平成
27 年度宅建試験対策法改正情報
試験範囲内における法改正情報のうち平成27 年度宅建試験対策として特に重要なものをピ ックアップしてお伝えします 宅建業法 宅地建物取引士関連の改正 (1)第二条第一項の三号の次に四号として宅地建物取引士の定義が付け加えられました。 第二条第一項四号 宅地建物取引士 第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を 受けた者をいう。 なお、この名称の変更に伴い、各条文中の「取引主任者」「取引主任者証」という表現は、 それぞれ「宅地建物取引士」「宅地建物取引士証」と改められることになります。 (2)第十五条を改め、「宅地建物取引士の業務処理の原則」について示した条文とされまし た。 第十五条 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取 引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公 正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに宅地建物取引業に関連する業務に従事 する者との連携に努めなければならない。 (3)第十五条の次に宅地建物取引士の「信用失墜行為の禁止」と「知識及び能力の維持向 上」について示した次の二つの条文が付け加えられました。 第十五条の二 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為を してはならない。 第十五条の三 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力 の維持向上に努めなければならない。(4)宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました。 五の三 暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者) (5)更新日前でも手数料を納付して宅地建物取引士証への切り替えができるよう、施行規 則第十四条の十五に「その他の事由」という文言が付け足されました。 第十四条の十五 宅地建物取引士は、宅地建物取引士証の亡失、滅失、汚損又は破損その 他の事由を理由として、その交付を受けた都道府県知事に宅地建物取引士証の再交付を申 請することができる。 3 第一項の規定による再交付を申請しようとする者は、都道府県が条例で当該再交付に係 る手数料を定めているときは、当該手数料を納めなければならない。 以上が宅地建物取引士関連の改正点となります。 その他の改正 今回の改正では他に以下のような改正も行われていますので合わせてご確認下さい。 (1)免許の基準(こういう人あるいは会社には宅建業の免許を与えませんよという基準) について定めた第五条第一項に次の二つの号が付け加えられました。 三の三 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力 団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(以下「暴力団員 等」という。) 八の二 暴力団員等がその事業活動を支配する者 (2)第三十一条の次に「従業者の教育」についての条文が付け加えられました。 第三十一条の二 宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるた め、必要な教育を行うよう努めなければならない。 以上がその他の改正点となります。
宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 46 条 5 号 消費税の免税事業者の仕入れに係る消費税の円滑かつ適正な転嫁について免税事業者につ いては、報酬告示第二から第六までの規定に準じて算出した額(課税事業者が受けることの できる報酬の額であって、宅地又は建物の売買等の媒介又は代理に係る消費税額及び地方 消費税額の合計額に相当する額(以下「消費税等相当額」という。)を含むものをいう。)に 108分の100を乗じて得た額(以下「税抜金額」という。)に、仕入れに係る消費税等 相当額をコスト上昇要因として価格に転嫁することができる。この場合、仕入れに係る消費 税等相当額は、税抜金額の0.032 倍(改正前は0.04 倍)を限度とする。 なお、当該転嫁される金額は報酬額の一部となるものであって、この金額を消費 税及び地方消費税として別途受け取るものではない。 例 消費税の免税事業者が受け取ることができる消費税抜きの報酬の上限金額が 100 万円 の場合、消費税込みの報酬の上限金額は100 万 3,200 円(従前は100 万 4,000 円)となる。 不動産取得税 (1) ・住宅用家屋及び土地の取得に関わる不動産取得税の標準税率を3%とする特例措置 ・宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2 分の 1とする特例措置 がそれぞれ平成30 年 3 月 31 日まで 3 年間延長されています。 (2) 中古住宅の課税標準の特例の築後経過年数等の要件のうち「築20 年(耐火建築物について は25 年)以内であること」という要件が削除されました。 以降、築後経過年数等の要件は「昭和57 年1月1日以降に建築されたこと」、「新耐震基準 に適合していること新耐震基準に適合していることを証明したこと」のいずれかに該当す ることとなります。 固定資産税 新築住宅について新築後 3 年間(3 階以上の中高層耐火建築物の場合は新築後 5 年間) 固定資産税の税額を 2 分の 1 に減額する特例の適用期限が平成 30 年 3 月 31 日まで延 長されました。
贈与税 (1)直系尊属から住宅取得等試験の贈与を受けた場合の非課税措置が平成 31 年 6 月 30 日 まで延長されています。 なお、平成27 年中の贈与の非課税限度額は質の高い住宅については1500 万円、一般の住 宅については1000 万円となります。 (2)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例(贈与者である父母 の年齢が60 歳未満でも相続時精算課税制度を利用することができる特例)の適用期限が平 成31 年 6 月 30 日まで延長されています。 登録免許税 ・土地の売買による所有権移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置(所有権移転登 記の税率を1.5%、信託の登記の税率を 0.3%に軽減する措置) ・住宅用家屋の所有権の登記または住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対 する登録免許税の税率の軽減措置(所有権保存登記の税率を 0.15%、所有権移転登記の税 率を0.3%、抵当権設定登記の税率を債権金額の 0.1%に軽減する措置) がそれぞれ平成29 年 3 月 31 日まで 2 年間延長されました。 所得税法 ・住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(いわゆる住宅ローン控除) ・特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る 特例 などの税額控除の適用期限が平成31 年 6 月 30 日まで(従前は平成 29 年 12 月 31 日まで) 延長されました。
建築基準法 建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、政令で定める昇降機(エレベーター)の 昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入 しないものとする。(52 条 6 項) 赤字部分が新たに追加されました。 不動産鑑定評価基準 (1)特定価格の定義が 「市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の 下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の 下において形成されるであろう市場価値とかい離することとなる場合における不動産の経 済価値を適正に表示する価格 」 へと変更されました。 (2)「収益還元法は「自用の不動産」にも賃貸を想定することにより適用できる。」 「自用の住宅地」から「自用の不動産」に変更されました。 (3)「鑑定評価方式の適用に当たっては、原則として原価方式、比較方式および収益方式の 3 方式を併用すべき」→ 「地域分析および個別分析により把握した対象不動産に係る市場の特性等を適切に反映し た複数の鑑定評価の手法を適用すべき」 と変更されました。 不当景品類及び不当表示防止法 (1)消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な表示等に対処する必要があること等の事情 があるため、措置命令等を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるとこ ろにより、報告の徴収等の権限を当該事業者の事業を所管する大臣又は金融庁長官に委任 することができることとなりました。(12 条 3 項) (2)消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、 都道府県知事が行うこととすることができることとなりました。(12 条 11 項)