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不断の熱意と進化

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Unique NYK

不断の熱意と進化

(2)

持続的成長をリードする重要課題(マテリアリティ)への取り組み

日本郵船グループは日常業務を通じて各ステークホルダーへの責任を果たす中で、ステークホルダーの視点と、 経営の視点から、「リスクと機会」を洗い出し、企業価値に重要な影響を及ぼす最優先テーマを3つに絞りました。 メディア 行 政 NPO・NGO 地域社会 グループ社員 株主・投資家 金融機関 お取引先 お客さま 社会・さまざまなステークホルダーへの責任 各事業部門の日常業務におけるCSR活動プログラム*2 PDCA*1サイクル 日本郵船グループのステークホルダー 社会的責任を果たしつつ、健全な成長を続けるために、 コンプライアンスやリスク管理などの「守りのCSR」ともいえる基礎体力部分の強化と、 お客さまのバリューチェーンの中で物流を担う本業を通じた「攻めのCSR」で 自らの強みを最大限に活かすことの両方をバランスよく実践しています。 *1. Plan、Do、Check、Act *2. 各事業部門が日常業務に即した具体的なCSR活動項目を設定し、1年を通したPDCAサイクルで主体的に活動を進めるもの

日本郵船グループの「攻めの

CSR

」の歴史は

20

年以上

1990

地球環境委員会設置

2001

年∼

安全・環境対策推進委員会

安全と環境に関する取り組みをより強化するため地球環境委員会 と安全推進本部の機能を併せ持つ委員会を設立し、安全・環境関連 事項の方針策定、実施のモニター、活動の推進を担う。

1992

安全推進本部設置 安全・環境活動推進体制図 2014年4月1日現在 安全・環境対策推進委員会(SEMC) 委員長[社長] 安全対策推進本部長 [海務担当役員1名] 上級環境管理責任者(ECEM [環境担当役員1名] 安全対策推進本部 (運営委員会) 事務局 [海務グループ長] [企画グループ長] 環境対策推進本部 (運営委員会) 事務局 [環境グループ長] [企画グループ長] n それ以外の主な安全・環境保全活動 1998年∼ NAV9000適用開始 独自の安全運航管理システムを導入 2005年 Save Bunker Project

高騰する燃費削減とCO2排出の削減を目的とした全社活動 2008年 環境特命プロジェクト

環境問題を経営上の最重要課題として捉えた、社長直轄の プロジェクト

(3)

環境 規制対応に遅れると ・ 事業活動停止 ・ 対応コストが増大 環境 ・ 燃料消費量削減によりコスト増加 を抑制 ・ 先進的なイメージが定着し、顧客 ロイヤルティが向上 ・ イノベーションの土壌が根付く 安全 事故を起こすと ・ 信頼失墜 ・ 物流停滞により経済活動に支障を きたす 安全 ・ 付加価値として商談に活用 ・ 評判につながり、新たなビジネス チャンスを創出(エネルギーバリュー チェーンにおけるLNG輸送や海洋 事業) 人材育成 人材が不足すると ・ 世界的に船員が不足する中、確保で きなれば競争力が低下 ・ ビジネスチャンスの逸失 人材育成 ・ 原油やLNGなど取り扱いが難しい 貨物の輸送で引き合いが増加 ・ 安全に輸送できる技術力を持った 船員の育成 ・ 人材力がそのまま他社との差別化 になる ・ 多様な能力を掛け合わせ、新たな 価値を創出 リスク チャンス

日本郵船グループの「攻めの

CSR

」の歴史は

20

年以上

今後、当社グループに期待すること 今回、「人材育成」がマテリアリティに加わりま した。人材の流動化が当たり前のグローバル社 会では、今後は、育成に加えて、優秀な人材を惹 きつける魅力的な会社づくりも必要になるで しょう。CSR活動はともすればルーティンワー クになりがちです。エネルギー情勢をはじめ、 世界のトレンドが目まぐるしく変化する中、企 業は何を将来に向けてすべきなのかを常に考 え、世の中に新たな問いかけを続ける日本郵船 でいることを期待しています。 当社グループのこれまでの マテリアリティへの取り組みについて 2008年より、部門長へのインタビューなどを通 じて、CSRの立ち上げに関与してきました。  日本郵船のすごさは、マテリアリティという 言葉が用いられる前から、自社のCSRの柱を 「環境」と「安全」と定め、それがどの部門にも違 和感なく受け止められていたことです。その後、 各部門単位でCSR推進プログラムを策定し事 業計画との連動をはかり、中期経営計画に売上 目標と並んでCSR推進を明記するなど他社に 先駆けた活動を続けてきました。 マテリアリティへの取り組みと今後の期待 TMI総合法律事務所 弁護士 北島 隆次さん P.48 P.53 P.56 Unique NYK

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数値で見る日本郵船グループの進化

環境面の進化

環境課題を成長へのチャンスに変える

リスクと機会 規制対応に遅れると 事業活動停止 対応コストが増大 先進的に取り組む日本郵船グループでは 燃料消費量削減によりコスト増加を抑制 先進的なイメージが定着し、 顧客ロイヤルティが向上 イノベーションの土壌が根付く SOx排出量

100

%

燃料を重油からLNGへ変換することにより、重油使用時と比較して SOx排出量を100%、NOx排出量を約80%、CO2排出量を約30%、 それぞれ削減できる見込みです。 最適経済運航「IBISプロジェクト」は第2ステージへ 2012年度より、当社コンテナ船隊で、最適 経済運航「IBISプロジェクト」が始まりまし た。気象・海象や本船の運航計画・運航状 態などの情報を本船側と陸上の運航担当者がリアルタイムに 共有し、最適経済運航を追求することで、航海中のCO2排出 量を削減しています。天候や寄港地の状況など航海における 環境が刻一刻と変わる中、海上ブロードバンドやSIMS導入に より、陸上での運航状況のモニタリングが強化され、船陸間で 迅速に意思決定を行うことが可能になり、確実な成果を挙げ てきました。  さらに2013年度は、IBISプロジェクトで得た知見やノウハ ウを他船種に展開し、それぞれの特性や条件に応じて減速運 航の深度化を図る「IBIS TWOプロジェクト」が始動しました。 エンジン低負荷航行と一定負荷でスピードの平準化をはかる ことを目標とし、各船種・ビジネスに合った取り組みで、燃料 節減、CO2排出量削減を実現しています。

IBIS:Innovative Bunker & Idle-time Saving SIMS:Ship Information Management System

進化し続けるCO2排出量削減への取り組み 最適経済運航の仕組み

Topics

オペレーター コミュニケーション モニタリング データ蓄積 ベストプラクティス フリート比較 各船の性能データ ・平水中性能 ・海気象による影響 過去の航海データ事例集 実海域性能解析 環境経営指標 船種 環境経営指標(g-CO2/トン・キロメートル) 2006年度 2010年度 2013年度 原油タンカー 3.40 3.11 3.03 自動車専用船 56.98 47.55 44.15 コンテナ船 14.66 11.17 10.32 船種 改善率 2006年度比 2010年度比 原油タンカー 10.9% 2.6% 自動車専用船 22.5% 7.2% コンテナ船 29.6% 7.6% 数値が減少すると、トン・キロメートル当たりのCO2排出量が改善したことになります。 Unique NYK

(5)

環境面の進化

環境課題を成長へのチャンスに変える

CO2排出原単位(2006年度比)

18.1

%

2013年度はCO2排出原単位を2006年度比18.1%削減し、前中期経 営計画目標である「2006年度比10%削減」を達成しました。 「NYKスーパーエコシップ2030」のCO2排出量

69

%

日本郵船が2030年に実現可能な環境技術を想定し、描いたコンセ プトシップ「NYKスーパーエコシップ2030」。未来の環境技術を駆使 した本船ではCO2排出量を69%削減することが可能です。 「泡」で省エネ。 「空気潤滑システム」が国内外で数々の賞を受賞 「空気潤滑システム」 とは船底に空気を送 り込むことによって 泡を発生させ、海水 との摩擦抵抗を減ら す省エネ技術です。 地球温暖化防止への取り組みが高く評価され、「2013年日経 地球環境技術賞・最優秀賞」をはじめ、数々の賞を受賞してい ます。当社グループでは2010年に外航船で世界で初めて「ブロ ア(送風機)方式」による空気潤滑システムをモジュール船2隻 に搭載し、続いて2012年7月に同じく世界初の「主機掃気バイ パス方式」を当社運航船に搭載しました。ブロア方式では平 均約6%のCO2削減が確認され、主機掃気バイパス方式では 約4% ∼ 8%のCO2削減が見込まれています。さらに、本シス テムは2014年5月竣工の自動車専用船にも搭載されており、 他船種への実用化を進めていくことにより、地球温暖化の抑 制に努めていきます。 高い評価を得る日本郵船グループの技術力 モジュール船 資源開発などで設置されるプラント向けに、半完成品の状態に組み立てられた「モ ジュール」と呼ばれる貨物を輸送する特殊重量物輸送船 主機掃気バイパス方式 主機の過給機から掃気(燃焼用空気)の一部を抜き出して船底に導き、船舶と海水の摩 擦抵抗を低減させて二酸化炭素(CO2)削減を図るシステム 2030年の船の姿を描いた 「NYKスーパーエコシップ2030」 2050年までにゼロエミッション船の開発を目指し、その中間 地点となる2030年のコンセプトシップとして「NYKスーパー エコシップ2030」を描きました。燃料電池や太陽光、風力な どの自然エネルギーを使う一方、船体の軽量化などにより、 CO2排出量69%削減を目指す未来のコンテナ船です。NYK スーパーエコシップ2030で描かれている技術のいくつかは、 すでに本船に導入・搭載され、実用化されています。 空気を船底に 送り込んでいる様子 Unique NYK

(6)

数値で見る日本郵船グループの進化

安全面の進化

日々の積み重ねが次のビジネスを作る

リスクと機会 事故を起こすと 信頼失墜 物流停滞により経済活動に支障をきたす 独自の基準で厳しく管理する日本郵船グループでは 付加価値として商談に活用 評判につながり、新たなビジネスチャンスを創出 (エネルギーバリューチェーンにおけるLNG輸送や 海洋事業) 当社所有船におけるブラックアウト復旧テスト実施率

100

%

ブラックアウト(電源喪失)が発生すると、船舶をコントロールする 機能が失われ、衝突や座礁などの重大事故に発展する恐れがあり ます。そのため当社では、所有船の発電機関連機器の健全性確認、 不具合箇所の発見および乗組員の訓練を目的として、ブラックアウ ト復旧テストを2010年から毎年実施しています。 NAV9000改善件数

3,807

1998年から当社グループ独自の安全運航管理システム「NAV9000」 を導入。自社船・用船問わず、船舶や船主、船舶管理会社に安全運 航に関する事項を開示し、遵守を求めています。 国連機関などによるソマリア社会再建活動への支援 2013年より当社は、Shell International Trading and Shipping Company Limited社の提唱に応じ、British Petroleum、Maersk Line、Stena Line、商船三井および川崎汽船とともに、ソマリア 沖、アデン湾、インド洋における海賊行為沈静化の抜本対策と して、国連開発計画(UNDP)が主導する「ソマリア社会再建プ ログラム」に協賛しています。海賊行為の社会的・経済的原因 となる貧困問題の根本的改善を目指す同プログラムへの参画 は、日本と欧州・アフリカ・中東地域を結ぶ重要な海上通商路、 および国際社会の発展に不可欠な資源・エネルギー輸送路の 安全確保に寄与することのみならず、ソマリアならびに海賊行 為に苦しむ関係諸国に対する国際貢献に繋がり、極めて重要 な国際的・社会的意義を持っています。昨年は、国連開発計画 が行う「農業・漁業を含む職業の就労推進により生活基盤を 確立し、海賊行為に代わる生活手段を提供するプログラム」を 支援しました。2年目となる今年も、具体的な就労推進プログ ラムを選択・決定し、支援していきます。

BMP:Best Management Practice

MSCHOA:Maritime Security Centre Horn of Africa 国際海上輸送路の治安・安全確保に貢献する国際的活動を支援

Topics

外部ステークホルダーからの声 ソマリア沖とインド洋沖の海賊被害は、この1年半で大幅に減 少しています。これは船社がBMPに基づく自衛を行い、連絡体 制や海賊に関する知識を深めたことによります。一方で、常に 存在するソマリア海賊の脅威に対しては、根本的な原因を特 定し、国際機関と民間企業が一体となり包括的な取り組みを 継続することが重要です。このような背景の中、2009年にEU 海軍は「軍民連絡調整プログラム」を導入し、日本郵船は現在 までに7名の船長をMSCHOAに派遣しました。このプログラ ムに貢献し続ける日本郵船とEU海軍との協力体制は他に類 をみないものであり、情報、実地経験および海賊対策の知識の 交換を通じて、相互にとって有 益なものとなっています。 VOICE Liaison Officer at European Union Naval Force

Simon Church

(7)

神戸ターミナル顧客満足度調査で「満足」と回答した率

83

%

2008年度より、神戸ターミナルを利用するほぼすべてのお客さまを 対象に満足度調査を実施しています。調査結果と今後の取り組み について各社に報告し、お客さまからいただいたご意見やご指摘は 真 に受け止め、安全の確保に向けた改善に役立てています。

安全面の進化

日々の積み重ねが次のビジネスを作る

安全推進キャンペーン参加人数

10,000

名超

毎年7月1日から2カ月間、安全運航の重要性をすべての社員が再確 認します。経営トップをはじめ関係する社員が運航船に足を運び、 安全運航の実施状況を検証するなどします。 独自の安全運航管理システム「NAV9000」 安全かつ効率的な運航は船会社の使命であり、海難事故によ る環境への悪影響、経済発展への支障は、絶対にあってはなり ません。当社グループは、お客さまの大切な荷物を預かってい る責任者であることを認識し、グループ運航全船で安全管理 の徹底を基本方針に、1998年から独自の安全運航管理システ ム「NAV9000」を導入しています。これは、自社船・用船にかか わらず、お客さまの荷物を運ぶ全ての船舶と、その船主、船舶 管理会社に対し、安全運航に関する当社統一基準を開示し、 遵守を求め、各社独自で定めていた安全基準を統一して管理 しています。  NAV9000の統一基準は国際条約で要求される規則を基盤 に、過去に発生した事故の再発防止策やお客さまからの要求 事項などが網羅されています。専任の監査員が本船や船主、船 舶管理会社オフィスを直接訪問し、基準が現場で守られてい ることを確認の上、不十分な項目があれば、「是正計画書」の 提出を求め、改善状況を確認し、必要に応じ助言を行います。  2013年度は年間約300隻の船、約30社への監査を通じて、 3,000件以上の改善を確認してきました。監査は一方的な グループ運航全船で安全管理を徹底 チェックではなく、監査される側とする側の間で綿密なコミュ ニケーションを図り、安全運航を維持・継続するための改善活 動を促進している品質マネジメントシステムであり、ISO9001 適用規格として認証されています。  この活動は、さまざまなビジネスの現場においても、当社の 船舶の安全性を確認し、関係者に安心していただく有効な手 段となっています。 NAV9000概要 ③ 監査実施 会社監査 船舶監査 オーディター (監査員) お客さま 高い安全性の説明 セールスの現場 ⑥ 結果報告 ① 監査依頼 ④ 是正要求 ② 要求の 提示・監査 ⑤ 是正 計画書 ⑦ 要求事項の 適宜見直し データベース (約1,000項目のチェックリスト)安全運航のNYK基準 Unique NYK

(8)

数値で見る日本郵船グループの進化

人材育成面の進化

個の育成に多様性を組み合わせ、競争力を向上

リスクと機会 人材が不足すると 世界的に船員が不足する中、確保できなければ競争力 が低下 ビジネスチャンスの逸失 確保・育成・活用に積極的な日本郵船グループでは 原油やLNGなど取り扱いが難しい貨物の輸送で引き 合いが増加 安全に輸送できる技術力を持った船員の育成 人材力がそのまま他社との差別化になる 多様な能力を掛け合わせ、新たな価値を創出 LNG船に初のフィリピン人船長と機関長が誕生 当社運航のLNG船で、当社では初となるフィリピン人の船長 1人と機関長1人が誕生しました。LNG船など、当社のハイリ スク船の船長や機関長職は、これまで日本人、東欧人、インド 人が務めていましたが、船員に対し国籍を問わず統一された 知識・技術要件を設定した独自プログラム「NYKマリタイムカ レッジ」に基づく育成を通じて、フィリピン人にもハイリスク 船幹部登用への道を開いてきました。  今回のLNG船でのフィリピン人船長・機関長誕生はこの取 り組みの具体的成果といえます。今後も統一要件をクリアし た優秀なフィリピン人船員を、ハイリスク船幹部として順次輩 出していく計画です。 質の高い船員育成力が評価され、新規契約が実現 タイオイル・パブリック社のプロジェクト向けに3隻目となる 大型原油タンカー TAIZAN での原油輸送を開始しました。 自国での大型タンカー船員養成を目指す同社が、当社の卓越 した船舶管理能力に加えてシンガポールの船員トレーニング センターやフィリピン商船大学などで質の高い船員育成力を 示していることに着目、長期的なパートナーとして評価したこ とにより実現しました。 育成の成果

Topics

船長メッセージ フィリピン人初のLNG船の船長になれた ことをとても誇りに思います。「NYKマリ タイムカレッジ」での研修は非常に有用か つ効率的でした。指導員や訓練施設が充 実しており、日本郵船グループが訓練を重 要視していることを感じます。今後の私の LNG船での実績は、フィリピン人船員がその役割を果たせる ことを証明することにつながると思います。フィリピン人船 員にハイリスク船幹部への道を切り開いてくれた日本郵船 に感謝します。 船長 Wilfredo A. Sales TAIZAN Unique NYK

(9)

人材育成面の進化

個の育成に多様性を組み合わせ、競争力を向上

「The Global NYK / YLK Week」の実施状況(2012年度からの累計)

371

2002年以降、日本郵船グループの世界の拠点から選抜された管理職 の社員を対象に年に1度東京本社にて集合研修を実施しています。 当社フィリピン商船大学卒業生数(第1期生∼第3期生累計)

344

当社グループの船舶職員の多くを占めるフィリピンで2007年6月に 開校しました。当社グループが日本で行ってきた船員育成の経験や 工夫が育成手法に活かされており、フィリピン海事大学統一試験で は好成績を収めるなど、カリキュラム面でも結果が出ています。 海運業初の「なでしこ銘柄」に選定 東京証券取引所と経済産業省が共同で選定する2013年度の 「なでしこ銘柄」に海運業で初めて選定されました。当社は 2001年に「総合職・一般職」といった職種区分を廃止して人 事制度を一本化するなど、男女の区別なく活躍できる制度や 環境づくりを進めています。また、仕事と家庭の両立支援を目 Management Training Programの実施

2002年度より北米・欧州で展開しているマネージャースキル 研修を、2012年度からアジアにも広げ、日本郵船のアジア拠 点から選抜された管理職社員を対象に年に1度シンガポール にて実施しています。また、2013年度は郵船ロジスティクス社 と合同開催し、英語で実施するシンガポールに加え、上海に て同プログラムの中国語(マンダリン)開催を実施。アジアで 活躍する多くの管理職のマネジメントスキル強化とともに、 個々のキャリアデベロップメントも実施しています。 育成体制のさらなる拡充 女性が働き続ける環境を整備 的とした企業内保育所「郵船チャイルドケア」の設置など、さ まざまな取り組みが評価されました。

ESGへの取り組みに関する詳細な情報については右記 URLをご覧ください。   http://www.nyk.com/csr/

(10)

北米地域

16

サイト 欧州地域

65

サイト 東アジア地域

4

サイト オセアニア地域

3

サイト 南アジア地域

17

サイト 日本

38

サイト (本社含む) 中南米地域

8

サイト 安全・環境対策推進委員会(SEMC*2本社 SEMCの委員会 船種別SEMC:コンテナ船、自動車専用船、タンカー、ドライバルカー、ハンディ、ガス船、重量貨物船、客船 事業別環境対策委員会:港湾、物流 燃費節減対策委員会 新造船搭載機器評価・推奨選定委員会 オフィス環境対策推進委員会 グループ環境経営連絡会*3 国内主要グループ会社 48

n グローバルな環境マネジメントシステム体制 NYKグループ共通の環境方針の下、世界全6極と日本で約150 サイトおよび用船を含む約800隻の運航船を対象にISO14001 環境認証を取得しています。この認証を取得する約50社の総 売上げはNYKグループ全体の売上げの約80%を占めており、 他社には見られない独自のグローバルな体制を構築していま す。またグリーン経営認証を取得している国内グループ会社 もあります。 用船 船主が備品や乗組員を手配し、安全に航行できる能力を確保した状態で貸し出す船舶 ISO14001認証 国際標準化機構が発行した環境マネジメントシステムに関する国際規格の総称 グリーン経営認証 認証機関である交通エコロジー・モビリティ財団が、グリーン経営推進マニュアルに基 づいて、エコドライブの実践、低公害車の導入など、一定のレベル以上の自主的な取り組 みを行っている輸送事業者を認証するもの グリーン経営認証取得グループ会社 日本コンテナ輸送㈱、郵船港運㈱、㈱ユニエツクス、旭運輸㈱、海洋興業㈱、横浜共立 倉庫㈱、郵船ロジテック㈱成田営業所、北洋海運㈱(2014年2月10日時点) グローバルな環境活動推進体制とマルチサイトシステム*1 *1. マルチサイトシステム 企業の各事業所を一括して 認証を取得する認証形態 *2. 安全・環境対策推進委員 会(SEMC) Safety&Environmental Management Committee 社長を委員長とし、グループ 全体の環境活動の方針の策 定やレビューを毎年実施。そ の下部組織として、船種・事 業、案件ごとの小委員会を設 置。また、世界6極に同対策 推進委員会を設置 *3. グループ環境経営連絡会 国内の主要グループ会社を 対象にした連絡会。2006年 より開始し、毎年開催。各社 の環境への取り組みについ て情報共有を図り、取り組み が評価された会社に対し報 奨を行っている ● ISO14001認証取得サイト  ● ISO14001認証取得予定サイト (2014年4月1日現在) グループ環境経営の推進 日本郵船グループ環境経営ビジョンと3つの戦略 環境リスクを管理し、環境と経済のベストバランスを目指しながら、地球環境と持続可能な社会に貢献します。 戦略 1 温暖化ガス排出削減の実践 戦略 2 地球環境保全活動による社会貢献の推進  戦略 3 グループ環境経営の強化 環境方針 (2005年3月制定) ① 企業活動が地球環境に与える影響を考慮し、必要な目的・目標を定め、これらを定期 的に見直し、継続的な改善を図ることにより、海洋・地球環境の保全に努めます。 ② 安全・環境に関する法律・規制等の遵守はもとより、積極的な自主基準の制定・運用 に努めます。 ③ 運航船隊の安全確保をはじめ、内陸・内水及び航空輸送を含む全ての輸送モード、並 びにターミナル、倉庫など海・陸・空に広がる輸送サービスの安全確保に努めます。 ④ 省資源、省エネルギー、廃棄物削減、リサイクル等に取組み、特に温室効果ガス、オ ゾン層破壊物質、有害物質等の排出を抑制・防止します。 ⑤ 船舶・航空機をはじめとする輸送機器、荷役機器、資材などの調達による環境負荷を 出来る限り小さくすることに努め、環境にやさしい技術等の採用を推進します。 ⑥ 社内広報活動・環境セミナー等を通じて、社員一人ひとりの環境意識を高め、会社の 環境方針を浸透させます。 ⑦ 社会との対話を密にし、積極的な環境情報開示、環境保全活動への助成・支援に努め ることで、広く社会に貢献します。 代表取締役社長 2001年9月1日制定 2009年4月1日改訂 CSR活動>環境活動 □ 環境経営について Unique NYK

(11)

n 環境経営指標

日本郵船は2006年から環境経営指標を算出し、船舶の運航 効率を把握しています。2013年度はCO2排出原単位を2006

年度比18.1%削減し、前中期経営計画「More Than Shipping 2013」の目標の1つであった「2013年度までに2006年度比 CO2排出原単位を最低10%削減」を達成しました。これから

も、「More Than Shipping 2018」にある「2018年度までに 2010年度比燃費効率15%改善」を達成するべく、さらなる効 率運航に取り組んでいきます。

IMO:International Maritime Organization

国際海事機関。海運・造船に関する技術的問題や法律的な問題について政府間の協力 の促進や条約の策定などを行っている国連の専門機関

n「NYK GROUP CO2 e-calculator」

お客さまから輸送中のCO2排出量に関するお問い合わせが 増加していることを受け、コンテナ船貨物と国際航空貨物の 輸送中に生じるCO2排出量を算出するシステムを日本郵船グ ループ会社の郵船ロジスティクス㈱と開発しました。  グループ各社ホームページへの公開以来、国内外の多くの ユーザーにご利用いただいています。検索ルート、排出量の 計算係数などを定期的にアップデートしており、ユーザーか らは「簡単な操作によって、海、陸、空すべての経路のCO2排 出量を算出でき、実際の輸送に近い計算値が表示されるため 助かっています」などの声が寄せられています。 n ハイブリッド過給機、世界で初めて実船に搭載 2011年5月竣工のばら積み船「SHIN KOHO」に世界で初めて 実船搭載したハイブリッド過給機船内電源供給システムは、 従来の過給機の基本機能に加え、タービンで発生した余剰な 回転力を発電に利用することも可能で、通常の航海時には ディーゼル発電機の代わりにハイブリッド過給機にて船内電 力をすべて賄うことができるため、さらなるCO2排出量削減に つながります。本システムは優れた船舶海洋工学の学問的業 績や新技術の開発を表彰する公益社団法人日本海洋工学会 の平成24年度同工学会賞(発明考案など)を受賞しました。そ の後、2013年度には、ケープサイズばら積み船2隻にも搭載し ました。すでに、本システムの自動車専用船への搭載も決定し ており、今後も環境技術の開発・導入に積極的に取り組んで いきます。 n 環境データの適正開示 当社は、信頼性の高い環境負荷データの把握と、積極的な開 示に取り組んでいます。その一つに、船舶で発生する物質が環 境へ与える環境負荷データをCSIへ開示しており、2013年に は正確なデータを提供していることを第三者認証機関LRQA より認証されました。CSIへの環境負荷データの認証は邦船 社では初めてとなります。また、気候変動問題への対応取組の 情報開示を評価するCDPの日本企業500社を対象とした調査 で、2013年は100点満点中98点を獲得し、気候変動情報開示 の先進企業としてCDLIに2年連続で選定されました。 CSI

2007年設立のスウェーデンのNPO団体Clean Shipping Projectが開発した指標で、 20項目の環境に関する質問で構成されている

LRQA:Lloyd s Register Quality Assurance Limited CDP

機関投資家の代理人として、企業に対して気候変動問題への対応取組の情報開示を 要求するプログラムを運営している

CDLI:Carbon Disclosure Leadership Index

「NYK GROUP CO2 e-calculator」画面 

環境経営指標 (IMOガイドラインに準拠)

環境負荷 (海上輸送によるCO2排出量) 事業付加価値 (海上輸送重量トン・キロメートル) CO2排出量の削減 CSR活動>環境活動 □ 環境経営について Unique NYK

(12)

n LNG燃料転換への第一歩 船舶に使用する燃料は、現在化石燃料(重油)を使用していま すが、液化天然ガス(LNG)へ燃料転換することで、重油使用 時と比較してCO2排出量を約30%、NOx排出量を約80%、SOx は100%削減することが可能と見込まれています。当社は 2011年10月に燃料グループ内に専任チームを設置し、燃料転 換に関する研究、技術開発を進めてきましたが、2013年12月、 重油とともにLNGを燃料として使用可能なDual Fuelエン ジンを搭載したLNG燃料タグボートの建造に着手することを 決定しました。LNG運搬船を除いてLNGを燃料とする船舶の 建造は、外航船・内航船を通じて日本で最初になります。当該 船舶の建造と運航を通じてさらなる知見を蓄積し、大型船へ 展開していきます。 Dual Fuelエンジン 天然ガスと重油の双方を燃料として使用できる主機。ガスモードでの運航時には環境 規制ガスの排出低減が可能となる n 船舶停泊中の陸上電力の利用 2007年11月米国ロサンゼルス港にて、電力受電装置(AMP) を搭載した当社運航船 NYK Atlas が陸上からの本格的な電 源供給を初めて成功させて以来、他の大型コンテナ船にも順 次導入しています。  これは陸上の施設から電力を受け取るための装置で、接 岸・荷役中のコンテナ船の必要電力を陸上から供給すること により、相対的に発電効率の低い船内発電機の使用を抑え て、CO2、NOx、SOx、PMなどの大気汚染物質の放出量を低 下させるものです。  2013年11月にはコンテナ型AMPがロサンゼルス港とオー クランド港のターミナルに常設され、AMPが搭載できるよう n 次世代省エネ蛍光灯「E・COOL」 日本郵船は、運航している自動車専用船に㈱オプトロムの次 世代省エネ蛍光灯「E・COOL」の利用を2012年度に開始しま した。2012年度は6隻で約1万3,000本、2013年度までに22 隻で約5万2,000本を導入しました。「E・COOL」は、液晶モニ ターなどに使われてきた冷陰極蛍光ランプを利用し、低消費 オークランド港にて陸から電源供給を 受ける NYK Apollo コンテナ型AMP 電力、長寿命、高輝度など、省エネルギーと経済性の両面で優 れた特性を持っています。既存の蛍光灯に比べて約40%の省電 力が見込まれており、自動車専用船1隻のすべての照明を 「E・COOL」に交換することで航海中のCO2排出量が最大1%程 度削減されます。今後は既存船のみならず新造船へも積極的に 「E・COOL」の導入を進める予定です。 LNGタグボート 省エネルギーへの取り組み 大気汚染防止 環境

AMP:Alternated Maritime Power

船の接岸中に船内の発電機を止めて、陸上電源から必要な電力の供給を受けること で、大気汚染物質の排出量を削減できる装置 NOx 窒素酸化物。光化学スモッグや酸性雨などの原因の一つといわれている有害物質 SOx 硫黄酸化物。大気汚染や酸性雨などの原因の一つといわれている有害物質 PM 排気微粒子。呼吸器疾患など人の健康に影響を与える原因の一つといわれている有 害物質 Unique NYK

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改造された当社運航コンテナ船が寄港した際には、その船上 にAMPを搭載して、停泊中は陸上から電力を受け取っていま す。今後は、両港への入港船全てがAMPを使用することを目 標に、改造工事や配船を検討していく予定です。 n 電子制御エンジン(NOx対応) 燃料油を燃焼させると温室効果ガスの1つであるNOxが生成 されます。IMOは、船舶から発生するNOxを低減させるため の規制を発効しており、2011年からは2次規制を始めていま す。当社は対策の一環として、NOxの発生を軽減できる電子 制御エンジンの搭載を推進しています。電子制御エンジンは、 燃料噴射と排気弁の開閉を電子制御にて最適化することで、 NOxの発生を軽減できます。2013年度は9隻の電子制御エン ジン搭載船が就航し、2014年3月末現在56隻に搭載していま す。さらにIMOの指定海域では3次規制が導入される見込み で、対応するべくEGRシステムなどの新技術の研究も進めて います。 EGRシステム 排ガスの一部をエンジン吸気に戻すことによりNOx 排出低減を図る技術 n SOx対応(low-sulfur燃料) 硫黄分を含む燃料油を燃焼させるとSOxが発生します。船舶 から発生するSOxを低減させるIMOの規制では、2012年に一 般海域での燃料油の硫黄分濃度の上限値が4.5%から3.5%と なりました。また、さらに厳しい規制が適用されている指定海 域では、2015年からは硫黄分濃度0.1%以下の燃料油の使用 が義務付けられます。当社では、これらの規制を遵守すること はもとより、就航船の搭載機器の改造や建造仕様の変更な ど、必要な対策を検討するタスクフォースを立ち上げ、安全運 航と環境保全の両立に取り組んでいます。また、当社運航船 からのSOx排出量の把握をすることで、さらなる削減に取り 組んでいきます。 200 150 250 300 350 10 11 12 13(年度) SOx、NOxの排出量 (千トン) SOx  NOx 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)開発の 「企業と生物多様性の関係性マップ」を参考に作図   は日本郵船グループの取り組み   INPUT   OUTPUT ●スーパーエコシップ (省エネ船の設計) ●ダブルハル化 (タンカー) ●電子制御エンジン 搭載 ●太陽光発電 ● MT-FAST*3 ● LNG燃料船 船を 調達する 水域への化学物質排出 大気への化学物質排出 土壌への化学物質排出 土壌への化学物質排出 大気への化学物質排出 水域への化学物質排出 エネルギー資源利用 大気への化学物質 排出 CO2、NOx、SOxなど 日本郵船 グループ 水域への化学物質・ 汚染物質排出 スズ、バラスト水など 船を 処分する 船を 運航する ●環境経営指標 ●低硫黄燃料油使用 ● SPAS*1 ● SIMS*2 ● NYK e-missions’ ● IBISプロジェクト ● IBIS TWO プロジェクト ● EGRシステム ●陸上電力の使用 ●船底空気潤滑システム ● BRIDGE*4 ●水エマルジョン燃料装置 ●船体・プロペラ清掃 ●排ガスエコノマイザー ●太陽光発電利用 ●バラスト水の適正管理 ●バラスト水処理装置*5設置 ●安全運航(NAV9000) ●ビルジシステム ●シリコン塗料(スズフリー) ●耐腐食鋼板 ●環境に配慮したヤードでの 解体(NYK標準フォーム使用) 造る リサイクル 売る エネルギー資源・ 自然資源利用 海、燃料油、潤滑油など 日本郵船グループと生物多様性の関係性マップ

*1. SPAS:Ship Performance Analyzing System *2. SIMS:Ship Information Management System *3. MT-FAST プロペラ前方に複数の翼を取り付けることで、プロペラの回転から生まれる旋回 流による損失エネルギーを回収する省エネ装置 *4. BRIDGE 最新の気象・海象予測情報を船舶へ配信するシステム *5. バラスト水処理装置 バラスト水(船舶がバランスを保つため保持する海水であり、通常荷揚港で船底 のタンクに注水し、荷積港で排出される)とともに運ばれた海洋生物を処理し、 生態系を乱すことのないようにするシステム 生物多様性の保全 Unique NYK

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n 生物多様性保全への取り組み 当社は船の調達から処分までのライフサイクル全工程が生物 多様性に影響を与える可能性があることを認識し、事業活動 と生物多様性の関係を示すマップを作成しています。これに より船舶の調達・運航・解体の各段階での生物多様性への影 響を把握しています。環境配慮技術の開発、船舶への搭載、お よび事故による環境破壊を防ぐ独自の安全運航管理システム 「NAV9000」の導入など、ハード面・ソフト面の両方から生物 多様性保全への取り組みを行っています。また当社は2009年 に「経団連生物多様性宣言」推進パートナーズ、2010年より 「生物多様性民間参画パートナーシップ」に参加しています。 これからも同宣言および行動指針に沿った事業活動を行うこ とで、生物多様性保全に努めていきます。 n バラスト水処理装置 海洋環境に影響を及ぼす水生生物の越境移動を防止するた めに、IMOにおいて、2004年にバラスト水管理条約が採択さ れました。現在、その発効に向けた各国の批准が進んでいま すが、当社では、バラスト水管理条約の発効に先駆けて、2010 年9月に自動車専用船 Emerald Leader に国土交通省の型 式承認を受けたバラスト水処理装置を当社運航船として初め て搭載しました。2014年3月末現在、46隻への搭載が完了し ており、今後も条約の批准状況に注視しながら自動車専用船 やばら積み船など、保有・管理する船舶への搭載を進めてい きます。 n シップリサイクル 船舶が解体される際の、労働災害や環境汚染を最小限にする ために、IMOにおいて2009年にシップリサイクル条約が採択 され、発効に向けた各国の批准が進んでいます。当社グループ は、当該条約で定められた、船上に存在する有害物質の量・設 置場所などを記載したリストを作成し、本船への配備を進め ています。実際の解撤にあたっては、「安定的な解撤スペース の確保」と「環境に優しい解撤実施」を基本に、IMOガイドラ インなどを考慮した独自の解撤方針を定め、環境だけではな く労働安全にも配慮した解撤ヤードを選定しています。また、 当社独自の解撤売船契約書を用い、引き渡し後はその契約に 基づいた、安全・環境への対応状況を適宜現場視察し確認し ています。 n 東北大学への研究調査協力 当社は1982年から約30年間、地球規模の温室効果気体の分 布と変動の実態を明らかにするための東北大学の研究に、 日本–オーストラリア間、および日本–北米間を往復している2 隻のコンテナ船を提供し、海上での大気採集に協力していま す。これらの観測から、北半球と南半球で温室効果ガスの濃 度に違いが見られ、濃度勾配は季節や年によって変動するこ とが明らかになりました。今後も東北大学の研究、調査に協 力を続けていきます。 2013年度海洋汚染事故 海難による漏洩 1件 機器など故障による漏洩 7件 作業手順ミスによる漏洩 3件 上記11件は、適切に報告・処理されています。 環境 外部ステークホルダーからの声 提供いただいた観測データにより研究に成果 コンテナ船は外国航路を定期的に往復するため、地球規模の 観測を展開する上できわめて優れたプラットフォームです。私 たちは日本郵船にご協力いただき、1982年から日本–オースト ラリア間および日本 –北米間を往復するコンテナ船で大気採 取を継続してきました。これらの観測によって、北半球高緯度 から南半球中緯度にかけての温室効果気体の分布と変動の実 態が見事に捉えられています。得られた観測結果を基に、温室 効果気体の放出源や吸収源に関する研究を行い、さまざまな 知見を得てきました。例えば、大気中のCO2濃度はエルニー ニョ現象や火山噴火によって経年増加率に変化が現れること が知られていますが、その原因が主に陸 上生物圏にあることを明らかにすること ができました。 TOPICS 東北大学大学院理学研究科 大気海洋変動観測研究センター 青木 周司 教授 Unique NYK

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n 海̶船舶運航での安全への取り組み 日本郵船グループでは、安全運航の確保が当社グループにお ける事業活動の基盤であると認識し、社長を委員長とする 「安全・環境対策推進委員会」を設置し海陸の関係者が一丸と なって継続的な取り組みを進めています。安全運航の現場最 前線である船舶が遠く離れた環境にある海運においては、関 係者の間で目標を確実に共有し、PDCAサイクルによる地道 な活動を持続することが最も重要であると考えています。そ のため、事故・トラブルの情報はデータベース化され、安全運 航の達成度を遅延時間で計るとともに、トラブルに内在する リスクを都度評価することで改善活動の方針を決定していま す。これら方針や対策は、文書および定期的に実施する安全 推進キャンペーンによって船に届けられ、また、NAV9000によ る監査活動により現場において確実に実行されています。 n 陸̶物流部門での安全への取り組み 郵船ロジスティクス㈱では、2012 年度の事故報告の分析を 行い、倉庫内従業員および訪問者の安全強化を2013年度の 最重要課題と位置づけました。具体的な施策として、(1)郵 船ロジスティクス(YL)標準として設定した歩行帯規格への 準拠による車両と歩行者の動線最適化、(2)ハザードマップ 作成による危険地帯の再認識の2点についての活動をワール ドワイドに展開しています。年度内の実施を目標としていま すが、期間の終了を待たず、対象拠点の過半で対応が完了し ています(2014年2月末日現在)。  直接の目的は安全確保になりますが、結果として高品質な オペレーションを実現することで、顧客ビジネスを支えてい くことにつながる重要な取り組みのひとつと考えています。 n 陸̶港湾・ターミナルでの安全への取り組み 国内の自営ターミナル(東京・横浜・神戸)とグループ会社に おいて、事故を未然に防ぐことを安全対策の基本に緊急連 絡体制の強化、事故原因の解析や情報の共有を継続的に 行っています。ターミナルからの報告や情報を基に各ターミ ナル安全担当者との合同安全推進会議を定期的に開催し て、事故防止策の共有化・標準化を進めています。安全と無 事故が最善のサービスであるという意識を持って、グループ 会社を含めた全スタッフが日頃から活動を見直し、安全への 取り組みを常に前進させることに努めています。 n 空̶航空部門での安全への取り組み 航空機運航の安全を維持するには、事故が起こる前に実施す る未然防止対策が大変重要です。そのため、日本貨物航空㈱ では、不安全事象や、それに至る前のヒヤリハット事例の収集 に力を入れています。収集された情報は、リスクマネジメント の手法に則って、根本原因の特定と、リスク評価が実施されま す。リスク評価とは、発生頻度と影響度によってリスクの大き さを判定することで、対策の検討や、対策実施後の効果確認 に使用されます。2013年度では、各事務所の投函箱や社内 イントラネットを通じて投函されたヒヤリハット事例などを 含め、約200件の事例がリスク評価され、再発防止やより大き な事象の未然防止に役立てられています。 YL標準歩行帯。線幅や色、一時停 止のフットマークなどの規格を定 め、設置ガイドラインを発行

海・陸・空での安全への取り組み 業務の相互理解を目的として実施された職場1日体験会の様子 CSR活動>安全活動 □ 海での取り組み □ 陸と空での取り組み Unique NYK

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緊急対応ネットワーク 世界中のあらゆる海域で発生する事故・トラブルに備え、世界 4拠点体制で緊急対応のためのネットワークを構築してい ます。 PLAN(計画) ACT(改善) 安全推進体制 社長を委員長とする安全・環境対策推進委員会において、毎 年、前年度の活動レビューを行い、年間目標や活動方針を決 定しています。当委員会で決定された活動方針は、船種別な どに設けられた小委員会で具体化し、安全活動として実行に 移しています。 新造船搭載機器評価・推奨選定委員会 当社においては、技術本部長を中心に新造船搭載機器評価・ 推奨選定委員会を運営し、船舶機器の評価を実施していま す。 2013年度の本委員会では、ディーゼル主機関の信頼性比 較、ディーゼル発電機の修繕コスト比較、ボイラーの構造比較 などを評価しました。  フィードバック委員会 当社においては、運航船から報告される機器の状態や、不具合 などの情報を集約し、船がより安全で効率的に運航できる方法 を日々検討しています。重要な情報については他の運航船にも 提供し、さらに改善が必要な内容については改善案をメーカー と一緒になって検討したり、新造船に新しい仕様を盛り込んだ りしています。現在は当業務をシンガポールオフィスで実施し ており、同シンガポールにある当社インハウスの船舶管理会社 と協働して、各案件に現場の目線で取り組んでいます。

当社ECDIS運用基準「NYK Standards for Navigation using ECDIS」を策定

これまで紙製の海図が世界中で利用されてきましたが、2012 年7月1日に発効したSOLAS条約の改定に伴い、ECDISの搭 載/使用が段階的に義務化されました。当社においては、安全 に寄与すべく前倒しでほとんどの船にECDISが搭載されてい ます。しかしECDISの機器の取り扱い説明書はあっても関連 する具体的な運用基準が述べられたものはあまり整備されて いなかったため、当社ではECDISの各種設定の標準値や航海 安全推進体制図 2014年4月1日現在 安全・環境対策推進委員会(SEMC) 委員長[社長] 安全対策推進本部長 [海務担当役員1名] 上級環境管理責任者(ECEM [環境担当役員1名] 安全対策推進本部 (運営委員会) 事務局 [海務グループ長] [企画グループ長] 環境対策推進本部 (運営委員会) 事務局 [環境グループ長] [企画グループ長]

お客さまサプライチェーンの一翼を担う安全運航 達成のためのPDCAサイクル

PLAN

(計画)

安全推進体制/緊急対応ネットワーク/ 新造船搭載機器評価・推奨選定委員会

ACT

(改善)

トラブルの原因究明と目標達成に向けた改善/ 津波アラートシステムの開発 欧州・アフリカ オセアニアシドニー 中南米 北米 サンパウロ ニューヨーク ロサンゼルス 香港東京 上海 シンガポール ロンドン 東アジア 南アジア 安全 n 海上における安全運航のためのPDCAサイクル Unique NYK

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に防ぐ行動、環境維持を常に心がけるようにするための活動で す。当社では2006年から、この活動を乗組員だけでなく、当社 グループのパートナーである船主や船舶管理会社にも展開し、 見過ごしがちな事故の予兆を初期の段階で発見し、事故の芽 を摘み取る「DEVIL Hunting!」活動としています。今では年 間6万件以上の報告を受けています。 DEVIL Hunting

DEVILは、Dangerous Events and Irregular Looks(不安全行動や不安全状態)の略。 重大事故に至らないように、前兆や要因などを初期の段階で排除することを目的とし た活動 ACT(改善) DO(実行) 事故対応訓練 社員の事故対応能力を高めるために、定期的に訓練を実施し ています。より現実的な訓練にするため、船の種類や船型、事 故、トラブルの内容は毎回変えて行います。また、訓練には本 船や船舶管理会社に加え、官公庁やお客さまなど多くの関係 者にも参加していただいています。2013年12月には、第四管 区海上保安本部と合同で、プロダクトタンカーでの衝突・貨物 油流出を想定した事故対応訓練を実施しました。訓練のレ ビューにも重点を置き、そこで得られた意見を基に事故対応 体制の強化を図っています。 ニアミス3000活動 ニアミス3000活動は、ハインリッヒの法則に基づき、現場であ る船上において乗組員が自らの安全意識を高め、事故を未然 術について基準を策定し、当該装置を使用したより安全な航 行達成を目的とする、当社ECDIS運用基準「NYK Standards for Navigation using ECDIS」を策定、2013年3月より各運航 船に順次配布して、現場において有効に活用されています。

ECDIS

Electronic Chart Display and Information System 電子海図情報表示装置

お客さまサプライチェーンの一翼を担う安全運航 達成のためのPDCAサイクル

DO

(実行)

安全推進キャンペーン(P.45)/事故対応訓練 ニアミス3000活動/海賊防止対策(P.44)

CHECK

(点検)

NAV9000(P.45)/遅延時間で安全を計る CHECK(点検) 遅延時間で安全を計る 日本郵船では、船舶の安全運航の達成度を計るため、事故・ト ラブルによって運航が止まった時間を指標として取り入れ、 遅延時間の ゼロ 化を目指し、海・陸一丸となって目標達成 に取り組んでいます。 2013年度ニアミス要因 (%) 0 40,000 20,000 80,000 60,000 08 09 10 11 12 13(年度) ニアミス報告件数 (件) 手順 不履行 58% 安全意識 の欠如 18% 整備不良 11% 知識不足 5% 整理整頓不足 3% 見過ごし1% 集中力欠如 1% 説明不足 2% 意志伝達不足1% 遅延時間の推移 (隻) (時間) 0 1,000 0 35 800 30 600 25 400 20 200 15 93 10 11 12 13(年度) ■ 運航隻数  1隻当たりの遅延時間(右軸) Unique NYK

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n NYKビジネスカレッジ 日本郵船グループでは、グループ社員の総合力強化を目指し た研修体系「NYKビジネスカレッジ」を充実させています。 2013年度は60種以上の研修に延べ2000名以上のグループ社 員が参加しました。加えてeラーニングには国内外合わせて 7,800名以上が参加し、CSR、環境などをテーマとした当社グ ループの取り組みについて学んでいます。  また、次世代を担う人材育成の強化を目標に、視野を広げ、 リーダーシップ、マネジメント力を育成・伸張させるため、若手 から中堅を対象とした階層別研修を実施しています。モノ運 びを通じてステークホルダーの皆さまに貢献できるグループ 社員育成のために、今後もさらに内容を充実させていきます。 n 船員教育プログラム より高いレベルでの安全・経済運航を達成するための一番の は、ハードでもシステムでもなく、それを動かす「ヒト」です。 当社では、陸上および船上での幅広い技術や高い専門性を習 得するための船員教育プログラム「NYKマリタイムカレッジ」 のもと、自社運航船に乗組む船員に要求される知識・技術の 要件を「NYK Requirements」として定め教育しています。OJT としては5隻のキャデット船による新人教育をはじめ、各船に 自社開発のe-ラーニングツール NYK-STARS を導入し、船 上でのスキルアップを図っています。また陸上においては、世 界各地の研修所およびマンニングオフィスで統一の教材・カ リキュラムを用いた講義・実習を行っています。

OJT:On the Job Training

キャデット船

各国の船員養成機関で学課を修了したキャデット(幹部候補生)の、船上訓練用設備 を備える船舶

NYK-STARS:NYK-Shipboard Training and Assessment Record System キャデット用のCadet STARSなどの目的別、自動車専用船用のPCC STARSなどの船

種別と、さまざまな種類がある マンニングオフィス 船舶管理会社支店および船員派遣代理店 独自の教育制度「NYKマリタイムカレッジ」概念図 NYK 統一基準 職位ごとに必要とされる知識・技能を定めた要項 NYK 統一基準に基づき、 効率的技能向上のための、各種訓練プログラムを整備 船上訓練 独自開発した 教育ソフトSTARSを導入 陸上訓練 各種シミュレーターを 利用した高度な訓練を実施

DADAS(Dos and Don t at Sea Program) 知識・技能の習得度合いについて、 自己確認するためのツール 人材育成

人材育成

外部ステークホルダーからの声 人材育成を通じた基盤強化に期待 SMBCサステイナビリティ評価融資において、貴社の評価を担 当させて頂いた折、最も印象に残ったのは、安全運航の実現に 優秀な船員の確保・育成を必須とする貴社の考え方でした。 貴社では独自の船員教育プログラムを提供するとともに、フィ リピンに設立した船舶管理会社支店を通じて、船員に陸上で の職域も設けることで、船員が長く働ける環境を整備していま す。こうした配慮は、優秀な船員の確保につながり、貴社の競 争優位性に資するものと判断しました。人材への取り組みは 効果が現れるまでに時間を要しますが、今後も船員などへの 配慮を通じて「人材」という競争基盤を 強化していくことを期待します。 ㈱日本総合研究所 創発戦略センター ESGアナリスト 長谷 直子さん TOPICS HR理念 「国内外グループ各社の多様な人材を、グローバルなフィールドでたゆみなく育成する」 幅広い事業分野で、さまざまな国籍を持つ日本郵船グループの社員に向けて、一人ひとりが、その持てる能力を最大限に発揮できる ようにと、HR(Human Resources)理念を2005年に定めました。次代を担う人材の育成を目指して、 1.異文化や異質な考え方に対する包容力と柔軟性 2.明確な目標を自ら設定し、周囲を引っ張っていくことができるリーダーシップ 3.専門分野に止まらず広い視野を持って全般的な管理業務もこなせるマネジメント能力 の育成に力を注いでいます。 CSR活動>ステークホルダーとともに □ グループ社員とともに Unique NYK

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n The Global NYK/ YLK Weekの実施 2002年以降、日本郵船グループの世界の拠点から選抜された 管理職の社員を対象に年に一度東京本社にて集合研修を実 施しています。また、2012年度以降は郵船ロジスティクス社と 合同開催し、日本郵船グループで働けて良かったとすべての 社員が思えるような会社であるよう、両社長との直接対話や、 より企業理念やNYKグループ・バリューなどを浸透させてい n 人権の尊重 当社グループでは、日本郵船グループ企業行動憲章に基づき、 すべての社員に平等な機会が与えられ、差別やハラスメント のない職場環境づくりに取り組んでいます。NYKグループ人 事スタンダードの各社への展開や、新入社員研修や新任チー ム長研修、海外赴任者研修、CSR研修において人権の時間を 設け、社員の意識向上にも取り組んでいます。また、人事グ ループ内のハラスメント相談窓口や、社外有識者による対応 を含めた「郵船しゃべり場」を設け、随時相談を受ける体制も 整えています。 n 女性活躍推進 当社では2001年には「総合職・一般職」といった職種区分を 廃止し、人事制度を一本化し、男女の区別なく活躍できる制 度・環境づくりを進めてきました。  仕事と家庭の両立支援として、2002年に都心で初めての企 業内保育所「郵船チャイルドケア」を設置しました。待機児童 問題の心配なく各人のキャリアプランに合わせた復職が可能 です。2008年に配偶者が国内・海外転勤の際に最長3年間休 業可能な制度を導入するほか、法定を超えた育児・介護休業、 フレックスタイム制度、短時間勤務制度など、さまざまな取り 組みを実施しています。  女性管理職比率は2007年度に10%を超えて以降順調に推 移しており、女性役員も2名就任しています。また2013年度よ り「キャリア業務室」を設置し、さまざまな推進策の検討、実 施に取り組んでいます。 n ワークライフバランスの推進 当社では仕事と私生活のバランスをとりながら、社員一人ひ とりが持てる力を最大限に発揮できるような仕組みづくりを 働きやすい職場づくり くDNA研修の役割も担って います。グローバル企業と して、社員の多様性と挑戦 する気概を尊重し、人材育 成に力を注ぎ、夢と誇りを 持って働ける日本郵船グ ループを目指しています。 進めています。ワークライフバランス推進委員会では、時間外 労働と休暇取得日数の全社/部署毎のモニタリングのほか、 残業が多い部署・社員・上長へのヒアリングや、早帰りを推奨 する館内放送、会議のスリム化などを実施しています。 ワークライフバランス推進委員会 1968年に時間外労働削減を目的に労使で設置した特別委員会を2001年に「時間の達 人委員会」と名称変更のうえ、ワークライフバランス推進に向けた取り組みを強化。さ さらに、2008年4月より労使および第三者委員としてグループ長クラスの社員数名か らなるワークライフバランス推進委員会とした n 社員の安全管理 当社グループでは、地震などの災害発生時に社員の安否を 確認し、災害時の事業継続・早期再開するための安否確認シ ステムを導入しています。あらかじめ登録された国内の居住 地や勤務地で震度 6 弱以上の地震が発生した場合、安否確 認メールが自動発信されます。メールを受信した社員は本 人や家族の安否などを報告し、その後自動集計された状況 報告が所属部署ごとに送付されます。今後も非常時に備え、 定期的な安否確認訓練を実施していきます。

The Global NYK / YLK Weekの様子

育児休業 最長で子が2歳2カ月になるまで取得可能 介護休業 通算1年間まで取得可能。休業開始日から2年以内であれば2分割が可能 育児・介護フレックスタイム・短時間勤務制度 ①フレックスタイム制度:妊娠中・小学6年までの子を育てる社員、介護 に従事する社員②最大1日2時間までの短時間勤務:小学1年までの子を 育てる社員、介護に従事する社員 配偶者転勤休業 配偶者が海外転勤の際、最長3年間まで取得可能。(国内転勤について は、2013年より3カ年限定) 郵船チャイルドケア(企業内保育所) 2002年4月開設。法定基準を上回る保育士を配置 ワーク・ライフ・バランス施策(抜粋) CSR活動>ステークホルダーとともに □ グループ社員とともに YLK: 郵船ロジスティクス Unique NYK

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5 4 3 1 2 ©ジョイセフ ©ジョイセフ ©シャンティ国際ボランティア会

社会貢献活動

CSR活動>社会貢献活動 日本郵船グループは、企業理念に基づき、自社の経営資源を活かしながら社会の課題解決に積極的に取り組んでいます。 災害被災地や途上国の支援として実施している輸送協力とグループ社員による社会貢献活動の一部をご紹介します。 社会の課題解決に向けて 社会貢献活動 基本理念・活動方針 日本郵船は、地球社会とともに生きる「良き企業市民」として主体的に社会の課題に取組み、その 活動を通してすべてのステークホルダーにとっての企業価値の向上を目指します。 活動方針 1.社員のボランティア活動の推進 2.未来の地球社会への「投資」 3.地域社会との共生 1 2自転車輸送(14年間) 輸送ルート 日本→アフガニスタン、 ガーナ、ザンビア、カンボジア • 累計で3万3,574台の自転車を無償で輸送 1ランドセル輸送(10年間) 輸送ルート 日本→アフガニスタン • 累計で12万4,997個のランドセルを無償で輸送 3 絵本輸送(10年間) 輸送ルート 日本→カンボジア、 ラオス、タイ • 累計で17万2,947冊の絵本を無償で輸送 グループ社員によるボランティア活動 東日本大震災ボランティア 2011年より当社グループ社員、役員、OB、OG総勢405名を東日本大震災被災地ボランティ アへ派遣しています。  これまでの瓦礫撤去を主としたボランティアから、2013年度はより地元に密着した街づく りやコミュニティ再構築、産業の再興などの自立支援を目的とした活動を行い、地元の人々 との作業や交流を通して、復興の現状や今後の支援について理解や考えを深めました。ま た、地域福祉を支援するための募金や、物産販売会を行うとともに、上映会や講演会の開催 など、さまざまな形での支援の機会を設けました。  今年で3年目となるボランティア活動も、復旧ボランティアから復興ボランティアへシフト してきていますが、これからも継続的に復興支援に取り組んでいきます。 TOPICS ボランティア活動風景 n 継続的な輸送 ©日本ユネスコ協会連盟 3 飲料水輸送 輸送ルート 日本→カンボジア • 飲料水約19万5千リットル(18TEU) を輸送 Unique NYK

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5 4 3 1 2 CSR活動>社会貢献活動 5東日本大震災ボランティア 輸送ルート 米国→日本 • 津波で米国に漂着した実習ボートを無償 で輸送 雑草除去ボランティア ベルギー • 自然保護区での雑草除去ボランティア コンテナ寄贈 豪州 • 20フィートコンテナを小学校に寄贈し、 NPOによって遊具に改造 児童養護施設を訪問 メキシコ • 子どもの日に児童養護施設を訪問 ターミナル見学 シンガポール • 日本人学校小学5年生総勢230名に ターミナル見学会実施 清掃活動 中国(青島) • 公園での清掃活動実施 Earth Weekの取り組み 米国、カナダ • 環境にまつわるチャリティ募金、 イベント、コンテストなど実施 子ども支援 インド • スラム街に住む子どもたちの勉強を サポート 国際協力NGOジョイセフ 再生自転車の海外譲与活動 輸送先 輪送数 ザンビア、ガーナなど4カ国 2,250台*1 *1. 2000年度以降延べ33,574台 想い出のランドセルギフト 輸送先 輪送数 アフガニスタン 1万9,068個*2 *2. 2004年度以降延べ12万4,997個 (公社)シャンティ国際ボランティア会 絵本を届ける運動 輸送先 輪送数 カンボジア、ラオス、 タイ(ミャンマー難民キャンプ) 1万4,706冊*3 *3. 2004年度以降延べ17万2,947冊 災害名・支援内容 金額* 2013年5月 四川省地震 支援金 48万8,748円 2013年11月 フィリピン台風(ハイエン)  支援金 1,284万3,598円 2014年2月 赤い羽根3.11いわて沿岸地域 応援募金 53万3,857円 * 会社寄付、グループ社員の募金を含む 外部ステークホルダーからの声 社会貢献活動から見える企業理念 輸送という事業は、モノを運ぶことを通じて、人と人とをつなげ る活動であると考えます。そこにはさまざまなステークホル ダーが関わり、ステークホルダーを第一に考えているからこそ、 今回の報告にあるような社会貢献活動に尽力されているのだ と思います。果たすべき役割として輸送という事業の効率化を 継続的に実施され、同時に、果たすことのできる役割として国 際的な支援や援助を、輸送を通じ率先して行動に移す。この結 果、文字どおり人々を支え、社会から必要とされる存在となって いるのだと思います。今後も国や人種の枠を超えた活動、さら にはコミュニティの発展につながるような報告を期待します。 TOPICS SGSジャパン㈱ 認証サービス事業部 サステナビリティ報告書保証(SRA) 主任審査員 都倉 知宏さん n 災害支援活動 n 海外グループ社員による社会貢献活動 2013年度輸送協力実績 2013年度災害支援実績 ©CIVIC FORCE 4フィリピン台風(ハイエン) 輸送ルート 日本→フィリピン • テント960張り(10TEU)を無償で輸送 • 飲料水約15万5千リットル(18TEU)を無 償で輸送 • 衣類165トン(19TEU)を無償で輸送 ※地図上のルートはイメージです。  実際の輸送経路とは異なります。 Unique NYK

参照

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