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Agro-ecological Analysis of Distribution Patterns of Tree in Paddy Field Landscapes in Northeast Thailand

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Academic year: 2021

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Title

Agro-ecological Analysis of Distribution Patterns of Tree in

Paddy Field Landscapes in Northeast Thailand( 内容と審査の要

旨(Summary) )

Author(s)

PHAM THU HA

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第651号

Issue Date

2016-03-14

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/54538

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

[6] 氏 名(本(国)籍) PHAM THU HA (ベトナム社会主義共和国) 学 位 の 種 類 博士(農学) 学 位 記 番 号 農博甲第651号 学 位 授 与 年 月 日 平成28年3月14日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第3条第1項該当 研 究 科 及 び 専 攻 連合農学研究科 生物環境科学専攻 研究指導を受けた大学 岐阜大学

学 位 論 文 題 目 Agro-ecological Analysis of Distribution Patterns of Tree in Paddy Field Landscapes in Northeast Thailand (東北タイの水田域に分布する樹木の時空間的変異 に関する農業生態学的解析) 審 査 委 員 会 主査 岐阜大学 教 授 川窪 伸光 副査 岐阜大学 教 授 宮川 修一 副査 静岡大学 教 授 澤田 圴

論 文 の 内 容 の 要 旨

東南アジア内陸部では森林から水田を開く際に有用な樹木を残しておくことによって 水田内に樹木が混在する,いわゆる産米林の存在が知られており,これら樹木が農民の 生計に資する資源として利用されてきた一方で,時間の経過と共に樹木の本数は減少し ていくものと一般に理解されてきた.水田域における樹木の密度についてはすでにいく つかの調査報告はあるものの,どのような要因が地域間での樹木の密度の違いや経時的 な変化をもたらしているかについては十分に明らかにされていないため,本研究では衛 星画像による樹木密度の把握を基に,樹木密度の変化要因とその効果について明らかに しようとした. 産米林景観が典型的に見られる東北タイの農村20 ヶ村の衛星画像から樹木密度(画像 で判別可能な樹冠数)の差異を見たところ,2.0 から 10.1/ha のような変異が見いだされ た.樹木は15%が田面に,85%が畦の上に立地しており,全体の密度は畦上の密度と強 い正の相関を示し,畦上の樹木密度が全体の密度の変異に強く影響していることが明ら かとなった.また氾濫原の村落では段丘上の村落よりも全体ならびに畦上の樹木密度が 高く,田面の密度は低いことを見いだした. 20 ヶ村の成立後経過年数や現在の世帯数、人口と樹木密度とには有意な関係が見られ なかった.代表的な3 ヶ村について空中写真および衛星画像によって 1970 年代以降の樹 木密度の変化を見ると、1970 年代では成立年が最古の村で最も密度が高く、その後どの

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村でも田面の樹木密度は減少していたが、畦上の密度は最古の村では減少し他の村では 増加しており、経過年数よりも土地利用の違いが増減に反映するものとみられた. 稲作の近代化と樹木密度との関係を水田の区画整理の有無によって1970 年代からの 変化を比較したところ,田面の樹木密度は区画整理の有無にかかわらず減少していたが, 畦上の樹木の密度は区画整理水田では減少した一方で非整理水田では増加していた.区 画整理は村内でも地形的に高位部の水田域で小区画田を機械化に適応させるために行う ことから,畔の減少に伴って畦上樹木が減少したものと推定した. 実地調査に基づく樹種構成の検討から,開田以前からのフタバガキ科などの残存樹種 は減少し,ユーカリなどの換金性の高い樹種が畔上に導入されていることが明らかとな った.この導入は特に区画整理の必要がなかった地形的に低位部の大きな区画の水田域 で特に著しかった.また村落によって導入樹種の構成に違いも見られた.このために村 落内の樹種の多様性は小さいが,村落間の多様性は大きかった.また田面よりも畔上の 多様性が大きいことから,森林が衰退している東北タイでは水田の畔が樹木資源の維持 に重要な役割を持っていることを示した.同時に農民は樹木の落葉落枝による水田土壌 肥沃化促進の一方で被陰によるイネの倒伏の原因ともなることを意識して,積極的な剪 定管理を行っていることを明らかにした.

審 査 結 果 の 要 旨

東南アジア内陸部では森林から水田を開く際に有用な樹木を残しておくことによ って水田内に樹木が混在する,いわゆる産米林の存在が知られており,これら樹木が 農民の生計に資する資源として利用されてきた一方で,時間の経過と共に樹木の本数 は減少していくものと理解されてきた.水田域における樹木の密度についてはすでに いくつかの調査報告はあるものの,どのような要因が地域間での樹木の密度の違いや 経時的な変化をもたらしているかについては十分に明らかにされていないため,有用 な資源の維持を図る上で困難が多い.本研究は衛星画像による樹木密度の把握を基に, 樹木密度の変化要因とその効果について明らかにしようとしたものである. 産米林景観が典型的に見られる東北タイの農村 20 ヶ村の衛星画像から樹木密度 (画像で判別可能な樹冠数)の差異を見たところ,2.0 から 10.1/ha のような変異が 見いだされた.更に樹木の立地から田面の密度と畦上の密度とに分類したところ, 85%が畦の上に立地しており,全体の密度は畦上の密度と強い正の相関を示し,畦上 の樹木密度が全体の密度の変異に強く影響していることが明らかとなった. また氾濫原の村落では低位段丘の村落よりも全体ならびに畦上の樹木密度が高く, 田面の密度は低いという特徴を見いだした. 20 ヶ村の成立後経過年数や現在の世帯数,人口と樹木密度とには有意な関係がな かった.代表的と考えられる3 ヶ村について空中写真および衛星画像によって 1970 年代以降の樹木密度の変化を見ると,1970 年代では成立年が最古の村で最も密度が 高く,その後どの村でも田面の樹木密度は減少していたが,畦上の密度は最古の村で は減少し他の村では増加しており,経過年数よりも土地利用の違いが増減に反映する

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ものとみられた. 稲作の近代化と樹木密度との関係を水田の区画整理の有無によって1970 年代から の変化を比較したところ,区画整理により一つの区画面積が平均3 倍に増加しており, 田面の樹木密度は区画整理の有無にかかわらず減少していたが,畦上の樹木密度は区 画整理水田では減少した一方で区画整理がなかった水田では増加していた.区画整理 は村内でも地形的に高位部の水田域で小区画田を機械化に適応させるために行うこ とから,畔の減少に伴って畦上の樹木密度が減少したものと推定した. 実地調査に基づく樹種構成の検討から,開田以前からのフタバガキ科などの残存樹 種は減少し,ユーカリなどの換金性の高い樹種が畔上に導入されていることが明らか となった.この導入は特に区画整理の必要がなかった地形的に低位部にある大きな区 画の水田域で特に著しかった.また村落によって導入樹種の構成に違いも見られた. このために村落内の樹種の多様性は小さいが,村落間の多様性は大きかった.また田 面よりも畔上の多様性が大きいことから,森林が衰退している東北タイでは水田の畔 が樹木資源の維持に重要な役割を持っていることを示した.同時に農民は樹木の落葉 落枝による水田土壌肥沃化促進の一方で被陰によるイネの倒伏の原因ともなること を意識して,積極的な剪定管理を行っていることを明らかにした. このように産米林樹木の分布を田面と畦上に分けて分析する手法から樹木密度や 種類構成の差異を稲作の近代化や農村の資源利用と結びつけて分析することを可能 とし,これらの結果は今後水田域での樹木資源の保存やアグロフォレストリーの設計 等に有益な情報をもたらしていると評価できる. 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の 学位論文として十分価値あるものと認めた. 基礎となる学術論文の論文題目

1. Pham T. H., S. Miyagawa and Y. Kosaka: Distribution patterns of trees in paddy field landscapes in relation to agro-ecological settings in northeast Thailand. Agriculture, Ecosystems and Environment 202:42-47, 2015.

2. Pham T. H., S. Miyagawa and Songsin Photchanachai: Reduction in woody plant diversity in paddy field landscapes during agricultural intensification in

参照

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