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Academic year: 2021

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「職域における喫煙対策

『これまで』と『これから』」

産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室 大和 浩 はじめに:喫煙者の心理と禁煙治療 どれだけ食事に気を遣っても、また、有酸素運動を行っていても、タバコを吸って いたのではその悪影響を打ち消すことは出来ない。健康維持に「タバコを吸わないこ と」は必要条件である。楽な禁煙の方法、受動喫煙対策の重要性、タバコの規制に関 する最新情報と事業場の喫煙対策の今後の方向性について解説を行いたい。 2005 年 7 月からタバコのパッケージの有害性表示が強化され、これまで側面に小 さな文字で「健康を損なうおそれがありますので、吸い過ぎに注意しましょう」書か れていた警告は、パッケージの正面の 30%の面積に拡大された。内容も、「肺がんの 原因となる」、「脳卒中の原因となる」、「依存性が ある」など 8 種類に増えた。しかし、この警告を 読んでどれほどの人が禁煙したであろうか? 私は 36 歳まで喫煙していた。カナダに留学し ていた 15 年前、タバコには今の日本と同じ程度 の警告、つまり、パッケージの正面の 30%に 「Smoking can kill you」と印刷されていた。しか

し、ニコチン依存症の状態で警告を読んでも禁煙しよう、と いう気持ちにはならなかった。それよりも、1箱が 4 ドル 50 セントもしたことの方が禁煙しようかな、という気持ち を高めたように思う。最近行われた製薬メーカーのアンケー トでも「タバコが 500 円になったら禁煙する」と喫煙者の 50%が回答したことに合致する。禁煙しようと考える人を増 やすためにも、財務省がタバコの値段を大幅に上げることを 決断することを期待したい。わが国でも右の写真のような警 告の強化(タイ)と価格の値上げ(イギリスでは 1 箱 1200 円)が行われることを政府に働きかけねばならない。 さて、最近、大手新聞の 1 面を使って、芸能人の顔写真入りで「喫煙しながらやめ られた」という広告を目にする。この広告から、喫煙者の最大の願いは、「喫煙をし ながら」、「楽に」、「自然に」タバコをやめられること、であると読み取れる。 これまでにも、ガム(ニコレット)やパッチ(ニコチネル TTS)でニコチンを体外 から補給することで、「楽に」離脱(禁断)症状を和らげるニコチン代替療法が行わ れてきた。すでに、ニコチンガムは 2001 年から処方箋のいらない市販薬となり、テ レビコマーシャルも行われている。ニコチンを含む貼り薬(パッチのサイズを大→中

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→小とすることで離脱症状を緩和)は、2006 年から医療保険の適用となり 3 割負担 ですむようになり、さらに、2008 年 5 月から中パッチと小パッチが市販薬となり、薬 局薬店で入手できるようになった。根性だけで禁煙するよりも、ずっと「楽に」禁煙 できるニコチン代替療法が、薬局で入手できるようになったことは喫煙者にとって朗 報である(薬剤師の指導を受けた方が成功率は高い)。 しかし、ニコチン代替療法は「治療開始日にタバコをやめねばならない」という心 理的なハードルがある。その点、2008 年 5 月 8 日から使用が開始された内服薬(バ レニクリン)は、「最初の1週間は喫煙しながら治療を開始する」という点で、喫煙 者の心理的な抵抗感をなくすことが期待される。この内服薬は、ニコチン受容体を遮 断するので喫煙しても満足感が得られず(吸ってもおいしくない)、かつ、ニコチン 受容体を部分的に刺激するため(何となく満足感が得られ)渇望感を感じない、とい うユニークな作用を持つ。最初の 1 週間は薬に慣れるため、少量から投与を開始する が、この間は喫煙をしていても良い。この助走期間に、部分作動薬の効果で喫煙への 欲求が減少し、かつ、遮断薬の作用により吸っても満足感が得られなくなり、「自然 に」タバコを吸いたいと思わなくなる。そうなった状況で、8日目から維持量に増量 するとともに禁煙を開始する。まさに、「喫煙しながら」、「楽に」、「自然に」禁煙し たい、という喫煙者の要求にマッチした治療薬である。この治療を受けた人の感想は、 「タバコの味がしなくなり、次第に、欲しくなくなる」というものであった。すでに、 この内服薬が使用されている海外では、パッチよりも禁煙成功率が 1.7 倍高かったこ とが報告されている。 しかし、これらの禁煙治療薬がどんなに入手しやすくなっても、また、医療保険が 適用されるようになっても、それだけでは不十分である。絶対に必要なのは「禁煙し よう」と思う気持ちである。その気持ちを高めるのには、受動喫煙対策を徹底して、 喫煙しにくい・喫煙できない社会環境を整備することが最も有効である。 職場でおこなう従来型の喫煙対策と先進的な喫煙対策、公共交通機関、野球場など の大型遊戯施設、官公庁でとられている受動喫煙対策の効果、敷地内禁煙を導入すべ きである医・歯学部の調査結果などについて解説をおこなう。 参考資料のダウンロード: 「受動喫煙対策にかかわる社会環境整備についての研究」 http://www.tobacco-control.jp/ 「産業医学資料展示室」 http://tenji.med.uoeh-u.ac.jp/

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喫煙の有害性 たくさん吸うほど各種疾患のリスク上昇 (Doll R et al:BMJ 309:901-911,1994.) 英国人医師  34439人*40年間 の追跡調査 喫煙者と非喫煙者(1900 1930年生まれ)の生存率の検討 英国人男性医師34439名、50年間(1951-2001)の追跡調査 喫煙で寿命 が10年短縮 Doll, R. BMJ 2004;328:1519 もともと吸わない 医師の生存率 喫煙し続けた 医師の生存率 70歳時の生存率 非喫煙者 :81% 喫煙継続者:58%

禁煙による寿命の延長

1951年から2001年までの50年間、 34,439人の英国人男性医師の追跡調査。 生涯喫煙すると寿命は10年短縮。  しかし、 60歳までに禁煙すれば寿命短縮は7年 50歳までに禁煙すれば寿命短縮は4年 40歳までに禁煙すれば寿命短縮は1年 30歳までに禁煙すれば寿命短縮なし Doll. R, Sutherland.I. 2004

禁煙で肺癌リスクは低下

肺 癌 死 亡 率 非 喫 煙 者 を 1 0 1 2 3 4 5 喫煙 継続 非喫煙 1 4年 数年 10年以上 禁煙後年数 全喫煙者の平均的リスク 4.5 2.0 1.6 1.4 1.0 (平山 雄、1990) 平山 雄, 1990 職場 Fontham 1994 勤務期間 夫の1日の喫煙本数 家庭 受動喫煙でも肺がんリスク上昇

日本人の生涯リスク

(早死にの原因) (松崎道幸,月刊保団連 2000,12,p39-45) なお、ダイオキシンや BSEによる死者はゼロ (10万人あたり) (ダイオキシン)

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厚生労働科学研究 健康科学総合研究 (H14 16年)

従来型の喫煙対策の効果を検証

作業環境管理:受動喫煙対策 建物内禁煙、喫煙室+換気扇

目標:受動喫煙解消、喫煙率10%低減

エクソンモービル 川崎* トヨタ自動車九州* 日立金属 真岡&安来* 三菱電機 福岡* 三菱重工 名古屋* 三井化学 大牟田* 九州電力本社* 読売新聞東京本社 朝日新聞西部本社 (産医大の産業医*) 10事業所(計13,335人)

健康管理

:禁煙サポート ・アンケートによる啓発 ・喫煙室に啓発ポスター ・健診問診:禁煙を忠告 ・事後措置:禁煙勧告

アンケート結果に

基づき一部は

全館禁煙

費用不要

禁煙を促す効果大

H金属 最も優れた受動喫煙対策 ガイドラインに沿って作られた 大排気量の喫煙室:換気扇2台=1800m3/h 禁煙啓発 ポスター H金属 省エネ 人感センサー エネルギーの 浪費となるので 現在では、 全く勧められない

結果:喫煙状況

(12,549名)

喫煙ステージ

(5,768名) 時々 喫煙 2% 禁煙した 18% 非喫煙 36% いつか禁煙したい 54% 関心 なし 31% 6ヶ月以内 に禁煙希望   10% 1ヶ月以内 に禁煙希望 5%

喫煙率46%

禁煙希望69%

毎日喫煙 44% (喫煙者のみ回答) 男性88% 女性12% のうち 受付、診察室に啓発ポスター 希望者にはパッチ その場でタバコを預かる 介入群の喫煙率 対照群の喫煙率 48.4% 47.2% 47.9% 43.6% 最小限の対策を 1年遅れて実施 47.0% 総合的な対策 42.3% 両群間の有意差 p<0.0001 1.4%減少 全体で5.6%減少 介入研究2 最大9.9%減少

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健康日本21

:健康寿命の延伸

●タバコに関する2010年までの目標

●未成年の喫煙ゼロ

●禁煙支援プログラム(全市町村)

●公共施設、職場の受動喫煙対策

●喫煙関連疾患の周知

●成人の喫煙率半減

(スローガン) http://www.kenkounippon21.gr.jp/

健康増進法 第25条

2003年5月1日施行 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、 集会場、展示場、百貨店、事務所、官 公庁施設、飲食店、その他の多数の者 が利用する施設を管理する者は、これ らを利用する者について、受動喫煙を 防止するために必要な措置を講ずるよ うに努めなければならない http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/html/hourei/contents.html タバコ規制枠組み条約 2005年02月27日発効

Frame Work Convention on Tobacco Control (FCTC)

 →タバコ消費の抑制を目的とした国際条約       (参考:CO2削減を求めた京都議定書) タバコの消費及びタバコ の煙にさらされることが 1)世界的規模で健康、 社会、経済及び環境に及 ぼす破壊的な影響につい て国際社会の懸念を考慮 2)死亡、疾病及び障害 を引き起こすことが科学 的証拠により明白に証明   タバコ規制枠組み条約(FCTC) 2005年02月27日発効 1. タバコの課税及び価格政策の実施(第6条) 2. 受動喫煙からの保護(第8条) 3. タバコ製品の含有物の規制(第9条) 4. タバコ製品の情報開示(第10条) 5. タバコ製品の包装とラベルにリスクを明記(第11条) 6. 教育、情報の伝達、訓練、啓発(第12条) 7. タバコ広告、販売促進、スポンサーシップの禁止(第13条) 8. 禁煙治療の普及(第14条) 9. タバコの不法取引防止(第15条) 10.未成年への販売と未成年者による販売禁止(第16条) 11.経済的に実行可能な代替活動支援の提供(第17条)

WHO Policy Recommendations 受動喫煙防止のための政策勧告  世界保健機関 2007年

Protecton from exposure to second-hand tobacco smoke

○受動喫煙は深刻な健康障害を引き起こす ○喫煙室や空気清浄機の使用では、  受動喫煙を防止することはできない FCTCの締約国に建物内を100%完全禁煙と する全面禁煙法の成立と施行を求めている 本研究結果は、わが国の受動喫煙対策 をWHO、FCTCの方針に近づける効果を 持つことが期待される タバコ規制枠組み条約(FCTC) 第8条:タバコの煙に曝露されることからの保護 排気装置や空気清浄機を備えた喫煙室を設置 しても受動喫煙を防止することは不可能であ るため、室内およびこれに準ずる空間を全て 禁煙とすることをWHOはタバコ規制枠組条約の 締約国に求めている。 受動喫煙(タバコの煙の曝露)には 安全なレベルは存在しないことは科 学的に証明されている。一般的な化 学物質に用いられる「閾値」(許容 される曝露濃度)を設けることはで きない。  

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職場における喫煙対策のためのガイドライン         じ ●境界部分の空気の流れ0.2m/秒 非喫煙場所 喫煙室 粉じん濃度 0.15mg/m3 以下 ●禁煙区域にタバコ煙が漏れない ●喫煙室内:粉じん濃度0.15mg/m3以下 排気装置 厚生労働省2003年5月 タバコ汚染のない室内の 粉じん濃度は 0.01 0.02mg/m3以下 問題点:非喫煙場所も喫煙室と同じ基準値であり、多少の 漏れがあっても許容範囲と誤用される。要改訂。 両側 2個 両側 2個 4カ所に6個の喫煙室 新型のぞみ、N700喫煙室からの漏れの証明 7号車 デッキの 喫煙室 喫煙室内 粉じん計 デッキと 客席の 粉じん計 頻繁に開く自動ドアから煙が漏れる のぞみN700、喫煙室からの漏れの確認とその原因 原因1)喫煙室の出入りによりドアが開いた時にタバコ煙が漏れる 原因2)喫煙終了後の呼気にタバコ煙が含まれている デッキの鋭い ピークは、 喫煙者が煙を 吐き出しながら 喫煙室から 出たことが原因 30分間に20本の喫煙 =40回のドア開閉 喫煙後にも肺から出てくるタバコ煙 タバコの火を消した後も、数呼吸の呼気には 煙が含まれていることを粉じん計で確認 粉じん計 喫煙終了後の呼気からタバコ煙検出 40呼吸=200秒は呼気に煙粒子が含まれる さらに、ガス状成分は洋服や口臭から数時間発生 上気道からの排出 (半減期5秒) 下気道からの排出 (半減期30秒)

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職場における喫煙対策のためのガイドライン         じ 非喫煙場所 喫煙室 粉じん濃度 0.15mg/m3 以下 ●境界で空気の流れ0.2m/秒=電気のムダ 排気装置 厚生労働省2003年5月 タバコ汚染のない室内の 粉じん濃度は 0.01 0.02mg/m3以下 問題点:WHOが認めていない喫煙室が前提。 非喫煙場所も喫煙室と同じ基準値であり、多少の漏 れがあっても許容範囲と誤用される。 査察制度も罰則もない。 建物内禁煙を前提としたものに改訂が必要。 喫煙室からの漏れ   排気風量不足排気風量不足   ドアがフイゴとなってドアがフイゴとなって 煙を外に 煙を外に追い出す追い出す 軒先喫煙は煙が屋内に逆流するので不可! 喫煙者が出入りするときにドアが開く、 ドアの隙間から煙が入り込む 屋内への 流入 屋外の煙 軒先の煙が入り込む 評価基準 0.15mg/m3 ホタル族でも受動喫煙の防止には不十分 サッシの隙間からタバコ煙が逆流+呼気に含まれるタバコ煙 上下左右の部屋の受動喫煙の原因ともなるのでベランダ喫煙は 禁止するべきである 窓を閉めたベランダで喫煙(学生のアパート)。 サッシの隙間から屋内に煙が入り込む

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受動喫煙のない快適で安全な社会をつくろう。

2008 年 6 月現在、神奈川県では松沢知事のマニフェストに沿って、飲食店や娯楽施 設などの閉鎖空間における受動喫煙を禁止することを目的とした「神奈川県公共的施 設における禁煙条例(仮称)」の検討が始まっています。11 の医学会で構成される禁 煙推進学術ネットワークから、神奈川県の条例制定を応援するために、下記のデータ に基づく要望書を提出しております。 受動喫煙の防止を定めた健康増進法が2003 年に施行されて 5 年が経過し、ようや く昨年、JR 九州のほとんどの特急が、今年になって福岡市、北九州市の全てのタク シーが全面禁煙となりました。 第1 の理由は、人口の 7 割を占める非喫煙者が公共交通機関を快適に利用できるよ うにするためです。第2 の理由は、乗務員の受動喫煙を防止するためです。列車やタ クシーのような狭い空間で喫煙した場合、厚労省が定める喫煙室の評価基準の30 倍 の濃度に達することが分かっています。そのような場所で働く乗務員の健康を守る手 段は全面禁煙しかありません。 そのほか、日常生活で受動喫煙の原因となる職場、飲食店と家庭内での喫煙につい て考えてみましょう。 ●職場は絶対に建物内禁煙が必要 職場は人生で最も長い時間を過ごす場所です。下に分煙されていない職場で受ける 受動喫煙(粉じん濃度)の曝露を表すグラフを示します。職場はそこで働く者にとっ て離れることができません。「たばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約」(FCTC) 第8条(受動喫煙の防止)履行のためのガイドラインは、「建物内禁煙に喫煙室を設 けた場合には受動喫煙を防止できないことから、100%完全禁煙」とすることを求め ています。 3交代の事務室で測定された粉じん濃度 ●飲食店での受動喫煙 ファミリーレストランでは喫煙席と禁煙席に分かれていますが、壁で仕切られてい るわけではないので、グラフに示すように禁煙席もタバコ煙で汚染されています。仮 に、喫煙席を壁で仕切っても、従業員は喫煙席にも立ち入らねばなりませんので、従

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業員の受動喫煙の問題は解決されません。イギリスでは昨年から全てのパブが、フラ ンスでも今年1 月から全てのカフェが禁煙となりました。飲食店を利用する人とそこ で働く従業員の健康を守る対策は欧米のような全面禁煙しかありません。JR やタク シーの禁煙化が進んだのは、利用者からの「タバコ臭い」という苦情が多くなってき たからだそうです。タバコ臭い飲食店には、「タバコ臭い」という苦情を申し入れて いくようにすれば、少しずつ全席禁煙の飲食店が増えていくことでしょう。 喫煙区域と禁煙区域の設定がある 禁煙タイムの設定がある 飲食店の粉じん濃度 飲食店の粉じん濃度 ●家庭での受動喫煙 喫煙は台所の換気扇の下、という家庭が多いと思います。しかし、換気扇では全て のタバコの煙を排気することはできません。カレー作った日にはカレーの香りが家中 に広がることからも分かります。また、屋外やベランダで喫煙しても、向かい風の場 合にはサッシやドアの隙間からタバコ煙は屋内に侵入してきます。特に、集合住宅の ベランダで喫煙するホタル族は、上下左右の住人の受動喫煙の原因となるので、絶対 にしてはならない行為です。次頁のグラフは、アパートの玄関の外で「ドアを閉めて」 喫煙していても、その一部が室内に逆流していることを証明したデータです。住宅の ドアの気密性は低いので、屋外のタバコ煙は容易に屋内に逆流してきます。 屋外で喫煙した場合に、ドアの隙間から屋内に逆流するタバコ煙 また、最近の調査では、喫煙者の肺の中に充満したタバコの煙が数分間にわたって

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呼出される現象も確認されました。つまり、喫煙直後の人が室内に戻ると、呼気に含 まれるタバコ煙が原因となって受動喫煙が発生します。 喫煙終了後の呼気にも含まれるタバコ煙 ● 路上(特に、通学路)や公園の禁煙化

通行者の多い公道や通学路における喫煙も

禁止されるべきだと思います。歩行喫煙をする

人がいる通学路における受動喫煙(粉じん濃

度)の曝露を表すグラフを示します。歩行喫煙

をする人がいる場合、子どもたちは明らかに受

動喫煙を受けることがわかります。

児童公園やテーマパークも施設内に喫煙場所がある、あるいは歩きタバ

コが禁止されていない施設が多く、屋外とはいえ風向きによっては受動

喫煙が発生します。教育上の観点からも公園などの施設の禁煙化が必要

です。

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中高生の皆さん、タバコを吸わない人生を選ぼう! 産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 浩 右の写真はタイで販売されている日本製のタバコです。50%の面積 を使って、タバコ吸ったために唇のがんになった人の写真が印刷され ています。2000 年以降、海外ではタバコの箱にこのような写真の入 った警告を印刷するようになりました。海外のタバコの箱の警告写真 を使いながら、タバコの真実について考え、皆さんがタバコを吸わな い人生を選択できるようにアドバイスしたいと思います。 1.喫煙は致命的な病気の原因 「 致 命 的 な(fatal)肺がん(lung cancer)の原因」(左:英国、右:ブラジル) 「心臓破り(心筋梗塞)の原因」(カナダ) 「心臓発作や脳卒中の原因」(英国) 若い時から吸い始めるほど、これらの病気になる確率は高くなります。 2.老化の原因 3.受動喫煙

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4.失明の原因 5.未熟児の原因 なぜ、こんな写真が印刷されていてもタバコを吸うのでしょ う?今、喫煙している人達がタバコを吸い始めた頃には、タバ コの毒性が広く知られていませんでした。その頃になんとなく タバコを吸い始め、タバコをやめようと思ってもやめられなく なっている状態、つまり、ニコチン依存症になっているのです。 一旦、ニコチンに対する依存が出来てしまうと、このような写 真を見ても、「自分だけは大丈夫」と思ってしまうのです。しか し、これらの写真はまだタバコを吸い始めていない若い世代の 喫煙防止には有効です。これから海外の若者の喫煙率はどんど ん低下することでしょう。しかし、残念なことに日本ではこの ような警告写真を印刷する予定はありません。でも、皆さんは、 ここに示す写真を見て、自分の判断でタバコを吸わない人生を 選択して欲しいと思います。タバコに操られた人生を送ること ほど悲しいことはありません。 そして、これから進学や就職をする君達にとって、「喫煙する」 ことはハンディキャップとなることを忘れないでください。 すでに、日本でも敷地内禁煙の大学も増えています。 一流企業ではオフィスの禁煙は当然ですし、就業時間中の喫 煙を禁止している会社もあります。「喫煙者は採用しない」企 業には就職することもできません。 それに、自分が鼻から煙を出す顔を想像してみてください。 喫煙って、とても格好悪いことです。 最後にもう一度、全ての中学高校生皆さん、 絶対にタバコを吸わない人生を選択してください。

参照

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