Title
Roles of Ser84 of Human Renin and His13 of Sheep
Angiotensinogen in pH Dependence of the
Renin-Angiotensinogen Reaction( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
岩田, 英之
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 甲第486号
Issue Date
2008-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/23493
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 岩 田 英 之 (愛知県) 博士(農学) 農博甲第486号 平成20年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 RolesofSer840fHumanReninandHi$130fSheep AngiotensinogeninpHDependenceofthe Renin・AngiotensinogenReaction (レニンーアンギオテンシノーゲン反応のpH依存曲線 におけるヒトレニンSer84 とヒツジアンギオテンシノ ーゲンHis13の役割) 主査 岐阜大学 副査 岐阜大学 副査 静岡大学 副査 信州大学 授 授 授 授 教 教 教 教 夫 昭 男 夫 征 文 公 菊 村 木 山 中 鈴 杉 千 論 文 の 内 容 の 要 旨 レニン低C3.4.23.15)はアンギオテンシノ⊥ゲン仏n卯)からアンギオテンシンIを産生 する酵素である。レニン・アンギオテンシン系の律速酵素として血圧調節などで重要な役 割りを果たしていることから、その触媒機構の解明が待たれている。本酵素は活性中心に
2つのAsp琴葦を持つことからアスバルティツクプロテアーゼに分類されているロー般的
にアスバルティツクプロテアーゼのpH依存曲線はpH3∼4にピークを持つベル型曲線 を示すが、レニンは生理的pEで活性を示すばかりでなく、種によってあるいは用いた基 質によって様々なpH依存曲線を示すことが知られている。そこで著者は過去に報告され たレニンのpH依存曲線を、中性に主ピークがあり酸性側に肩があるⅠ型、酸性側に主ピ ークがあり塩基性側に肩があるⅡ型、酸性側と塩基性側に分離した2つのピークがあるⅢ 型、および1例しか報告はないが中性付近に典型的なべル型ピークを示すⅣ型の4タイプ に分類することを提唱している。 著者らの研究グループは以前に、ヒトレニンはヒツジAn訂lを基質として用いた場合の みⅢ型pH依存曲線を示し、ヒト、ラット、ブタAn訂lを用いた場合はⅡ型pH依存曲線を 示すことを報告したが、ヒツジAngnを基質に用いた場合、ヒト以外のレニンでもⅢ型に なるのかどうか、また何故そうなるのかという問題は解明されなかった。 そこで本研究では先ず初めに、ヒツジAn訂1を基質として、様々なレニンのpH依存性 を調べ、Ⅲ型pH依存性を示すのはヒトレニンとヒツジA工噂nの組み合わせに特異的な現象であることを明らかにした。このことからⅢ型pH依存曲線には、ヒトレニンおよびヒ ツジAngnに固有の、活性中心近傍に存在するアミノ酸残基が寄与していると推論された。 ヒト、ラット、マウスレニンのサブサイトを推定し、それらを相互に比較した結果、ヒトレ ニンに固有のアミノ酸残基としてArg82、Ser84、Thr85、Ala229およびThr312が注目さ れた。またヒツジ、ブタ、ラット、ヒトAngnの切断部位近傍の一次構造が比較され、ヒ
ツジAngnに固有のアミノ撃残基としてHis13が注目された。
そこでヒトレニンに特異的なArg82、Ser由、mr85、Ah229およびTb312をラットレ ニンの対応する残基へと置換した改変型ヒトレニン(R82H、S84G、T85S、A229T、T312V) を作製し、野生型ヒツジAn印を基質としてそれらのpH依存曲線を測定した。その結果、 S84G改変型ヒトレニンのpH依存曲線のみがラットやマウスレニンと同じⅠ型に変化し、 他の改変体は野生型ヒトレニンと同じⅢ型のままであった。このことから、ヒトレニンの Ser84がⅢ型pH依存曲線の形成に不可欠であることが明らかになった。ヒトレニンの Ser84はAngn.のHis9と水素結合することが知られており、そのことによって酸性側の 反応性を高めていると推論された。 またヒツジAngnのHis13をラットやブタAngnの対応する残基である′顆rへ置換したH13Y改変型ヒツジAngnを作製し、野生型ヒトレニンとH13Y改変型ヒツジAngn、
S84G改変型ヒトレニンとH13Y改変型ヒツジAngn、S84G改変型ヒトレニンと野生型 ヒツジAngn、の反応についてpH依存性を調べたところ、全ての反応のpH依存曲線がⅠ 型に変化した。またどのpH依存曲線も大きさの異なる酸性側と塩基性側の2つのベル型 曲線の和として解析することができ、Ser84は酸性側の反応を高めるとともに塩基性側の 反応の至適pHをよりアルカリ側にシフトさせることが明らかになった。 次ぎにこれらの反応の反応速度論パラメーターを調べたところ、野生型ヒツジAn騨lを 基質として用いたときS84G改変型ヒトレニンは、野生型ヒトレニンと比較して、pH5.5 においては陀弧が25%減少しており、pH8.0においては凪が39%増加していた。野生型 ヒトレニンを酵素として用いたときH13Y改変型ヒツジAn卯は、野生型ヒツジAn訂1と 比較して、凪がpE5.5で62%増加、pE8.0で39%増加していた。 これらの結果から、ヒツジAngnのHis13もⅢ型pH依存曲線に必須であることが明ら かとなった。我々は以前に全てのレニンに保存されているT恒83(S3りもまたⅢ型pH依存 曲線の形成に寄与していることを明らかにしており、ヒツジAn卯のHis13(P3りはヒトレ ニンの取r83(S3りと水素結合を形成し、レニン・An卯反応の親和性を高めていると推論さ れた。 本研究の結果、(1)レニンーAn卯反応は酸性側と塩基性側の2つの反応から成ってお り、両者の割合によってpH依存曲線の型が決定されること、(2)ヒトレニンだけがⅡ 型pH依存曲線を示すのはSer84が存在するためであり、大多数のレニンのpH依存曲線 はⅠ型であること、(3)ヒトレニンに特異的なSer84とAngn一般に共通なHis9の間と、 ヒツジAn卯に特異的なHis13とレニン一般に共通なT>r83の間に、2本の水素結合が 形成されることがヒトレニン・ヒツジAngn反応がⅢ型pH依存曲線を示す原因であること、 の3点が明らかになった。 審 査 結 果 の 要 旨 レニン(EC3.4.23.15)はアスバルチックプロテア∵ゼである.はも関わらず、生理軋pHで活性を示し、その触媒機構は未だ解明されていない。t学位申嶺
者の研究グループは、ヒトレニンはヒツジアンギオテンシノーゲンを革質と
した蓼合のみピークが2つある・双丘型pH依存曲静を示し、他の基質を用い
た場合は酸性側に主,ピークがあり塩基性側に肩がある■pH依存曲線を示すことを以前に報告した。本論文はその原因を解明したものである。
申帯者はヒツジアンギオテンシノーゲンを基質として様●々なレニンのpH
依存性を調べ、ヒトレニンとヒツジアンギオテンシノーゲンの組み合わせの
みが双丘型pH膵存嘩を示すことを明らかにrした。この双丘型曲依存曲儀
た寄与しているアミノ酸残基として、ヒトレニンに固有の恥84他4残基、
およびヒツジアンギオテンシノーゲンた固有の‡むs13に注目し、これらの残
基をラットのレニンおよびアンギオテンシノーゲンの残基に置換した改変型
ヒトレニンおよび改変型ヒツジアンギオテンシノーゲンを作製し、これらを組み合わせた反応のpH依存性および反応速度論パラメーターを測定した。
その結果、いずれの反応のpH依存曲線も大きさの異なる酸性側と塩基性
側の2つのベル型曲線の和として解析することができ、ヒトレニン甲Sei84 は酸性側の反応を高めるとともに塩基性側の反応の至適pH■をよりアルカリ側にシフトさせることが明ちかになった。また反応速度論パラメーターから、
ヒトレニン■の白er84は酸性側の反応の拓。Xを上げ、塩基性側め反応の瓜
を下げることが、ヒツジアンギオテンシノーゲシの日is13は両反応の晶を 下げることが明らかになった。これらの結果から申請者は(1)レニンーアンギオテンシノーゲン反応は
一酸性側と塩基性側の2つの反応から硬っており、両者の割合によってp日依
存曲線の型が決定される、一(2)ヒトレニンだけが酸性側に主ピークがあり塩 基性側に肩があるpH依存曲線を示すのはSer84・が存在するためであ・り、大 多数のレニンは客基性側に主ピークがあり酸性側に肩があるpH依存曲線を 示す、・(.3).ヒトレニンとヒツジアンギオテンシノTゲンの組み合わせのみが 双丘型pH依存曲線を示すのはとトレニンに特異的なSer84とアンギオテン シノーゲンに共通に保存されているHis9め間と、ヒツジアンギオテンシノ ーゲンに特異的なHi$1・3とレニンに共通に保存されている「Ⅳr83の間に、2不の水素結合が形成されるためである、との結論を得た。
湊綺文はレニン反応の複雑なpH依存性を解明した畔かりでなく、レニン
の触媒機構を解明する上で重要な辛がかりを与える研究である七評価できる。以上にづいて、審査委員全勇一致で本論女が岐阜大学大学囁連合農学研究
科の学位論文として+分価値あるものと認めた。
基礎となる学術論文 1.Iwata,H.;Nakagawa,T.,Nishiuchi,K..Hiratsuka,T,Satou,R・, Ybshioka,Y,Fukni,Y,Suzuki,F,and Nakamura,Y,Ser840fHuman鮎nin ContributestotheBiphasicpHDependenceofthe Renin・
AngiotensinogenReaction,Biosci・Biotechnol・Biochem・・71(5)・1279・1285・
2.Iwata,H.,Nakagawa,Tl,Ybshioka,Y,Kagei,K.,Imada,K,Nakane,C.,
Fujita,H.,SuztIki,F.and Nakamura,Y,'The C'oexistence of妻 Ser由ini ReninandHis13inAngiotensinogqnbringsapHPro丘1eofTwo
Separate Peaks to the Reaction of Human Renin and Sheep