「胃 MALT リンパ腫における API2-MALT1 t(11;18)転座およびト
リソミー18・テトラソミー18 症例の特徴に関する研究」
へのご協力のお願い
-当院において胃 MALT リンパ腫と診断された方へ-
研究機関名 岡山済生会総合病院 責任研究者 岡山済生会総合病院 消化器内科部長 診療部長 吉岡 正雄 分担医師 岡山済生会総合病院 内科 医長 齊藤 俊介 研究主幹機関名:岡山大学病院 研究主幹機関責任研究者:岡山大学病院 総合内科 岩室 雅也 1.研究の意義と目的 胃 MALT リンパ腫はピロリ菌感染により発症するケースと API2-MALT1 t(11;18)転座を背景として 発症するケースがあり、前者は除菌療法によりリンパ腫の治癒が見込まれる一方、後者は除菌療法に は反応しにくいとされています。またリンパ腫細胞においてトリソミー18 などの染色体の数的異常 を認めることが報告されていますが、治療反応性や予後との関連は十分に解析されていません。本研 究の目的は胃 MALT リンパ腫において t(11;18)転座およびトリソミー18・テトラソミー18 症例の頻度 および臨床的特徴を明らかにすることです。 また、本研究は岡山大学病院を中心とする多施設共同研究として実施されます。 2.研究の方法 1) 研究対象:当院にて胃 MALT リンパ腫と診断され、リンパ腫細胞染色体検査が行われた患者さんを対象 とさせて頂きます。 2) 調査期間: 平成 28 年 3 月 10 日~10 月 31 日 3) 研究方法: 後ろ向き、多施設観察研究 岡山済生会総合病院電子カルテから、2005 年 1 月 1 日〜2016 年 1 月 27 日までの患者で、病理組織 学的評価により胃 MALT リンパ腫の確定診断を受けた患者、FISH 法により転座解析を行った症例 を検討します。 胃 MALT リンパ腫病変における t(11;18)転座およびトリソミー18・テトラソミー18 症例の有無、 性別、年齢、家族歴、既往歴、Wotherspoon grade および GELA (Groupe d'Etude des Lymphomes de l'Adulte)スコア(胃 MALT リンパ腫の生検分類)、病期分類(Ann Arbor 分類および Lugano 分類)、H. pylori 感染の有無、LDH 値、Hb 値、骨髄浸潤、リンパ節病変数、CT 検査での消化管病変の検出性、 PET 検査での消化管病変の検出性、IPI(international prognostic index)リスク分類、治療内容、4) 調査票等: 当院において、診断された胃 MALT リンパ腫の患者さんを対象として下記の項目について調査し ます. 病変における t(11;18)転座およびトリソミー18・テトラソミー18 症例の有無 ピロリ菌除菌に対する治療反応性 予後の関連 他の臨床的特徴(性別、年齢、臨床病期、ピロリ菌感染の有無、ピロリ菌除菌以外の治療内容) 5) 情報の保護: 調査により得られたデータを取扱う際は、被験者の秘密保護に十分配慮し、特定の個人を識別す ることができないよう対象患者に符号もしくは番号をつけます。対応表は岡山済生会総合病院で厳 重に管理し、自施設外に個人情報の持ち出しは行わないこととします。 この研究にご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい。御自身や御家族の情報が研究に使用さ れることについてご了承いただけない場合には研究対象としませんので,平成 32 年 3 月 31 日までの間に下 記の連絡先までお申出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じるこ とはありません。 <問い合わせ・連絡先> 岡山済生会総合病院 内科 住所:岡山市北区国体町 2-25 TEL:086-252-2211(代表)
「胃 MALT リンパ腫における API2-MALT1 t(11;18)転座およびト
リソミー18・テトラソミー18 症例の特徴に関する研究」
実施計画書 第 1 版
(後ろ向き観察研究)
岡山済生会総合病院
消化器内科部長 吉岡 正雄
作成日 2016 年 1 月 27 日
①研究の目的及び意義
胃 Extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue type (MALT リンパ腫) は Helicobacter pylori の感染により発症するケースと API2-MALT1 t(11;18)転座を背景として発症す るケースがあり、前者は除菌療法によりリンパ腫の治癒が見込まれる一方、後者は除菌療法には反応し にくいとされる。またリンパ腫細胞においてトリソミー18 などの染色体の数的異常を認めることが報告 されている 1)が、治療反応性や予後との関連は十分に解析されていない。本研究の目的は胃 MALT リン パ腫において t(11;18)転座およびトリソミー18・テトラソミー18 症例の頻度および臨床的特徴を明ら かにすることである。
通常診療として実施された FISH(fluorescence in situ hybridization)法により転座解析を行った胃 MALT リンパ腫症例において、t(11;18)転座およびトリソミー18・テトラソミー18 症例の有無、および 年齢・性別・病期・H. pylori 感染の有無・治療内容・予後などの臨床的特徴を解析する。 本研究を行うことにより、遺伝子異常を有する胃 MALT リンパ腫患者の疫学、予後、治療方針を明ら かにし、実臨床における検査・治療方針の決定に役立てることができる。