化学生物総合管理 第4巻第2号 (2008.12) 154-174頁
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【報文】
化学物質総合管理に関する企業活動評価(概要)
-2007年度調査結果-
Survey of corporation activity for
the integrated chemicals management systems in 2007
神園麻子*)、窪田清宏*)、結城命夫**)、増田優**)
Asako Kamizono*), Kiyohiro Kubota*), Michio Yuki**), Masaru Masuda**)
要旨:化学物質総合管理に関する企業の改善活動の促進に資するため、企業活動調査を実施して いる。評価指標の基本的枠組みは、Science 軸(科学的基盤の軸)、Capacity 軸(人材・組織の能力 の軸)、Performance 軸(活動の実績および取引関係者との連携や社会への情報公開の実施状況に 関する軸)の3つの評価軸と、「ハザード評価(H)」、「曝露評価(E)」、「リスク評価(R)」、「リスク管 理(RM)」の4 つの評価要素のマトリックスとなっている。2007 年度の調査にあたり、評価指標 と国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)の世界行動計画との比較を行なっ た。そしてこれを受けて、Performance軸の従来の視点に加え、従業員、消費者、一般市民、環 境保全の4つの管理の視点を加え、Performance軸のさらなる充実を図った。
2007年度調査では224社から有効回答が得られた。総合到達度、項目別到達度を解析した結果、
前年度の調査結果とほぼ同様の傾向があることが分かった。2007年度新たに追加した「個別管理 の視点」は全体的な到達度が低く、その中では環境保全に対して相対的に従業員、消費者、一 般市民の視点が軽視されている。
また、2005年から2007年の調査結果をもとに総合到達度について経年変化の傾向の解析を試 みたところ、今後活動が活発な企業はより活発に、活動が低調な企業は更に低調になり、企業 の活動が二極分化していく可能性が示唆された。
キーワード:化学物質総合管理、総合管理原則、SAICM、世界行動計画、SCP軸、サイエンス軸、
キャパシティ軸、パフォーマンス軸
Abstract:To facilitate the corporate activities for the integrated chemical management, we developed an evaluation indicator and have been continuing survey based on it. The indicator consists of three horizontal axes (SCP axes, i.e. Science axis, Capacity axis and Performance axis) and four longitudinal axes (evaluation elements, i.e. hazard assessment, exposure assessment, risk assessment and risk management). In conducting the survey of year 2007, we compared the indicator to the Global Plan of Action of the SAICM. As a result, four individual management aspects (i.e. the safety for workers, consumers, the public and the environment) were added to the Performance axis so as to harmonize with the Global Plan of Action.
According to the analysis of 224 valid answers obtained through the survey with the improved indicator, the achievement level was same as last year. Concerning the newly added individual aspects in the Performance axis, the overall level was low and the consideration of the safety for workers, consumers and the public was lower than for the environment.
The result of the interannual variability analysis from year 2005 to year 2007 suggested that the corporate activities for the integrated chemical management are polarizing to two trends, i.e. increasing or decreasing trends.
Key words:Integrated chemicals management systems, Risk basis, SAICM , Global Plan of Action, , SCP axes , Science axis, Capacity axis, Performance axis
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1.
はじめに1.1 化学物質総合管理の基本的な考え方と評価指標の開発
1992 年国連環境開発会議 (UNCED) における「持続可能な発展のための人類行動計画:ア ジェンダ21」の採択を機に、国際的な化学物質管理はリスク原則に基づく総合管理へと大きく 動いている。こうした中、著者らは、企業における化学物質総合管理の自主的な活動を促進す ることを目指し、化学物質総合管理に係る企業活動の評価指標の開発を行っている。
化学物質の適正管理のための基本条件として、1)実態に即した管理 (「リスク原則」)、2) 科学的方法論による評価と管理、3)国際調和の尊重、4)当事者の主体的管理の重視、5)情報 の共有、6)知的基盤の整備と人材育成・教育が挙げられる。これらに対する取組みを客観的に 評価するため、これまでに3つの評価軸と4つの評価要素の組み合わせによるマトリックスで 構成される評価指標を構築してきた。
評価軸は評価指標を展開する基本の軸であり、Science軸 (科学的基盤の軸)、Capacity軸 (人 材・組織の能力の軸)、Performance軸 (活動の実績および取引関係者との連携や社会への情報 公開の実施状況に関する軸) の 3 つから成る (図 1)。また評価要素は、リスク原則に基づく化 学物質管理を実施するための4つの要素、すなわち「ハザード評価 (H)」、「曝露評価 (E)」、「リ スク評価 (R)」、「リスク管理 (RM)」から成る (図2)。これらの評価軸と評価要素を組み合わせ た評価指標の基本的な枠組みを図3に示す。
図1 評価指標の評価軸 図2 リスク原則における評価要素
図3 評価指標の基本的枠組み
(活動の実績、関係者との連携、社会への情報 公開の実施状況の評価)
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1.2 これまでの調査実施状況と調査結果の概要
これまでに実施してきた化学物質総合管理に係る企業活動調査実施状況を表1に示す。2003 年度から2005年度までは評価体系の構築を行うための予備調査としての位置付けであり、評価 指標の開発と改良を行いつつ評価指標を具体的な設問に落とし込み、アンケート調査を実施し た。2003年度、ハザード評価の一部としてSDS (Safety Data Sheet, 製品安全データシート) へ の取組みに関する調査を開始し、2004年度はハザード評価全般、そして2005年度はハザード 評価からリスク管理までの 4 つの評価要素全てへと調査内容を広げてきた。これらの結果を踏 まえて評価指標の整理や改良を行い、2006年度から本格調査を開始した。本報で報告する2007 年度調査は、2006年度の評価指標を一部改良して実施した第二回目の本格調査である。
表1 化学物質総合管理に係る企業活動調査実施状況
調査
年度 対象企業 回答
企業数 調査内容 文献
2003 化学系メーカー 52社 SDSの取組み調査 大久保ら, 2005a 2004 メーカー全般、
流通、小売他
173社 ハザード情報の取組み調査 大久保ら, 2005b 窪田ら, 2005 2005 メーカー全般、
流通、小売他
180社 ハザード情報の取組み調査(曝露評価、リスク 評価、リスク管理に関する調査を追加)
窪田ら, 2006a 窪田ら, 2006b 2006 すべての業種 210社
(有効回答:197社)
ハザード評価、曝露評価、リスク評価、リスク 管理の評価項目を集大成して本格調査を実施
窪田ら, 2007 神園ら, 2007 2007 すべての業種 276社
(有効回答:224社)
設問と選択肢を改良して調査を継続
国際的 枠組 み との整 合性 の 検証を 踏ま え 、 Performance軸の要素として従業員、消費者、
一般市民、環境保全への配慮の4つの管理の視 点を追加し、Performance軸に関する調査を充 実
本報
2008 すべての業種 集計中 同上 -
これまでの調査結果を総括すると、開発したSCP軸を中心とした本体系が化学物質総合管理 の評価体系として高い分離性能を示すことが検証された。化学物質総合管理への取組み状況を 包括的に捉えることができ、業種間、あるいは企業間での特徴を明らかにすることができた。
第一回目の本格調査となった2006年度調査では、業種ごとの総合到達度の解析、さらにはユ ーザー (化学物質を使用、加工する需要側、SDS を受領のみしている企業群) とサプライヤー (化学物質の供給側で、SDSを発行している企業群) の比較、到達度の上位グループと下位グル ープの比較を行った。また、評価軸の中で特に到達度が低い傾向がみられたPerformance軸に ついて、詳細な解析を行った。この結果、以下の結果が得られた (窪田他, 2007)。
① 業種毎の差が大きく、化学産業を筆頭に化学物質を原材料・製品として取り扱う業種の 得点が高いことが調査からも裏付けされた。運輸系、情報・通信、金融・保険、サービス など、化学物質を原材料として取り扱っていない業種の到達度は低い傾向がある。
② 同一業種内でのばらつきも非常に大きく、各業種とも化学物質総合管理の取組みに企業 毎の大きな差異が認められた。
③ Performance 軸に関して、特に曝露評価とリスク評価の到達度が低く、曝露評価書ある
いはリスク評価書の作成に関しての到達度が低い結果となった。曝露評価、リスク評価は ハザード評価に比べて認知度が低く、取引関係者間での曝露やリスクに関する情報のやり 取りも活発ではない様子が伺えた。また、リスク管理についての社会とのコミュニケーシ ョンの実態は、多くの企業は環境報告書やCSRレポートの公開に留まっており、双方向の コミュニケーションにはまだ至っていない。
④ 回答企業数の多い化学、電気・電子及び機械系についてそれぞれの上位と下位の企業を 比較した結果、それぞれの業種で上位と下位の項目別の到達度に特徴が認められた。また、
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Performance軸の各設問に対する業種別の比較でも、差が認められた。
2. SAICM
の行動計画との比較と評価指標の改良2.1 SAICMの行動計画
国 際 的 な 化 学 物 質 管 理 の た め の 戦 略 的 ア プ ロ ー チ (SAICM;Strategic Approach to International Chemicals Management) は、2020年までに化学物質の製造と使用による人の健 康と環境への悪影響の最小化を目指す行動である。2006年2月の国際化学物質管理会議 (ICCM) において採択されたあと国連環境計画 (UNEP) において承認され、今後の国際的な化学物質管 理の方向性を示すものといえる。
SAICMは、ハイレベル宣言 (「ドバイ宣言」)、包括的方針戦略 (Overarching Policy Strategy)、 世界行動計画 (Global Plan of Action) の3つの関連文書から構成される。このうち、世界行動
計画は SAICM の目標を達成するために関係者がとるべき行動についてのガイダンス文書であ
り、1)リスク削減、2)知識と情報、3)ガバナンス、4)キャパシティビルディングと技術協 力、5)不正な国際取引の 5 つの目的に対処するための 273 項目の活動項目が示されている。
そしてそれぞれについて実施主体者、達成の期限、進捗の指標が記載されている。実施主体者 には政府、国際機関、産業界、労働組合、NGO、学会等が含まれ、実施主体者に産業界が含ま れる活動項目は131項目である (表2)。
表2 世界行動計画の活動項目(目的別)
目的 活動項目数 産業界が実施主体者に含まれる 活動項目数
1)リスク削減 79 40
2)知識と情報 85 56
3)ガバナンス 43 11
4)キャパシティビルディングと技術協力 55 22
5)不正な国際取引 11 2
合計 273 131
2.2 評価指標との比較
2007年度調査のための評価指標の改良にあたり、SAICM の世界行動計画と評価指標との整 合性を検証することとし、世界行動計画のうち実施主体者に産業界が含まれる131項目につい て、2006年度版評価指標との比較を試みた。世界行動計画の活動項目に記載された活動および 進捗の指標を参考に、関連する活動項目を評価指標の各項目に対応させた結果を表 3 に示す。
表中の数字は、評価指標の各項目に関連すると考えられた活動項目数である。この結果、評価 指標の各項目に世界行動計画の活動項目が全体的に対応しており、評価指標と世界行動計画の 活動項目の整合性が示された。
表3 2006年度版評価指標と世界活動計画の活動項目(産業界)の対応 評価要素
ハザード評価
(H)
曝露評価
(R)
リスク評価
(R)
リスク管理
(RM)
合計
Science軸 13 13 10 10 46
Capacity軸 21 19 20 20 80
Performance軸 30 19 19 31 99
評価軸
合計 64 51 49 61 225
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一方、世界行動計画の活動項目のうち、Science軸、Capacity軸、Performance軸に分類さ れる項目の数を比較すると、Performance軸に分類される項目が相対的に多いことがわかった。
またそうした項目の中には、労働安全衛生、リスクの少ない製品への代替、廃棄物管理、産業 界の参加などの具体的な活動成果を把握する評価項目が多いことがわかった。これらのことか ら、世界行動計画と評価指標の整合性をより高めるために、包括的な評価項目に加え、分野別 に達成度を把握するための工夫が必要であることがわかった。
2.3 評価指標の改良
2.1及び2.2の比較結果を踏まえ、評価指標の改良を行った。すなわち、Performance軸の更 なる充実をはかり、本体系におけるPerformance 軸のウェイトを高め、SAICMの活動項目の バランスに近づけることとした。そして新たな指標として「個別管理の視点」を追加し、化学 物質の影響を受ける対象について、どのような配慮をもって化学物質管理を実施しているかを 把握できるようにした。
具体的には、Performance 軸の要素として、従来の包括的視点に加え、個別管理の視点とし て以下の4項目を追加した。
・ 従業員への配慮
・ 消費者への配慮(製品経由の曝露を想定)
・ 一般市民への配慮(環境経由の曝露を想定)
・ 環境保全への配慮
3. 2007
年度企業活動調査2.において改良した評価指標を用いて、2007年度の企業活動調査を行った。
3.1 調査対象
東証一部上場のすべての業種の企業に対して調査を行った。メーカー全般、流通、小売等の 業態のみならず、銀行、証券、保険、その他金融及び不動産も調査対象に含めた。
3.2 調査時期および方法
2007年6月に電子メールまたは郵送で調査票を送付し、8月末までに回収した。
3.3 調査内容
調査はアンケート形式で行なった。評価指標の基本的枠組みに従った評価項目ごとに設問を 設定し、各設問について、自主的な化学物質管理活動の度合いが高いものから低いものまでの5 つの選択肢から選択する方式とした。
表4に設問数と設問の概要を示す。2007年度調査票は、2.に述べた世界行動計画の活動計画 との比較結果を踏まえ、Performance 軸に新たに「個別管理の視点」を加えた。各評価項目に ついて1問ないし2問の設問を設定しており、合計81問の設問で構成されている。
設問の具体例として、図4にハザード評価のScience軸の評価項目である「対象範囲の広さ」
に対する設問と選択肢、および本年度新たに追加したPerformance軸 (個別管理の視点) の「環 境保全への配慮」に対する設問と選択肢を示す。
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表4 設問数と設問の概要
評価要素
評価軸 設問の視点 ハザード
評価 曝露 評価
リスク 評価
リスク 管理
設問の概要 点数 小計 2 2 2 2 対象物質の広さ等
量 1 1 1 1 対象項目の広さ等
1 1 1 1 知見の正確さ 質 1 1 1 1 知見の新しさ Science軸
方法論 1 1 1 1 方法論の適切さ
120
1 1 1 1 担当者の専門性の高さ 人材 2 2 2 2 構成員全体の理解度
1 1 1 1 情報の取得・評価体制の充実度 1 1 1 1 情報の活用体制の充実度 Capacity軸
組織
1 1 1 1 経営トップの関与
120
活動の状況/結果の水準 3 3 3 3 評価書等の完成度
取引関係者への配慮 1 1 1 1 取引関係者との協調・連携度 社会への配慮 1 1 1 1 社会への公開度
包括的視点
予算・人員の確保 1 1 1 1 予算・人員の投入
120
従業員への配慮 2 国際合意事項と管理効果の把握
消費者への配慮 2 国際合意事項と管理効果の把握
一般市民への配慮 2 国際合意事項と管理効果の把握
Performance 軸 個別管理の視点
環境保全への配慮 3 国際合意事項と管理効果の把握
45
設問数合計 81 総点数 405
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図4 設問および選択肢の例
H-S-1-イ 有害性 S軸 1.量 イ.対象範囲の広さ Q:
(1項目選択)
□
□ 自社内で取り扱う全ての化学物質
□ 自社内で取り扱う主要な化学物質
□ 自社内で取り扱う化学物質のうち、法律上義務付けられている化学物質
□ 特に収集していない
有害性情報を揃える化学物質の範囲について伺います
なお、加工製品、組立製品の場合は各部品等に含有されている化学物質に ついてお答えください
自社内で取り扱う全ての化学物質(原料、中間体、製品等を含む)、及び排 出・廃棄する全ての化学物質
1.1.1
H-S-1-イ 有害性 S軸 1.量 イ.対象範囲の広さ Q: 有害性情報を、どの視点まで把握していますか
(1項目選択)
□ 地球環境など環境そのものへの影響まで
□ 環境中生物への影響まで
□ 製品による消費者への健康影響まで
□ 従業員への健康影響まで
□ SDS(=MSDS)やGHSさえ作成できればよい範囲のみ
1.1.2
H E R RM
ハザード評価 曝露評価 リスク評価 リスク管理
1量 物質の広さ 物質、範囲の広さ 物質、範囲の広さ 物質、範囲の広さ
Science軸 項目の広さ 視点の広さ 評価の広さ 管理の広さ
2質 科学的知見の正確さ 曝露情報の正確さ 評価の正確さ 管理内容の適切さ 科学的知見の新しさ 情報の状況変化への対
応 評価の見直し 管理内容の見直し
3方法論 方法論の適切さ 方法論の適切さ 方法論の適切さ 方法論の適切さ 1人材 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ
構成員全体の理解度 構成員全体の理解度 構成員全体の理解度 構成員全体の理解度
Capacity軸 2組織 情報の取得・評価体制
の充実度 情報の取得・評価体制
の充実度 評価体制の充実度 管理体制の充実度
情報の活用体制の充実 度
情報の活用体制の充実 度
情報の活用体制の充実 度
情報の活用体制の充実 度 経営トップの関与 経営トップの関与 経営トップの関与 経営トップの関与 1活動の状況/
結果の水準 GHS、MSDSなどの完成度 曝露シナリオ文書の完
成度 リスク評価書の完成度 管理計画・削減計画の完成 度、リスク管理の状況 Performance
軸 2取引関係者
への配慮 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度
3社会への配慮社会への公開度 社会への公開度 社会への公開度 社会への公開度
4予算・人員 の確保 予算・人員の確保(共
通) 予算・人員の確保(共
通) 予算・人員の確保(共
通) 予算・人員の確保(共
通)
5従 業 員 へ の 安 全 衛 生 の 配 慮 6消 費 者 へ の 安 全 配 慮 7一 般 市 民 へ の 安 全 配 慮 8環 境 保 全 へ の 安 全 配 慮 評価軸 (評価の視点)
包 括 的 視 点
個 別 管 理 の 視 点
評 価 要 素
A-P-8ーハ 共通 P軸 8.環境への配慮管理の効果 Q:
(1項目選択)
□
□
□
□ ほぼ同じ(増減なし)
□ 把握していない、もしくは増えている 1/4以下に減少した
およそ半減した およそ3/4に減少した
排出、廃棄の量は5年前と比較して減りましたか。
5.5.3
A-P-8ーイ 共通 P軸 8.環境保全配慮国際性 Q:
(1項目選択)
□
□
□
□
□ 国内の法律の範囲で管理している
国際合意事項について情報収集しており、国内の法律の動向をみて先取り して管理に組み入れる
国際合意事項について全て把握しており、国内の法律に上乗せして実施し ているものがある
環境中の生物の化学物質による影響を防止するための国際合意事項(条 約、協定、決議、勧告など)にどの程度配慮して、事業活動を行っています か。
国際合意事項は情報収集しているが、国内の法律の範囲で管理している 国際合意事項について全て把握しており、国際合意事項の全てを国内の法 律に自主的に上乗せして実施している
5.5.1
A-P-8ーロ 共通 P軸 8.環境への配慮管理の効果 Q:
(1項目選択)
□
□
□
□
□ 把握していない
リサイクル、リユース、無害化は5年前と比較して増えていますか
10倍ないしそれ以上増加している ほぼ5倍増加を達成している ほぼ2倍増加している ほぼ同じ(増減なし)
5.5.2
H E R RM
ハザード評価 曝露評価 リスク評価 リスク管理
1量 物質の広さ 物質、範囲の広さ 物質、範囲の広さ 物質、範囲の広さ
Science軸 項目の広さ 視点の広さ 評価の広さ 管理の広さ
2質 科学的知見の正確さ 曝露情報の正確さ 評価の正確さ 管理内容の適切さ
科学的知見の新しさ 情報の状況変化への対
応 評価の見直し 管理内容の見直し
3方法論 方法論の適切さ 方法論の適切さ 方法論の適切さ 方法論の適切さ
1人材 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ 担当者の専門性の高さ 構成員全体の理解度 構成員全体の理解度 構成員全体の理解度 構成員全体の理解度
Capacity軸 2組織 情報の取得・評価体制
の充実度
情報の取得・評価体制
の充実度 評価体制の充実度 管理体制の充実度
情報の活用体制の充実
度 情報の活用体制の充実
度 情報の活用体制の充実
度 情報の活用体制の充実
度 経営トップの関与 経営トップの関与 経営トップの関与 経営トップの関与
1活動の状況/
結果の水準GHS、MSDSなどの完成度 曝露シナリオ文書の完
成度 リスク評価書の完成度 管理計画・削減計画の完成 度、リスク管理の状況 Performance
軸 2取引関係者
への配慮 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度 取引関係者との協調・
連携度 3社会への配慮社会への公開度 社会への公開度 社会への公開度 社会への公開度 4予算・人員
の確保
予算・人員の確保(共 通)
予算・人員の確保(共 通)
予算・人員の確保(共 通)
予算・人員の確保(共 通)
5従 業 員 へ の 安 全 衛 生 の 配 慮 6消 費 者 へ の 安 全 配 慮 7一 般 市 民 へ の 安 全 配 慮 8環 境 保 全 へ の 安 全 配 慮 評価軸 (評価の視点)
包 括 的 視 点
個 別 管 理 の 視 点
評 価 要 素
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3.4 集計方法
各設問の回答につき、5点評価法で点数配分を行い、405点満点として評価点を集計した。こ の際、法令を超えて実施している活動、自主管理の考え方に立脚した活動、自らが実際に行っ た活動、国際的に通用する水準の活動をプラスに評価した。
続いて、405点 (満点) を100として指数化し、総合到達度を求めた。さらに、各評価要素 ( H, E, R, RM) とS軸、C軸、P軸 (包括的視点) とを掛け合わせた12項目とP軸の個別管理の 視点の4項目の計16項目について、項目別到達度を求めた。
3.5 調査結果
アンケート調査の結果、276社から回答が得られた。表5に業種別の調査票回収状況を示す。
このうち、白紙回答を除く224社の回答を有効回答として集計評価した。2006年度調査と比較 すると、回答企業数は66社、有効回答数は27社増加した。
有効回答が得られた224社の業種内訳を図5に示す。このうちゴム業種は、本年度調査で新 たに有効回答が得られた業種である。業態が類似する化学とゴムを「ゴム・化学業種」に、精 密機械、輸送機械、機械を「機械系業種」に、卸売業、小売業を「商業」に、陸運、海運、空 運を「運輸系」にまとめると、有効回答数の上位 3 業種は、電気・電子、ゴム・化学、機械系 であった。これらの合計は111社であり、全体の約50%を占めた。
表5 調査票回収状況
業種名 回収企業数 回答企業数 白紙回答企業数 白紙率(%) 白紙回答企業中 理由コメントのある会社数
建設業 9 7 2 22 1/2
食料品 11 7 4 36 2/4
繊維製品 4 4 0 0 -
パルプ・紙 3 3 0 0 -
化学 34 33 1 3 0/1
医薬品 10 10 0 0 -
石油・石炭製品 4 4 0 0 -
ゴム製品 2 2 0 0 -
ガラス・土石製品 7 7 0 0 -
鉄鋼 6 6 0 0 -
非鉄金属 5 5 0 0 -
金属製品 4 3 1 25 1/1
精密機器 7 7 0 0 -
輸送用機器 9 8 1 11 0/1
機械 20 18 2 10 0/2
電気・電子 46 43 3 7 1/3
その他製品 10 10 0 0 -
小売業 7 4 3 43 0/3
卸売業 13 9 4 31 0/4
銀行業 8 2 6 75 1/6
保険業 3 2 1 33 0/1
証券業 3 2 1 33 0/1
金融業その他 9 2 7 78 1/7
不動産業 4 3 1 25 0/1
海運業 2 1 1 50 1/1
陸運業 4 3 1 25 0/1
空運業 1 1 0 0 -
倉庫・運輸関連業 3 0 3 100 0/3
情報・通信業 11 5 6 55 2/6
電力・ガス業 10 9 1 10 0/1
サービス業 7 4 3 43 1/3
合計・平均 276 224 52 19 11/52
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図5 有効回答が得られた224社の業種内訳
4.
調査結果の解析 4.1 総合到達度の解析全企業 (224社) の総合到達度と総合順位の関係を図6に示す。総合到達度の平均は50であ り、2006年度調査の総合到達度の平均と同じであった。中位企業の総合到達度は54であった。
また、プロットの形状から中間層が多い傾向にあることがわかる。
図6 全企業(224社)の総合到達度
電気・電子, 19.2%
ゴム・化学, 15.6%
機械系, 14.7%
商業, 5.8%
医薬品, 4.5%
その他製品, 4.5%
鉄・非鉄, 4.9%
電気・ガス業, 4.0%
金融・保険, 3.6%
建設業, 3.1%
食料品, 3.1%
石油・石炭製品, 1.8%
情報・通信業, 2.2%
運輸系, 2.2%
サービス業, 1.8%
金属製品, 1.3%
不動産業, 1.3%
ガラス・土石製品, 3.1%
繊維製品・パルプ・紙, 3.1%
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 総合順位(位)
総合到達度 全224社平均
中位企業
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4.1.1 業種別の総合到達度
業種別の総合到達度を図7 に示す。なお、2006年度調査における総合到達度も併せて示す。
ゴム・化学の到達度が最も高く、医薬品、電気・電子、繊維・パルプ・紙業種が続いている。
また、到達度が低い業種は金融業その他、情報・通信業、運輸業、サービス業であった。上位 業種および下位業種は昨年度とほぼ同じであり、化学物質を原材料・製品として取り扱う業種 の到達度が高い傾向に変化はなかった。上位業種のうち5 位のガラス・土石製品以外の業種で は、昨年度より到達度が上がっている。一方、下位業種のうちサービス業以外の業種では昨年 度より到達度が下がっている。このことより、上位業種と下位業種で取り組みの差が広がって いるといえる。
0 10 20 30 40 50 60 70 80
ゴム・化学 医薬品 電気・電子 繊維・パルプ・紙 ガラス・土石製品 金属製品 鉄・非鉄 建設業 電力・ガス業 石油・石炭製品 その他製品 機械 小売業・卸売業 不動産業 食料品 サービス業 運輸業 情報・通信業 金融業その他
総合到達度
2006年結果
2007年結果(管理の視点を除く)
2007年結果(管理の視点を含む)
図7 業種別の総合到達度 4.1.2 業種別の総合到達度の分布
同一業種内での到達度の分布を把握するため、各企業の到達度をプロットした (図 8)。この 結果、同業種内の企業でも差異が大きいことがわかった。また、業種によりばらつき方に特徴 が見られ、図8に示す通り大きく5つのタイプに分類された。上位2業種であるゴム・化学、
医薬品は、業種内の差異が60程度に広がっているものの全企業が到達度30以上に分布してお り、全体的にレベルが高い。一方、3位の電子・電気は到達度の差異が80程度と非常に大きい 特徴があり、この傾向は機械、小売業・卸売業でも見られた。また、到達度が低い金融業その 他、情報・通信業、運輸業、サービス業では到達度が平均以上の企業はなく、これらの業種で は全体的に化学物質管理の取組み状況が低調であることがわかる。そして食料品については、
一企業を除いては到達度が平均以下であり、製造業でありながら、その水準は金融業その他、
情報・通信業、運輸業、サービス業といった非製造業の水準に近いことがわかった。
同一業種内での到達度の差異の要因として、サプライチェーンにおける役割による違いが考 えられた。そこで、MSDSを発行している企業(サプライヤー)とMSDSを受け取る企業(ユ ーザー)に分けて各企業の到達度をプロットした (図 9)。この結果、全体的にユーザーよりも サプライヤーの到達度が高く、両者の間には平均で21の差異があった。電子・電気、機械で同 業種内の差異が非常に大きいのは、ユーザー企業の割合が高く、サプライヤー企業と混在して いることが大きな要因の一つとなっている。
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図8 業種別総合到達度の分布
図9 サプライヤー別、ユーザー別の業種別総合到達度の分布
平均 50
平均 50 サプライヤー平均 59
ユーザー平均 38
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4.2 項目別到達度の解析
評価項目ごとの到達度の特徴を明らかにするため、項目別到達度の解析を行った。
4.2.1 全企業(224社)の項目別到達度
全企業(224 社)の項目別到達度を表6 に示す。また、包括的視点および個別管理の視点の レーダーチャートを図10に示す。
包括的視点をみると、評価軸のうちPerformance軸の到達度が低いことがわかる。この傾向 は2006年度調査でみられた傾向と同じであり、全項目別到達度の相互のバランスも2006年度 調査結果とほぼ同様であった。
また、本年度調査から導入した管理の視点をみると、いずれの視点の到達度も低く、SAICM に示されている活動項目のような具体的な取組みが弱いことが示唆される。そしてその中では 環境保全が重視されている傾向がうかがえる。
表6 全224社の項目別到達度
評価要素 評価軸 ハザード評価
(H)
曝露評価 (E)
リスク評価
(R)
リスク管理
(RM)
合計
量 質 Science軸
方法論 58 49 56 56 55
人材 Capacity軸
組織 60 52 52 48 53
活動の状況/結果の水準 取引関係者への配慮 社会への配慮
包括的視点
予算・人員の確保
51 42 44 49 46
小計 56 48 51 51 51
従業員への安全衛生の配慮 39
消費者への安全配慮 38
一般市民への安全配慮 37
Performance軸
個別管理の視点
環境保全への安全配慮 49
合計 50
図10 全224社の項目別到達度
0 20 40 60 80 100従業員
消費者
市民 環境保全
記号の説明 H:ハザード評価 E:曝露評価 R:リスク評価 RM:リスク管理
S:Science軸 C:Capacity軸 P:Performance軸
0 20 40 60 80 100H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C
RM-C H-P E-P
R-P RM-P
2007年度 2006年度
<包括的視点> <個別管理の視点>
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全体として到達度が低い傾向がみられたPerformance軸について、設問とその回答状況を確 認した。設問とその回答状況の一例を図17に示す。
Performance 軸(包括的視点)のうち最も到達度が低かった曝露評価に関して、曝露評価書
の作成状況、販売先からの曝露情報の提供状況をみると、曝露状況を把握していない、または 曝露情報の提供を受けていない企業は回答企業の 4 割近くにのぼった。リスク評価書の作成状 況を問う設問では、何らかのリスク評価書を作成している企業は回答企業の 3 割未満と低い。
さらに、リスク管理状況の社会への公開については、特に何も行っていない企業が約 4 割を占 め、リスク管理書類の公開、定期的な意見交換を行なっている企業は非常に少ないことがわか る。
これらの回答状況から、曝露情報の収集・伝達に関する活動が浸透していないことが、
Performance軸の到達度が低い大きな要因のひとつであると考えられる。
図17 Performance軸の設問別回答状況
⑤ 12
④ 40
③ 57
② 0
① 69
計 178
⑤国際的に整合した方法に基づく曝露シ ナリオ文書を既に作成済みである
④国際的に整合した方法に基づいてい るとは言えないが、曝露シナリオ文書を 作成した
③曝露評価書(曝露シナリオ文書)の作 成を検討中
②法律で規定された範囲のみの曝露状 況を把握している
①曝露状況を把握していない
Q 曝露評価書(曝露シナリオ文書)の作成について伺います
⑤ 15
④ 5
③ 51
② 43
① 70
計 184
⑤主要な製品について定期的かつ変更 があった際に、提供を受けている
④主要な製品について定期的に提供を 受けている
③主要な製品について変更があった際 に提供を受けている
②主要な製品の一部については、提供 を受けている
①提供を受けていない
⑤ 16
④ 38
③ 28
② 79
① 33
計 194
⑤国際的に整合した方法に基づくリスク 評価書を既に作成済みである
④国際的に整合した方法に基づいてい るとは言えないが、リスク評価書を作成 した
③リスク評価書の作成を検討中
②法律で規定された範囲でのみリスク 評価を行う
①リスク評価は実施していない
Q 自社製品に関連して、販売先からどのように曝露情報の提 供を受けていますか
⑤ 12
④ 34
③ 27
② 47
① 79
計 199
⑤リスク管理書類(リスク管理の現状と 改善策を記した書類)を公開し、定期的 に意見交換している
④リスク管理書類を公開し、求めに応じ て関係者と意見交換している
③リスク管理書類は公開している
②関係者に説明会を開催している
①特に何も行なっていない
Q 管理の状況について社会とのコミュニケーションをどの ように行っていますか
Q リスク評価書の作成について伺います
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4.2.2 順位グループでの比較
総合到達度のレベルと項目別到達度の関連性を把握するため、上位 10 社、60~69 位、120
~129位、150~159位の各順位グループの項目別到達度を比較した。包括的視点と個別管理の 視点のレーダーチャートを図11に示す。
包括的視点については、順位(総合到達度)が下がるほどバランスが崩れ、下位グループほ ど項目別到達度のばらつきが大きい傾向があることがわかる。特に、Science 軸の曝露評価と
Performance 軸全般の差異が顕著である。また個別管理の視点については、総合到達度の高い
グループほど管理の視点においても得点が高くなっており、化学物質管理への取組みが具体的 な活動成果に現れている。どのグループにおいても環境保全に注力している傾向が見られるが、
下位グループほどその傾向が強く、管理の視点に偏りがある。
図11 順位グループの項目別到達度の比較 4.2.3 サプライヤー企業とユーザー企業の比較
総合到達度の解析において、化学物質のサプライヤー企業とユーザー企業で到達度が異なる 傾向がみられたことから、サプライヤー企業とユーザー企業に分けて項目別到達度を解析した。
包括的視点および個別管理の視点のレーダーチャートを図12に示す。
包括的視点および個別管理の視点のいずれにおいても、相対的にサプライヤー平均がユーザ ー平均よりも良い結果となっている。このうち包括的視点については、ハザード評価の Performance軸の差異が相対的に大きく、MSDS発行者であるサプライヤー企業は特にハザー ド評価に関するパフォーマンスが高いことが裏付けられた。個別管理の視点については、項目 別到達度の傾向に顕著な違いは見られなかった。
図12 サプライヤーとユーザーの項目別到達度の比較
0 20 40 60 80 100H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C
RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 100従業員
消費者
一般市民 環境保全
サプライヤー平均(n=130) ユーザー平均(n=94) 0
20 40 60 80 100
H-S E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C
RM-C H-P E-P
R-P RM-P
上位10社平均 60~69位(12社)平均 120~129位(11社)平均 150~159位(10社)平均
0 20 40 60 80 100従業員
消費者
一般市民 環境保全
上位10社平均 60~69位(12社)平均 120~129位(11社)平均 150~159位(10社)平均
<包括的視点> <個別管理の視点>
<包括的視点> <個別管理の視点>
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4.2.4 業種間の比較
(1)ゴム・化学業種と機械系、電気・電子業種の比較
業種間の項目別到達度の比較として、ゴム・化学業種とともに回答企業数が多かった機械系 および電気・電子について解析した (図13)。
包括的視点について、業種平均ではいずれの項目もゴム・化学の到達度が最も高い。各項目 のバランスについては、ゴム・化学と機械系のチャートの形状は類似している一方、電気・電 子ではハザード評価のPerformance軸が比較的低く、リスク管理に関する到達度が相対的に高 い傾向にある。個別管理の視点について、いずれの業種も全企業平均でみられたのと同様に、
環境保全に重点をおく傾向にある。またゴム・化学と電気・電子の到達度はほぼ同じであり、
電気・電子業界では「個別管理の視点」を重視した管理が行われている傾向がうかがえる。
図13 項目別到達度の比較(ゴム・化学業種と機械系、電気・電子業種)
(2)ゴム・化学業種と医薬品、食料品業種の比較
さらに、ゴム・化学業種と医薬品、食料品業種の比較を行った (図14)。
包括的視点では、リスク管理について医薬品の到達度が若干低い傾向がうかがえるが、ゴム・
化学と医薬品はほぼ同程度の到達度でありバランスも似ている。一方、食料品の到達度はいず れの項目も著しく低くバランスも大きく崩れており、特に曝露評価に関する到達度が低い特徴 がある。個別管理の視点では、医薬品において環境保全に重点が置かれている一方で、消費者、
一般市民への視点が低い傾向がみられる。特に消費者への視点などについては、法令への対応 が主となっているためか、到達度が相対的に低くなっている。食料品は個別管理の視点の到達 度も著しく低く、特に環境保全の視点が低い傾向がみられる。
図14 項目別到達度の比較(ゴム・化学業種と医薬品、食料品業種)
0 20 40 60 80 100H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P
RM-P ゴム・化学平均(n=35)
医薬品平均(n=10) 食料品平均(n=7) 0
20 40 60 80 100H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
ゴム・化学平均(n=35) 機械系平均(n=33) 電気・電子平均(n=43)
0 20 40 60 80 100従業員
消費者
一般市民 環境保全
機械系平均(n=33) 電気・電子平均(n=43) ゴム・化学平均(n=35)
<個別管理の視点>
<包括的視点>
0 20 40 60 80 100従業員
消費者
一般市民 環境保全
ゴム・化学平均(n=35) 医薬品平均(n=10) 食料品平均(n=7)
<個別管理の視点>
<包括的視点>
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4.2.5 業種内の比較
同業種内の項目別到達度の比較として、ゴム・化学業種と食料品業種について上位、中位、
下位企業の比較を行った。
(1)ゴム・化学業種
図15にゴム・化学業種のうち上位3企業と中位企業、および下位3企業の項目別到達度を示 す。ゴム・化学業種は総合到達度が最も高い業種であり、全体として項目別到達度のバランス がとれている。ここに例示した企業についてみると、上位企業では項目別到達度のバランスが 取れており、総合到達度が低くなるにつれて包括的視点、個別管理の視点ともにバランスが崩 れていく傾向がうかがえる。また下位企業の中には、項目別到達度のバランスが非常に崩れて おり、化学物質管理の取組みに偏りがあることがわかる。
図15 ゴム・化学企業の項目別到達度
ゴム・化学上位企業-1 ゴム・化学上位企業-2 ゴム・化学上位企業-3 ゴム・化学中位企業 包括的視点包括的視点個別管理の視点個別管理の視点
ゴム・化学下位企業-2 ゴム・化学下位企業-3 有効回答224 社平均
各企業
0 20 40 60 80 100 H-S
E-S R-S
RM-S
H-C E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 100
従業員
消費者
一般市民
環境保全 20400
60 80 100
従業員
消費者
一般市民 環境保全
0 20 40 60 80 100 H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 100 H-S
E -S R-S
RM-S
H-C E -C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 100 H-S
E -S
R-S
RM-S
H-C
E -C R-C RM-C H-P E -P
R-P RM-P
200 4060 80 100
従業員
消費者
一般市民 環境保全
2 00 4 06 0 8 0 1 0 0
従業員
消費者
一般市民 環境保全
0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0
従業員
消費者
一般市民 環境保全
0 20 40 60 80 100 H-S
E-S R-S
RM-S
H-C E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 100H-S
E-S
R-S
RM-S
H-C
E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
ゴム・化学下位企業-1
0 20 40 60 80 100
従業員
消費者
一般市民 環境保全
0 20 40 60 80 100 H-S
E-S R-S
RM-S
H-C E-C R-C RM-C H-P E-P
R-P RM-P
0 20 40 60 80 1 00
従業員
消費者
一般市民 環境保全
ゴム・化学企業平均