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Clinical Characteristics and Risk Factors for Pneumocystis Jirovecii Pneumonia during Immunosuppressive Treatment in Patients with Ulcerative Colitis: A Retrospective Study

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Academic year: 2021

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Title

Clinical Characteristics and Risk Factors for Pneumocystis

Jirovecii Pneumonia during Immunosuppressive Treatment in

Patients with Ulcerative Colitis: A Retrospective Study( 内容と

審査の要旨(Summary) )

Author(s)

小島, 健太郎

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第1154号

Issue Date

2021-03-25

Type

博士論文

Version

none

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/81563

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名 ( 本 籍 ) 小 島 健 太 郎 (岐阜県) 学 位 の 種 類 博 士(医学)

学 位 授 与 番 号 甲第 1154 号 学 位 授 与 日 付 令和 3 年 3 月 25 日

学 位 授 与 要 件 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 目 Clinical Characteristics and Risk Factors for Pneumocystis Jirovecii

Pneumonia during Immunosuppressive Treatment in Patients with Ulcerative Colitis: A Retrospective Study

審 査 委 員 (主査)教授 永井 宏樹

(副査)教授 前川 洋一 教授 吉田 和弘

論 文 内 容 の 要 旨 【緒言】

Pneumocystis jirovecii pneumonia(PJP)は,human immunodeficiency virus(HIV)感染者に発 症する代表的な日和見感染症の一つとして知られている。様々な疾患に対し多様な免疫抑制系薬剤の 治療が行われるようになった現在,PJP は HIV 感染者以外にも発症するケースが増えている。本邦に おける潰瘍性大腸炎(UC)の治療は,1990 年代までプレドニゾロン(PSL)が主体であったが,近年, 抗 TNF-α抗体製剤やチオプリン製剤,カルシニューリン阻害薬など多くの免疫抑制系薬剤が使用さ れるようになった。これまで,UC を含めた炎症性腸疾患に PJP を合併した報告はあるが,その頻度や 罹患危険因子に関する検討は十分に行われていない。本研究の目的は,UC 治療中に発症した PJP 症 例に関して case-control study を行い,その臨床的特徴を明らかにすることである。 【対象と方法】 2007 年 4 月から 2019 年 3 月までに兵庫医科大学病院にて治療を行った UC 患者 4525 例のうち,肺 に炎症性病変を合併した 81 例を後ろ向きに抽出し,このうち PJP を発症していた症例に対して case-control study を行った。PJP の診断定義は,①Pneumocystis jiroveciiを喀痰の Giemsa 染色また は Grocott 染色,または気管支肺胞洗浄液の PCR 法で検出,②血清の 1,3-β-D グルカン(β-D グ ルカン)値が 31.1pg/mL 以上,③胸部 CT 所見で両側肺野に広汎で比較的均一なすりガラス状陰影を 認める,のうちすべてを満たすものを Definite PJP,②,③を満たすものを probable PJP とした。 UC の重症度は,症状的重症度の指標である Lichtiger’s clinical activity index(LCI)を用いた。 PJP 発症数の 4 倍のサンプル数を PJP 非発症群より抽出し,control 群とした。control 群は PJP 発 症 群 と 同 時 期 に 入 院 , も し く は 受 診 し て い た UC 患 者 の 中 で , ST 合 剤 ( sulfamethoxazole / trimethoprim)の予防投与がなされていなかった男女においてマッチングを行った。リンパ球数と PJP の発症に関しては,receiver operating characteristic(ROC)曲線を用いて評価した。

【結果】 PJP を発症した症例は 9 例(9/4525:0.2%)であった。これらの症例はすべて 2007 年から 2014 年 9 月の間に発症しており,3 剤以上の免疫抑制系薬剤を投与する 50 歳以上の全症例に対し,PJP 発症 予防のため ST 合剤の投与を開始した 2014 年 10 月以降の症例においては,PJP の発症を認めなかっ た。9 例のうち 3 例が Definite PJP,6 例が probable PJP であり,2 例(22%)が PJP のため死亡し た。PJP 発症群のβ-D グルカンの中央値は 149.1pg/mL(69.5-421.5)であった。PJP 発症群は全例に PSL 治療が行われおり,併用した免疫抑制系薬剤の数は PSL を含めた 3 剤が 5 例と最多で,2 剤併用

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が 2 例,PSL 単剤が 2 例であった。免疫抑制系薬剤開始時における LCI の中央値は 13 点(8〜17)で あったが,PJP 発症時には 2 点(1〜8)と減少しており,UC の活動性は有意に低下していた(P= 0.016)。免疫抑制系薬剤開始から PJP 発症までの中央値は 83 日であった。PJP 発症群(9 例)と PJP 非発症群(36 例)を比較すると,PJP 発症群では有意に年齢が高く(中央値 56 歳 vs.39 歳,P=0.022), UC 治療中における最低リンパ球数は PJP 発症群において有意に低かった(中央値 405.9/μL vs. 808.5/μL,P<0.001)。PJP 発症における最低リンパ球数に関して ROC 曲線を作成すると,ROC 曲線 下面積:0.86(95%CI:0.74-0.99),リンパ球数のカットオフ値:570.2/μL,感度:81%,特異度: 89%であった。PSL の累積投与量(中央値 2360mg vs.1778mg,P=0.128)と投与期間(中央値 59 日 vs.78 日,P=0.643)に関しては,両群間で有意差を認めなかった。免疫抑制系薬剤の併用数は,PJP 発症群で有意に 3 剤併用の症例が多かった(55.6% vs.8.3%,P=0.004)。 【考察】 当院において,3 剤以上の免疫抑制系薬剤を投与する 50 歳以上の UC 患者に ST 合剤の予防内服を 必須として以降,新たな PJP の発症例は認めておらず,同剤の投与は PJP を予防する上で重要な選択 肢であると考えられた。また今回の検討において,PJP は免疫抑制系薬剤の治療が開始され UC の疾 患活動性が低下し,同剤の減量調整を行う比較的遅い時期(中央値 83 日)に発症していることが明 らかになった。PJP による肺胞損傷の本態は,Pneumocystis jiroveciiに対する過剰な免疫応答によ るものとされており,UC の活動性低下とともに免疫抑制系薬剤を減量することが免疫応答の活性化 を誘発し,結果的に肺胞障害を引き起こしている可能性が考えられた。今回の case-control study において,UC 患者における PJP 発症のリスク因子として高齢,免疫抑制系薬剤治療中のリンパ球数 の減少,免疫抑制系薬剤の 3 剤併用療法が挙げられた。今回得られた PJP 発症における最低リンパ球 数の cut-off 値(570.2/μL)の感度(81%)および特異度(89%)は高く,同指標を年齢や薬剤治療 歴と合わせて評価することが,PJP 発症高リスク群の拾い上げに有用である可能性が示唆された。 【結論】 当院において,免疫抑制系薬剤治療中に PJP を発症した UC 患者は 0.2%であったが,ひとたび発 症すると死亡率は 22%と高値であった。特に PJP 発症のリスク因子である高齢,免疫抑制系薬剤治 療中のリンパ球数の減少,免疫抑制系薬剤 3 剤併用の条件を満たす UC 患者においては,PJP の発症 を予防するために,免疫抑制系薬剤治療の開始早期から積極的に ST 合剤の予防内服を検討する必要 がある。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 小島 健太郎は,潰瘍性大腸炎患者の免疫抑制系薬剤治療中に発症するニューモシスチス肺 炎はについて,その臨床的特徴について検討を行った。その結果,積極的な ST 合剤の予防投与を検 討すべきリスク因子として,高齢,リンパ球数の減少,免疫抑制系薬剤の 3 剤併用療法を同定した。 この成果は,ST 合剤予防投与をエビデンスに基づき臨床判断するうえで基礎となるものであり,本 研究の成果は消化器病態学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Kentaro Kojima, Toshiyuki Sato, Motoi Uchino, Yoko Yokoyama, Tetsuya Takagawa, Yoshio Ohda, Nobuyuki Hida, Kenji Watanabe, Kazutoshi Hori, Hiroto Miwa, Hiroki Ikeuchi, Shiro Nakamura, Masahito Shimizu : Clinical Characteristics and Risk Factors for Pneumocystis Jirovecii Pneumonia during Immunosuppressive Treatment in Patients with Ulcerative Colitis: A Retrospective Study.

参照

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