平成 20 年度電気回路学定期試験問題
平成21年2月2日実施
注) 問ごとに別々の答案用紙に回答のこと。裏を使ってもよいが、2 枚の答案用紙に渡る回答は避けること。
また、答案用紙には導出の過程も記すこと。
問 1 分布定数線路を含む回路について以下の問いに答えよ。
(1) 図 1 のように特性インピーダンス Z0 = 300 [Ω]の無損失 分布定数線路が負荷インピーダンス ZR で終端されている。
受電端から 1/4 波長離れた点から負荷側を見たインピー ダンス Z を測定したところ Z = 200 + j150 [Ω] であった。
このときの ZR を求めよ。 ただし、線路の位相定数をβと する。
(2) 長さ ℓ [m] の無損失分布定数線路の一方を短絡または開放にしたとき、他端から見たインピ ーダンスはそれぞれ jXS [Ω]、-jXO [Ω]となった。ここからこの線路の特性インピーダンス Z0と位相定数βを求め、さらにこの線路の単位長さ当りのインダクタンス L およびキャパシ タンス C を求めよ。ただし、角周波数を ω とし、必要に応じて関数 tan-1を用いて表現して もよい。
問 2 角周波数ωで位相の等しい電圧源E0と電流源I0、および値がRAの 定抵抗回路を含む回路がある。
(1) 図(a)の回路において 1-1'から左側は、ノートンの定理からある内 部インピーダンスを持つ等価な電流源と見なすことができる。この 等価電源の短絡電流値を求めよ。
(2) 図(a)の抵抗RXで消費される電力を最大にする抵抗値RXを求めよ。
(3) 図(a)の定抵抗回路 RAの内部回路を図(b)に示す。R0に関する逆回路を参 考にして、内部素子の値L、Cを用いてRAの値を表せ。ただし、R02=L/C と する。
問 3 縦続行列: K が以下のように与えられる二端子対回路の出力端子にインダクタンス: Lが接続された回 路について、以下の3つの小問に答えよ。
⎥⎥
⎦
⎤
⎢⎢
⎣
=⎡ 1 1
0 1
R K
(1) この回路の入力インピーダンスの値: Zin を求めよ。
(2) この回路は具体的にどんな回路になるのか、その等価回路を示せ。
(3) 周波数 ω を0 から ∞ まで変化させると、入力インピーダンス: Zin は、複素平面上でどのような 軌跡を描くのか、円線図で示せ。( ω = 0, ω = ∞ の点を明記のこと)
1' CA E0
RA
I 0 RX 1
図2(a)
C
C L
L R0 RA
図2(b)
Zin K L
平成 20 年度電気回路学定期試験問題解答例
問 1
(1) λ/4離れているから、βℓ=π/2。よって、その点での電圧電流はjZ0I0、jZRI0/Z0、となるのでZはZ02/ZR
となり、これが題意より200 + j150 [Ω]。Z0 = 300 [Ω]を代入して計算してZR = 288-j216 [Ω]。
(2) Z0=(Zopen*Zshort)1/2=(XoXs)1/2、tanβℓ=(Xs/Xo)1/2 よりβ=(1/ℓ)tan-1((Xs/Xo)1/2)。これとβ=ω (LC)1/2、Z0=(L/C)1/2の関係から、L=((XoXs)1/2/ωℓ) tan-1(Xs/Xo)1/2、C=(1/(ωℓ(XoXs)1/2)) tan-1(Xs/Xo)1/2。
問 2
(1) 短絡電流は I0 + E0 / RA である。』
(2) 1-1' の左側のアドミタンス Y0 = 1/RA + jωCA である。抵抗RXで消費される電力を最大にするためには、両者 のアドミタンスの絶対値が等しければよいから、 (1/RX)2 = (1/RA)2 + ω2CA2 の時である。したがって、
2 A 2 A 2
A
X 1 C R
R R
ω
= + 』
(3) RAの部分のR0 に関する逆回路は、R02=L/C により、元の回路と等しくなる。このため、求めるインピーダンスRA
に関して、R02( =L/C ) = RA2 が成り立つ。以上より、
C RA = L
問 3
二端子対回路の両端の電圧、電流は以下の式で与えられる。
2 2 1
2 1
1V I I R
V V
+
=
=
また、回路の右側の電圧、電流に対しては、V2 = jωL I2
の関係が成り立っている。従って、1) 入力インピーダンスの値: Zin は、
L j R V
I I R
RV V I
Zin V
ω 1 1
1 1
1 1
2 2 2
2 2 1
1
+
= +
= +
=
= となる。
2) 問題にあるようなK行列を与える 二端子対回路の中身は右のように なり、従って等価回路は右に示す ようにRとLの並列回路となる。
3) 入力インピーダンス: Zin は、周波数 ωが増大するにつれて、
右に示すように、原点から始まって半円の軌跡を描く。
Zin V1 K V2 Z=jωL
I1 I2
L
R R L
j
0 R
ω= ∞ ω= 0
ω増大