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海水揚水発電用水力機器の電気防食

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Academic year: 2021

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(1)

∪.D.C.占20.197.5:る21.る-7る:る20.193.27

海水揚水発電用水力機器の電気防食

Cathodic Protection of H)▼draulic Machines for Sea Water-Pumped Stora酢 Plants

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Kazuo Tanno

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Osamu Asai

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日 夜間の余剰電力の有効な活用を図るため,最近海水揚水発電の 計画が進められているが,海水は河川水と異なり金属材料に対す る腐食性が強いので,使用材料の腐食が一つの問題点となってい る(1)。その対策として耐海水鋼の開発,利用が検討されている一 方,安価な炭素鋼に対する防食対策も重要視され,カソード防食 が有望視されている。 このカソード防食法はすでに港湾施設などに広〈実用されてお り,これに関する文献も多い。しかし,流動海水中のカソード防 食に関しては二,三の報告(2)がみられるだけで,防食達成電位お よび所要電i充密度については必ずしも明確ではない。さらに水車 に実用した例として,フランス・ランス河口の潮力発電所の例(3) があるが,その詳細は不明である。水車のような複雑な形状の構 造物では電極の配置や取付け方が問題になる。そこで,筆者らは まず人工海水を使用し,机上実験により防食電位および防食所要 電流密度に対する流速の影響を求めるとともに,海水を通水した モデルポンプ水車に電気防食を適用することを試みたので,その 概要を紹介する。

2.流動水中での電気防食実験

2.1実験方法

(1)試験片の材質および試験溶液

実験に用いた試験片の材質は一般構造用圧延鋼材(JIS

SS

41B)で,その定量分析結果は表1に示すとおりである。試験

片は外径70m,内径66mm,高さ25mmのリング状で,外周面が被 試験面である。試験片を回転させながらエメリー6/0まで研摩

し,アセトンで洗浄後秤量(ひょうりょう)して実験に供した。

* 日立製作所日立研究所工学博士 ** 日立製作所日立研究所 *** 日立製作所日立工場

登**

Kunjtaka Makabe

康***

Masayasu Okada 実験には表2に示した組成の人工海水を調製し,カセイソー ダでpHを8.1±0.1に調整して使用した。この液の比抵抗はおよ そ25rトcmであった。液は毎回12J使用し,また常に空気を通じ て飽和させた。液温は200cに保った。

(2)実験装置および実験方法

実験装置の略図は図1に示すとおr)である。上述した試験片 を回転軸の先端のベークライト製ホルダにゴムパッキンを介し て取り付けた。対極は,試験片表面の電流密度分布が均一にな るようにあらかじめ検討したうえで,内径94mm,高さ12mmの環 状ホルダの内面に白金板を接着し,試験片と同心円になるよう に配置した。この対極の配置で平均電流密度1.4mA/cm2の電流 を流した場合の試験片の端部と中央部との電位差は約3mVと非 ′削二小さかったので,試験片表面の電流密度分布は均一とみな した。実験に際しては試験片を浸せきすると同時に定電位電解 装置を作動させて,飽和カロメル電極を照合極として測定した 試験片の電位を所定の値に保持した。この実験では回転数から 計算した見掛けの流速0∼6m/sの範囲で実験した。実験終了後,

試験片をクラーク液(HCl,100g・Sb20。,2g・SnC12,5g)に

よI′)室温で1分間酸洗いし,腐食生成物を除去して腐食減量を 求めた。 表1試験片の定量分析結果(%) TC

㌃「

r 0.22 0.25 Mn 0.48 P S 0.025 0.018 Ni tr Cr 〝 Mo l tr 表2 人工海水組成 NaC1 27.26g/J KC1 0.69 MgC12 3.51 KBr O.09 MgSO- 1.84 CaSO1 1.29 NaHCO3 0.11 pH=8.1±0.1に調整

(2)

海水揚水発電用水力機器の電気防食 日立評論 VOL.54 No,l1963 ′㌧こl ̄ ̄/ 一ヽ′・〝レ∧ノし rし r 由▲

廿弧

H山 lプ ・「一 川1リ三 験 米  ̄[F】三嶋トズI SS41B.人卜j■祉′!・こ 20、、c,2521川1f上†亡き 4 2 ㌃∈一班∈一‥「二づ去‖空 00 4 6 トズ】2 r-′]然席良時グ=J諸氏減_冒: 2.2 防食電位および所要電流密度 はじめに,カソード防食時の効果確認のために,自然腐食状態 における腐食減量および電位を測定Lた。0∼6m/sの流速で25時 間浸せき後の試験片の曙食減量測定結果は図2にホすとおりであ る∩結果は,かなりのばらつきがみられるが,低い流速では流速 の増大ととい二腐食減量も著しく増加し,高流速では流速の影響 はしだいに′トさくなる。ニのときの試験片の電位測定結果は図3 に示すとおりである。いずれの流速においても電位は負の方向に 変化したが,浸せき25時間後にはほぼ一定値に達した。その値は 図示のように流速の増大ととい二高くなる傾向を示した。 次に,試験片の電位を椎々の値に設定し,静水中で50時間,流 水中で25時間浸せき後グ)試験片の腐食減量を測定した。その結果 は図4に示すとおりである。この図で90あるいは95と付記した線 は図2の自然腐食時の腐食量をもととした防食率を示したもので ある。図4から防食電位と流速の関係をフドめたのが図5である。 ㌃EU彗ヒ) 謂竺仙芸ヒ 1.0 5 0 (凹U∽.∽>.ン一二‥ユ■ ().4 SS・11上i.・r、l=∴2()(二 1 2 こi .4 〇 .い七(m sJ 図3 流速と臼然電位の関係 SS41B,人_1満水.200c 25H・川Ji遺せ・き(Om・・■s7).み50日川j) 0.4 0.2 0 5 ハU 0.6 0.7 -一口.8 90 95 0 5 9 9 0 5 9 9 0 5 nuJ 9 90 95 よに丁・二′二(V,VS・SC上二) 団4 設延電位と隋魚減量の関係 Om/sのr;〟食電位は-0.73Vで,従来から鉄鋼の防食電位とされ ている ̄0・77Vとほぼ一致するが,1m/sでは-0.67V,_ 2m/s

(3)

SS41B、人工i海水,200C ハカ 7 0 ∧U 【 一 (凹U∽.∽,■ゝL 世縛也宣 2 4 流速(m′/■s) 図5 流速と防食電位の関係 【■U 4 (U ハU ㌃∈U\可∈) 単束+三+一 / / そJ.′勺LLL【 0.7V:二i∴十る仙 0.771r∴さ∴「るl巾 図6 流速と防食所要電流密度の関係

「一

⊂〕 ⊂) 丁ン ̄7川=巳∴l_rlて / 海水揚水発電用水力機器の電気防食 日立評論 VO+.54 No.11 964 以上では-0.65Vで完全防食が達成される。 カソード防食では金属をその局部ア/-ド電位にまでカソード 分極させれば防食が達成されるので,上述の結果から流水中にお いては局部アノード電位が高くなると考えることができる。また, 自然電位が流速とともに高くなるのは、皮膜形成によリカソード 分梅が′トさくなることと,このような局部アノ】ドう註位の_卜昇も 影響しているものと考えられる。 防食電位における電流密度とさらに参考までに-0.70Vおよぴ -0.77Vにおける値をとり,流速に対してプロットすると図6の ようになl),ばらつきがあるが,所要電流密度は流速ととい二直 線的に増大することがわかる。このように所要電流密度が流速と とい二増大するのは,酸素拡散が容易になり,カソ肝ド分梅が減 少するためと考えられる。

3.モデル水車の電気防食

3.1装置および実験方法の概要 茨城県・日立市浜の富海岸に建設した臨海実験所にモデルボン 図7 カソⅥド防食装置を組み込んだモデルポンプD水車の外観 P卜=-16 1〕 E l (こ F)t・lト15 図8

(4)

海水揚水発電用水力機器の電気防食 日立評論 VO+.54 No.11965 トトて】ご上 い川 小山 しゝ m川′ 帆り‖つ ラ リ㌧けJ-ノ∴、J.⊥ 卜 「 7 ワ ンラい止 \200-r+ 普匂?′

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同9 水車ケーシングの電耗および電位測定70ラグ位置 7U水車を設置L,天然海水を通水して外部電源方式による電気防 食の実用化を実験した。モデルポンプ水車の外観写真は図7に, その概要は図8に示すとおりである。ボン70水車のうち,下流側 の水卓とポンプー水車間の配管部および排出管をカソ】ド防食実 験の対象とした。水車ケーシング,ドラフトパイプおよび配管部 における電板および電位測定プラグの配置は図9,10および図8 に示すとおりである。不溶性アノードとしては白金めっき・チタ ニウム電頼および鉛1銃アナ東電極を用いた(いずれも中川防食株 式会社 ̄製)〈,、その橋造を示したのが図‖である。取付け場所に応じ て異なる大きさのものを同いたので,有効面積などをまとめたの が表3である。アノード本体は硬質塩化ビニル製マウントに取り 付けて電極と被防食体とを電気的に絶縁してある。水車ケーシン グ部にはPb-ⅠおよぴPt-Ⅰをそれぞれ5個ずつ,ドラフトパイプ にはPb¶ⅠⅠおよびPt-ⅠⅠをそれぞれ2個ずつ,またポンプ,水車間 の配管部にはP卜ⅠⅠを2個設置した。電位測定70ラグは硬質塩化 ビニル製ケースにガラス製繊維を詰め,中央部の穴より海水がに じみ‡ ̄†_1るようにしたもので.測定時にキャップを取r)はずしてこ こに飽和廿コウ電板の先端をあてて測定した。プラグの配置は図 8,9および図川に示したように,ケーシングに8個(Zl∼Z8),

ドラフトパイプに1佃(Ⅹ),配管部に21個(A∼U)を設けた。な

おポンプ,水車および配管部ははじめ塗装Lた状態で実験された。 実験ではポンプ,水車に通水し,電極にいろいろの電流を流し てl坊食達成に必要な電流軋空および電流到達範囲などを求めた。

鮭担

、-_\ \ P♭・ロー14 \

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拭10 ドラフトパイプ部の電極および電位測定プラグ設定位置 リード線(直流電源装言毘へ) ボルト ナット 0リングパ・ソキン

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C() ご/■〉 ′lE晩 表3 アノー¶ドの性類および有効部の大きさ 10¢ 20¢

確守了塩化ビニル聖堂マウント 外Ini 内l巾 うは柾イう▼効部 回申+■法はPb-Ⅰ彬 図11電極形状および取付方法

ァトドの純頓!略名

Pb-AgI形Pb-Ⅰ Pb-AgIl形Pb・-ⅠⅠ Pt-TiI形Pt-Ⅰ Pt-TiII形Pt-1Ⅰ l 有 効 部 取付対象部 数 (個) 大 き 柿(dm2) 10≠×20J 20≠×20J 10≠×10J 0.07 l ケ ー シ ン グ 5 0.16 ドラフトパイ70 ケーシング 2 0.04 5 20≠×10J 0●09

l

ドラフトパイプ ポンプ水車間の配管 2 2 被仙允体

(孟;与て三岳7∴)

(5)

海水揚水発電用水力機器の電気防食 日立評論 VO+.54 No.II966 0.4 0.5 0.6 7 ∩)0 9 0 ハリ nU 一 一 一 (山〕∽.のン∵′) ±u「 1.0 1.1 l主ごイゝ ●_、 ̄ ̄X、 ,l

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Ir L Z,Zご ZI Z., ZI Z。 ZT Zご X O fl(〕 Pbl・7 Pl-Ⅰ・8 Phト9 Phト】O l)1-Iト13 Ptl・2 I)tト3 Ptト4 Ptト5 PhTト14 Pt‖・11 l ̄)tlト12

【--【′トンノ+ニー---一一+ト■∴7rr,+ト

l対12 ケーシング部に通電Lた場f㌢の電位 3.2 所要防食電流密度

ケーシングの各電極に0.56∼1.1A/m2(ケーシングに対する電

流密度)の範岡で電流を流したときのケーシング部およびその前 後の配管部における電位測定結果は図12に示すとおりである。区l の横軸は電極および電位測定位置を表わしており,図には自然電 位の測定結果も示してある。0.56A/m2で-0.73∼-0.78Vの電 位を示し,これらはさきの机上実験値の流速4m/sにおいて4.1∼ 4.7A/m2で-0.70V,6.9∼7.6A/m2で一0.77Vであるのに比べ, 約%の電流密度である。これはケーシング部内面の塗装がまだ十 分な状態にあったためと考えられる。また,配管部の電位はあま り下がらなかったことから,ケーシング部への通電では配管部ま では電流がほとんど届かなかったものと考えられる。 次にドラフトパイ7部の電極に通電して同様の検討をし,ドラ フトパイプ部には2個の電極があれば全範囲をカバーできること がわかった。 次にポンプ,水車間の配管部に設置した2順の電板に通電し, 電位を測定した結果は図13に示すとおりである。図の柊軸に示し た電極および電位測定位置の寸法は実際を縮尺してあり,電位測 定プラグの間隔は200mmである。通電電流0.5Aでは,ほぼJ∼L 間が-0.7V以下となり,1.1AではこれがⅠ∼Mに広がっている。 仮にこの間にだけ電流が流れたとすると、平均電流密度は0.7お よび1.OA/m2であり,この場合にも机上実験の場合の数分の-一の 電流密度で防食が可能であることがわかった。このボン70,水車 間の配管部はケーシングおよびドラフトパイプと異なり内面仕上 げが困難で表面があらく,塗装の密着性が悪いため運転開始後ま

もなくはがされてしまったが,その後生成したさび層のため,裸

の鉄面に対するよりも防食電流密度が′トさくなったものと推定さ れる。 なお,以上の実験において電極には延べ約400時間通電したが, 実験後いずれも異状は認められなかった。

4.溝

口 以上の結果をまとめると次のように結論される。

(1)200cの人工海水中に,円筒形試験片を見掛けの流速0∼6m/s

.1叫〕れ.∽▲■二ン■■一三.ヨ \ 0.5 / (二 Pt・】116 n】ニ ー1(;11IJI-tIl15K】+九IN 【に枇一ナ;_LLk`】にト`.・二川1Lい1 阿13 ポンプ水車間配管部の電位分布 の条件で25時間浸せきした際の軟鋼の腐食減量は,流速の増大 とともに放物線的に増加する。

(2)静止海水中の防食電位は一0.73Vで,一般に鉄鋼の防食電位

とされている-0.77Vとほぼ一致するが,流速1m/sでは一0.67 V,2∼6m/sでは-0.65Vで完全防食が達成される。防食所要 電流密度は流通とともに直線的に増大する。

(3)臨海実験所に設置したモデルポンプ水車に電気防食装置を組

み込み実験し.設計どおりの電極配置で防食が達成されること を確認した。被防食体に塗装が施されていると,また塗装しな

い表面でもさび層の形成のため,所要電流密度は机上実験の場

合に比べて数分の一一ないし十分の一程度となる。 終わりに本所究を実施するにあたりご援助いただいた日立製作 所日立工場深栖技師長および日立研究所湊 昭,深井 昌の両氏 に感謝する。 野藤 田 丹斉松 参 考 文 献 眞軋 古谷,川島,ドガ食技術 21,219(1972) 重野,熊谷,防食技術19,302(1970) 日怖工業技術11(1)29(1965)

参照

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