2022 年度河川技術に関するシンポジウム および「河川技術論文集 第 28 巻」論文募集
河川部会は、「従来の河川の概念にとどまらず、水・土砂・物質循環系としての広 義の河川と、人だけでなく様々な生物との関係をより良いものとしていくための実 践的技術の総体」として河川技術をとらえ、産学官を問わない広い裾野から精力的 に行われる研究や技術開発が河川や流域の現場に広がることで現状をより良いもの へと変えていき、そのことが国民や流域住民から肯定的に認知されることで、河川 技術の発展とその現場への適用がさらにいっそう促進されるという好循環の形成に 貢献することを目指しています。
それを実現するために河川部会は、水工学委員会の三部会(基礎水理部会、環境 水理部会、水文部会)との連携協力を推進するとともに、学術と技術との橋渡し、
官・学・民の連携、従来の河川工学以外の河川に関わる学術分野との学際領域への 展開など、河川技術に求められる様々なインターフェースとしての役割を担うこと を志向しています。
その一環として、河川部会では 2022 年度も標記シンポジウムを下記のとおり企画 いたしました。「河川技術論文集」も今回で 28 巻となり、これまで蓄積されてきた 技術を活かし、さらに河川技術が実践の場でより機能的に発揮されるよう、研鑽し てきたいと考えております。ふるってご参加いただきますようご案内申し上げま す。
・開催期日
2022 年 6 月 16 日(木)・17 日(金)
・開催方法
東京大学農学部 弥生講堂(文京区弥生 1-1-1)・オンライン併用(予定)
① オーガナイズドセッション:数人の発表者および参加者による議論
(会場参加(最大 150 人※※)と ZOOM 上でのオンライン参加の併用を予定)
②ポスターセッション:1)指定日時に会場でポスター掲示 2)指定期間にポスター 掲載サイト上で質疑応答。シンポジウム前の発表者主催のWEB上質疑も可
※※:制限人数は COVID19 の感染状況等を見つつ決定します。OS 及び PS 発表者を優 先予定。
・参加費
一般(会員)6,500 円、一般(非会員)8,000 円、学生(会員・非会員)4,000 円
(予定)
※いずれも論文集(ポスター掲載サイトからのダウンロード方式を予定)代を含 む。
※支払い方法:郵便振替 or 銀行振込(当初オンライン決済を予定していましたが、
変更させていただくこととなりました。ご迷惑おかけしますがご了承願います。)
※参加方法の詳細は 5 月上旬までに河川部会 HP に掲載します。
※希望者には冊子(白黒)配布(スケジュール上当日配布濃厚。オンライン参加 者には後日送付見込みとなることご了承願います。)。
※河川部会 HP: https://committees.jsce.or.jp/hydraulic01/
・登載に係る著者負担金
要旨査読・本文査読による審査を経て、河川技術論文集に登載される論文等の著 者には、参加費とは別に 1 編につき 12,000 円を負担していただきます。
・シンポジウム募集課題
本シンポジウムは、1 つの会場で特定の課題について全体で議論を進めるオーガナ イズドセッションと、ポスターセッションから構成されます。以下のように、特定 課題および一般課題について論文等を募集します。
「論文等」には、後述する投稿ジャンルに示すように、論文、総説、報告があり ます。河川部会では、その目的に沿って、河川技術が適用される現場での取り組み に根ざした実際的知見(自然公物である河川で起こる変状や問題について解釈し、
それに応じた対策を立案する“臨床”技術もその1つ)の共有が、後述する人材不 足や技術継承困難という課題を解決する上で極めて重要と考えており、「報告」も論 文や総説と同等に重視します。
特定課題、一般課題とも「河川技術を主題とし、あるいは生物・生態、社会経済 などの周辺領域の論文等については河川技術と密接な関係を有し、いずれも河川整 備や管理に資するもの」、また「実際の事象に基づいた考察がなされ、研究された論 文等であること。たとえば、現地を対象とした観測・調査、数値計算や模型実験な どから見出された知見を基に、問題設定がなされ研究が展開されている論文等であ ること」(投稿規定 3.)を投稿の条件とします。この条件に該当することが読み取れ ない原稿は不採択と判定します。
(1) 特定課題1:流域治水を支える現状の技術と課題~中小河川の整備と役割~
気候変動に伴い頻発化・激甚化する水害等に対し、「流域治水」の考え方に基づい て、従来の治水対策に加えて、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う総合的か つ多層的な水災害対策が本格化しつつあります。流域治水では、国、都道府県、市 区町村、企業、自治会等の地域コミュニティー、各個人の協力が不可欠であり、文 字通り流域に関わる全ての機関、人が対象となっています。したがって、河川に関 わる技術者、研究者としては、地先から流域までの様々なスケールにおける、ハー ド・ソフト両面に関わる知恵や技術について、これまでの成果を精査し、課題を明 らかにするとともに、必要な研究・技術開発を進め、流域治水の基盤となる情報を 提供することが求められます。
昨年度(河川技術論文集、第 27 巻)では、流域治水の理念とそれに向けた研究・技 術開発について特定テーマを募集し、2021 年河川技術シンポジウムにおいて、産官 学の参加者で情報を共有し、議論しました。流域治水に関連する貴重な論文ととも に、河川技術者の役割と技術のあり方や流域治水全体のビジョンなど幅広い議論が 展開され、「流域治水」という概念について、参加者間で共通の理解を深めることが できました。
種々の問題に対して広く俯瞰した次のステップとしては、具体の問題について技 術課題を深く掘り下げた議論をすることが解決への道筋を見通すために重要です。
都道府県が管理する中小河川は国管理の大河川と比べて整備水準が高くなく、度重 なる洪水被害等が発生しています。これらは予算に対する河川延長の違いなどか ら、中小河川において解決すべき問題は大河川のそれとは異なる場合もあります。
また、一級河川の上流部の都道府県管理区間においては、国管理河川や市町村が管 理する準用河川や普通河川、下水道等との種々の境界・接続問題も含み、流域治水 を遂行する上で重要な検討課題を多く含んでいると言えます。中小河川からの流入 流量は下流の国管理河川のハイドログラフに関係するため、流域全体の治水から見 ても中小河川の整備は重要な役割をもちます。そこで、流域治水に関する中小河川 特有の問題やその対策、境界・接続問題などを検討した論文と合わせて、関連する 調査・検討結果の報告、あるいは理念に関わる論文を広く募集いたします。
(2) 特定課題2:河川管理の DX に関する研究・技術開発
近年、ICT や AI、VR、クラウドなどのデジタル技術の進展が目覚ましく、あらゆ る業種においてこれまでにない新しい製品やサービスが登場してきています。
河川分野においても定期横断測量における ALB の活用、直轄工事の BIM/CIM の原 則化(2023 年度目標)、3 次元管内図の全河川運用開始(2025 年度目標)など、新た な技術を活用した河川管理の効率化や高度化を図るデジタルトランスフォーメーシ ョン(DX)の動きが始まっています。地形計測では、ドローン搭載型グリーンレー ザースキャナにより高密度で陸上・水中の同時計測が可能となり、BIM/CIM による設 計、ICT 施工に加えて、川づくりの計画段階における活用も進んでいます。高密度な 3 次元地形データは河川環境や景観の評価、流れや河床変動の実態や堤防変状の把握 等に活かされ、洪水観測技術や地中探査技術の高度化もあいまって、これまで把握 できなかった河川の変化がより鮮明に見えるようになってきています。また、カメ ラ画像やセンサ技術を活用した洪水観測や人工衛星を活用した 4 次元でのモニタリ ングなど新たな試みも行われています。
しかし、これらの変革はまだ始まったばかりで、今後もデジタル技術が日々進化 していく中で、河川管理の現場も進化する必要があることから、本特定課題ではこ れらの新しい技術を現場で活用した事例、新たなモニタリング方法の提案、新たな データを用いた解析・予測技術の高度化につながる研究、知見の蓄積や技術者間で の技術の継承、産官学連携の強化に向けた取り組み事例など、河川管理の現場での 技術の革新と活用に繋がる報告・論文を広く募集します。
(3) 特定課題3:これからの社会における河道の役割と河道設計・河道管理に資 する河川技術
近年相次いでいる豪雨災害では、中小河川のみならず国が管理する大河川におい ても河道の流下能力を超える洪水の発生による氾濫被害が生じており、これらの被 害を受けて、緊急的な流下能力向上を目的とした樹木伐採や河道掘削が全国の河川 で行われています。また、近年行われた気候変動予測に基づく試算によれば、極端 な豪雨の規模・頻度の増加によって、整備目標としている治水安全度は相対的に低
下していくことが示されました。これを踏まえると、いまなお河川整備が途上の段 階にある中にあっても、治水安全度の確保における河道への要請がさらに高まるこ とが予想されます。一方で、河道は洪水を安全に流下させるための空間としてだけ ではなく、動植物の生息・生育・繁殖の場としての役割や、川らしい景観や水辺の 空間利用も含めた良好な河川環境の保全に対する要請も強く、治水と河川環境とを 両立させる河道管理に資する河川技術が求められています。さらには、流域治水の 議論が本格化する中で、河道のあるべき姿を見据え、治水と環境両面における河道 の役割を、集水域・氾濫域との関係性において再考する必要性も高まっています。
昨年度の投稿論文及び河川技術シンポジウムにおける議論では、洪水時に生じる 河床変動の分析に基づいた順応的な河川構造物の保全、樹木の流出・再樹林化の評 価に基づく伐採・掘削計画の立案、中長期的な河床変動を視野に入れた河積管理の ための解析技術など、河道内における流水・土砂・植物の相互作用に関する素過程 の解明を踏まえた先進的・実践的な河道管理の取り組みが各地で行われつつあるこ とが報告された一方で、これからの社会における河道の役割と機能、それらを踏ま えた河道のあるべき姿についての議論も研究・技術開発も、まだまだ不十分である との現状認識が共有されました。
そこで、本特定課題では、昨年度に引き続き、流域における河道の役割、河道管理 に資する河川技術(計測、解析、計画、設計、施工、モニタリング…)、中長期的な 河道の変化・変質に関する分析を踏まえた河道管理・維持管理の提案など、幅広い 観点での論文・報告・総説を募集します。とくに、防災・減災が主流となる社会の 実現に向けて、計画目標とする流量を安全に流す河道設計、支川氾濫や内水氾濫の 減災も視野に入れた河道設計、超過洪水に対しても減災機能を有する河道設計、維 持管理しやすく河道掘削後の土砂再堆積や植生再繁茂を抑制する河道設計、治水と 環境の調和した河道のあり方、流域を俯瞰した河道管理のあり方、地域資源として の河川空間のあり方など、今後の河道管理の方向性を示す理念に関する論文・総説 を歓迎します。また、河道管理の現場における実践的事例の情報共有と知見の集積 を加速する観点から、報告分野の投稿も歓迎します。
(4) 一般課題
一般課題の論文等は、河川部会活動の基盤です。特定課題以外の、河川部会の目 的に沿った論文等を幅広く募ります。
河川は、人間の存在とは関係なく元々存在し、周辺に住居や農業・生産活動を行 うために改修等人為的な改変を行いながら共存してきました。洪水が来襲するたび に流れや流砂によって河床をはじめ地形等が変化し、常時には植生が繁茂する等し て洪水流に対する抵抗が変化することを特徴として持つ自然公物です。日本では江 戸時代以降沖積河川を開発して住居や生産活動の場を大きく広げてきましたが、一 方で広げた空間は洪水リスクとの共存を余儀なくさせるものでもありました。明治 以降の近代土木技術で洪水リスクの低減を図っていますが、今なおその途上にあり ます。近年は気候変動による洪水リスク増大の懸念が高まっており、それらの克服 が期待されています。しかしながら、自然公物である河川で起こる変状や問題につ いて解釈し、それに応じた対策を立案する“臨床”を行うことができる技術者が激
減しています。かつては河川管理の現場技術者、インハウス研究者、大学の河川工 学研究者、コンサルタント技術者が“臨床”を担ってきましたが、現地の観測調 査・モデル開発と数値計算・構造物の設計・災害や被害の分析・対策の立案・点検 と結果の評価・河道や構造物の管理等役割の細分化・分業の進行、建設投資の減少 に伴い、人材不足・技術継承困難等が顕在化し、大きな課題となっています。この ような中、河川技術論文集や河川シンポジウムは様々な立場の技術者が“臨床”技 術に関する情報を共有し、切磋琢磨することで人材育成や技術が継承される場とし ても機能することが求められます。このため、具体的“臨床”技術を扱った論文・
報告に関する投稿を重視しております。
“臨床”:病床に臨んで診療すること。患者に接して診察・治療を行うこと(出典:
デジタル大辞泉)。〔名〕(「りんじょう」とも)病人の床のそばに行くこと。また、
実際に病人を診察・治療すること〔改正増補和英語林集成(1886)〕(出典:精選版 日本国語大辞典)。患者の診察や治療に関係する、の意味(出典:PDQ®がん用語辞 書)。「現場の河川」を患者に見立てて「管理・調査検討・計画・設計・施工・維 持・危機管理等」を診療・診察・治療に見立てて表現しているもの。
・論文集投稿ジャンル
論文等には次のジャンルがあります。いずれも、要旨、全文の 2 段階審査を実施 します。審査は河川技術論文集編集委員会により行います。論文審査要領について は、土木学会水工学委員会河川部会のホームページをご覧ください。投稿者が投稿 時に選択したジャンル「総説・論文・報告」にて査読を行います。
(1)論文(理念に関する論文を含む)
論文は、河川技術上新しい事実の発見や解釈を含むものであり、科学的な手続き を踏んで得られた結果に対して論理的に筋の通った考察が加えられているもの。ま た、理念に関する論文とは、新しい河川整備・管理に資する理念や提案であり、新 規性・有用性があり、論理的に筋の通ったもの。
河川部会の目的、特長に則り、理念に関する論文の投稿も重視しています。
(2)総説
これまでに公表された当該分野に関する事実や論文に含まれた多くの知見を幅広 く総括することによって河川技術に関する課題を比較考察し、今後の研究及び技術 開発の方向性を考察した論文
(3)報告
調査・計画・設計・施工・現場計測・研究プロジェクトなど河川技術が適用され る現場での取り組みに関する報告で、河川技術的に有益な内容を含むもの。論文に 求められる要件を満たす途上ではあるが、報告の価値があると考える事例研究の成 果も、このジャンルに積極的に投稿ください。
・発表及びディスカッション形式
特定課題に投稿された論文等は、オーガナイズドセッションにて発表・ディスカ ッションしていただくこともあります。その場合の発表形式は各課題のオーガナイ
ザーより連絡いたします。それ以外の論文等は、一般課題と同様の発表形式になり ます。
一般課題については、シンポジウム会場におけるポスター発表とポスター掲示サ イト上のディスカッション(発表者主催のシンポジウム前の Web 会議等を用いたデ ィスカッションも奨励します)が基本となります。
なお、編集過程で得られたディスカッションの元となりうる各原稿への査読コメ ントとそれに対する著者の対応及び回答についても、ポスター掲示サイト上に掲載 します。各論文のディスカッションの内容は、シンポジウム終了後、河川部会 HP 上 に公開いたしますので、ご協力いただきますようよろしくお願いいたします。
・投稿資格
河川の技術に求められるさまざまなインターフェース的側面を追求するという河 川部会の趣旨から、非土木学会員でも投稿は可能です(発表者、共著者とも)。ま た、同一著者の論文等への複数投稿は認めますが、発表は一人一編に限ります。
・要旨による応募方法
応募方法は、2021(令和 3)年 12 月上旬に河川部会ホームページに掲載しますの でご覧ください。同ホームページに掲載された形式で下記内容(1)から(6)を記載し ていただきます。応募の言語は、日本語以外に英語も受け付けます。ただし、連絡 等のやりとりは日本語を基本にすることを御了承願います。
河川部会ホームページ(URL): http://committees.jsce.or.jp/hydraulic01/
(1)題目 (2)要旨
1)応募する課題の区分、 2)査読希望分野、3)投稿のジャンル、 4)第一著者、 5) 題目、 6)要旨「(a)目的」、「(b)内容」、「(c)得られた成果」に分けて要旨全体 を 1000 字以内(英文の場合は、400 ワード以内)に記載、7)関連論文 をあわせて A4 用紙 1 枚に記載してください。8)図表・写真(合わせて 2 点以内)は A4 用紙 1 枚 にまとめたものを添付可能とします(この場合、あわせて 2 ページ以内)。この字数
(あるいはワード数)と図面・写真の制限を厳守してください。守られていない投 稿は不採択とします。また、既往の関連論文がある場合には 7)関連論文に論文名お よび論文集名を別記し、投稿論文等と既往の関連論文の違いを明確に 6)要旨に記述 するようにしてください。
これらを 2Mbt 以内の pdf ファイルとして作成しアップロードしてください。
第 1 段階審査は、この論文要旨をもとに行います。
(3)応募する課題:(特定課題 1 or 特定課題 2 or 特定課題 3 or 一般課題)
(4)投稿のジャンル:(総説 or 論文 or 報告)
(5)著者、発表者、発表者所属
(6)連絡先:(代表者の氏名、郵便番号、住所、電話番号、E メールアドレス)
・応募締切り
2022 年 1 月 7 日(金)15:00
・スケジュール
要旨による応募に対して第 1 段階審査を行い、2 月上旬に代表者に審査結果をお送 りします。全文原稿は、A4 用紙で 4 ページあるいは 6 ページ(様式は河川部会ホー ムページに掲載)で、2022 年 3 月 25 日(金)10 時を提出期限とします。提出され た原稿は、編集委員会で第 2 段階審査を行い、期日までの修正の必要性や、掲載の 可否を決定します。掲載が決定した論文等の最終原稿は 5 月下旬から 6 月上旬に、
ポスターについても 6 月上旬にポスター掲示サイト上にアップし、ディスカッショ ンしていただきます。
なお、シンポジウム当日の OS 等の発表有無及びシンポジウム会場でのポスター掲 示・ディスカッションの形式は第 2 段階審査後 5 月中旬にお知らせいたします。シ ンポジウムのプログラムは、河川部会のホームページに掲載します。
河川技術の進展、研究活動への意欲向上を目的として、以下の表彰制度を設けて おります。
・「河川技術論文賞」
下記に示す観点で優れた成果を上げた論文・報告・総説の著者を表彰します。
独創性に富む成果を挙げたもの、将来の展望を与える理念・提案や研究及び技術 開発の方向性を提示したもの、および河川技術が適用される現場で困難な研究・技 術開発を成し遂げた貴重な成果が盛り込まれているもののいずれかに該当すると認 めうるとともに、その主題と成果に大いなる発展性を備え、河川技術の進歩、学際 的な展開、体系化および普及に顕著な貢献をなしたと認めうる論文・報告・総説。
・「優秀発表者賞」
河川技術に関するシンポジウム会場及びポスター掲示サイト上でのポスターセッ ション発表者のうち、優秀な発表及びディスカッションを行った実務者及び研究者 に対し、授与する。
◆重要なお知らせ:河川部会の新たな取り組みとご協力のお願い
「河川技術に関するシンポジウム」は、河川に関わる重要な動向を把握し、河川 技術を発展させていくための情報・意見交換を行う場として活用されています。河 川部会は、シンポジウム及び河川技術論文集(以下「論文集」)のさらなる充実をは かるべく、継続的な取り組みを始めました。
その一環として、①論文集の原稿採択の考え方の再徹底、②査読と編集の役割分 担と編集責任の明確化、③編集結果の投稿者へのフィードバック、④論文集の編 集・シンポジウムを通じたディスカッション活性化と河川技術開発の整理・積み上 げを行うこととしました。
① 河川技術論文集の採択においては、河川技術の発展と現場への普及を重視して きました。それが上記した場としてシンポジウムを機能させるのに不可欠な要素で あるからです。こうした重要な観点でありながら、近年、今後の実務への展開を強 く意識した特に先駆的で独創性の高い論文等の採択が、必ずしも十分でないとの旨 のご指摘を複数受けました。
そこで、査読及び論文等採択の決定にあたり、上記観点について十分に踏まえる ことを再徹底いたします。また、投稿規定の 3.投稿に求められる条件:“「河川技術 を主題とし、あるいは生物・生態、社会経済などの周辺領域の論文等については河 川技術とのインターフェースを有し、いずれも河川整備や管理に資するもの」、また
「実際の事象に基づいた考察がなされ、研究された論文等であること。たとえば、
現地を対象とした観測・調査、数値計算や模型実験などから見出された知見をもと に、問題設定がなされ、研究が展開されている論文等であることを投稿の条件とす る。” の審査も再徹底します。
この取り組みを、河川技術論文集をより充実させることに繋げていくために、投 稿される皆様におかれましては、特に先駆的で独創性が高い内容を含む場合には、
河川技術の発展と現場への普及や今後の実務への展開に対する投稿論文等の意義、
位置づけ、関わりなどについて、これまでに増して十分な記載いただくようご配慮 ください。要旨原稿・本原稿双方において、投稿規定の 3.投稿に求められる条件を 満足する原稿であることが明瞭に読み取ることができるように、記載してくださ い。
② 査読と編集の役割分担と編集責任の明確化については、1)編集責任者が部会長 であることの明確化、2)査読者と編集者の区分明確化を行いました。編集の充実を 期する観点から、査読期間の増加、編集期間の設定を行うため、投稿開始時期を前 倒ししました。例年よりも投稿者に負担をかけることになりますが、趣旨を踏まえ ご協力いただきますようお願い申し上げます。
③ 編集結果(特に原稿の評価に関する部分)の投稿者へのフィードバックについ ては、本論文の不採択原稿についてのみ行っていましたが、要旨査読結果では採 択・不採択の結果とその理由を、採択論文等の本原稿については採択された結果の みをお伝えしていました。これは、「原稿の評価は読者に委ねるもの」という立場を 堅持する立場からは編集で行われた原稿評価の開示は必要ないと考えていたためで す。しかし、社会情勢の変化の中で、技術継承や人材不足が大きな課題になってい ます。今回から、要旨原稿及び採択論文の本原稿評価も記載してフィードバックす ることとします。これにより、河川技術分野の技術継承や人材不足の克服に寄与す ることを期待しています。
④ 論文集の編集・シンポジウムを通じたディスカッション活性化と河川技術開発 の整理・積み上げに関しても、問題意識は③と同様、技術継承困難・人材不足に発 しています。27 巻に及ぶ論文集作成とシンポジウムの開催の積み上げをもってして も技術継承困難や人材不足の課題は解決するどころか深刻化しました。第 28 巻編集 責任者としては、論文集査読規定の 2.(2)「原稿・・の価値は一般読者が判断すべき ものである」を重視するあまり、編集者としての評価開示、論文集の積み重ねを踏 まえた河川技術の課題や技術開発成果、技術開発の方向性整理の努力が欠けていた ためという仮説をもっています。また、昨年コロナ禍でオンライン開催となり、デ ィスカッション可能なツールとして Confit を活用しましたが、ディスカッションが 充実したとはいえない結果でした。今号では、ディスカッションの期間を設けるた めに論文集公開をシンポジウム開催よりも早めてディスカッション期間を確保し、
編集過程で得られたディスカッションの元となりうる原稿コメントとそれに対する
著者の対応及び回答も、原稿とともにポスター掲示サイトに掲載します。さらに編 集者は次巻に総説原稿を投稿するよう努めるものとします。投稿者におかれまして も、河川技術の発展に向けて、ディスカッションの充実に努めていただきますよう お願い申し上げます。
最後になりますが、河川技術論文集は河川部会と投稿者の協働による手作りの論 文集です。原稿フォーマットを整えることは著作者責任であることは当然のことで すが、たった 1 編の不行き届きな原稿が掲載されることにより論文集全体の評価が 毀損され、他の著者に迷惑を及ぼします。各投稿者はこのことを念頭に置き、原稿 受付の条件として、フォーマットチェックリストを活用して投稿者は原稿について 指定するフォーマットに整えた上で投稿いただきますよう重ねてご協力をお願いし ます。
・問合せ先
河川部会長 諏訪 義雄
〒305-8516 茨城県つくば市南原 1 番地 6
国立研究開発法人 土木研究所 水工研究グループ e-mail:[email protected]