらは,状態フィードバック制御則における極配置と似た考え方である. B ( )t u   C ( )t x

A ( )t x B

xˆ( )t C A ˆ( )t x ( )t y  ˆ( )t y G  ( )t e  オブザーバ 図 1 オブザーバの構成

2. オブザーバの設計法

システムを可観測正準形に変換し,極配置によってオブザーバゲインを求める. n 次元m 入力 1 出力線形時不変システム y        x Ax Bu cx  (9) が可観測なシステムであれば,変換行列TOxT xO

(3)

1 2 1 2 3 1 1 1 0 1 0 1 0 0 n n a a a a a a                          L            , 2 1 O n n                          c cA M cA cA  (11) によって, O O O y        x A x B u c x    (12) 0 1 1 2 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 O O O n a a a a                          A T AT           ,BOT B O (13) 1 0 0 0 1 O O       c cT  (14) と可観測正準形に変換される.このとき, 0 a , a ,…, 1 an1は,もとの制御対象システムの特 性方程式 1 1 1 0 0 n n n s s a sa s a         I A  (15) の係数である. この可観測正準形にオブザーバゲインgO  gO1 gO2gOnTとするオブザーバ ˆ ˆ ( ˆ) ˆ ˆ O O O y y y          x A x B u g c x    (16) を構成すると,推定誤差e  x x ˆの微分方程式は ( O O O)   eA g c e (17) となり,この微分方程式の特性方程式は

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0 1 1 2 2 3 1 1 2 1 2 3 1 2 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 ( ) ( ) ( ) 0 O O O O O O n On n n n On O O O a g a g a g s a g s a g s a g s a g s a g                                       I A g c            (18) となる. 一方,望ましいと考える極を 1  ,  ,…, 2  と与えるなら,上の特性方程式は n 1 2 (s)(s ) ( sn)0 (19) とならなければならない.したがって,式(19)を展開し,式(18)と係数の比較を行えば,可 観測正準形のオブザーバゲイン T 1 2 O  gO gO gOn g  を求めることができる. 最後に,可観測正準形のオブザーバゲインg から,もとの制御対象システムのオブザーO バゲインg は,以下のように計算できる. 1 O O   g T g (20) 実際のオブザーバゲインの計算には,制御対象システムをいちいち可観測正準形に変換 する必要はないことに注意する.ただし,変換行列 O T の計算は必要である.

3. 最小次元オブザーバ

前節までで述べたオブザーバは同一次元オブザーバといい,状態全体を推定している. しかし,実際は出力によって状態の一部は直接観測できるので,これまで推定する必要は ない.このことから,次元を下げたオブザーバ,最小次元オブザーバが定義される. n 次元m 入力r 出力線形時不変システムを考える.        x Ax Bu y Cx  (21) r Ry は観測できるので,rankCrであるならば,n 次元状態変数ベクトルxRnのう

(5)

n n R              C T D (22) とする相似変換  xTx (23) を考える.この相似変換によって,        x Ax Bu y Cx       (24) 1   A TAT ,BTBCCT1 (25) のように式(21)のシステムは変換されるが, 1 r       CCT I 0Irr r の単位行列) (26) であることに注目して,式(24)のシステムを 1 11 12 1 1 2 21 22 2 2 1 1 2 r                                                                x A A x B u x A A x B x y I x x 0        (27) のように分解する.ここで,A11 Rr r ( ) 12 r n r R   A , ( ) 21 n r r R    A , ( ) ( ) 22 n r n r R     A , 1 r m R  B , ( ) 1 n r m R    B である.状態変数xのうち, 1 x は観測可能であるが, 2 x が観測不 可能である.そこで,状態変数 2 x を求めるオブザーバを 1 11 1 12 2 1 2 21 1 22 2 2 1 1 ˆ ˆ ˆ ˆ ( ˆ)             x A x A x B u x A x A x B u G x x           (28) と構成する.ここで,オブザーバゲインG Rr rである. 推定誤差 2 ˆ2   e xx (29)

(6)

22 12 ( )   eA GA e (30) となる.よって,オブザーバゲインG を調整してオブザーバの極を指定できる. なお,このオブザーバは状態の微分 1 x が含まれているので,実際にこれを計算すること はできない.そこで, 2 1 2 ˆ ˆ     z xGxxGy (31) の変換を行えば, 22 12 22 21 12 11 2 1 [ ] [ ( )] [ ]         zA GA z A G A G A G A y B GB u (32) となる.また,xˆ2  z Gyと表されるから,状態変数x の推定値 ˆx は 1 1 1 2 ˆ ˆ : G                   x y x T T Wz Vy z y x   (33) によって与えられる.ただし, 1 n r            W T I 0 1  r       I V T G (34) である.

4. オブザーバと状態フィードバック制御の併合

可制御な線形時不変システムは状態フィードバックによって任意の応答性で制御ができ たが,そのためにはすべての状態変数の利用が必要であった.よって,出力によって一部 の状態変数しか観測できないときには,状態フィードバックは適用できない.そこで,オ ブザーバを併用し,ここから得られる状態の推定値を用いて状態フィードバック制御を行 うことを考える. 可制御かつ可観測なn次元m入力r出力線形時不変システムを考える.    xAx Bu

(7)

ˆ ˆ ( ˆ) ˆ ˆ          x Ax Bu G y y y Cx  (36) とし,状態変数の推定値x に対する状態フィードバック制御則を適用する. ˆ ˆ    u Fx v (37) この閉ループ系の安定性を調べる.閉ループ系の状態方程式は以下のようになる. ˆ ˆ                                      x A BF x B v GC A BF GC x B x   (38) 推定誤差e  x x を用いて,上式の状態変数をˆ  T ˆTT   x x  から T T T     x e  に変換する座標変 換を考える. ˆ ˆ                               x x x T e x x x , :            I T I I 0 (39) すると, 1                                                                        x A BF x B T T T v e GC A BF GC e B A BF BF x B v A GC e 0 0   (40) このシステムの安定性を調べるために,特性多項式を求めると, s s s s           I A BF BF I A BF I A GC I A GC 0 (41) となる.すなわち,同一次元オブザーバを用いた状態フィードバック制御による閉ループ 系の極は,状態フィードバック制御系の閉ループ極と同一次元オブザーバの極からなる. したがって,この2種類の系が安定であれば,両者を合わせたシステムも安定である.ま た,式(41)は状態フィードバック制御系の極と同一次元オブザーバの極を独立に任意に設 定することができる. 分離定理 同一次元オブザーバを用いたフィードバック制御系において,フィードバック

(8)

一般に,オブザーバゲインを設計する際,フィードバックの設計で設定する閉ループ極 よりオブザーバの極がより左半平面に存在するようにする.なぜなら,オブザーバによる 状態の推定が,フィードバックによる状態の収束より速いほうが好ましいからである.

参照

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