報道機関各位 (財)社会経済生産性本部 情報化推進国民会議(委員長 児玉幸治・(財)日本情報処理開 発協会会長)では、2001 年から「e-Japanとe-デモクラシー」を実現する電子政府・ 電子自治体のあるべき姿に関して提言を行ってきた。 「e-Japan 戦略」最終年度の2005年度も、2004年度に引き続き、「住民基本台帳ネッ トワーク(以下、住基ネット)の活用効果(コストベネフィット)」をテーマに専門委員会を 設置し調査を重ね、本日、調査結果を「住基ネットの活用で国民・行政に『年間183億円』 のベネフィット」としてとりまとめ、中島洋専門委員会委員長、前川徹専門委員会主査が高部 総務省自治行政局長を訪問し、提言を手交するとともにその実現に向けての施策の実施を求め てきた。 【調査結果と提言骨子】 住基ネットを活用することにより、従来、住民票の添付が必要とされていた手続や年金の現 況届け・恩給の申立書といった様々な行政手続が簡素化され、住民・行政双方にとり大きなベ ネフィット(削減効果)がもたらされており、その金額の試算結果は現在でもすでに183億 円/年、数年後には917億円/年(内、国民への還元は643億円/年)が見込まれる。 住基ネットの年間運用費用は140~180億円であり、現在でも運用費用はほぼ賄えてお り、構築費用391億円を加えても、数年後にはこれらを上回るベネフィットが得られる調査 結果となった。 今後、より一層の行政サービスの利便性向上と行政事務の効率化をはかるため、住基ネット を有効活用する施策として、以下の4つの具体的な施策を提言する。 【お問合せ先】 財団法人 社会経済生産性本部 情報化推進国民会議事務局 担当:藤村・阿部 TEL.03-3409-0931 FAX.03-34-6-9733
住基ネットの活用で国民・行政に「年間183億円」のベネフィット
~住民基本台帳ネットワークの更なる活用を目指して~
財団法人 社会経済生産性本部 住民基本台帳ネットワークを更に有効活用するための具体的な施策への提言 1.住所・氏名変更などはワンストップで行えるようにすること 2.国税・地方税の徴収事務や国民年金保険料の徴収に活用すること 3.住基ネットには四情報に加えて世帯に関する情報を記載すること 4.一定年齢以上の国民には「住基カード」を無料で配布すること 平成 18 年 5 月 26 日Ⅰ.住基ネット活用のベネフィット試算結果:
現状183億円/年、数年後には917億円/年
(内、国民への還元は643億円/年) Ⅰ―1 フェーズⅠ(既に実施済みの行政手続)の活用実態とベネフィット 住基ネットを活用することにより、従来,住民票の添付が必要とされていた手続や共済 年金(352 万人)の現況届けの簡略化・過誤払いの減少等国民・行政双方にとり大きなベネ フィットがもたらされている。 住基ネットの2次稼動(2003 年 8 月)以降の実績をもとに、既に実施済の行政手続をフ ェーズⅠとして、国民や行政職員の節減時間や郵送料金など数値可能なものだけを一定の 仮定のもとに試算したベネフィット結果は、183億円/年となる。 <活用されている手続と削減件数/行政職員の節減時間:年間> 活用されている手続 削減件数 節減時間 ベネフィット 1.住民票の写しの省略 335万件 84万時間 81.1億円 2.転入通知のオンライン化 417万件 70万時間 26.2億円 3.住民票の広域交付 6万8千件 5千時間 1億円 4.共済年金の現況届けの簡素化 352万人 27万時間 39.3億円 5.恩給受給者の申立書簡素化 134万人 23万時間 32.3億円 6.年金20歳到達者への通知 130万人 6万時間 3億円 7.県条例による本人確認簡素化 兵庫県他8県 6千時間 0.2億円 計 211万時間 183.1億円 フェーズⅠのベネフィット(億円) 県条例 0.2 住民票写 81.1 年金20歳到達者 3 恩給受給者 32.3 共済年金 39.3 住民票写しの省略 転入通知のオンライン化 住民票の広域交付 共済年金の現況届け簡素 化など 恩給受給者の申立書提出 の簡素化 年金20歳到達者の通知 <図1>Ⅰ―2 フェーズⅡ(数年以内に実施される行政手続)の推定適用数とベネフィット 同様に、今後数年以内に実施されるとの計画が明示されている手続の削減件数/行政職 員の節減時間(例えば、共済年金に加え厚生年金・国民年金まで現況届けの簡略化の拡大: 2006 年 10 月~)をフェーズⅡとし、試算した結果は917億円/年となり、内、国民への 還元は643億円/年となった。 <活用されている手続と削減件数/行政職員の節約時間:年間> フェーズⅡのベネフィット(億円) 住民票写 534.3 共済年金 39.3 厚生年金・ 国民年金 265.7 転入通知 26.2 広域交付 1 恩給受給者 36.5 県条例 10.7 年金20歳 到達者 3 住民票写しの省略(事務 数の拡大) 転入通知のオンライン化 住民票の広域交付 共済年金の現況届け簡素 化など 厚生年金・国民年金の簡 素化 恩給受給者の申立書提出 の簡素化 年金20歳到達者の通知 県条例による本人確認の 効率化(実施県の拡大) 活用されている手続 削減件数 節減時間 ベネフィット 1.住民票写し省略の事務数拡大 2500万件 625万時間 534.3億円 2.転入通知のオンライン化 417万件 70万時間 26.2億円 3.住民票の広域交付 6万8千件 5千時間 1億円 4.共済年金の現況届けの簡素化 352万人 27万時間 39.3億円 5.厚生年金・国民年金の簡素化 2980万人 140万時間 265.7億円 6.恩給受給者の申立書簡素化 114万人 23万時間 36.5億円 7.年金20歳到達者への通知 130万人 6万時間 3億円 8.県条例の実施県の拡大 47 都道府県と仮定 13万時間 10.7億円 計 905万時間 916.7億円 合計 917億円/年 <図 2>
Ⅰ―3 住基ネットの構築/運用費用とベネフィットとの関係 上記の通り、住基ネットのベネフィットはフェーズⅠで183億円/年、フェーズⅡで は917億円/年となり、住基ネットの運用費用(176億円:2005 年度、139億円: 2006 年度)はフェーズⅠでほぼ賄っており、フェーズⅡに到れば構築費用(391億円) までを含めた費用を大幅に上回るベネフィットが得られることになる。 住基ネットの費用とベネフィット 構築費用 運用費用 ベネフィット 2005年度 176億円 2006年度 139億円 2007年度 ※ 391億円 2008年度 ※ フェーズⅠ 183億円/年 フェーズⅡ 917億円/年 ※:現時点では推定できず