水の硬度が葛餅の品質に与える影響
鏡田早紀
*・松本雄大 **・数野千恵子 *
* 食生活科学科 調理学第一研究室 ** サントリーグローバルイノベーション㈱
Relationship of kudzu starch cake taste and hardness of water
Saki KAGAMIDA, Takehiro MATSUMOTO and Chieko KAZUNO
*Department of Food and Health Sciences, Jissen Women’s University **Suntory Global Innovation Center Limited
The kudzu starch cake was made by using arrowroot starch and sweet potato starch with water
of different hardness. After investigating the influence that water hardness had on the quality of
the kudzu starch cake. The results were found. 1. A difference was not seen in the quantity for the
ash of the kudzu starch cake raw materials of three kinds of marketing products. The sweet potato
starch content of calcium was a little more abundant compared with the arrowroot starch. On the
other hand, there was slightly less magnesium had in sweet potato starch. The sweet potato starch
contained slightly more phosphorus and zinc. The content of iron influences the color of arrowroot
starch. 2. Sweet potato starch made harder kudzu starch cake than the arrowroot starch when the
water of the same hardness was used. 3. When the hardness of water is high, the color of kudzu
starch cake shows brown areas. 4. In the sensory rating, there were a lot of people who felt kudzu
starch cake made with water of about 100 in hardness was delicious.
Key words:mineral water(ミネラルウォーター),hardness of water(水の硬度),
sweet potato starch(甘藷でんぷん),arrowroot starch(葛でんぷん),sensory test(官能評価)
1.
はじめに
近年、美味しくて安全な水への関心は高まってお り、スーパーやコンビニエンスストア、量販売店な どで多種類のミネラルウォーターがみられるように なった。日本ミネラルウォーター協会の統計1)では、 一人当たりの消費量は 2001 年度内で 9.8 リットル、 2011 年度では 24.8 リットルと約 2.5 倍に増加してい る。 水の硬度はカルシウムおよびマグネシウムの含有量 が多い水は硬水、低いものは軟水と呼ばれる。口当た りや飲みやすさは硬度が低いものが好まれるが調理に よっては適した硬度があるとの報告がみられる2)~ 7)。 葛餅が葛粉および水から製造されることから、水の 硬度が製品の品質に関与することが考えられる。そこ で著者らは、硬度の異なる市販のミネラルウォーター 4 種を用いて葛餅を調製し、破断解析、測色および官 能評価を行いおいしさに与える影響を比較検討した。2.実験方法
1)ミネラルウォーター 試料水として硬度 30(Ca:1.0mg/100mL, Mg:0.2mg/ 100mL、 硬度 92(Ca:2.9mg/100mL, Mg:0.5mg/100mL)、 硬度 315(Ca:9.1mg/100mL, Mg:2.0mg/100mL)および 硬 度 1468(Ca:46.8mg/100mL, Mg:7.5mg/100mL)( い ずれもサントリーフーズ(㈱)を用いた。 2)葛粉 葛でんぷんおよび甘藷でんぷんの違いを検討するた め、葛でんぷん 100%の葛粉 2 種類(以下、葛粉①お よび葛粉②)とおよび葛粉として市販されている甘藷 でんぷん(以下、葛粉③)を用いた。葛粉①は㈱井上 天極堂製、葛粉②は㈱黒川本家製、葛粉③は㈱富澤商 店より購入したもので、性状はいずれも粉末のブロッ クタイプである。 3)調製方法 葛粉 50g および試料水 250mL を鍋で混合後、練りた後に約 45 分間冷却したものを葛餅とした。 葛餅は、当日に破断測定、測色および官能評価を行 い、1 日後にも破断測定および測色を行った。なお、 葛餅を冷蔵庫で 1 晩保冷し、測定する際に常温に戻し たものを用いた。 4)灰分および元素含有量 測定には島津マルチ形ICP 発行分析装置 ICP-9000 を用いた。使用した 3 種類の葛粉それぞれについて約 1g 精秤し、予備灰化後、550℃で灰化した。1%塩酸 溶液で溶解後、ICP 測定用の試験溶液とした。 5)破断測定 使用機器はRHEONER Ⅱシリーズ クリープメー ター(㈱山電)を用いた。測定条件はロードセル: 20N、格納ピッチ:0.02sec、測定速度 :1.000mm/sec、 アンプ倍率:1 倍、測定歪率:100%、プランジャー: 直径 16mm 円筒形、サンプル:縦×横×高さ= 2.5 × 2.5 × 2(cm)とした。 6)測色計 測定には分光測色計CM-3500d(コニカミノルタ ㈱)、シャーレ(CM-A128)に縦×横×高さ= 3 × 3 × 1.5(cm)角に切った葛餅を試料とした。 7)官能評価 (1)試料とした葛餅および提供方法 葛粉②を用いて、硬度 30、92、および 315 の 3 種 類の試料水で調製した葛餅の外観、香り、味、歯ごた え、総合的な美味しさについて評価した。 葛餅は調製後、すぐに流し箱から取り出したものを 使用し、2cm 角に切り、A,B,C の記号を付け、皿に置 いて提供した。なお、食べる順は一人ひとり異なる順 で食べてもらえるよう、ラテン方格とし、使用した官 能評価用紙を図1に示した。 (2)評価方法 官能評価の試料は、3 種類の水で調製した葛餅を流 し箱から取り出したものを 2cm 角に切り評価した。 評価方法は 7 段階の評点法および順位法とし、本学 食生活科学科の学生 36 名を対象とした。
3.結果および考察
1 )使用した葛粉①~③の灰分および元素含有量 使用した市販品 3 種類の葛粉について灰分および元 素を測定した結果は表1に示したとおりである。 は葛粉①、②では 100g あたり約 18 ~ 19mg であった が、葛粉③は約 25mg であった。マグネシウムは逆に 葛粉③の方がやや少なかった。リンと亜鉛は葛粉③が やや多く、鉄とアルミニウムは葛粉①、②の方が多 かった。特に色に関与すると考えられる鉄に関しては 葛粉①が最も多く、次いで②、③の順であった。 表1 市販葛粉の灰分および元素含有量 (100mg 当り) 灰分 (g)(mg)Ca (mg)Mg (mg)P (mg)Fe (mg)Zn (mg)Mn (mg)Al 葛粉① 0.09 19.32 2.18 11.57 0.52 0.06 0.01 1.39 葛粉② 0.07 18.39 2.21 11.15 0.35 0.10 0.01 0.94 葛粉③ 0.08 24.84 1.71 16.33 0.22 0.15 0.01 0.39 ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅᑣẟẅẅẅẅẅᑣẟẅẅẅᴾẅᑣẟẅẅẅẅỐếạẅẅẅẅẅफẟᴾẅẅᴾẅफẟẅẅẅᴾẅफẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅᑣẟẅẅẅẅẅᑣẟẅẅẅᴾẅᑣẟẅẅẅẅỐếạẅẅẅẅẅफẟᴾẅẅᴾẅफẟẅẅẅᴾẅफẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅᴾẅࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅẅࢊẟᴾẅẅᴾẅࢊẟẅẅẅᴾẅࢊẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅẅᴾᴾᴾᴾᴾᴾởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅᴾẅࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅẅࢊẟᴾẅẅᴾẅࢊẟẅẅẅᴾẅࢊẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅᴾᴾẅẅẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅᴾẅࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅẅࢊẟᴾẅẅᴾẅࢊẟẅẅẅᴾẅࢊẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅᄒẟẅẅẅẅẅᄒẟẅẅẅᴾẅᄒẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅ᠂ỤẦẟᴾẅ᠂ỤẦẟẅ᠂ỤẦẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅᴾẅࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅᴾẅᴾࢊẟᴾẅẅẅẅࢊẟẅẅẅẅࢊẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅᴾᴾẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅᴾẅࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅẅࢊẟᴾẅẅᴾᴾࢊẟẅẅᴾẅẅࢊẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅẅࢍẟẅẅẅẅᴾࢍẟẅẅẼỢạỄợẟẅẅẅᴾᴾࢊẟẅẅẅᴾࢊẟẅẅẅᴾẅࢊẟẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ẅẅẅ᩼ࠝỆẅẅẅẅẦễụẅẅẅᴾởởᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾᴾẅởởẅẅẅẅẦễụẅẅẅ᩼ࠝỆ ẅẅẅẅᑣẟẅẅẅẅẅᑣẟẅẅẅᴾẅᑣẟẅẅẅẅỐếạẅẅẅẅᴾफẟᴾẅẅẅẅफẟẅẅẅẅफẟᴾẅ ẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉẅẅẅẅẅẅΉ ᬐ ụ ṟޓᐰỉࢍẰ ̊ᵇԛỉڤộẲẰ ٳ ᚇ ṞٳᚇỉᑣẰ ṦዮӳႎễấẟẲẰ ԛ ṠޓԛỉࢍẰ ṡᒊԛỉࢍẰ ഫ ắ Ẻ ả ṢᄒẰ ṣщỉࢍẰ ṤἩἽἩἽज़ỉࢍẰ ṥỈẼỢỈẼỢज़ỉࢍẰ ᬐụ ԛ ഫắẺả ✀㢮ࡢࢧࣥࣉࣝ㸦$%&㸧ࡘ࠸࡚ࠊ⨾ࡋ࠸ឤࡌࡓ㡰グධࡋ࡚ୗࡉ࠸ࠋ 1 㸦 㸧2 㸦 㸧3 㸦 㸧 ࢧࣥࣉࣝ $ ࢆ㣗࡚࠾⟅࠼ࡃࡔࡉ࠸ࠋ ྛホ౯㡯┠ࡘ࠸࡚ࠊ㣗ࡓࡢホ౯ࢆ ẁ㝵࡛ۑࢆࡋ࡚ୗࡉ࠸ࠋ ⮬⏤ឤࢆ⪺ࡏ࡚ࡃࡔࡉ࠸ 図 1 官能評価用紙2)破断測定 (1)各試料水で調製した葛餅の比較 同じ硬度の水を使用し、3 種類の各葛粉で葛餅を調 製した。調製直後(以後、当日とする)および 1 日後 に破断荷重を測定した結果を図2に示した。いずれの 葛餅も試料とした水の硬度が高いほど破断荷重がやや 低くなり、軟らかくなる傾向がみられた。葛でんぷん で比較すると葛粉 100%の①および②は、①がやや高 いもののほぼ同様な結果であった。甘藷でんぷんの葛 粉③は葛でんぷんに比較して破断荷重の値が高く、硬 い葛餅となった。これは葛でんぷんと甘藷でんぷんの 性質および成分の違いであると考えられる。 1 日放置した後の破断荷重は試料水の硬度が高くな るに伴い破断荷重は低くなる傾向を示した。しかし、 試料水によっては違いがみられ、硬度 30 の水で調製 した葛餅は硬くなる率が高かった。しかし、硬度 315 の水で調製した葛餅は①については破断荷重が高く なったが、②および③については変化がなかった。硬 度 1468 の水で調製した葛餅は①の葛粉で調製したも のの破断荷重は高くなったが、②および③では変化が みられなかった。 ①の葛餅が 1 日置くと硬くなるのに比較して②およ び③ではほとんど変化がみられなかったことは、でん ぷんの老化は水の硬度の他に何らかの微量物質の存在 も考えられる。葛餅は、水の硬度が高くなると軟らか くなる傾向がみられた。これはでんぷんのアミロース やアミロペクチンに、硬水に多く含まれるミネラルが 何らかの影響を与えるためであると考えられる。な お、いずれも当日に比較して 1 日経過したものは弾力 がなくなった。 (2)葛粉で調製した葛餅の硬度と破断荷重の関係 水の硬度と破断荷重の関連を確認するために、葛粉 ①で調製した葛餅について硬度 315 を希釈し、硬度 50、100、200 および 300 の試料水を調製した。それ らの水を使用してそれぞれ葛餅を調製して、当日およ び 1 日後に破断荷重を測定した結果を図3に示した。 いずれも当日に比較して 1 日後の硬度は高くなった。 試料水で比較すると硬度 300 までは硬度が高くなるに 伴って破断荷重は低くなる傾向を示した。しかし、硬 度 315 および 1468 で調製したものは硬度 1468 で調製 したほうがはやや高くなった。 (3 )甘藷でんぷんで調製した葛餅の硬度と破断荷重の 関係 葛粉③で調製した葛餅について葛粉①と同様に水 の硬度を調製し破断荷重の関連を図4に示した。葛粉 で調製した葛餅と比較して、硬度 100 の水で調製した 葛餅の破断荷重がやや低く、硬度 1468 の水で調製し た葛餅の硬度が低くなるなどの若干の違いがみられる 図2 各試料水で調製した葛餅の破断荷重
が、全体としては硬度の高い水で調製したものは破断 荷重が低くなるというほぼ同様な傾向を示した。 (4)各硬度の水で調製した葛餅の色調 葛粉①~③それぞれを用いて硬度 30、315 および 1468 の水で調製した葛餅について当日および 1 日後 にそれぞれの色調を測定した。 各試料水で調製した葛餅について調整した当日の色 調L*、a*、b* 値は図5に示した通りである。 水の硬度が高いほど、茶色味を帯びる傾向を示し た。また、硬度が高くなるに伴いL* 値が高くなり、 肉眼的にもやや明るさが増す傾向がみられた。 また、赤味を示すa* 値はいずれも硬度が増すに伴 い増加する傾向がみられた。黄色味を示すb* 値は硬 度が増すに伴い黄色味が増す傾向がみられた。 1 日後の色調L*、a*、b* 値をみると、当日に比較 して明るさが増し、赤味が減少した。また、黄色味に ついても減少した。これらのことから全体として透明 感が強くなる現象がみられた。 葛粉②については、葛粉①と比較して、硬度が高く なるにつれ、やや茶色味を増す傾向がみられた。 葛粉③は葛粉①および②と傾向は似ているが、調製 した当日に比較して 1 日後には白色を帯び、見た目で は透明感がなくなった。 3)官能評価 硬度の異なる水として市販ミネラルウォーターを使 用することとし、硬度 30、硬度 100 に近い市販品と して硬度 92 および 315 を使用して調製した葛餅①、 ②および③について、それぞれを食べてもらい、外 観、香り、味および歯ごたえについて評点法および美 味しさに関しては順位法で評価を行った。 (1)評点法 提供した各葛餅について外観の良さ、金属臭の強 さ、金属味の強さ、苦味の強さ、硬さ、弾力の強さ、 プルプル感の強さ、ねちょねちょ感の強さ、総合的な 美味しさの評価結果は図6に示すとおりである。 外観の良さについては硬度 315 と硬度 30 および 92 の試料水間で有意差がみられ、硬度が低い方が好まれ る傾向にあった。香りに関する項目では金属臭につい て硬度 30 および 92 と 315 では硬度高いと金属臭があ るという有意差がみられた。歯ごたえに関する項目で は弾力とプルプル感に有意差がみられ、硬度 92 のも のが高い評価が得られた。 総合的な美味しさでは硬度 92 の水を使用した葛餅 が最も評価が高く次いで硬度 30 の水、硬度 315 の水 で作った順序となった。 (2)順位法 各硬度の水で調製した葛餅について美味しいと感じ た葛餅を 1 位~ 3 位に順位をつけてもらった結果、硬 度 92 のものが高い評価が得られ次いで硬度 92、315 の順であった。なお、硬度 92 と 315 の試料水間に有 意差がみられた。 これらのことから、硬度 92 程度の水で作った葛餅 が、美味しいという評価を得られた。なお、金属臭・ 金属味は総合評価に影響がなく、弾力やプルプル感と いった歯ごたえが総合評価に影響していると考える。
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