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全方位カメラによるネットワークを介した遠隔監視システム

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Academic year: 2021

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全方位カメラによるネット ワークを介した遠隔監視システム

森田 真司 山澤 一誠 横矢 直和 奈良先端科学技術大学院大学

E-mail: fshinji-m, yamazawa,[email protected]

1.

はじめに

複数の部屋や複数のビルを一括監視するシステムにお いては,環境を常に広範囲に撮影し,かつ注目すべき対 象を実時間で検出1追跡することが求められる.従来,セ ンサ1台または少数で環境全体を監視することができる 全方位カメラを用いる方法が提案されている[1, 2].し かし1台の計算機ですべてのセンサを管理しているも のがほとんどで,ビル全体など 多くのセンサを必要とす る環境には適用できなかった.本研究では,全方位カメ ラとネットワークを利用した実時間監視システムを開発 した.本システムはサーバ/クライアントモデルであり, まずサーバ側において移動物体を検出し,センサからの 移動物体の方位を推定する.次にその全方位画像と方位 情報をネットワークを利用してクライアント側に転送す る.クライアント側では時系列の方位情報を用いて移動 物体を同定し,物体方向の画像を提示する.

2.

遠隔監視システム

本システムは,監視者側に設置したPCをクライアン ト,監視環境に設置したPCをサーバとしたサーバ/クラ イアントモデルであり,二者間のデータ通信を行うこと で,ネットワークを介した遠隔監視を実現する.また,本シ ステムではDigitalVideoTransportSystem(DVTS)[3]

を用いてネットワークで全方位動画像を伝送する.

2.1

サーバ側の処理

サーバ側では,全方位カメラHyperOmniVision[4]に より撮像された全方位画像から複数の移動物体を検出 し,センサからの方位情報を計算する.本研究では,背景 差分に基づいた移動物体の検出手法を採用した.入力画 像中の背景画素の輝度値を用いて,各画素が背景である か,物体の部分であるかを決定する.また,同時に背景の ゆっくりとした変化を考慮するために背景の更新を行う ことで,ロバストに複数の移動物体を検出することがで きる. 次に,毎フレームごとに物体とみなされた画素か ら方位角方向の画素数ヒストグラムを作成し,連続する

0より大きな値を持つ部分を移動物体の方位角範囲とす る.さらに,各方位角範囲で検出された物体を囲むよう に仰角の範囲も求め,注目物体の方位情報とする.また, デーモンプロセスにより,クライアントの要求に基づい てコネクションを確立し,全方位動画像と複数の注目物 体の方位情報を送信する.

2.2

クライアント 側の処理

クライアント側ではサーバとのコネクション確立後, 全方位動画像と複数の注目物体の方位情報を受信する. サーバから得られた複数の注目物体の方位情報から時系 列で方位の変化が最も小さくなるように複数の注目物体 の方位の対応付けを行い,注目物体の同定を行う.最後に 受信した全方位動画像から同定された複数の物体方向の 平面透視投影画像を生成して監視者に提示する.全方位 動画像から平面透視投影画像へは参考文献[4]の手法に よりハード ウェアのテクスチャマッピング機能を用いて 実時間で変換できる.

3.

システム構成と実験

1のようなシステム構成で,本学情報科学研究科棟 のロビー(1)を監視するサーバシステムを置き,研究 室(3)を監視者側としてクライアントシステムを置 いて,学内LANを用いて動作実験を行った.監視環境中 に複数の人物が歩行し,さらに1つの物体を環境中に新 たに置いた状態での監視を試みた.なお,サーバ,クライ アント側とも,計算機はPC(PentiumIV2.0GHz, メモ

512MB, Linux)1台であり,ネットワークは有線

100Mbpsである.

クライアント側で監視者に提示された画面の例を図2 に示す.本実験では画面を4分割し,左下に全方位画像 を,残り3つに検出された物体を入力画像中で面積の大 きい順に提示した.2において,2人の人物と新たに置 かれた物体が検出できていることがわかる.サーバ側に おける物体検出により方位情報は約0.2秒間隔で更新で きた.またクライアント側においては平面透視投影画像 の方位は約0.2秒ごとに更新されるものの,監視者に提 示される画像は22fpsで更新できた.また蛍光灯などの フリッカーなどは無視し,ロバストに移動物体のみを検 出できることを確認した.

1: システム構成 図2: 提示画像

4.

まとめ

本報告では,全方位カメラによるネットワークを介し た遠隔監視システムについて述べた.本システムはネッ トワークを利用した11のサーバ/クライアントシス テムである.サーバ側では背景差分を利用し,かつ背景 の更新を行うことで,ロバストに複数の移動物体を検出 し,クライアント側では平面透視投影画像を提示するこ とにより移動物体の確認が可能であった.今後の課題と しては,複数のサーバとクライアントを配置した多対多 のシステムへの拡張が挙げられる.

参考文献

[1] 寺沢ら: \複数の全方位画像センサを用いた遠隔監視シス テムにおける複数移動物体の存在領域推定," 信学技報,

PRMU2000-195,2001.

[2] 十河ら: \複数の全方位画像センサによる実時間人間追跡 システム,"信学論,Vol.J83-D-I I,No.12,pp.2567-2577, 2000.

[3] A.Ogawa,etal.: \DesignandImplementationofDV

StreamOverInternet,"Proc.IWSInternetWorkshop,

No.99EX385,1999.

[4] Y. Onoe, et al.: \Telepresence by real-time view-

dependent image generation from omnidirectional

videostreams," ComputerVision and Image Under-

standing,Vol.71,No.2,pp.399-406,1996.

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