• 検索結果がありません。

ネガティブな内容の自己開示動機尺度の作成と信頼性・妥当性の検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ネガティブな内容の自己開示動機尺度の作成と信頼性・妥当性の検討"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-57 410

-ネガティブな内容の自己開示動機尺度の作成と信頼性・妥当性の検討

○塚本 亮太1)、長谷川 晃2) 1 )東海学院大学大学院人間関係学研究科、 2 )東海学院大学人間関係学部 【目的】 心理面接の中で認められるクライエントの否定的な 内容の自己開示は治療効果を規定する重要な要因であ ると考えられている。また,日常生活で行われる否定 的な内容の自己開示は心身の健康の改善を導くことが 示唆されている(Kowalski, 1999)。 先行研究において心身の健康との関連が盛んに検討 されている側面は,否定的な内容の自己開示の「頻度」 である。しかし,自己開示の「動機」も健康を規定す る重要な要因であると考えられる。つまり,自己開示 を行った結果,その動機が満たされない場合,心身の 健康を害する可能性がある。よって,自己開示が心身 の健康に与える影響を検討する際には,自己開示動機 を考慮する必要がある。 しかし,自己開示動機に関する既存の尺度には次の ような問題がある。榎本(1997)が作成した尺度は各 項目で状況を列挙し,その状況で自己開示するかを尋 ねており,自己開示動機の測定に適していない。小口 (1990)が作成した尺度は,一部の項目で異質なもの を一つの項目で扱っている。また,これらの尺度では 自 己 開 示 の 内 容 が 考 慮 さ れ て い な い。 高 橋・ 伊 藤 (2014)が作成した尺度では,自己開示の内容が考慮 されているが,項目が少ない因子があり,信頼性も低 い。以上を踏まえ本研究では,既存の尺度の問題点を 解消したネガティブな内容の自己開示動機尺度を作成 する。 【方法】 東海地方の大学に所属する大学生298名(男性97名, 女性115名,不明 1 名,平均年齢19.39歳,SD = 1.93) に以下の質問紙への回答を求めた。 1 .ネガティブな 内容の自己開示動機尺度の項目原案:以下の手順で新 たな自己開示動機尺度の項目原案を作成した。臨床心 理学を専攻する大学院生と臨床心理士の資格を持つ大 学教員が,既存の自己開示動機尺度から質問項目の抽 出を行った。その結果,118項目が抽出された。続い て,上記の 2 名によって,内容の類似度の観点から項 目の分類を行った。その結果, 1 )不快気分の解消, 2 )アドバイス,3 )援助要請,4 )親密感の増加,5 ) 良いことがあって話したい, 6 )印象操作, 7 )自分 の気持ちや考えを理解してもらう, 8 )励ましてもら う, 9 )規範性,10)その他に分類された。分類結果 をもとに,上記の 2 名が,その他を除く各カテゴリー に該当する項目を作成した。次に,作成された項目に ついて,その意味内容と,各カテゴリーに該当する項 目として妥当であるかどうかを,心理学を専門とする 大学教員 1 名と臨床心理士の有資格者 1 名,修士課程 の大学院生 8 名に確認を依頼した。10名から受けた指 摘を踏まえ,項目の修正を行い,最終的に53項目が作 成された。本尺度では,親しい同性の友人にネガティ ブな内容の自己開示を行った場面を想起させ,その相 手との親しさを評定させた。その上で,上記の項目へ の回答を求めた。 2 .改訂版再確認傾向尺度(勝谷, 2004):自分の存在価値に関わる側面について他者に 確認したい願望を尋ねる再確認願望と,他者に繰り返 し確認を求める行動を尋ねる再確認行動の全12項目か ら構成される尺度である。 3 .不快情動回避心性尺度 (福森・小川, 2005):不快情動との直面の困難さを尋 ねる10項目から構成される尺度である。 4 .親和動機 尺度(杉浦, 2000):相手から拒否されてひとりぼっ ちになることを避けようとする気持ちを尋ねる拒否不 安と,人と親密な関係を維持したいという気持ちを尋 ねる親和傾向の全18項目から構成される尺度である。 5 .自己意識尺度(菅原, 1984):自己の外的,対人 的側面に注意を向ける程度を尋ねる公的自意識の11項 目のみを用いた。 6 .援助要請スタイル尺度(永井, 2013):困難を抱えても自力での解決を試み,解決が 困難な場合に援助を求める傾向である援助要請自立 型,問題が深刻でなく,自力で解決できるようなこと でも安易に援助を求める傾向である援助要請過剰型, 問題の程度に関わらず,援助を要請しない傾向である 援助要請回避型の全12項目から構成される尺度であ る。なお,本研究は東海学院大学の倫理審査委員会の 承認を得てとり行われた。 【結果】 ネガティブな内容の自己開示動機尺度の項目原案53 項目について,天井効果と床効果が生じている項目の 確認を行い,床効果が認められた 9 項目を削除した。 続いて,残りの44項目について最尤法プロマックス回 転による因子分析を行った。固有値の変化と解釈可能 性を考慮し, 5 因子解を採用した。項目群に対して再 度因子分析を行い,いずれの因子に対しても因子負荷 量が.40未満であった項目,および,多重負荷が認め られた項目を除外した。再度同様の因子分析を行い, この分析を 2 回繰り返した結果, 5 因子35項目が抽出 された。第 1 因子(10項目)を「関係性の変容」,第 2 因子( 8 項目)を「不快な気分の解消」,第 3 因子

(2)

日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-57 411 -( 7 項目)を「アドバイスの取得」,第 4 因子( 5 項目) を「援助要請」,第 5 因子( 5 項目)を「受容的反応 の取得」と命名した。以後,作成された尺度をネガ ティブな内容の自己開示動機尺度とする。各尺度の α 係数はそれぞれ.89,.87,.82,.88,.86であった。 Table 2に各尺度間の相関係数を示した。 【考察】 因子分析の結果を基に, 5 因子35項目から成る,ネ ガティブな内容の自己開示動機尺度が作成された。ま た,各因子の内的整合性が高いことが示された。 他の尺度との関連から,ネガティブな内容の自己開 示動機尺度に含まれる下位尺度のうち,関係性の変容 を除く因子についてはある程度の妥当性が示された。 アドバイスの取得と援助要請は援助要請過剰型との正 の相関に加えて,援助要請回避型との負の相関が認め られた。アドバイスの取得と援助要請は他者からの助 言やサポートを得るという動機を反映した項目から構 成されており,その動機と一致した行動との関連が示 された。また,受容的反応の取得は相手に共感しても らうことや励ましてもらうことを求める項目から構成 されるが,再確認願望,再確認行動,親和傾向という, 関連が予想される変数と比較的強い正の相関が認めら れた。さらに,不快な気分の解消は不快情動回避心性 と比較的強い正の相関が示された。不快な気分の解消 は不快な気分から脱することを目的とする項目から構 成されており,その動機と合致する心性との関連が認 められた。一方,関係性の変容は相手との親密感を増 加させることや,良い印象を与えようとする項目から 構成されているが,親和傾向,拒否不安,公的自己意 識との相関は弱かった。因子が反映した動機と関連す る要因との関連が顕著に認められなかったため,当因 子の性質や妥当性については更なる検討が求められ る。

参照

関連したドキュメント

2 当行は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、第1四半期連結会計期間(自2022年4月1日

一般社団法人日本自動車機械器具工業会 一般社団法人日本自動車機械工具協会 一般社団法人日本自動車工業会

 第2項 動物實験 第4章 総括亜二考按 第5章 結 論

方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より

この項目の内容と「4環境の把 握」、「6コミュニケーション」等 の区分に示されている項目の

2 当会社は、会社法第427 条第1項の規定により、取 締役(業務執行取締役等で ある者を除く。)との間

87.06 原動機付きシャシ(第 87.01 項から第 87.05 項までの自動車用のものに限る。).. この項には、87.01 項から

の他当該行為 に関して消防活動上 必要な事項を消防署 長に届け出なければ な らない 。ただし 、第55条の3の 9第一項又は第55 条の3の10第一項