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リードの吸水力と吹奏感の関係性について:反発力計測による吸水時間の実験的検証

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Academic year: 2021

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(1)リードの吸水力と吹奏威の関係性について ∼反発力計測による吸水時間の実験的検証∼       教育内容・方法開発専攻 文化表現系教育(芸術・音楽)コース.           M11183G             網場裕可 1.研究の動機と目的  木管楽器奏者にとってリードは必要不可. 吸水したリードは,心地よい吹奏感を得られ. 欠なものである。日本は四季それぞれの変化. やすいと考えられる。今まで基準がなかった. に富み,この気候の変化を楽器やリードがま. 吸水時間と吸水量の目安を見出し,リードの. ともに受けてしまうことで,リードが反応し. 寿命を延ばすための使用法の新たな指針と. やすい時期もあれば,とても鳴らしにくい時. なることを研究の目的とした。. 期もある。r般的に新しいリードは短期問で 使えなくなってしまうことが多く,何日間程. 2.論文の構成. 度吹き馴らすと安定感のリードに育つのか,. はじめに. 湿らせる部位によって吹奏感が変わるのか. 第I章 リード用材としての葦の特徴とその利. を調査することによってリードの寿命をの.    便性. ばすことができると考える。.  第1節ケーンからリードになるまで.  吸水により,安定感の良いリードを検証す.  第2節木材としてのリードの成分. るには,各々のリードの原材料である葦材の.  第3節 吸水がリードに及ぼす影響. 成分と水が及ぼす影響を調査する必要があ. 第11章含水率と反発力計測によるリードの吸. ると考える。吸水したリードの含水率を求め.    水実験. ることによって吸水量の調査を行う。リード. 第1節 リード全体の質量と含水率. の特性を支配するのは,リードの形状よりも. 第2節 リード切断による吸水力の違いの比. むしろ反発力である。リードの反発力をダイ.    較. ナミックに可視化することができるリード.  第3節 リード吸水による反発力の可視化. マイスターを用い,吸水によってバランスの. 第皿章水分がもたらす葦材の変化の検証・考. 良いリードとなる吸水時間を見出す。.    察.  言うまでもなくリードは自然物であるた. 第1節奏者が感じる水とリードの関係性. め,繊細微妙なものである。常に変化し続け.  第2節 実験とアンケートを通して. るリードをどの時点で計測するか,というの.  第3節シングルリードの管理・使用に関す. は非常に難しい。一般的に,反発力が低下す.    る科学的解明. ると,リードが振動しやすくなる。ゆえに,. おわりに.

(2) 3.研究の概要. 水率を求めた実験,また維管束を縦に分断し.  第I章では,木材としての葦材の成分を明ら. て同実験を行っても違う角度からの見解が. かにし,水が葦材に及ぼす影響について定義付. 見られるだろう。. けた。第II章では,3つの実験を行ったリー.  しかしながら,各奏者は個別のリードに対. ド全体の質量と含水率を求める実験,リード切. 応して的確に対応していくカが必須となっ. 断によって部位の吸水力が違うのかを検証,リ. てくる。その手法の手がかりとして “リー. ード吸水時間や経過時間によって反発力の変化. ドマイスター”を有効に使用していきたい。. を計測した。リードの含水率を求め,リード. しかし,本実験に用いたリードマイスターは. と水の関係性を導き出し,吸水時間の目安を. ディップの先端に多少のズレが出てしまう. 掴むことを目的として取り組ん芯また,反. と剛性分布に大きな影響を与え,グラフに誤. 発力の可視化から新たな調整法を提案する. 差が出てしまう。現在販売されているリード. ことを目的とした。第皿章では,第II章で明ら. マイスターは少しずつ改善されているよう. かになった物理的見解と奏者が感じているリー. だが,今後の製品開発や研究にも目を向けた. ドと水の関係性を関連付けて考え,シングルリ ードの管理・使用に関する科学的解明に迫った。. い。.  今回実験を行ったのは時間の制約もあり,. 実験開始から20日間の経過報告に限定され ↓まとめと今後の課題. た。今後,20目以降経ったリードの含水率が.  本研究を通して,本来の目的でもあるシン. まだ上昇することが十分に予測される。この. グルリード楽器を始めて間もない奏者や,シ. ことを明らかにすることによって新たな視. ングルリード楽器の経験のない指導者にも. 点が生まれることを期待する。今まで捨てて. 指導の目安を掴むことができる画期的なも. いたリードを使えるものに,また,気に入っ. のとなった。また筆者が実際に実験を行うこ. たリードを少しでも長く使えるものにでき. とによって今までの先行研究の裏付けがで. るようになると考えている。. きたことも大きな収穫である。.  さらに筆者は,今後もこの研究を継続して.  今回実験を行い改めて痛感したのは,材質. いき,この研究内容を更に深める。そして,. のばらつきからの個体差である。今後,いか. シングルリード楽器を演奏する奏者や指導. に多くのリードの枚数を計測し,平均を出す. 者に確立されたメソッドを提示したいと考. かが課題になる。実験の過程で,できるだけ. える。. 水分が蒸発せず正確な値が出るよう,アルミ ホイルで包んで計測し,室温・湿度に気を配 って実験を行ったが,物理的に完全に同じ条 件をそろえるのは非常に難しかった。また,. 主任指導教員 竹内 俊一. 今回,ディップから1センチメートルの部分. 指導教員   河内勇. を切断して含水の実験を行ったが,続けてデ ィップだけでなく,ハート,ヒールだけの含.

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参照

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