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第 1 章 計画策定にあたり
1. 計画策定の趣旨 (1)本格的な少子化時代の到来 近年、合計特殊出生率の急速な低下とともに、総人口が減少傾向にあるなど、 我が国は本格的な少子化時代を迎えようとしています。 少子化の進行は、家族生活や地域社会の変容のほか、高齢化による医療や福 祉といった社会保障に関する現役世代の負担の増加、労働人口の減少による経 済成長率の低下など、社会全体の様々な局面において大きな影響を与えること が懸念されます。 (2) 施設保育の役割と社会状況の変化 これまで小山市では、昭和38年に市内初の公立保育所を開設以来、施設保 育に対する市民ニーズへの的確な対応をするため、現在まで公立13か所を整 備してきました。 また、全国的に昭和49年頃から、人口と女性の就労機会 の増加を背景に施設保育に関する市民ニーズが高まる中、民間による私立保育 園の整備が加速的に進み、昭和46年の市内民間初の保育園が開設されて以来、 これまでに20か所が整備され、現在は、公立と民間を合わせ33保育所(園) となっております。 近年、子育てを取り巻く環境は大きく様変わりしており、国の取り組みにお いても、従来の施設保育に加え、特別保育サービスの充実が重要施策に位置づ けられるなど、今後の施設保育には、「多様」で「良質」なサービスの提供が 求められています。また、個人の仕事と生活の両立が尊重される社会を目指す ワークライフバランスの観点からも、その多様性はより重要となってきており ます。 (3)新たな保育所整備計画の策定 公立保育所の整備については、平成12年の小山市保育所整備推進懇話会答 申の「小山市における保育所整備の推進について」において、「民間にできる ものについては民間に任せていく」との考え方により、保育需要に見合った公 立及び私立保育園の定員を確保しながら、私立保育園の定員拡大を推進し、公 立保育所は地域の拠点となる保育所を一部残し、順次民営化を図ることを基本 としています。 しかし、保育需要の急増や、私立保育園における定員拡大が厳しい状況を受 け、平成18年度から幼稚園における小規模保育園の設置による定員増を図っ てきましたが、公立保育所の環境整備が進まない状況となっています。また、 国において平成18年度から制度化された「認定こども園」から新たな「こど も園」へ移行する時期とも重なっております。2 このようなことから、平成12年度策定の整備計画と現状には、既に乖離が 生じており、これらの社会情勢やこれからの保育需要の変化に対応するため、 国の施策や市の行財政状況を踏まえた、新たな計画を策定することといたしま した。 2. 計画策定の経過 (1)平成22年2月 小山市子育て支援等施策推進懇話会へ保育所整備計画策 定を諮問 ・公立の社会福祉施設の運営については、公・民の役割分担、民間活力の 観点から、民営化を検討すべきである。 (2)平成22年4月 効率的な整備計画の策定作業のため、懇話会内に「保育 所整備検討部会」を設置 ・公立保育所の役割や存在意義を踏まえながら、見直しを進めていくため には、公立保育所の方向性について、今後の保育施策のあり方や将来計 画を効率的に検討し、策定する必要性がある。 ・構成員:懇話会委員の中から、市議会2名、幼稚園連合会、私立保育園 協議会、自治会連合会、私立保育園保護者会・公立保育所保護 者会の代表委員、及び学識経験者の計8名 (3)平成22年8月・9月 老朽化の著しい公立保育所3か所の保護者及び地 域関係者等との地域懇談会を整備検討部会委員主催により開催。保護者会 対象にした建替アンケートを実施。 ・早急に建て替え等の必要な保育所について、計画策定後、早期に整備を 行う必要から保護者や地域関係者の意見等を把握する必要がある。 ・実施保育所:桑保育所、間々田保育所、間々田北保育所 (4)平成22年12月 「小山市保育所整備計画」の答申 ・入所定員については現在の保育園(所)・幼稚園の定員を限度とし、定 員枠の拡大は行わない。 ・公立・民間保育所がともに、一定の地域の子育て支援に責任を持ち、多 様な保育需要に適切かつ迅速に対応し、地域の子育て支援機能の強化を 図る。 ・厳しい財政状況の中で、保育施策や地域の子育て支援の拡充、公立保育 所の建物の老朽化等の課題に対応するため、改築等にあわせて社会福祉 法人による民間移管や統廃合を行う。
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第 2 章 保育の現状
1.保育環境をとりまく状況 近年、保育所入所を希望する方が増加し、その需要は右肩上がりに伸びてい ます。また時間外保育や病後児保育といった、特別保育に対するニーズも労働 の多様化に伴い高まってきている一方で、施設の老朽化した公立保育所での対 応が難しい中、その多くが民間保育園で実施されている状況となっております。 また、幼稚園における児童の減少問題や、幼保一体化に伴う保育制度の抜本 改正等が打ち出されるなど、外的状況も一段と難しくなってきており、更に将 来の少子化に対する再検討も必要な状況となっております。 2.人口の推移 (1)小山市の総人口と年齢別構成の推移 市の総人口は、増加傾向にあり、平成23年4月1日現在で164,670人となって います。一方で、年齢3区分別人口構成をみると、0~14歳の年少人口割合はや や減少する傾向にあります。 資料:住民基本台帳 および外国人登録 (各年4月1日現在) 資料:住民基本台帳 および外国人登録 (各年4月1日現在) 総人口の推移 160,227 160,797 161,691 162,910 163,861 164,217 164,670 158,000 160,000 162,000 164,000 166,000 H 17年 H 18年 H 19年 H 20年 H21 年 H 22年 H 23年 年齢3区分別人口構成の推移 14.9 14.8 14.6 14.6 14.5 14.4 14.3 68.8 68.4 67.9 67.4 67 66.9 15.9 16.4 17 17.5 18.1 18.6 18.8 69.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% H 17年 H 18年 H 19年 H 20年 H21年 H 22年 H 23年 65歳以 上人口 15~64 歳人口 0~14歳 人口4 出生数と出生率(人口千対)の推移 9.3 8.9 9.3 9.0 9.3 8.8 9.0 8.7 8.9 8.7 8.7 8.6 1,482 1,428 1,497 1,455 1,520 1,447 6 8 10 12 14 H 16年 H 17年 H 18年 H 19年 H 20年 H 21年 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 小山市 栃木県 小山実数 (2)出生数と出生率の推移 市の出生数は1,400人~1,500人の間で推移しています。人口千人あたりの出 生率は県平均をやや上回り、9.0を前後して推移しています。また、近年では、 母親が30~34歳での出産が多くなっています。 資料:人口動態統計 3.幼児人口の推移と人口推計 (1)年齢別幼児人口の推移 0~5歳までの幼児の人口は若干の増減がありますが、全体的には平成18年 以降ゆるやかに減少傾向となっています。 8,800 8,900 9,000 9,100 9,200 9,300 9,400 9,500 9,600 9,700 9,800 幼児人口 9,477 9,501 9,374 9,286 9,266 9,289 9,266 9,208 H 16 H 17 H 18 H 19 H 20 H 21 H 22 H 23
5 (2)子ども人口の推計 市の18歳未満の子ども人口は、平成22年から平成26年にかけて、0歳~5歳の 人口が大きく減少していくことが予想されます。 子ども人口の推計 8,863 9,036 9,127 9,173 9,227 9,529 9,522 9,585 9,634 9,628 9,857 9,762 9,805 9,735 9,692 8,500 9,000 9,500 10,000 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 (人) 0歳~5歳 6歳~11歳 12歳~17歳 ※平成17年~21年の実績人口を基にしたコーホート要因法による推計 4.保育所(園)・幼稚園の状況 (1)小山市保育所・園一覧 平成23年4月現在、公立保育所は13施設・定員965名、民間保育園は20施設・定 員1,160名となっており、年齢別入所児童数及び入所率は次の通りです。 (平成23年5月1日現在) 0 歳 1歳 2 歳 3歳 4歳 5歳 合計 定員 入所率 公立13か所 36 137 175 221 195 237 1,001 965 103.74% 民間20園 101 246 305 218 187 201 1,258 1,160 108.45% 合 計 137 383 480 439 382 438 2,259 2,125 106.31% (2)小山市内幼稚園一覧 平成 23 年 5 月 1 日現在の幼稚園数は 20 園で定員は 4,025 名となっております が、入園児童数・充足率は次の通りです。 (平成23年5月1日現在) 3歳 ※ 4歳 ※ 5歳 ※ 合計 ※ 定員 充足率% 合 計 969 22 1,057 16 1,009 28 3,035 66 4,025 75.4 ※は市外の方(再掲) (1)(2)とも詳細は資料編参照
6 0 500 1000 1500 2000 幼稚園 0 0 0 939 987 1,065 保育所・園 243 414 494 375 439 436 0歳児 1歳児 2歳児 3歳児 4歳児 5歳児 5.入所児童の推移 (1)保育定員と入所児童数の推移 保育ニーズの増大に対処するため、幼稚園(学校法人)が経営母体となる小規 模保育園開設に向けた取り組みを図り、18~20 年度で合計 7 カ所・200 人の定員 の拡大となりました。その他、社会福祉法人及び NPO により、新たな保育園が 3 園開設となった他、5 園で定員増が実現しました。その結果、全体で 450 人の保 育定員の拡大が実現し、17・18 年度頃の入所率が 125%前後と非常に高い状況で したが、平成 22 年度は入所率 117.3%に引き下がりました。 年 年 度 H 16 H 17 H18 H19 H20 H21 H 22 入所率(%) 121.4 126.7 124.0 123.6 117.9 118.7 117.3 (2)施設別年齢児童数 平成 22 年度の年齢別の施設入所状況をみると、保育所・園に関しては 1 歳児 から 5 歳児までほぼ同様の人数になっております。3 歳児では幼稚園児童の割合 が倍以上となっており、4・5歳児も同程度の割合になっています。 *幼稚園児童は平成 22 年 5 月 1 日現在、保育所・園児童は平成 22 年 10 月 1 日現在 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 定員 1,705 1,735 1,895 1,970 2,070 2,095 2,105 年度末入所数 2,070 2,198 2,349 2,434 2,441 2,486 2,470 H 16 H 17 H 18 H 19 H 20 H 21 H 22
7 6.保育所・園運営コストに関する状況 公立保育所の運営費は平成 16 年の三位一体の改革の中で、他の事業と一体化 され、地方交付金の中で取り込まれました。更に、平成 17 年度以降、小山市が 不交付団体となったため、地方交付金自体を受ける事が出来なくなりました。 施設整備費についても平成 18 年度以降、公立保育所は、国・県補助の対象か ら除かれたため、公立保育所の整備・運営は全て市の税金で賄わなければならな くなりました。 (1)施設整備コスト比較 a.施設建設費比較(実績) 保育園(所)名 建築年度 総事業(円) 定員(人) 総事業費(円) /定員(人) A保育所(公) 平成 4 年度 190,070,400 60 3,178,400 B保育所(公) 平成 9 年度 510,657,000 130 3,928,130 C保育園(私) 平成 14 年度 168,337,000 80 2,104,212 D保育園(私) 平成 14 年度 260,464,000 120 2,170,533 E保育園(私) 平成 21 年度 162,145,000 70 2,316,357 b.公立・民間建替費試算 ①公立保育所として3保育所を建替えた場合の総額 (a の表から公立保育所の定員一人当たりの建築単価 300 万円/人として計算) 桑・60名 間々田・80名 間々田北・70名 210 人(定員) × 3,000,000 円(建築単価)= 630,000,000 円 ②民間保育園として3保育所を建替えた場合の総額 (a 表から私立保育園定員一人当たりの建築単価 200 万円/人として計算) 210 人(定員) × 2,000,000 円(建築単価)= 420,000,000 円 ③国の交付金(1 施設当たり 5,000 万円)を計上する 3 施設 × 50,000,000 円 = 150,000,000 円 ④建設総額の差額 630,000,000 円-(420,000,000 円-150,000,000 円) = 360,000,000 円
8 (2)運営費コスト比較 a.公立・民間運営費比較表(平成 20 年度実績) (単位:円) 桑保育所 民間保育園ケース 運営費 87,624,862 56,418,930 国庫補助金 0 16,233,410 県費補助金 0 8,116,705 保育料 5,291,500 5,291,500 小山市負担金 82,333,362 26,777,315 間々田保育所 民間保育園ケース 運営費 89,186,475 70,146,210 国庫補助金 0 18,643,780 県費補助金 0 9,321,890 保育料 10,092,000 10,092,000 小山市負担金 79,094,475 32,088,540 間々田北保育所 民間保育園ケース 運営費 106,264,832 87,485,700 国庫補助金 0 22,859,305 県費補助金 0 11,429,652 保育料 16,939,000 16,939,000 小山市負担金 82,333,362 36,257,743 ・3公立保育所小山市負担金合計 243,761,199円 ・3保育所を民間保育園にした場合 の小山市負担金(仮) 95,123,598円 ・民設民営化した場合の市負担金の年額減少額 148,637,601円 (3)個人負担分の比較 a.建設総額に対する保育児童1人当たりの保育料負担増(平成 22 年現在定員) 360,000,000 円÷2,105 人÷20 年(起債返還年数) = 8,551円/年 (延 42,100 人) b.民設民営化した場合の園児一人当たりの減少額 148,637,601 円÷2,105 人 = ▲70,612円/年 c.保育所を民設民営化した場合 入所者一人当たり 79,163円/年の減額 が可能となる