2019.9.5 Changes in seismicity pattern due to the 2016 Kumamoto earthquakes identify a highly stressed area on the Hinagu fault zone(熊本地震後に検出された日奈久断層における歪集中地域)論文について この度、静岡県立大学の楠城一嘉特任准教授を中心に、中部大学、東海大学の共同研究の成果とし て、標記論文を地球物理学分野で最も権威のある米国地球物理学会誌の一つである『Geophysical Research Letters』(GRL)に発表いたしました。 2011 年の東日本大震災において、その2日前からの明瞭な前震や、それ以前から判明していた地殻変 動の異常など、市⺠に対して事前に発表できる情報がありました。しかし、残念ながらそれらの情報を 地震学界は社会に正しく伝える事ができませんでした。 こうした経験を踏まえ、当研究グループは、科学的に明らかになった知見は、防災・減災のために積 極的に社会に公表していくべきと考え、9 月 5 日に記者会見を行うことといたしました。 今回の論文は、主に以下のような内容となっています。 1)本論文は、地震を予知するものではありません。 2)日本は、1995 年の阪神・淡路大震災後に整備された世界一とも言える充実した地震観測網を有して います。それを活用できるようになったことで非常に小さな地震(体に感じない微小地震)まで観測 できるようになりました。その結果、断層にかかる力のゆらぎを監視できるようになっています。 3)今回、最初の監視対象として、熊本地震を引き起こした布田川・日奈久断層帯に適用した結果をま とめたものが本研究論文となります。 4)すなわち、熊本県だけに特化して地震発生の可能性があるわけではなく、同地域の地震を予知する ものでもありません。 5)このような研究がまだ行われていない他の地域においては、現状では、断層にかかる力のゆらぎを 明らかにできていないため、常に不意打ちで地震に襲われる可能性があります。一方、熊本県にお いては、本研究の成果として、今後の地震が発生する可能性が高い地域とそうでない地域と(たと えば益城町は今後大きな揺れにみまわれる可能性が最も小さいということ)が科学的根拠のもとに 事前に判明したという事になります。 6)加えて強調しておきたいことは、今回発見された “高応力” の地域で、必ず地震が発生するという ことではありません。 7)今後、地震が発生するとすれば、この地域を震源とする可能性が存在するというものです。従って 我々は今後も監視を継続してまいります。 8)監視強化に関わらず、地元の皆様におかれましては、防災意識を高め、いつ地震が起きても対応で きるように、個人・家庭・地域・行政の各レベルにおいて、防災に関して再点検していただくこと をお願いいたします。 以 上 (文責) 東海大学海洋研究所・所⻑ 地震予知・⽕⼭津波研究部門⻑ ⻑尾 年恭
熊本地震後に検出された日奈久断層における歪集中地域
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