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Bed side monitoring of low molecular weight heparin and its neutralization by protamine during hemodialysis Shinji Naganuma, Kazuo Takahashi, Hideki K

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透 析 会 誌 26 (8): 1403∼1408, 1993

低 分 子 ヘ パ リン血 液 透 析 時 モ ニ タ ー法

お よび プ ロ タ ミン中和 率 の検 討

長 沼

信 治

高 橋

和 雄

小 林

秀 樹

前 川

清 司

星 野

哲 史

江 良

和 雄

太 田

和 夫

東京女子医科大学 腎臓病総合医療セ ンター

key words: 低 分 子 ヘ パ リ ン, プ ロ タ ミン 中 和, ベ ッ ドサ イ ドモ ニ タ ー, 血 液 透 析, 活 性 化 凝 固 時 間 <要 旨> 低 分 子 ヘ パ リ ン (LMH) は 非 分 画 ヘ パ リ ン か ら分 離 され た 製 剤 で あ る が, そ の 歴 史 は 浅 く, ま だ 解 明 さ れ な け れ ば

な らな い 問 題 点 が い くつ か あ る. 今 後LMHが 血 液 透 析 療 法 で 広 く応 用 さ れ る に あ た っ て, bed side monitor法 の 必

要 性, プ ロ タ ミ ン中 和 法 の 確 立, 製 剤 間 の 薬 理 的 活 性 の ば らつ きな どの 問 題, さ らに 抗 凝 固 作 用 以 外 の 薬 理 作 用 の 解 明, 長 期 使 用 に お け る 安 全 性 に つ い て の 検 討 が 必 要 と思 わ れ る. 今 回 我 々 は透 析 現 場 で 汎 用 され て い る 活 性 化 凝 固 時

間 (ヘ モ ク ロ ン 法) を 改 良 してLMH monitor法 を 開 発 し, こ の 方 法 の有 用性 とLMH活 性 の プ ロ タ ミン に よ る 中 和 効

率 を 検 討 した. 新 た に 開 発 したLMH monitor法 は, 全 血Xa活 性 化 凝 固 時 間 測 定 法 (XaACT) で, in vitroお よ び 血

液 透 析 時in vivoでXaACTと 抗Xa活 性 と の 間 に 良 好 な 相 関 が 得 ら れ た. ま た, 選 択 的 にXa因 子 に 作 用 す るLMH

で は, APTT, ACT (ヘ モ ク ロ ン 法) な ど の 血 液 凝 固 時 間 が 十 分 に延 長 しな い の に 対 して, XaACTで はLMH活 性 を

敏 感 に 反 映 し, bed side monitor法 と し て 有 用 で あ る と考 え ら れ た.

プ ロ タ ミ ン は 古 くか らヘ パ リ ン 中 和 剤 と して 臨 床 的 に 用 い ら れ て き た が, LMHの 中 和 に つ い て 血 液 透 析 に お け る 報

告 は な い. プ ロ タ ミ ン はLMH活 性 の う ちAPTT, 抗 Ⅱa活 性 を 完 全 に 中 和 で き る の に 対 し,抗Xa活 性 お よ びXaACT

の 阻 害 は30∼50%に 留 ま っ た. 抗 Ⅱa活 性 と出 血 助 長 作 用, 抗Xa作 用 と抗 血 栓 作 用 の 関 係 な ど まだ 十 分 検 討 さ れ

て は い な い が, プ ロ タ ミ ン に よ り抗 Ⅱa活 性 は 完 全 に 中 和 され 血 液 凝 固 時 間 は 正 常 化 す る の でLMH使 用 後 プ ロ タ ミ

ン 中 和 を 行 え ば 臨 床 上 出血 の 心 配 は少 な い と考 え られ る.

長 沼 信 治 東 京 女 子 医 科 大 学 腎 臓 病 総 合 医 療 セ ン タ ー 〒 162 新 宿 区 河 田 町 8-1 (03-3353-8111) 〔受 付: 平 成4年12月14日, 受 理: 平 成5年5月13日 〕

Bed side

monitoring

of low molecular

weight

heparin

and

its neutralization

by protamine

during

hemodialysis

Shinji Naganuma, Kazuo Takahashi, Hideki Kobayashi, Seiji Maekawa, Tetsuji Hoshino, Kazuo Era, Kazuo

Ota

Department of Surgery, Kidney Center, Tokyo Women's Medical College

Low molecular weight heparin (LMH) is a relatively new drug, fractionated from conventional unfractionated

heparin, which has potential advantages over heparin for clinical use. Several problems should be resolved in

applying LMH in hemodialysis; the need for bed side monitoring, neutralization by protamine, differences in

pharmacological activity between products, pharmacological activities other than coagulation and long-term

safety and side effects. We have identified a new parameter of blood coagulation with LMH,

so called Xa activated

coagulation time (XaACT), which involves a modified method of determining the blood coagulation time activated

by celite and factor Xa, using hemocron method. It was found, in the present study, that XaACT had a better

correlation with anti-Xa activity than did ACT and APTT either in vitro or in vivo during hemodialysis. With regard

to changes in coagulation time during hemodialysis with LMH, ACT and APTT were not prolonged, as expected,

but anti-Xa activity and XaACT were significantly prolonged during dialysis. XaACT is thought to be a useful blood

(2)

1404  長 沼 ほ か: 低 分 子ヘ パ リンの有 効 性

coagulation parameter of LMH in hemodialysis . Protamine has the effect of neutralizing heparin , but there have been no reports to date on neutralization of LMH by protamine during hemodialysis . We studied the effect of protamine on LMH in terms of ‡]a activity, ‡]aACT, APTT and ACT. APTT and ACT were completely neutralized

, to pretreatment levels, by protamine. Otherwise ‡]aACT and ‡]a activity were inhibited 30•`50% by protamine

. We think that there is only a slight risk of bleeding in LMH neutralization by protamine because anti-‡Ua activity is completely neutralized and ACT is normalized to the pre-treatment level .

は じめに

血液 浄化 法 を安全 に行 うた めに は, 完 全 な抗血 栓材 料

を用 いた膜 や 回路 がな い現在, 抗 凝 固剤 を使 用 しな けれ

ばな らな い. 抗 凝 固剤 として は, 1943年 にKolffら の人

工 腎臓 を用 い た透 析療 法 の成 功以 来, 一貫 してヘパ リン

が使 用 され て きた. ヘ パ リンは1916年 にMacLeanに

り発見 され, その安定 した抗凝 固作 用 と安全 性, 血 管内

投与 可能 な簡便 性, さ らには プ ロタ ミン とい う特 異 的拮

抗 薬が 存在 す る こ とか ら透析 療法 の発 展 に多 大の貢 献 を

もた らした とい える. しか し, ヘパ リ ンは抗 Ⅱa作 用 が

あ るた め血液 凝 固時 間の延 長 を伴 い 出血 傾 向 が危惧 され

る. また, 近 年透 析療 法 の長期 化 と透析 対象 疾 患の 拡大

に伴 い, ヘパ リン長 期使 用 に も種 々 の臨 床上 の 問題 点が

見 出 され た. 血 小 板 機 能 の 活 性 化1)およ び 血 小 板 減 少

症2,3), 血 管 壁 のLip0protein lipaseの 遊 離 促 進 に よ る 中 性 脂 肪 分 解 作 用4), Caと の 親 和 性 に 基 づ く骨 粗 鬆 化5), 稀 で は あ る が ア ナ フ ィ ラ キ シ ー 反 応6)な ど も報 告 さ れ て い る. 以 上 の 点 か らヘ パ リ ン に代 わ る 新 し い 抗 凝 固 剤 の 登 場 が 望 ま れ て き た. そ こ で 登 場 し て き た の が 低 分 子 ヘ パ リ ン (LMH) で あ る. LMHは 非 分 画 ヘ パ リ ン か ら分 離 精 製 され る た め , 原 料, 製 造 方 法 に よ っ て, 化 学 構 造, 分 子 量, 薬 理 的 活 性 に か な りの 分 布 を も って い る. こ の よ うなLMHを 血 液 透 析 に 使 用 す る に 当 た っ て 次 の よ う な 問 題 点 が 挙 げ られ る7). 1) 抗 血 栓 作 用 の 評 価 を どの よ う に 行 うか . 2) 抗 Ⅹa作 用 と抗 血 栓 作 用 の 関 係 を明 らか に す る . 3) 最 適 の 投 与 量 や 投 与 方 法 の検 討 . 4) 治 療 効 果 の 判 定 や 血 中濃 度 の モ ニ タ リ ン グ を ど ん な検 査 に よ っ て 行 うか. 5) プ ロ タ ミ ン の 影 響 は ど う か (中和 法 の 確 立) . 6) 製 剤 間 の ば らつ き. 7) 血 小 板, 脂 質 な ど に対 す る 長 期 的 影 響 の 評 価 . 今 後LMHが 一 般 的 に使 用 さ れ る に あ た っ て は, こ の よ う な 問題 点 を解 決 し て い か な け れ ば な ら な い が, 今 回,

こ れ ら の 問 題 の う ち, まずbed side monitor法 と し て

全 血 Ⅹa活 性 化 凝 固 時 間 測 定 法 を開 発 し, 血 液 透 析 患 者 を対 象 に そ の 有 用 性 の 検 討 を 行 い, これ を 用 い て プ ロ タ ミ ン 中 和 法 の 確 立 を め ざ し検 討 した の で 報 告 す る.

対 象 と方 法

今 回 我 々 が 開 発 し た 全 血 Ⅹa活 性 化 凝 固 時 間 測 定 法

(ⅩaACT) は, 血 液 透 析 時 の 血 液 凝 固 時 間bed side

monitor法 と し て 用 い ら れ て い る ヘ モ ク ロ ン法 (ACT)

を改 良 した も の で あ る. つ ま りヘ モ ク ロ ン用 チ ュ ー ブ (セ

ラ イ ト入 り) に凝 固 因 子 Ⅹa (Sigma社, USA,0.4U/

vial) 0.04Uを100mMCaCl2 200μlで 溶 解 し た もの を

添 加 し, ク エ ン酸 (1:9容) 採 血 し た 全 血1mlを 混 合

し, ヘ モ ク ロ ン に て 凝 固 時 間 を測 定 し た.

1. in vitroに お け る 抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACTの 相 関

健 常 人 男 性5名 よ り ク エ ン 酸 採 血 し た 血 液 に, LMH

を添 加 し (0, 0.1, 0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0U/ml LMH表 示 に

よ る) in vitroに お け る 抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACTの 相 関 を

検 討 し た. 2. 血 液 透 析 時 に お け る抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACTの 相 関 慢 性 透 析 患 者28名 (持続 投 与 例13名, 単 回 投 与 例15 名) を 対 象 に, LMH使 用 血 液 透 析 時 に お け る抗 Ⅹa活 性, ⅩaACT, 活 性 化 部 分 ト ロ ン ボ プ ラ ス チ ン 時 間 (APTT), ヘ モ ク ロ ン法 (ACT) の 推 移 を比 較 した. 採 血 時 点 は, 透 析 開 始 直 前, 1, 2, 3時 間 後, 終 了 直 前 と し た. 3. プ ロタ ミ ン 中和 率 慢 性 透 析 患 者10名 を対 象 にLMH初 回20IU/kg, 持 続10IU/kg/hr投 与 に て 血 液 透 析 を 行 い, 透 析 終 了 時 に プ ロ タ ミ ン10mgを 静 注 し た. 採 血 は 透 析 開 始 直 前, 1 時 間 後, プ ロ タ ミ ン投 与 直 前 (透 析 終 了 時), 投 与10分

後, 投 与1時 間 後 に 行 い, 抗 Ⅹa活 性, ⅩaACT, APTT,

ACTの 推 移 を 同 一 患 者 に て 非 投 与 時 と比 較 した .

LMHはFragmin (キ ッセ イ薬 品 工 業, 松 本) を使 用

した.

統 計 処 理 はt検 定 に よ り有 意 差 (p<0.05) を 求 め た.

結 果

1. in vitroに お け る 抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACTの 相 関

健 常 人 の 血 液 にLMHを 添 加 し, 血 中 の 抗 Ⅹa活 性 と

ⅩaACTの 相 関 を検 討 した と こ ろ, Y=72.6X+83.9, R=

0.884, p<0.01と 有 意 の 相 関 が 得 られ た (図1) .

2. LMH使 用 血 液 透 析 時 に お け る 抗 Ⅹa活 性 と

(3)

長 沼 ほ か: 低 分子 ヘ パ リンの有 効 性  1405

図1 In vitroに お け る 抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACT の 相 関 (健 常 人). 図2 低 分 子 ヘ パ リン使 用透 析 時 に お け る抗 Ⅹa 活 性 と ⅩaACTの 相 関 (透析 患 者). 図3 低分 子 ヘ パ リ ン持 続 投 与例 に お け る血 中抗 Ⅹa活 性 の推 移. 図4 低 分 子 ヘ パ リ ン 持 続 投 与 例 に お け る

ⅩaACT, ACT, APTTの 変 化量 の比 較.

図5 低 分 子 ヘパ リン単 回投 与 例 にお け る血 中抗

Ⅹa活 性 の推 移.

図6 低 分 子 ヘ パ リ ン 単 回 投 与 例 にお け る

ⅩaACT, AGT, APTTの 変 化量 の比 較.

分LMHを 用 い て 血 液 透 析 を行 っ た際 に血 漿 中 の 抗 Ⅹa

活 性 と ⅩaACTの 相 関 を検 討 し た と こ ろ, Y=127.1X+

117.2, R=0.750, p<0.01と 有 意 の 相 関 が 得 られ た (図

2).

3. LMH持 続 お よ び単 回 投 与 血 液 透 析 時 に お け る 抗

Ⅹa活 性, ⅩaACT, APTT, ACTの 推 移

LMHを 持 続 投 与 に よ っ て使 用 し血 液 透 析 を行 っ た 際

に 抗 Ⅹa活 性, ⅩaACT, APTT, ACTを 測 定 した と こ

ろ, 血 漿 中 の 抗 Ⅹa活 性 は 時 間 と と も に 徐 々 に上 昇 し,

透 析 終 了 時 (4時 間 後) に 最 高 と な り, そ の活 性 上 昇 は

有 意 な 変 化 で あ っ た (図3). 同 時 に 測 定 し た ⅩaACT,

APTT, ACTで は, ACT, APTTの 延 長 は極 め て 軽 度

で あ った が, ⅩaACTは 透 析 開 始 前 に 比 較 し, 30秒 ∼50

秒 の 延 長 で あ っ た (図4).

LMHを 透 析 開 始 時 に 単 回 投 与 を行 っ た 場 合 に は, 血

漿 中 の 抗 Ⅹa活 性 は 投 与 直 後 を ピー ク と し て時 間 と と も

に有 意 に 低 下 し た (図5). 同 時 に 測 定 し た ⅩaACT,

(4)

1406  長 沼 ほか: 低 分 子 ヘパ リンの 有効 性 延 長 の 程 度 が 大 きか っ た (図6). 4. プ ロ タ ミ ン中 和 率 LMHを 透 析 開 始 時 に20IU/kg, 持 続 的 に10IU/kg/ hr投 与 し血 液 透 析 を行 い, 透 析 終 了 時 に プ ロ タ ミ ン10 mgを 投 与 した と こ ろ, ACTお よ びAPTTは 透 析 前 値 に 回 復 し プ ロ タ ミ ン非 投 与 群 との 間 に明 らか な 差 が 認 め られ た (図7, 8). 抗Xa活 性 お よびXaACTで は, プ ロ タ ミ ン投 与 に よ っ て30∼50%程 度 の 阻 害 に 留 ま り (図9, 10), 完 全 に は 中和 され な か っ た. 図7 プ ロ タ ミン 中 和 に よ るACTの 変 化 (P 群: プ ロ タ ミン投 与, C群: プ ロ タ ミン非 投与). 図8 プ ロタ ミン中和 に よ るAPTTの 変 化. 図9 プ ロ タ ミン 中和 に よる抗Xa活 性 の変 化. 図10 プ ロ タ ミン中 和 に よ るXaACTの 変化. 考 察 LMHは, 1976年Anderssonら に よ り分 離 さ れ た8)の ち, 基 礎 研 究 を経 て1980年 代 に な り治 験 が 始 ま り, 1985 年 よ り ヨー ロ ッパ を 中 心 に一 般 的 な 臨 床 使 用 が 開 始 さ れ, わ が 国 で は1992年 よ り保 険 認 可 が お りた まだ 新 し い 薬 剤 で あ る. LMHは 非 分 画 ヘ パ リ ン か ら 分 離 精 製 され る た め, 原 料, 製 造 方 法 に よ っ て 化 学 的 構 造, 分 子 量, 薬 理 的 活 性 お よ び 臨 床 に お け る 抗 凝 固 活 性 な ど に もか な りの 分 布 が み ら れ る た め, LMHと し て 一 括 して 評 価 し に くい 性 格 を 持 っ て い る. LMHの 薬 理 的 特 徴 と し て 抗 Ⅹa活 性, 抗 Ⅹ Ⅱa活 性 お よ び 抗 カ リク レ イ ン活 性 を残 存 す る が, 抗 Ⅱa活 性, 抗 Ⅸa活 性 お よ び 抗 Ⅹ Ⅰa活 性 は低 減 し, 選 択 的 に作 用 す る こ と が 明 らか とな っ た9). こ の こ と よ り, LMHは 非 分 画 ヘ パ リ ン と比 較 す れ ば, 抗 Ⅹa活 性 は 強 い が, お も に抗 Ⅱa活 性 の低 減 に よ りAPTT延 長 効 果 が 弱 め ら れ た結 果, 出血 助 長 作 用 が 少 な く, か つ 抗 血 栓 作 用 を も っ た薬 剤 と い え よ う. 今 回, 透 析 現 場 で 汎 用 さ れ て い る ヘ モ ク ロ ン法 を 改 良 してLMH monitor法 を検 討 し, こ の 方 法 を用 い て LMHの プ ロ タ ミ ン に よ る 中和 率 を 検 討 し た. ま ず, 基 礎 的 検 討 と して 健 常 人 の 血 液 に て 抗 Ⅹa活 性 と ⅩaACTの 相 関 を 検 討 した と こ ろ 有 意 の 相 関 が 得 ら れ, LMHのmonitor法 と して の 可 能 性 が 示 唆 され た. 次 に, LMHを 用 い て 血 液 透 析 を行 っ た 際 に 血 中 抗 Ⅹa

(5)

長 沼 ほか: 低分 子 ヘ パ リ ンの有 効性  1407 活 性 と ⅩaACTの 相 関 に つ い て検 討 し た と こ ろ有 意 の 相 関 が 得 られ る と と も に, 同 時 に 測 定 し たAPTT, ACT に比 較 して 明 ら か7凝 固 時 間 の 延 長 が 長 く, LMH使 用 透 析 時 のmonitor法 と し て ⅩaACTの 有 用 性 が 確 認 さ れ た.LMHのmonitor法 と して は す で に い くつ か の 報 告10∼12)があ るが, ヘ モ ク ロ ン を用 い てLMHのmonitor 法 につ い て検 討 した も の は 今 回 が 始 め て で あ る. 透 析 施 設 で は, Lee-White法, ヘ モ ク ロ ン法, ア ク テ ス タ ー 法 な ど各 種 の全 血 凝 固 時 間 測 定 法 で ヘ パ リ ンの 濃 度moni torを 行 っ て い るが, 既 存 の 方 法 で はLMHに よ る 延 長 の 程 度 が 軽 度 で あ りLMHのmonitor法 と して は 適 し て い な い. LMHは 従 来 の 非 分 画 ヘ パ リ ン に比 較 し て 出 血 傾 向 の 助 長 が 少 な い た め, 通 常 の 透 析 時 に は 濃 度mon itorの 必 要 性 は 少 な い と考 え られ る が, 出 血 性 病 変 を有 す る 患 者 な ど に お い て は 出 血 の 助 長 の 少 な いLMHと は い え 使 用 量 を 最 小 必 要 量 に 留 め る の が 望 ま し い と い え る. この よ う な 場 合 に は 今 回 確 立 したLMH monitor法 を用 い て 適 切 な 使 用 量 に て透 析 を行 う こ とが 望 ま し い と 考 え られ る. また 本 法 はDICに お け るLMH monitor 法 と し て も期 待 さ れ て い る13). 非 分 画 ヘ パ リ ン に対 し特 異 的 な 拮 抗 薬 と し て プ ロ タ ミ ン が あ り, 血 液 透 析 時 の 局 所 ヘ パ リ ン化 法, 出血 性 病 変 を有 す る 患 者 で の 透 析 終 了 時 の ヘ パ リ ン 中和 な ど に使 用 さ れ て い るが, 一 方, LMHの プ ロ タ ミン 中 和 に 関 し て は健 常 人14), 動 物15)な どで の 報 告 の み で, 透 析 患 者 で の 報 告 は 皆 無 で あ る. 今 回, LMHを 用 い て血 液 透 析 を行 っ た 際 に, 透 析 終 了 時 に プ ロ タ ミ ン10mgを 投 与 し てLMHに 対 す る プ ロ タ ミ ン の 中 和 作 用 に つ い て 検 討 し た. 透 析 終 了 時 に プ ロ タ ミ ン を 投 与 す る と, ACT, APTTは 透 析 前 値 に 回 復 す る の に対 し, 抗 Ⅹa活 性 お よ び ⅩaACTで は不 完 全 な 中 和 に留 ま っ た. in vitroの 報 告 で はLMHの 抗 Ⅱa 活 性 は プ ロ タ ミ ン に よ って 完 全 に 中 和 され る が, 抗 Ⅹa 活 性 に つ い て は50%程 度 しか 中 和 さ れ な い と い わ れ て い る15). 今 回 の 結 果 で も, プ ロ タ ミ ン 投 与 に よ っ てACT お よ びAPTTは ほ ぼ 完 全 に 回復 した こ と よ り, 透 析 終 了 時 に お け る プ ロ タ ミ ン投 与 に よ っ てLMHの 抗 Ⅱa 活 性 は完 全 に 中 和 され た が, 抗 Ⅹa活 性 お よ び ⅩaACT の 回 復 が 不 完 全 で あ っ た こ と よ り, 透 析 時 に お い て も LMHの プ ロ タ ミ ン に よ る 中 和 作 用 は 抗 Ⅱa活 性 に対 し て 選 択 的 で あ り, 抗 Ⅹa活 性 に 対 して は 不 完 全 で あ っ た とい え る. しか し, ヘ パ リ ン 系 の 抗 凝 固 薬 の 出血 助 長 作 用 は そ の 抗 Ⅱa活 性 に 対 す る依 存 度 が 高 く, 抗 Ⅹa活 性 と は相 関 し な い と考 え ら れ て い る た め16), LMHの 抗 Ⅱa活 性 が 完 全 に 中和 さ れ れ ば 出 血 の 助 長 は 避 け られ る と考 え られ る. し か し, 抗 Ⅹa活 性 の み な ら ば 全 く出 血 の 助 長 が な い か に つ い て は 明 確 な 報 告 は な く今 後 の 検 討 が 必 要 で あ る. またLMHは 抗 Ⅹa活 性 が 十 分 に発 揮 さ れ た 状 態 で も, APTTや トロ ン ビ ン時 間 の 著 明 な延 長 は起 こ ら ず, 抗 血 栓 効 果 を発 揮 す るLMH量 と出 血 傾 向 を 招 来 す る 量 と の 間 に は4倍 以 上 の 差 が み ら れ る と い う 報 告 が あ る17). こ の機 序 と して 内 因 系 凝 固 と外 因 系 凝 固 が 交 差 す る Ⅹa因 子 を 抑 制 す る こ と こ そ が, 血 液 凝 固 抑 制 の 要 で あ る と の 説 明 も あ る が, 投 与 量 と 出 血 傾 向 との 関 係 に つ い て も な お 一 定 した 見 解 が 得 られ て お らず, 今 後 の 検 討 が 必 要 で あ る. 結 論 1. LMH血 中 濃 度monitor法 と して の 全 血 Ⅹa活 性 化 凝 固 時 間 測 定 法 を開 発 し, 抗 Ⅹa活 性 との 間 に 良 好 な 相 関 が 得 ら れ た. ま た, APTT, ACT (ヘモ ク ロ ン法)

よ り も抗 Ⅹa活 性 を敏 感 に 反 映 し, bed side monitor法 と して 有 用 で あ る と考 え られ た.

2. LMHの 抗 Ⅱa活 性 は プ ロ タ ミン に よ り完 全 に 中

和 され た が, 抗 Ⅹa活 性 に 対 して は30∼50%の 阻 害 率 に

留 ま っ た.

文 献

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