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大規模地震時におけるダムゲートの耐震性能評価

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Academic year: 2021

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(1)主要な研究成果. 大規模地震時におけるダムゲートの耐震性能評価 背 景 水力発電所におけるダム堤体およびその付属構造物の耐震設計は、構造物に作用する地震力を静的な力に置 き換えて考慮する震度法により行われている。最近、社会基盤施設に甚大な地震被害が発生していることに鑑 みて、上記の構造物についても設計時の想定を大きく上回る大規模地震に対する耐震性能を評価することが求 められ、検討が進められている。しかし、ダム付属構造物の中でも重要性の高いダムゲートについては、耐震 性能に関する実証的な検討例が極めて少なく、大規模地震時の挙動や損傷形態が明らかとなっていない。この ため、実験による現象の把握や解析手法の整備が必要とされている。. 目 的 代表的なダムゲートであるラジアルゲートを対象として、大規模地震時の耐震性能を模型実験と数値解析に より明らかにする。. 主な成果 1.模型実験による検討 実機の 1/4 縮尺のラジアルゲート模型(図 1)を製作し、水圧荷重(常時荷重+地震時荷重)を外力とし た静的単調載荷実験(図 2)を実施した。本実験により、ラジアルゲートの大規模地震時の挙動と損傷形態 に関して、次の知見を得た。 (1)荷重−変位関係(図 3)について、材料の塑性化等により勾配が緩やかになって最大耐荷力に達し、最 大耐荷力後は緩やかに荷重が低下することを確認した。 (2)ラジアルゲート模型の載荷に伴う損傷形態は、脚柱の鉛直面内座屈であり、脚柱間連結トラスで区切ら れた脚柱の 1 スパンで座屈が生じることが明らかとなった(図 5)。荷重の増加に伴って断面寸法の小さ い上段脚柱が先に座屈し、続いて下段脚柱が座屈した。 (3)実験により得られた最大耐荷力は、水門鉄管基準* 1 に基づく軸圧縮座屈荷重 Pcr の 1.1 倍以上であり、 ラジアルゲートの耐荷力を安全側に評価するために、Pcr が利用できることを確認した。 2.解析的検討 主としてシェル要素とはり要素から構成される有限要素法解析モデル(図 4)を用いて、模型実験条件に 基づいた弾塑性大変形解析を実施した。解析により得られた荷重−変位関係では、最大耐荷力付近まで実験 結果と比較的良い対応がみられた(図 3)。また、実験で発生した損傷形態(脚柱の鉛直面内座屈)を解析 で再現することができた(図 5)。これにより、有限要素法による弾塑性大変形解析が、ラジアルゲートの 挙動や損傷形態の解明に活用できる見通しを得た。 なお、本研究は、経済産業省 原子力安全・保安院からの受託研究「平成 19 年度発電設備耐震性能調査 (模型実験の実施)」として実施した。. 今後の展開 異なる形状のダムゲートに対応した模型実験データを蓄積し、耐震性能照査手法の確立を図る。 主担当者 関連報告書. 地球工学研究所 構造工学領域 主任研究員 齋藤 潔 「平成 19 年度発電設備耐震性能調査(模型実験の実施)」報告書、経済産業省原子力安全・ 保安院、電力中央研究所報告(2008 年 3 月). * 1 :(社)水門鉄管協会「水門鉄管技術基準 水門扉編(第 5 回改訂版) 」(2007年 9 月). 126.

(2) 9.電力施設建設・保全 2.0m. 主桁. 上段脚柱. 水圧荷重. 下段脚柱 2.5m. ダムゲート模型 水圧荷重. 脚柱間連結トラス スキンプレート・縦補助桁 図1 ラジアルゲート模型 模型は、実際のラジアルゲートの形状を模擬して、薄 肉の鋼材を溶接で接合して製作した。この形状を基本 として、脚柱間連結トラスの形状をパラメータとした 模型も製作した。 350. 下段脚柱の軸圧縮 座屈荷重Pcr. 300. 図2 ラジアルゲート模型の載荷状況 ラジアルゲート模型は、安定した載荷が行え るように上下を逆にして載荷装置に設置し、 油圧式アクチュエータを用いて載荷した。. 上段脚柱の軸圧縮 座屈荷重Pcr. 250 荷重 (kN). ピン支持. 実験_上段脚柱 実験_下段脚柱 解析_上段脚柱 解析_下段脚柱. 200 150. 下段脚柱. 100 50 0. 0. 5. 10 15 変位(mm). 上段脚柱. 20. 図3 実験と解析での荷重−変位関係 実験では、最大耐荷力後の荷重低下が緩やかであっ た。解析では、最大耐荷力付近まで実験結果と比較的 良い対応がみられた。. 図4 有限要素法の解析モデル 図2の載荷装置による載荷条件を考慮した、左右 対称条件による1/2モデルである。主要な構造部 材の主桁と脚柱には、模型の実測板厚を反映した シェル要素を用い、それ以外の部材では解析に支 障のない範囲で簡略なモデル化を行った。. 下段脚柱 下段脚柱. 9 上段脚柱. 座屈による変形. 上段脚柱. (b)解析による損傷形態 (変位11mm時の変形を3倍に拡大) 図5 実験と解析によるラジアルゲートの損傷形態 模型実験において発生した損傷形態は脚柱の鉛直面内座屈であり、断面寸法の小さい上段脚 柱が先行して座屈した。この損傷形態を解析でも再現することができた。. (a)模型実験における最終的な損傷形態. 127.

(3)

参照

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