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岡 田 紘 子 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博士課程用(甲)

(様式6-C)

岡 田 紘 子 氏から学位申請のため提出された論文の審査要旨

題 目

A transient resistance to blood-stage malaria in interferon-γ-deficient mice through impaired production of host cells preferred by malaria parasites

IFN-γ欠損マウスにおける好適宿主細胞の産生不全による 赤内期マラリア原虫に対する一過性の抵抗性

) 学位論文(Thesis)

発表予定論文

A transient resistance to blood-stage malaria in interferon-γ-deficient mice through impaired production of host cells preferred by malaria parasites

Frontiers in Microbiology

Hiroko Okada, Kazutomo Suzue, Takashi Imai, Tomoyo Taniguchi, Hajime Hisaeda

論文の要旨及び判定理由

マラリアは、Plasmodium 属の原虫の感染による世界最大規模の感染症である。マラリア原虫は赤血球に感染 し、すべての症状はマラリア原虫が赤血球に感染するサイクルを形成している時期に生じる。原虫種によって感 染する赤血球の嗜好性が異なり、病態の違いの要因となる。IFN-γ は、Th1などから分泌されるサイトカインで、

赤内期マラリアにおいて防御的および病理的な役割を果たすだけでなく造血制御にも関わっている。したがって、

IFN-γ は宿主細胞である赤血球産生に影響することで、マラリアの病態に関わっていることが想定されるがその 詳細は不明である。そこで申請者らは、マウスマラリアモデルにおけるIFN-γによる造血の変調が感染動態に及ぼ す影響を、IFN-γ 欠損(GKO)マウスにネズミマラリア原虫Plasmodium yoelii 17XNL(PyNL)および17XL(PyL) を感染させることで検討した。

野生型(WT)マウスにPyLを感染させると、速やかな原虫の増加に伴い全てのマウスが死に至った。GKOマウス においても同様の感染経過をたどった。一方、PyNLのWTマウスへの感染は、一過性の非致死感染を示したが、

GKOマウスでは、死に至る個体がみられた。しかし、感染初期にはGKOマウスでの原虫血症率は非常に低かった。

GKOマウスのPyNLへの感染初期の抵抗性メカニズムを調べるために、PyNLが好んで感染する網状赤血球に着目

した。PyLを感染した場合、網状赤血球の割合は感染全体を通して増加が認められなかった。一方、PyNLを感染 した場合は、WTマウスでは明らかな網状赤血球の増加を認めたが、GKOマウスでは、感染早期には網状赤血球 は有意に少なかった。さらに、虫血症率と網状赤血球数には強い正の相関性が見られた。GKOマウスで見られた 抵抗性は、溶血性貧血と反応性造血による網状赤血球の増加を誘導するフェニルヒドラジン(PHZ)を投与するこ とで認められなくなった。PHZの投与により、PyNLの感染はWTおよびGKOマウスのいずれでも、速やかな原虫 の増加に伴い、感染8日以内に全てのマウスを死に至らしめた。以上の結果から、PyNL感染においてIFN-γ が防 御に必要であることが再確認された。一方で、IFN-γ依存的な造血が、好適宿主細胞である網状赤血球を増やすこ とで原虫の増殖に寄与していることを見出した。このことは、宿主免疫応答と造血制御に関する新たな知見を提 供し、マラリアにおける宿主病原体相互作用の理解を深め、マラリア制圧戦略の基盤となることが期待でき、博 士(医学)の学位に値するものと判断した。

(平成27年2月17日)

(2)

博士課程用(甲)

(様式6, 2頁目)

審査委員

主査 群馬大学教授(医学系研究科)

細菌 学分野担任 富 田 治 芳 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

小児科 学分野担任 荒 川 浩 一 印

副査 群馬大学教授(医学系研究科)

法医 学分野担任 小 湊 慶 彦 印

最終試験の結果の要旨

アフリカで多くみられるマラリア抵抗性を有する遺伝子型についておよびヒトマラリアにおけ るIFN-γの産生動態についておよびIFN-γを標的とした新たな治療戦略の可能性について試問し 満足すべき解答を得た。

(平成27年2月17日)

試験委員

群馬大学教授(医学系研究科)

国際寄生虫病 学分野担任 久 枝 一 印

群馬大学教授(医学系研究科)

細菌 学分野担任 冨 田 治 芳 印

試験科目

主専攻分野 国際寄生虫病学 A 副専攻分野 細 菌 学 A

参照

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