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非線形シグマ模型による核物質 利用統計を見る

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(1)

非線形シグマ模型による核物質

著者名(日)

手塚 洋一

雑誌名

東洋大学紀要. 自然科学篇

53

ページ

33-51

発行年

2009-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00002544/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

東洋大学紀要 自然科学篇 第53号:33−51(2009)

33

非線形シグマ模型による核物質

手塚洋一・

Nuclear Matter on the Nonlinear Sigma Model

Hirokazu TEzuKA

Abstract

  The extended chiral loop model has been successfully applied to the nuclear matter. The model is based on the linear sigma model with vector meson contributions and higher power chiral loop interactions, which are isospin invariant and chiral invariant except for a sigma meson linear term included in the original linear sigma modeL A nucleon mass term,scalar meson mass terms, and a sigmameson−chiral loop interaction term are added to the model, but these terms are not chirai invariant. Pion condensed nuclear matter reproduces the nuc}ear matter saturation property and the incompressibility without additionally introduced chiral symmetry breaking terms.   One of the most important members of this model is a sigma meson,which is a chiral partner of a pion. The sigma meson, however, is not confirmed experimentally, and thus the value of the sigma meson mass was treated as a parameter between 500 and 1000 MeV in previous works. To delete this uncertain sigma meson degree of freedom,the condition thatσ2十π2 is invariant under both chiral transformation and isospin rotation is applied to the linear sigma model. The model is called a nonlinear sigma mode1, because a linear sigma term is expressed by the square root of pion field squared and is expanded in infinite numbers of terms of pion fields. We apply this idea to the extended chiral loop model and discuss the nuclear matter properties. This model has three free parameters, and we can reproduce the proper minimum energy and incompressibility at the normat nuclear density by adjusting three parameters.

keywords:

        nonlinear sigma model, mean field approximation, pion condensation,         nuclear matter, saturation, incompressibility 寧東洋大学自然科学研究室 112−8606東京都文京区白山5−28−20 Natural Science Laboratory, Toyo University,28−20 Hakusan 5, Bunkyo−ku, Tokyo,112−8606, JAPAN

(3)

34

手 塚 洋 一

1 はじめに

 昨年までの計算では、Gell−Mann&L6vyの線形シグマモデル(Gell−Mann,M.1960,

Adler,S.L.1968)にベクトル中間子の寄与、核子の質量項、中間子場の質量項、高次のカ

イラルループ項、シグマ中間子とカイラルループ項との相互作用を加えた拡張されたカイ

ラルループモデル(手塚洋一2007,2008,Tezuka,H.2007,2008)を使ってシグマ中間子

凝縮状態、またはパイ中間子対凝縮状態を仮定して、核物質の飽和性や非圧縮率を再現す

ることに成功した。

 陽子数と中性子数が等しい核物質では核子のFermi運動量PF=258.15 MeV/c(正規核子

密度ρo=0.153fm−3)で核子あたりのエネルギーを最小にし、その値がEB=−16.3MeV

(M611er,P.1988)となると考えられている。またそこでの非圧縮率はK∼300MeV

(Ghosh,S.K.1995, Sahu,P.K.2000)となると考えられている。昨年の計算では(手塚洋

一2007,2008,Tezuka,H.2007)核物質のデータを、正規核子密度ρo=0.19fm−3、核

子あたりの最小エネルギーEB=−15.75 MeV、非圧縮率はκ∼200 MeVとしてあっ

たが(Blaizot,J.P.1980, Sharma,M.M.1988, Pearson,J.M.1991, Sharma,MM.1991,

Shlomo,S.1993, Umar,A.S.2007)、今年の数値計算では新しくデータが更新された。

 これまでの議論でスカラー中間子として想定されたσ粒子はいくつかの候補はあるもの

の、必ずしも実験的に確定したものではない。そのためσ中間子の質量はパラメータとし

て扱われた。線形σ模型にたいして、実在しないかもしれないσ粒子の自由度を消した非

線形σ模型が提案されている(Weinberg,S.1967,1968, Dashen,R.1969)。この論文で

はまず非線形σ模型を説明し、同じアイデアを核物質の計算にも適用することを考える。

計算はπ中間子対凝縮状態を仮定して行われた。自由なパラメータは3つであったが、そ

れだけで核物質の性質を再現することができた。

2 非線形σ模型

 カイラル変換

       U =exp(i75τ・φ)      (2.1)

を考える。ただし、75はDiracのγ行列であり、アはアイソスピン空間でのPauli行列で

あり、φはカイラル回転の角度に相当するパラメータである。Uを展開すると

σ =exp(i75τ・φ) −1+t’r…φ・;(・・…φ)2+量(・・…φ)3     ・6(…ア・φ)4+÷(i’・(・τ・φ)5+一 (2.2)

となるが、ここで

(or5)2=1 (ア・φ)2=φ2+iア・(φ×φ)=φ2 (2.3)

を使うと

σ一酬…φ一

Gφ2−・・(・・φ)φ2

(4)

       非線形シグマ模型による核物質

      +6φ4+ξ…(・・φ)φ4+……

       一・+・・’・…φφ一;φ2−・…φφ3

      暗φ4卓…φφ‘+・・…・

      A

       =COSφ十i75τ・φsinφ

とまとめられる。ただし

       φ一iip1,φ一多

とおいた。次に

      σ=A COS di

       パ

      π=Aφsinφ

と書けば

       1

      u=141(・助・・’π)

となる。Aはカイラル回転の半径に相当する定数である。当然のことながら

      σ2+π2=A2

となる。

 Lagrangian密度

        L・一儂・・(・。σ・・U・)一儂・・(・。U・。U…v) を考える。

      1

      ∂・σ=互(∂・σ+i’〉’・7’∂・π)

      ・・u・一去(・u・−i・…a.・)

であるから

となり

と書ける。故に

・w・一十(・。σ+ior・…。π)(・・σ一i・・…u・)

      1

    =ア(∂・σ∂・σ+・’∂・π・’∂・π)

      1

    一万{∂・σ∂・σ+∂・π・∂・π已・(∂…∂・π)}    ・・(・.U・・U・9・つ一芸{(∂。σ)・+(・。π)・}

L・−

P2・・(・。U∂・び)一;(・。σ)・+;(・。・)・

35

(2.4) (2.5) (2.6) (2.7) (2.8) (2.9) (2.10)

(5)

36      手塚 洋 一

となるが、これは粒子σとπの自由Lagrangian密度に相当する。

 条件(2.8)

       σ2+π2=A2

の制限がつくからσは独立量ではなく

      ・・−A・(   π21−   A2)

      π2 1

      ・=士A(1−    A2)7

となる。これを代入してLagrangian密度(2.9)は

      L・一♀T・(・。σ∂・σ・)−i(∂。σ)・+;(∂。・)・         一;{・1(−2π云4π)(1−fl)−1}2+;(a・・)・         −1(・、π)・+癒(・・∂、π)・+芸(・・∂。π)・+・一

と書き換えられる。第2項以降がいわゆるπの非線形項である。

 質量項を導入するには

      L・一一lm?A2(・−T・U)

を考える。

      1

      u一互(・+・ior・・’・)

から

      1

      Trσ=−2σ十〇

      A

となるので

       Lm−−lm#A2( σ2−2一)

      =−m募A2+m}Aσ

と変形され、第2項が線形σ項になる。さらに展開すると

      L・ 一一;m三A・{        7r22−2(1−A・)ヨ

        ー−IM?A・2[1−{・−1芸一;(xl)・一……}]

      12212(π2)2

        =−iM・π一gm・A・一……

(2.11) (2.12) (2.13)

となり第1項にπ中間子の質量項が現れる。故に非線形σ模型のLagrangian密度として

     L…L・+・。 一 12・・(・.U∂・σ・)−1・n;A・(・−T・U)

(6)

      非線形シグマ模型による核物質

       一;(・。σ)2+1(・。π)2−m}A2+m3A・        一;(・。・)・−1・:・・+,去、(…。π)・一嘉(・・)・+・一 を考える。

 このLagrangian密度から導かれるKlein−Gordon方程式は

      2σ∂μσ十2π・∂μπ=0 より

      T

       ∂μσ=一一・∂。π

      σ

となることを考慮し

       裟一;(…。π)・晶+砲豊

       一(π・∂μπ σ2)2π一m㌶

および

        ・・δ(δ£∂μ7r)一・・(π’:μπ:+・・π)        一(∂ZTt)2π+(π’鵬∂μπ)・+(π芸π)∂。π       +・(π・∂μπ  σ4)2・+∂、∂・π となり、       ・。∂・π+蝿+(∂μπ σ2)2π+(π’鵬∂μπ)・       (π・∂μπ)2       (π・∂μπ)        ∂μπ十

      π=0

      十

       σ2

      σ4 と求まる。

 Axial Vector Currentは

      ‘i’ぎ=σ∂μπ一π∂μσ

であるから、その発散は

      ∂。.7g=(∂。σ)∂μπ+σ∂。∂μπ一(∂。π)∂μσ一π∂。∂μσ       =σ∂。∂μπ一π∂。∂μσ       一・∂・∂μ・+(∂・π)29+(・・∂”・)2芸・(・・∂・∂μπ)9

であり、さらにKlein−Goldon方程式を使って

      ・.,1’9−・∂。∂・・+(∂μπ σ)2π+π’弩∂〃ππ+(π’芸π)2π

37

(2.14) (2.15) (2.16)

(7)

38

手 塚 洋 一

         一一・m;A。・一(π’∂μπ)∂。π     (2.17)

       σ

となる。

 荷電パイ中間子の崩壊π+→μ+十yμ、ゲ→μ一十尻に対するカレント

        〈Ol∂。.7gα(o)1・β㈹〉=〃。k・δ。fi f。=頑。βf。 と(2.17)を比べると

      一mそA=fπ M…

となり        A = −fπ      (2.18)

が求まる。mπ、方はそれぞれ荷電パイ中間子の質量と崩壊定数を表わす。すなわち

σ=一ノ『πCOSφ

π=一方φsinφ

(2.19) (2.20)

であり、条件(2.8)は

σ2

{π2=f3

(2・21) となる。

3 モデル

 核物質を議論するため、線形σ模型にベクトル中間子の寄与、核子およびπ中間子の質

量項を加えたLagrangian密度(これは非線形σ模型のLagrangian密度(2.14)に核子

の自由度と斥力としてのベクトル中間子の寄与を加えたものに相当する)

       乙=3bi・)・μ∂μψ一Mψψ+9πψ(σ+iγ5 rr・7r)ψ一9ωψ才μωμψ          ・;(・。σ)2+i(∂。・)2 一 iF。・F・・

         −1・・f2・・+;ん鐸・。ω・−B鐸・   (・・1)

を考える。ψは核子の場を表わし、γμ、or5はDiracのγ行列、アはアイソスピン演算子を

表わすPauli行列である。π、ωμはそれぞれ擬スカラー一アイソベクトルのπ中間子場、

ベクトルーアイソスカラーのω中間子場を表わす。質量項の係数M、Aπ、んおよび、相

互作用の結合定数gπ、gω、σ線形項の係数Bは後に核データにあわせて決められる。

 見かけ上はσ中間子の自由度も現れているが、条件(2.21)

      σ2+π2=fl

を使って、π中間子に置き換えられる。カイラルループ(σ2十π2)の高次項などがあって

も、この条件から定数になるからLagrangian密度から除いておく。また、σ中間子の質

量項を考えたとしても

        一;mZσ2−−1−9(f3一π・)一一;m絡;m…・2

(8)

       非線形シグマ模型による核物質

のように定数とπ中間子の質量項に変換されてしまうので不要である。

 Dirac方程式は

       け∂。ψ一Mψ+9。(σ+i7sT・π)ψ一9ωγμω。ψ=o

      −i∂。ψγμ一Mψ+ψ9。(σ+i7s T・π)−9ωzborμω。=o である。

 Klein−Gordon方程式は

       T

       ∂。σニー一・∂。π

       σ

を使って

         _δ      1   δ

      δL

      万一9・ψ(蒜σ+i’1’・T)ψ+S2∂・σ(万∂μσ)

         −IA。fl・π一B桔・

        一癖( π   .一一十η5τ σ)ψ+π妾π・・π+(π’妾π)2π

         一A。∫孝π+B虐

       σ

および

       δL

       1  δ

       1

     ∂・δ(∂。π)=∂・{s2(δ(∂。π)∂・σ)(∂〃σ)+i2∂μπ}

         −9。V(÷i’・’・・)ψ+π芸π∂・π+(π’妾π)2π

      一A。∫…π+B∫㌍

      σ

となるので、π中間子に対するKlein−Gordon方程式は

       (∂μπ)2

      π・∂μ∂μπ

       π・∂μπ

      )2π+

       (

      π十∂μ∂μπ

      π十

      σ2

       σ2

        σ2

       −9。di←竺助,τ)ψ一A揚π+B鐸竺

       σ       σ と求まる。

 ω中間子に対するProca方程式は

       ∂μFμレ=9ωψ7レψ一Aω嬬ωレ

となる。

 Hamiltonian密度は

  n−一・°°L+蒜)∂°ψ+∂°ψ、(∂L∂oψ)+、(蒜)∂°Ta+∂(稔)∂°W”     =ψ†α・ρψ+M{万ψ一9πψ(σ+iτ・π7s)ψ+9ω万γμωμψ      +;(b・・)・+;(▽・)2+;(…)2+;(▽・)2+IA・ff T2

     +;(・・w.)2+;(▽・。)2−〆鐸・。ω・+晒

である。

39

(3.2) (3.3) (3.4) (3.5) (3.6)

(9)

40

手 塚洋 一

3.1 ベクトルカレント

 アイソスピン空間での回転に対応するベクトルカレントの保存を確認する。ベクトルカ

レントは

       −−  T

       5μ = ψ7μ豆ψ+π×∂μπ

で定義されるから、その発散は

       ∂.5・一(∂・ψ)・・;ψ+zbor・9(∂・ψ)

       +∂μπ×∂μπ+π×∂μ∂Pπ

(3.7) (3.8)

となる。Klein−Goldon方程式を使って変形すると、∂μ∂μπに対応する項でπに比例する

項はベクトル積のため0となるから

       1_       ア

       ∂・5”=τψ{−M+9・(・+i・’π7・)−9・orpaω・}互ψ

       +三ψ:{−M+9・(・+卵・)一・幽}ψ

       +π×9。ψ(一π+ia757)ψ

      一・・ψ(i…;一〉…)o・・ψ+・・15i・’・’・…ψ

       _1

      =9・・ψ豆(π+iτ×π一π一iπ×ア)γ5ψ

       +9πψiσ75π×丁ψ

      =0

となり、確かに保存することが確認できる。

3.2 軸性ベクトルカレント

 カイラル回転に対応する軸性ベクトルカレントは

      プζ一酬・;ψ+・∂μ・一π∂μσ

となるから、その発散は

      ∂…9−(∂・ψ池・〉ψ+ψo・μo・・9(∂・ψ)        +(∂。σ)∂μπ+σ∂。∂μπ一(∂。π)∂μσ一π∂。∂μσ          一(∂・ψ池・;ψ一ψ・・〉・・(・・ψ)+・∂・∂μπ一・∂・∂μσ

である。このうち、核子に関わる部分はDirac方程式を使って

         −    ア    −  T        (∂μψ)7μγ5三『ψ一ψ75iΣ7μ(∂μψ)

         1_      T

       = 丁ψ{−M+9π(σ+iT・π75)−9ω7μωμ}75ラψ (3.9) (3・10) (3、11)

(10)

非線形シグマ模型による核物質

         _ τ1

        −iPor・亘二{−M+9・(・+iT・・or・)−9・γμ・・}ψ

         _      _       1

       =ψ獅・・ψ+ψ9・{一iσγ・7+5(・’πT+・ア’π)}ψ

となり、中間子にかかわる部分はKlein−Gordon方程式を使って

      σ∂μ∂μπ一π∂P∂μσ

      =9。15(一π+ia7sr)ψ一A。嬬σπ+蠕π

となる。故に軸性ベクトルカレントの発散は

     ∂・5ぎ一(∂・砺μ・・;ψ一函・9・・(∂・ψ)+・∂・∂・π一・∂・∂・σ

         =MW5τψ一A。鐸σπ+B嬬π

41

(3.12)

となり、核子の質量項、π中間子の質量項ならびにσの線形項がカイラル対称性を破るこ

とがわかる。

4 π中間子対凝縮状態

 時間空間一様な平均場近似を考える。

         π→〈π〉=0  π2_→〈π2>

         ωμ 一→〈ω〉 δμo

         σ=±f2一π2−→〈σ〉=土f3−<π2>

 Hamiltonian密度(3.6)は

      <n>=〈ψ†α・ρψ〉+(M−9π〈σ〉)〈ψψ〉

      +9ω〈ω〉〈万70ψ〉

      +IA・f2…〉一;ん鐸・・>2+B嬬・・〉

(4.1) (4.2) (4.3) (4.4)

と書き換えられる。平均場近似したHamiltonian密度(4.4)が<π2>に対して極小と

なることを要求すると

     鵠…一一・・㌶…・万ψ・+;A・f3+B繧妾…

      一・・2〈1σ〉<dith・+IA・f2−B嬬,.i>

      =0

       (4.5)

となる。すなわち

       (Aπ〈σ〉−Bfπ)f2=−9π〈ψψ〉      (4.6)

(11)

42       手 塚 洋 一

となり、この式から〈σ〉が決まり、<π2>が決まる。

 〈ω〉に関しては、平均場も運動方程式(3.5)に従うことを要求すると

       9ω〈i万午oψ〉=.4ω鐸〈ω〉

となるが、この式から〈ω〉が決まる。

4.1 荷電パイ中間子の崩壊

(4.7)

荷電パイ中間子の弱い相互作用による崩壊π+→μ++Up、π一→μ一+恥を考えると

〈Ol∂。.7gα(o)1・β㈹〉=k。k・δ。fi・fT=m1δ。β∫π

となる。mπは真空中でのπ中間子の質量であり、fTは荷電π中間子の崩壊定数である。

真空中で〈π〉=0を考慮し、(3.12)と比べれば

       一A。f2〈σ〉。+B∫3=f。 M}

となるので

       m}=Bff−A。∫。〈σ〉。

となる。ただし

       〈σ>0=土f.2−〈π2>0

である。

4.2 質量

 中間子場をその古典場とゆらぎを使って

     π→it  π2→<π2>+元2

    ω。→〈ω〉δ。・+oμ

     σ=土f3一π2−→〈σ〉+tt=土f.2−<π2>一〆

      一珊一〈・・〉{1−,(f.三。、〉)

       一、(    元4∫3−<π2〉)、一……}       ∼2       −4

      T        T

      =〈σ〉−2〈。〉−8〈。〉・一…”

と書き直す。ただし

      〈σ〉=±∫Z−〈π2>

である。また

      π・∂μπ

       ∂μσニー

       σ

(4.8) ︶ 

OOO4ユ

︵4

 ︵

(4.11)

(12)

       非線形シグマ模型による核物質      43

から

         ft・∂μft

  ∂μ∂=一

      ±f2−<π2>−ft2

    −一±農≒、〉{1+≦。・〉)+,(=、〉)、+一}

    一一三’誓(・+,<if.、+,…;4>、+……)

となるので

       (…)・一(1’:豊2(1+.;:、+.芸≒、+……)

である。

 Lagrangian密度(3.1)は

  ∠二=ψ的μ∂μψ一Mψψ

      ny 2

      −4

    +・・」(・・〉一,{。〉一,.1.,一・一+i?’・τ…)ψ

    一9ωth’rμ(〈ω〉δμo+cZrpa)ψ

    +;(三’漂2(・+.::、+.:≒、+……)+;(…)・−t4vPpv

    −IA・f3(<π2>+・・)+1ん嬬(・・〉・。・+。。)・

    々・・〉一,三;〉一,.三.,一・・…・)

   =ψtorμ∂μψ一Mψψ

       −2

       −4

    +・・<・>dith・一・9・」(,f。〉+,<1.、+……)ψ     +9πψ毎5τψ・元ψ     一9ω訪’rμd)μth−9ω〈ω〉万orOth

    ・;(禦2(1+.::、+.::、+一)+;(…)・−i4uPpu

    −;A・f3…〉一;繊・

    ・;ん鐸・・>2+・;・・∫穿・・〉。・+;繊…

      −i2         ny 4

    −B∫ミ・・〉+B∫3,f。〉+B∫章,.1.、+・一

となり、核子の有効質量はψψの係数から

      M*=M−gπ〈σ〉      (4.12)

と定義される。

(13)

44       手 塚 洋 一

 π中間子の有効質量は2it2の係数から

       2

       m:・一+鐸一票

となり、ω中間子の有効質量は102の係数から

      2 μ

       mt2=ん焉

子の質量mωに等しくなり

       ん焉=mZ

である。

 荷電パイ中間子崩壊の結果(4.8)を代入すると、真空でのπ中間子の質量は

       B∫ミ

      m募=、4π∫』一

       〈σ>0

      (m}+A。f。〈σ〉。)

      =A。嬬一

       <σ>0

      −A・ff一漂。一嬬

      漂。

となる。故に

       〈σ>o=−fπ

である。これを真空でのπ中間子の質量(4.13)に代入して

      m募=A。f3+B∫3=(、4π十B)f2

となる。

 また、真空中の核子の質量は

      MN=M+9π方

となる。

4.3 エネルギー

動しているエネルギーは

     E−f・FlnlF・d・

      =V{<Flψ行・▽ψ+(M−9π<σ〉)万ψ+9ω<ω>VJorOth 1 F> (4.13) (4.14)

と決まる。mt2は定数となり、核子密度に依存する変化はない。当然、真空中でのω中間

(4.15)

6 1 4

7 ’1 4

8 1 4

(4.19)

核子に対し、フェルミガス分布を仮定すると、有効質量M−gπ〈σ〉の核子が自由運

(14)

      非線形シグマ模型による核物質

       +;A・f3<π2>一;ん∫…・・>2+B∫ミ・・〉}

      −v{ゾ(書(E’・+・9・〉)

       +梱<π2>一;ん嬬・・>2+B嬬・・〉}

      −V{・(蒜・∬F・2・・+M’2dp+1・…〈・〉

       +;A・焉<π2>+B∫ミ・・〉}

となる。真空(ρB=O、ρF=0)では〈π2>=0、〈σ〉=−fπだから

       E。=一γB焉

ギー(この符号を変えたものが結合エネルギー)を求めると

      EB−E子一吻一E;翻え一MN

      =εN−M八r十εω十επ

となる。ただし

         εハ/一…Σ」(PF P2  P2+M*2dp/ρB

       一綜[是{2(曇)・+1}・+(告)・

      −1・g是+1+(PFM*)・]/・・

      1

      ん=ラ 9w〈ω〉

      ;ん鐸…〉+B嬬(・・〉+∫・)

      επ=

      ρB

である。

5 数値計算

 定数gπ、gω、 Aπ、 Aω、 B、 Mの間には

       m2

      Aw=#

       m2

      A・+B=#

      M=Mlv−9π万

45

(4.20) (4・21)

である。定数項Eoと核子の質量MNを引き、 N/V=ρBを使って核子あたりのエネル

(4.22) (4.23) (4.24) (4.25)

(15)

46

手 塚 洋

の関係が存在するから、パラメータはgπ、9w、 Aπの3つとなる。

 また中間子の平均場は(4.6)、(4.13)から

A揚〈σ〉−B嬬=−9。〈碗〉=m;2〈σ〉

が求まり、この式から〈σ〉が決まる。同じく(4.7)

9ω〈」γ゜ψ〉=、4ω∫3〈ω〉 (5.1) (5.2)

から〈ω〉が決まる。

 ただし、真空中では<σ>o=一方、〈ψψ〉=ρs=0だから

一A。f3〈σ〉−B∫ミ=−M…f。=o

(5.3)

となってしまい、π中間子の質量が0となる。すなわち、真空、もしくは低密度領域では

<π2>=0となるため(5.1)が成り立たなくなり、この条件は使えない。低核子密度領

域では<π2>=0と式(5.2)を使って求める。その場合には

〈σ〉ニーf3−〈π2>=与。

となり ルf* = M−9π∫π = ルIN

m算2=A。fl+Bβ=m}

となる。

 核物質のデータを正規核子密度ρo=O.153 fm−3(pF=259.15 MeV/c)で最小のエ

ネルギーEB=−163 MeVを持ち、そこでの非圧縮率K∼300 MeV(250∼350 MeV)

に合わせるように計算する。

Table 1

9π 9ω

Aπ K(MeV)

25.09 25.27 25.45 25.62 25.79 15.81408 15.80507 15.797234 15.783986 15.7719 一30. −30.5 −31. −31.5 −32. 316.09 308.93 302.44 293.40 285.03

 パラメータ3つでエネルギーの最小値の値、その核子密度、非圧縮率を決めることが

できた。核子密度ρB=ρo=0.153/fm3(P.=259.15MeV/c)で最小のエネルギー

EB=−16.3MeVを持ち、非圧縮率K=302.44 MeVとなる最適のパラメータセットは

Mv=938.92MeV mπ=139.60 MeV mw=781.94 MeV fπ=93.0

(16)

非線形シグマ模型による核物質

47

に対し

g7r= 25.45  gω= 15.797234  Aπ= −31.0

であり、このとき

B= 126.25  Aω= 17.675 となる。

 〈π2>>0となる解はpF≧102 MeV/cで求まる。この領域では確かに<π2>=0を

仮定したエネルギーより小さなエネルギーが求まる。Fig.1に核子あたりのエネルギーの計

算値が図示されている。実線が<π2>>0の解を持つ計算結果であり、点線が〈π2>=0

とした計算結果である。

EB(MeV)

50

40

30

20

10

0 一10 一20

Energy l Necleon

0 100   200   300   400

    PF(MeV∫c)

Fig.1核子あたりのエネルギー

 同じパラメータを使って、有効質量の計算結果がFig.2、中間子の古典場の計算結果が

Fig.3に示されている。 Fig.1と同様、実線が<π2>>0の解であり、点線が<π2>=0

を仮定した計算結果である。π中間子の古典場としては∨工/f.の値が図示されて

いる。〈π2>の存在する領域では核子の有効質量は急激に小さくなり、逆にπ中間子の

有効質量は大きくなる。これは一〈σ〉が小さくなるためであるが、このことから、線

形σモデルの場合とは異なり、〈π2>の存在する理由はm算2が0になるからではなく、

より高次の項(非線形のために出てくる項)の影響であることがわかる。

(17)

48

m★(MeV)

1000

750

500

250

手 塚 洋

Effective M ass 0 <>lfrr 1.5 t.0 0.5

 0

  0

100   200    300   400

     PF(MeWc)

  Fig.2有効質量

 Classjcal Field

100   200   300   400

     PF(MeWc)

 Fig.3中間子の古典場

(18)

非線形シグマ模型による核物質

49

6 まとめ

 非線形σ模型にベクトル中間子の寄与、核子およびπ中間子の質量項を加えたLagrangian

密度

L=ψ乞γμ∂μψ一Mψψ+9πψ(σ+i7sτ・π)ψ一9ωψ7μωμψ   +;(・。σ)2+1(a.・)2−;ぽμ

  一麺・2+;ん鐸・。・・−B鐸・

(6・1)

を使って核物質を議論した。核物質の基底状態はパリティIEの状態と考えられるので、パ

リティ負のπ中間子が単独で古典場として存在することは考えにくい。そこで、π中間子

対がスカラーとなり、古典場を作ると仮定して計算した。σ中間子の自由度は条件

σ2+π2=f3

を使って、π中間子に書き換えた。

 定数gπ、gω、 Aπ、 Aω、 B、 Mの間には

ん一

A・+B一

M=Mlv−9π fT

の関係が存在するから、パラメータはgπ、gω、、4πの3つとなり、この3つのパラメー

タでエネルギーの最小値の値、その核子密度、非圧縮率を決めることができた。核子密度

ρB=ρo=0.153/fm3(pF=259.15MeV/c)で最小のエネルギーEB=−16.3MeV

を持ち、非圧縮率K=302.44MeVとなる最適のパラメータセットは

MN=938.92 MeV mπ=139.60 MeV mw=781.94 MeV fπ=93.0

に対し

      gπ= 25.45  gω= 15.797234  /4π= −31.0 であった。

 <π2>>0となる解はp.≧102MeV/cで求まる。この領域では確かに<π2>=0

を仮定したエネルギーより小さなエネルギーが求まる。

 <π2>の存在する領域ではπ中間子の有効質量は大きくなる。これは一〈σ〉が小

さくなるためであるが、このことから、線形σモデルの場合とは異なり、<π2>の存在

する理由はm;2が0になるからではなく、非線形のために出てくるより高次の項の影響

であることがわかる。エネルギーへの寄与を個別に見てみると(Fig.4)、ω中間子の寄与

8ωは確かに斥力的に働いているが、π中間子の寄与επは核子密度の低い領域では引力

的ではなく斥力的に働いている。引力的に働くのは核子からの寄与εNである。(各項の

寄与には、核子の真空中での質量MNは引かれていない。)これは核子の有効質量

M*=M−9。〈σ〉=MN−9。 f。+9。∫Z−〈π2>

(6.2)

(19)

50

手 塚 洋 一

がπ中間子対の古典場<π2>が大きくなると共に急激に小さくなるためである。実際、

核子の正規密度での有効質量はM*=360MeVとかなり小さい値になっている。

E(MeV)

900

800

700

600

500

400

300

200

100

Energy/Necleon

0

100

      ,・7     .∴/    .”/ ジ’ン   EB eω/ 200    300   400

 PF(MeWc)

Fig.4エネルギーへの各項の寄与

参考文献

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参照

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