平成22年度
武 蔵 野 市 生 活 安 全 計 画
策定の趣旨
武蔵野市では、「武蔵野市生活安全条例」に基づき、市民が安心して暮らせるまちづくりを推進 するため、防犯、防災、保健衛生など専門分野の関係機関や、教育、コミュニティ、商工業者、 NPOなど各方面からの協力により、「武蔵野市生活安全計画」を策定しています。● 策定の骨子
安全計画は次の3つを柱としています。(1) 平成 22 年度の安全対策に係る重点目標
(2) 重点目標に基づく具体的施策
(3) その他市民生活の安全を確保するために必要な施策
● 平成 22 年度武蔵野市生活安全計画の重点目標
1 児童等に対する不法事犯の未然防止
2 侵入窃盗、万引き、ひったくり及び振り込め詐欺の被害防止
3 暴走自転車等による事故の未然防止
4 吉祥寺駅周辺の環境浄化
5 建物の避難路確保
6 建物の耐震化及び地震による家具等の転倒防止の促進
7 新型インフルエンザへの対策
● 21年度安全計画の検証及び 22年度安全計画の指定理由と具体的実施方法
1 児童等に対する不法事犯の未然防止
(1)現状・背景 安全対策課で把握している児童などに対する不審者情報は昨年と同数の65 件となっており、 減少していません。また、近年、子どもが出会い系サイトなどのインターネット上の有害情報に 携帯電話やパソコンからアクセスし、事件に巻き込まれる事例が増えているほか、性犯罪の被害 も増加しています。 (安全対策課で把握した不審者情報の件数) 20 年 21 年 増減数 つきまとい 9 件 2 件 -7 件 公然わいせつ 9 件 7 件 -2 件 わいせつ(痴漢等) 3 件 4 件 +1 件 その他(声かけ等) 44 件 52 件 +8 件 合 計 65 件 65 件 ±0 件 (2)21 年度の実施状況 ① ホワイトイーグルは、立寄り警戒施設を 4 ヶ所増やし 123 施設とし、周辺警戒施設 96 ヵ所とともに警戒を実施しました。 ② 不審者情報が入った際、安全対策車で職員によるパトロールを実施しました。 ③ 「市民安全パトロール隊」は、3 名増員し隊員数は 68 名となりました。主に登下校時の 児童の見守りなどを実施し、そのほかにも更にきめ細かいパトロールを実施しました。また、 小学校の入学式における隊員の紹介など、新入生と保護者に周知を図りました。 ④ 「市民安全パトロール隊」を含めた市民による自主パトロール隊相互の理解を深めるため に連絡会を市内3 地区に分けて開催したほか、パトロール隊向けの広報紙を年 3 回作成し、 情報共有を図りました。 ⑤ 近隣自治体との連絡会に参加し、相互の連絡体制を確立すると共に、境界地域で発生した 事件や不審者情報の共有化を図りました。 ⑥ 児童自身が犯罪の被害などから身を守る術を身につけるセーフティ教室を、20 年度に引き 続いて市立小・中学校全校で実施しました。セーフティ教室では、インターネットの安全 利用も取り上げました。 ⑦ 児童が親や教師とともに通学路を廻り、危険と思われる箇所などを地図に記録した地域 安全マップを、市立小学校全校で作成しています。21 年度は9校で更新しました。 ⑧ 年3回全小中高等学校に配布する「非行防止チラシ」や学校から配布する「学校便り」の 中で、インターネット上のトラブルや事件から子どもを守るための呼びかけを行いました。 (児童青少年課、各学校) ⑨ 子どもたちが身の危険を感じたときに一時的に避難する「子どもを守る家」や自転車に 防犯PR用の帯を取り付ける「みんなで子どもを守ろう自転車防犯帯」活動を推進しました。 ⑩ 青少年問題協議会地区委員会による、CAPプログラム(子どもが暴力から自分を守る ためのプログラム)ワークショップを、市内8 地区で実施しました。(以上、児童青少年課)(3)22 年度の指定理由 依然として、全国的に子どもが被害者となる事件が発生しており、市内においても子どもたち の登下校時を中心に不審者が出没しているほか、子どもがインターネットを利用した犯罪に巻き 込まれる危険性が増しています。また、平成21 年の市内での性犯罪の発生件数は前年と比較す ると6 件増加しています。 子どもに対する犯罪および性犯罪については、侵入窃盗・ひったくり・振り込め詐欺等ととも に平成22 年警視庁指定重点犯罪に指定されており、警視庁でも重点的な対策が推進されること になっています。 以上のことから、児童に対する不法事犯の未然防止を重点目標に掲げるとともに、女性を対象 としたわいせつ事案への対策も進めていきます。 (4)22 年度の実施方法 ① ホワイトイーグルによるパトロールは、状況に応 じて警戒対象施設の組替えを行い、柔軟な運用を図 ります。 ② 安全対策車を活用し、職員による緊急時の警戒等 を行います。 ③ 引き続き、庁内連絡会議や市民安全パトロール隊 委員会により、市役所内の連絡調整や関係機関・ 近隣自治体との連携を図り、情報の共有化と危機 管理体制のチェックを行います。 ④ 痴漢などわいせつ事案の被害を少しでも減少させるため、市報やホームページなどで注意 を呼びかけていきます。また、警察署と武蔵野母の会が実施する「性犯罪被害防止キャン ペーン」に協力します。 ⑤ 警察署と連携し、犯罪発生の恐れがある場所に「痴漢に注意」等の立て看板を設置します。 ⑥ 児童が犯罪に合わないための意識をもつために、児童自身の目と足で通学路を点検する 地域安全マップ作りを各校で引き続き行います。 ⑦ セーフティ教室を市立小・中学校全校で実施し、児童の防犯意識の向上を図ります。 ⑧ 年3回全小中高等学校に配布する「非行防止チラシ」や学校から配布する「学校便り」の 中で、インターネット上のトラブルや事件から子どもを守るための呼びかけを行うほか、 関係機関と協力し、携帯電話からインターネットの有害情報へのアクセスを制限するフィル タリングサービスの普及啓発を行います。(児童青少年課、安全対策課、各学校) ⑨ 子どもたちが身の危険を感じたときに一時的に避難する「子どもを守る家」や自転車に 防犯PR用の帯を取り付ける「みんなで子どもを守ろう自転車防犯帯」活動を引き続き推進 するとともに、より実効性を高めていきます。 ⑩ 21 年度に引き続き、青少年問題協議会地区委員会によるCAPプログラム(子どもが暴力 から自分を守るためのプログラム)ワークショップを実施します。(以上、児童青少年課) 安 全 対 策 車
2 侵入窃盗、万引き、ひったくり及び振り込め詐欺の被害防止
(1)現状・背景 侵入窃盗の発生は減少傾向にあるものの、依然として多くの被害が発生しています。侵入の手 口としては、ガラス破りやピッキング、家人の施錠忘れによるものが主なものとなっています。 万引きは、7 年連続で刑法犯の認知件数が減少しているのに対し、平成 20 年は減少したものの、 21 年に再び増加傾向となっています。 ひったくりも同様の傾向にあり、被害状況としては、歩行中に後方からオートバイに乗って 接近してきた犯人に、バック等をひったくられる事例が多数を占めています。 振り込め詐欺は、件数こそ減少しましたが、被害者に与える経済的、精神的な被害は深刻です。 (犯罪認知件数) 20 年 21 年 増減数 増減率 侵入窃盗 128 件 110 件 ▲18 件 ▲14.1% 万引き 392 件 426 件 +34 件 8.7% ひったくり 18 件 28 件 +10 件 55.6% 件 数 57 件 22 件 ▲35 件 61.4% 振り込め詐欺 被害額 9,456 万円 2,453 万円 (2)21 年度の実施状況 ① ホワイトイーグル車により、市内パトロール時に犯罪被害防 止について広報活動を実施しました。 ② 毎月の市報に、武蔵野市の犯罪発生や火災発生の状況などに ついて、警察署・消防署から得た最新情報を掲載しました。 ③ 市内各所に設置している武蔵野防犯協会掲示板の改修、増設 (19 年度からの5ヶ年計画)を行い、広報活動の充実を図りま した。 ④ 武蔵野防犯協会への補助を活用し、自主防犯団体への装備品 の拡充を行いました。 ⑤ 市民安全パトロール隊が、住宅街などの不審者警戒やひったくり被害防止の声かけなどを 行いました。 ⑥ 市の生活安全条例に基づき、一定以上の規模や不特定多数の者が利用する建物などを新た に建築する場合、警察署と防犯設備に関する協議を行うよう建築主に対して指導を行いま した。 ⑦ 鍵の交換など既存住宅の防犯性能を高めるために行った防犯工事の費用を一部助成する 制度として「住まいの防犯助成」を実施しました。21 年度(12 月末実績)の助成件数は 113 件で した。(住宅対策課) ⑧ 市内の被害発生の恐れのある場所に「ひったくりに注意」や「空き巣警戒中」の立て看板 を設置し、市民に対し注意喚起を図りました。 ⑨ 市内での振り込め詐欺の発生抑止のため、防犯協会や市民安全パトロール隊が武蔵野警察 署と協力してATMの警戒にあたりました。(3)22 年度の指定理由 侵入窃盗の発生件数は減少傾向にありますが、被害状況などから見ても、市民の防犯意識をさ らに向上させ、具体的な防犯対策への取り組みを引き続き促していく必要があります。 万引きについては、武蔵野市内の発生が平成20 年に 392 件であったものが、平成 21 年は 426 件に増加しています。また、万引きは、とりわけ青少年にとってゲートウェイ犯罪(より重大な 犯罪の入り口となる犯罪)であり、これを放置することで再犯を繰り返し本格的な犯罪に手を 染める恐れがあり、緊急な対策が必要です。 ひったくりについては、平成20 年に減少したものの平成 21 年に大幅に増加しており、自衛 対策について注意喚起が必要です。 振り込め詐欺は、件数は減少していますが、いまだに2 千万円以上の被害を出すなど深刻な 状況が続いており、被害防止に向けた活動が引き続き必要です。 また、侵入窃盗、ひったくり及び振り込め詐欺については、子どもに対する犯罪、性犯罪等と ともに22 年警視庁指定重点犯罪に指定されており、警視庁でも重点的な対策が推進されること になっています。 (4)22 年度の実施方法 ① 振り込め詐欺被害防止など、ホワイトイーグル車によるパトロール時の広報活動を引き続 き実施します。 ② 安全対策車を活用し、緊急時の広報や警戒を実施します。 ③ 武蔵野警察署、武蔵野防犯協会などと協力し、被害防止のための心がけを呼び掛けていき ます。 ④ 武蔵野万引き防止対策協議会において、警察、商店会、大型店舗などと協力して、万引き 防止キャンペーンや被害の全件届け出の呼び掛けを行っていきます。 ⑤ 市立小・中学校において、セーフティ教室や生活指導を通じて、「万引きは犯罪である」と の明確なメッセージを発信し、万引き防止に係る指導の充実を図ります。(指導課) ⑥ 5 カ年計画に基づき、武蔵野防犯協会掲示板の改修及び増設を行います。 ⑦ 自主防犯団体への装備品の拡充を引き続き行います。 ⑧ 市民安全パトロール隊によるきめ細かなパトロールを実施することで、侵入窃盗やひった くりなどの犯罪機会の減少を図ります。 ⑨ 生活安全条例に基づいた建築主に対する防犯設備に関する指導を引き続き実施し、侵入窃 盗の防止に努めるとともに、地域全体の防犯性向上を図っていきます。 ⑩ 「空き巣警戒中」「ひったくりに注意」等の立て看板を、市内の犯罪発生の恐れのある場所 に設置します。 ホワイトイーグル
3 暴走自転車等による事故の未然防止
(1)現状・背景 全国で自転車同士の衝突事故は平成20 年に 4,322 件発生し、10 年前の約 6.5 倍に増え、対歩 行者の事故も2,942 件で同 4.5 倍に増加しました。 市内においては、発生件数は減少傾向にあるものの、交通人身事故のうち半数以上が自転車の 関与する事故となっており、自転車の運転マナーの悪化が歩行者等に脅威・危険を与えています。 自転車運転の取り締まりが強化され、武蔵野警察署では昨年、自転車で 酒酔い運転をした違反者の書類送致を行いました。 また、市は22 年 4 月より利用登録制度を段階的に廃止し、歩道上の駐輪場を 順次閉鎖することにより、安全で快適な歩行環境を確保することとしています。 (交通人身事故の内、自転車の関与する事故件数) (2)21 年度の実施状況 ① 自転車関連事故の防止と、自転車利用者のマナー向上を図るため、武蔵野警察と共催で、 自転車安全利用講習会を開催しました。吉祥寺・三鷹・武蔵境各地区の公共施設において29 回開催し、通勤・通学者を中心に約2,000 名が受講し、自転車の正しいルールなどについて の周知を行ないました。また、市内企業や市関連施設などで出前型の講習会を行い、900 名 以上が受講しました。講習会に参加し、認定を受けた方には、認定証(3年間有効)を交付し、 駐輪場に関する抽選の優先枠などを設けました。 ② 自転車マナーアップキャンペーンを、警察署や市の交通対策課などの関係機関が協力して 吉祥寺、三鷹、境地区で計10 回実施し、通行ルールの周知を図りました。 ③ 児童に対して安全運転の周知を図るため、小学校9校で自転車安全教室を実施しました。 ④ 中学生に対して安全運転などの周知を図るため、昨年に続き5月に第二中学校、7月に 第五中学校でスタントマンによる自転車事故再現型の講習を実施しました。 (以上、交通対策課) (3)22 年度の指定理由 自転車対策の推進は、市政アンケートにおいても第1位になるなど市民の関心が高く、運転 マナー等の意見や要望が最も多く出ています。 自転車の運転マナーの悪化が歩行者などに脅威・危険を与えており、安全運転の必要性を強く 呼びかけ、事故の発生を防止する必要があります。 警察庁は、改正道路交通法の円滑な施行を期するとともに、早期に自転車の交通秩序の整序化 を図るため、都道府県警察に対し「自転車の交通秩序整序化に向けた総合対策の推進について」 を発出しました。自転車に関するルールの周知とあわせて、学校と連携した小・中・高校生に 対する自転車安全教育を推進するとともに、自転車教室等の自転車安全教育の対象を、高齢者、 主婦、社会人、大学生等にも拡大するよう努めることを求めています。 また、警視庁でも、自転車の乗り方などのルールやマナーを守る取り組みが推進されることに なっています。 18 年 19 年 20 年 21 年 件 数 402 件 324 件 324 件 264 件 割 合 53.2% 47.5% 52.3% 50.9%(4)22 年度の実施方法 ① 一般公募型や出前型の「自転車安全利用講習会」を引き続き実施し、多くの方に自転車の 正しいルールを周知し、自転車事故の減少に努めます。 ② 児童に対して安全運転の周知を図るため、小学校での自転車安全教室を実施します。 ③ 中学生などに対し安全運転や自転車事故についての加害責任などの周知を図るため、スタ ントマンによる自転車事故再現型の講習を実施します。 ④ 通行ルールの一層の浸透を図るため、自転車マナーアップキャンペーンを、警察署や市 交通対策課などが協力して実施します。(以上、交通対策課) 自転車事故再現型講習会 自転車安全利用講習会
4 吉祥寺駅周辺の環境浄化
(1)現状・背景 「武蔵野市環境浄化に関する条例」に基づき、吉祥寺駅周辺 を「勧誘行為等適正化特定地区」に指定し、勧誘を拒絶して いる歩行者に対する「つきまとい勧誘行為」と、歩行者の通行 の妨げとなる「路上宣伝行為等」を行う者に対し、ブルーキャ ップ(指導員)11 名が指導を行っています。 ブルーキャップは発足当初より一定の成果を上げてきました が、一度指導を受けた者が警戒の手薄な場所や特定地区外へと 場所を移し、つきまとい勧誘行為を繰り返し行う状況がみられ るようになったため、平成16 年と 18 年に特定地区を拡大しま した。つきまとい勧誘行為を行う者が減り、「指導」の件数は 減少しましたが、キャバクラ等のスカウトは、ブルーキャップが指導しようとすると逃走したり、 威圧的で脅迫めいた言動をするなど悪質化が見られたため、平成 19 年9月から、繰り返し 「警告」を受けた者の所属する店舗の責任者に対する、「指導通知書」の運用を開始しました。さ らに、平成20 年 4 月の東京都の条例改正したこともあり、指導、警告件数は激減していますが、 ブルーキャップの隙を見てつきまとい勧誘行為を行おうとする者は後を絶ちません。 その他、手相見と称して、複数の人数で高齢者にしつこくつきまとう行為も見受けられ、警戒 が必要となっています。 (つきまとい勧誘行為等指導件数) 20 年 21 年 増減数 増減率 指導 54 件 66 件 +12 件 +22.2% 警告 11 件 4 件 ▲7 件 ▲63.6% つきまとい勧誘 行為等 計 65 件 70 件 +5 件 +7.7% 路上宣伝行為等指導 5,646 件 5,133 件 ▲513 件 ▲9.1% 指導通知書送達 3 件 0 件 ▲3 件 ▲100% (2)21 年度の実施状況 ブルーキャップは、平日午後1 時から午後9時、土日祝日午後 1 時から午後 6 時 30 分を活動 時間とし、警戒パトロールを実施しました。 (3)22 年度の指定理由 発足当初より一定の改善が見られるものの、一部の悪質な者や新たな勧誘活動が見られるため、 ブルーキャップによる指導を継続していく必要があります。 (4)22 年度の実施方法 ① 指導、警告及び指導通知書の運用により、つきまとい勧誘行為等の適正化を図ります。 ② 悪質な者に対処するため、警察署との連携をさらに強化します。 ブ ル ー キ ャ ッ プ5 建物の避難路確保
(1)現状・背景 平成13 年に新宿歌舞伎町で発生したビル火災では、避難路となる階段室に多量の物品が放置 されていたことにより44 名の尊い命が犠牲となりました。また、昨年 11 月には、杉並区高円寺 南の雑居ビル火災で死傷者16 名の被害が発生しています。吉祥寺駅周辺の繁華街では、飲食店 などを含む「複合用途防火対象物」(いわゆる雑居ビル)が多数存在しており、火災などが発生 した場合、類似した被害が発生することが考えられています。 このような状況を踏まえ、消防署と連携し、多数の人出が予想される中元時期や年末の繁忙期 前に、「防火対象物」(不特定多数の人が利用する部分がある建物)の階段や避難通路など、避難 施設に重点を置いた立入検査を実施しています。 (2)21 度の実施状況 6 月 23 日(火)および 11 月 17 日(火)に、市の建築指導課、安全対策課と消防署の合同で、 避難施設に重点を置いた立入検査を実施しました。 違反指摘率が増加し、また消防法に基づく「命令」を出した建物もあるなど、依然として防火 意識の低い防火対象物の所有者、管理者などが見受けられました。 (立入査察の実施結果) (3)22 年度の指定理由 違反指摘率が増加していることから、消防署と連携をとり避難路の確保を推進する必要があり ます。 (4)22 年度の実施方法 ① 消防署と連携して、避難施設に重点 を置いた立入検査を引き続き実施し ます。 ② 繰り返し違反をする防火対象物の 関係者に対して、消防署と連携し指導 の徹底を図ります。 20 年度 21 年度 6 月18 日 11 月 18 日 計 6 月 23 日 11 月 17 日 計 実施対象物総数 60 件 100 件 160 件 58 件 119 件 177 件 違反対象物総数 9 件 34 件 43 件 27 件 36 件 63 件 違反指摘率 15.0% 34.0% 26.9% 46.6% 30.3% 35.6% 命令件数 1 件 2 件 3 件 0 件 2 件 2 件6 建物の耐震化の促進及び地震による家具等の転倒防止の促進
(1)現状・背景 阪神・淡路大震災では、死者の 70%以上が倒壊家屋や転倒家具の下敷きになったことによる 圧迫、窒息死であり、特に昭和56 年以前に建築された木造建築物の倒壊が数多くを占めました。 2007 年に発生した新潟県中越沖地震(M6.8)では、負傷者のうちの約4割が転倒した家具や ガラスの散乱によって負傷したものでした。(東京消防庁調査) また、平成18 年3月に防災課が実施した「武蔵野市直下型地震被害想定」によると、武蔵野 市直下でマグニチュード6.9 の地震が発生した場合、木造建物の全壊は約 770 棟、非木造建物の 大破が約 30 棟とされています。さらに、家具や電気器具など屋内収容物の転倒・落下による 死傷者も発生すると考えられます。 (2)21年度の実施状況 ア.建物の耐震化の促進 ① 市内建築物の所有者に対し、構造専門家による「建築物耐震性相談」窓口を開設し、相談 を受けました。 ② 昭和 56 年以前に建築された市内の所有者が居住している木造住宅に対し、無料で簡易 耐震診断(耐震アドバイザー派遣)を実施しました。 ③ 昭和 56 年以前に建築された市内民間住宅の所有者に対し、耐震診断にかかった費用の 一部を助成しました。 ④ 耐震診断の結果に則した改修を行った市内民間住宅の所有者に対し、改修にかかった費用 の一部を助成しました。 ⑤ 昭和56 年以前に建築された住宅以外の市内民間建築物、昭和 57 年以降に建築された住宅 に対し、耐震診断にかかった費用の一部を助成しました。 ⑥ 商業・近隣商業地域内にある 3,000 ㎡未満の事業用建物の耐震診断、設計、改修、又は 建替えに対して費用の一部を助成しています。 (以上、住宅対策課) ⑦ 建物の耐震化を促進するため、平成20 年1月2日から平成 21 年1月1日までに新築され た非住宅建物30 棟に対し、3,000 ㎡を限度に固定資産税を 2 分の 1 に軽減しました。 (資産税課) ⑧ 小規模企業者の事業用建物の新築・改築又は耐震改修等改築に伴う融資にかかる信用保証 料に対して一部補助制度を開始しました。(申請なし) (生活経済課) (耐震診断・改修の助成件数) 耐震性相談 簡易耐震診断 耐震診断助成 耐震改修助成 事業用建物助成 17 件 14 件 18 件 8 件 0 件 (21 年 12 月末現在) イ.地震による家具等の転倒防止 市が事業委託した市民防災協会により、東京都市長会が実施する「家具転倒防止器具助成 事業」に基づいた家具転倒防止器具等の無料配布及び高齢者世帯等に対する無料取付を行い ました。(防災課) (家具転倒防止器具等の配布件数/申込件数) 無料配布 無料配布及び取付 合 計 申込件数 倍 率 1,258 世帯 222 世帯 1,480 世帯 7,883 世帯 5.3 倍(3)22 年度の指定理由 市内の住宅のうち約4割が、近年の大規模震災で特に大きな被害を受けた昭和 56 年以前に 建築された住宅です。このことから、耐震化が必要な住宅が多く存在していると考えられます。 また、東京消防庁が実施した「消防に関する世論調査」によると、家具の転倒防止対策に対す る実施率は、42.7%とまだ不十分であり、今後もさらに地震による家具の転倒などによる死傷者 の発生を抑止する対策を進める必要があります。 (4)22 年度の実施方法 ア.建物の耐震化の促進 ① 市内建築物の所有者に対し、構造専門家による「建築物耐震性相談」窓口を開設し、相談 を受けます。 ② 昭和 56 年以前に建築された市内の所有者が居住している木造住宅に対し、無料で簡易 耐震診断(耐震アドバイザー派遣)を実施します。 ③ 昭和 56 年以前に建築された市内民間住宅の所有者に対し、耐震診断にかかった費用の 一部を助成します。 ④ 耐震診断の結果に則した改修を行った市内民間住宅の所有者に対し、改修にかかった費用 の一部を助成します。 ⑤ 昭和56 年以前に建築された住宅以外の市内民間建築物、昭和 57 年以降に建築された住宅 に対し、耐震診断にかかった費用の一部を助成します。 ⑥ 商業・近隣商業地域内にある3,000 ㎡未満の事業用建物の耐震診断、設計、改修、又は 建替えに対して費用の一部を助成します。 (以上、住宅対策課) ⑦ 建物の耐震化を促進するため、平成21 年 1 月 2 日から 25 年 1 月 1 日までに完成した新築 の非住宅建物に対して3,000 ㎡までの固定資産税を 2 分の 1 に軽減します。(軽減期間は、 3 年又は 5 年間) (資産税課) ⑧ 小規模企業者の事業用建物の新築・改築又は耐震改修等改築に伴う融資にかかる信用保証 料に対して一部を補助します。(生活経済課) イ. 地震による家具などの転倒防止 ① 東京都市長会が東京都区市町村振興基金を活用して実施する「家具転倒防止器具助成 事業」に基づき、全世帯に対する器具等の無料配布及び高齢者世帯等に対する無料取付を、 当初の予定を前倒しして2年分を一括して行います。 実施は市から委託を受けて市民防災協会が行います。 ② 家具等の転倒防止やガラスの飛散防止の必要性について、市報やホームページで周知を 図っていきます。 ③ 市民防災協会と連携し、市民が転倒防止器具等を手軽に購入できるよう取り扱う種類や あっ旋を充実します。(以上、防災課) ※ 高齢者支援課が実施していた「高齢者世帯などに対する 転倒防止金具の無料取り付け」は、平成21 年度から休止 しています。
7 新型インフルエンザ
への対策
(1)現状・背景 平成 21 年 4 月 24 日、メキシコで初の豚インフルエンザ感染患者が確認され、メキシコ・アメ リカを中心に感染者が急増し、世界保健機関は警戒レベルを 4 月 28 日にフェーズ4、4 月 30 日 にフェーズ5、6 月 12 日には最高のフェーズ6へと引上げ、継続した警戒を呼びかけました。 日本政府も、4 月 28 日に「新型インフルエンザ」発生を宣言、5 月 16 日には「人から人」への 感染確認を受けて「国内発生」を宣言、8 月 19 日には全国的な感染者の急増により「本格的な 流行」を宣言するなど、急激な感染拡大に予防の徹底を呼びかけています。 武蔵野市では、メキシコでの感染患者確認後「情報収集連絡態勢」を立ち上げ、関係機関から の情報収集と市民・職員の感染防止対策の検討を開始、5 月 18 日からは「市民安全対策本部態勢」 に引上げ、サーベイランスの強化、各種対策の推進、感染防止用資器材の整備など継続した警戒 の実施と市民への感染予防の広報、市内発生状況等の提供を継続して実施しています。 また、世界保健機関は高病原性鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)に起因する強毒性の 新型インフルエンザウイルス出現の可能性について、かつてないほど高まっていると警戒を継続 しており、現に、東南アジアではヒトへの感染により死亡する事例が発生し、このウイルスが 変異し人間界に侵入した場合には、免疫を持っていない人類間での爆発的な感染拡大が予想され、 日本においても多くの国民が重篤化する可能性が高いと考えられています。 (2)21年度の実施状況 ① 平成21 年4月、平成 19 年 11 月作成の「武蔵野市新型インフルエンザ対策行動計画」 (以下、「対策行動計画」という。)が円滑かつ的確に遂行できるよう、具体的な実施手順を 示した「武蔵野市新型インフルエンザ対応マニュアル」(以下、「対応マニュアル」という。) を作成、あわせて対応マニュアル作成に伴う実施時期、担当課などの整合性を図るため 「対策行動計画」を改訂しました。 ② 4月 28 日、新型インフルエンザ国内発生に伴い、「対応マニュアル」に基づく行動を開始 するとともに、感染状況に応じて「情報収集連絡態勢」「健康危機管理庁内対策本部態勢」 「市民安全対策本部態勢」へと警戒レベルを強化しました。 現在は、東京都の「インフルエンザ流行警報」の解除を受け、態勢を「情報収集連絡態勢」 に移行して引き続き警戒を実施しています。 ③ 各態勢の移行に伴う会議を開催し、各部の取組みや主管施設の閉鎖要領の確認、職員・ 市民の感染防止など、各種対策の検討や情報の共有を図りました。 ④ 予防策の周知、医療機関受診方法、市内発生状況、学校閉鎖状況、ワクチン接種に関する 最新情報などホームページ等により随時市民に提供しています。 ⑤ 10 月、市内での大流行により感染症指定病院に患者が殺到し診療に支障が及ぶことがない ように、武蔵野市医師会・武蔵野市薬剤師会協力のもと保健センターでの公共施設型発熱外 来設置を想定した「武蔵野市新型インフルエンザ対応訓練」を実施し、患者受入れから薬の 処方・会計まで一連の検証を行いました。 ⑥ 新型インフルエンザの強毒化への変異、大規模流行及び発熱外来設置に備えて、マスク・ 防護衣・タミフルなど感染防止用資器材及び薬剤を整備しました。 ⑦ 武蔵野市医師会・武蔵野市薬剤師会、武蔵野赤十字病院、多摩府中保健所と連絡会を開催 し、国及び東京都の情報、医療機関の受診要領、市内発生情報など最新情報についての意見 交換会を定期的に実施しています。(以上、健康課・安全対策課)(業務継続計画)を策定しました。(企画調整課) (3)22年度の指定理由 昨今流行の新型インフルエンザは、豚インフルエンザから変異した弱毒性インフルエンザであ り、ほとんどが軽症で回復していますが、感染力が強く高齢者や基礎疾患のある方が感染した場 合には、重症化する恐れがあると言われています。また、薬剤耐性や強毒性への突然変異が危惧 されており、発生動向や病原体に関する監視が続けられています。 さらに、東南アジアを中心とする高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生した場合に は、その毒性は強力で都民の約30%、3,785,000 人の罹患が予想されており、武蔵野市において も、約 41,000 人の罹患者が発生すると推測されていることから、現在の新型インフルエンザと ともに、アジア各国をはじめ国内での高病原性鳥インフルエンザの発生情報にも引き続き注視し ていく必要があります。 以上のことから、新型インフルエンザへの対応を重点目標に掲げ、関係機関との連携や対策・ 計画の不断の見直しにより、市民の健康被害を最小限に抑えることが求められています。 (4)22年度の実施方法 ① 都福祉保健局・保健所及び都総合防災部と連携し、引き続き国内外の新型インフルエンザ や高病原性鳥インフルエンザに関する情報を収集し、必要の都度市民に提供していきます。 ② 対策行動計画及び対応マニュアルの検証並びに地域医療確保計画の作成を行い、実情に 沿った実効性のある計画を目指していきます。 ③ 武蔵野市医師会・武蔵野市薬剤師会、武蔵野赤十字病院、多摩府中保健所と定期的な連絡 会を継続し、国及び東京都、医療機関の最新情報の共有を図っていきます。 ④ 「感染防止資器材」「タミフル」等、インフルエンザ発生時に必要な資器材・薬剤の備蓄を 進めるとともに、状況に応じて備蓄計画を見直していきます。 ⑤ 新型インフルエンザの基礎知識・感染防止対策の最新状況・家庭での備蓄品等について、 市報やホームページでの広報活動を継続します。(以上、健康課・安全対策課) ⑥ 市役所業務のBCP(業務継続計画)を、常に変化する状況に対応できるよう随時改定を 行います。(企画調整課)
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【個人でできる感染予防】 ・帰宅後の「手洗い」「うがい」の励行 手洗いは石鹸を用いて最低15秒以上行い、洗った後は、清潔な布やタオル等で 水を十分に拭き取りましょう。 合わせて、うがいも行いましょう。 ◆正しい手の洗い方 石鹸を泡立て、手 手の甲をのばす 指先・爪の間を 指の間を洗う 親指と手のひら 手首も忘れずに のひらを良く擦る ように擦る 念入りに擦る をねじり洗いする 洗う 【咳エチケット】 ・咳やくしゃみの症状がある時はマスクをしましょう。 ・咳やくしゃみをする時は周りの人から顔をそむけましょう。 ・マスクがない時はティッシュやハンカチで口と鼻を覆いましょう。~
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平成
22 年度 武蔵野市生活安全計画
発行 平成22 年 3 月
武蔵野市防災安全部安全対策課 武蔵野市緑町2 丁目 2 番 28 号 電話(0422)60-1916