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幼年期における体育学的研究 (第1報) : 基礎的運 動能力

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(1)

幼年期における体育学的研究 (第1報) : 基礎的運 動能力

著者 降旗 義而, 横内 貞

雑誌名 紀要

巻 18

ページ 71‑79

発行年 1964‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1118/00001016/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

幼年期における体育学的研究(第一報)

−基礎的運動能力−

降 旗 義 而*

横 内  貞**

神経細胞はおよそ7才までにその完成をみる。性格や才能は,たとえ非生来的なものであっても,およ そ7才までに決定的なものとなり,以後わずかしか変化しないと,ポール・シヨシャrル(P・CtlOuChard)

(仏の生理学者)は言っている。またマックロイ(C.H,McCloy)は世界の大多数の国は体育におい て,学令期のこどもに身体運動をさせることに最もカをいれている。また多くの国では学校を出た人々 の体育についても相当力を入れている。しかし新生児から6才位のこどもに対する体育に力を入れてい る国はほとんどない。これらの年令の子どもに身体運動を行う効果についての研究は非常にわずかしか ない。……民族の健康という生物学的意義において,中学生における体育よりはるかにこの時期のもの は重要であると言える,と述べている。このように人間が生育していく歴史の中で幼年期が教育的にみ ていかに重要な地位を占めているかを考えれば体育の分野においてもこの時期の研究を大いに押し進め ていかなければならないことを痛感する。

人間の成長発展ほ,遺伝的な潜在能や個人の意志,すなわち主体的因子と物理的なまた人間的な環境 因子とが相互に複雑に関係しあって生ずる行動を通して進められる。この行動の基礎的な要因をなして いるものほ運動能力である。ともすれば幼稚園の教育内容が社会生活のくくしっが,と関連した手先きの 能力を重視して,全身の運動能力に関心を払うことが少くなり勝ちな傾向がみられるが,幼児の個々の 運動適性が彼等の日常生活活動を支えていることを思えば運動能力面の究明を忘れては幼児教育の効果 を十分に期待することはできない。

かゝる意味でまず基礎的運動能力の測定をとりあげることにした。

測定方法と対象

1.基礎的運動能力測定のための運動種目の選定

幼児の遊動能力測定のための種目の選定は次のような理由でなかなかむずかしい。

(1)パrテンは2才〜4才11ケ月の子どもの遊びを観察して,平行的清動(Parallelactivity)とい うことばで特徴づけた。平行的活動とは子どもが多数で同じ場所に遊んでいても,それは協力してすな わち相互に交流してのものでなく,おのおの個々別々に他の子どものかたわらで勝手にあそんでいるに すぎないという意味のことである。したがって真の意味で協力して行うような運動種目を採用しても意 味がない。

拗 競走的動作はむずかしい。たとえば走運動において,よい記録とか他人を意識して走る時に全力

セ 保陸体育担当  中* 保健体育担当

T・71一一

(3)

を出し易いものであるが,ただ発っていることに興味があるだけの幼児に最短距離を全力疾走させるこ とはむずかしい。

(3)巧みさを必要とするような遊動は成熱がそこまで進んでいないとできない。複雑なものをさけ簡 単な形式や内容の種目を選ばなければなればならない。

(項 何種目かの運動を同時に行わせることは子どもを疲労させ,正確な能力の測定を国雄にさせるし,

また幼児は個別に十分な指導を行わないと正確な動作ができないから大くの時間を必要とする。したが ってできるだけ少ない運動種目におさえる必要がある。

(5)幼稚園の庭は,十分な広さをもつものが少ない。したがって場所を必要としないようなものを選 定する必要がある。

その他まだ幼児白身からの問題点と環境的制約とからくるもので,いろいろ考えられるであろうが,

これらの因難点の上にさらに基礎的と考えられる運動能力の因子分析からのものもある。たとえばキュ アント(T・K,Curton)によれば彼ほ基礎的運動能力を平衡性,柔軟性,敏捷性,筋九動力(パワー),

持久性の6つに代表させているが,これらについてもさらに身体の調整力(バランス感覚,タイム感覚,

リズム感覚,正確さに対する感覚,位置感覚,リラクリゼーショソ等をあげているものと,もりと狭い 意味で調盤力といっているものもある。),速度等をこの国子に加えているものもあり,まだ定説はない。

しかし,これらの基磯的と考えられる因子の多くを測定種目は含んだものでなければならない。

このような幾つかの困難さのためと幼児教育顔関に体育を専門に研究する人が少なかったために幼児 についての運動能力面の研究は非常に少なく,わずかに教育大体育心理学研究室で研究され,寛京都台東 区教育研究所が協力して実施した基礎的遊動能力測定法とその結果,および幼児体力検査として標準化 された児童母性研究会のものがあるに過ぎない。後者は櫨目が多いのと,幼児に全力を尽くさせるのに非 常な工夫と困雉さが伴うためにその後あまり実施されていない。前者のものは志村降給(国学院大)が この測定の追試でなく他の研究のものに利用し,また教育大で性格との相関の研究のために採用する等 若干利用をされている。しかしこの測定も台東区内の幼稚園園児を対象にしたものであるだけにもっと 多くの地域で追試をしてみる必要があるであろう。さきに述べた幾つかの困雑点を考慮した上で,教育 大体育心理学研究室の測定法を採用し,これに小筋肉運動の測定という観点から数取掛こよる打叩速度 を加えて,追試をしてみると同時に,地域差, ̄性差,生措年令による差,体格との相乳運動櫨日相互 の関係等を検討して幼児教育に役立たせようと考えた。

2.測定法

教育大体育心理学教室で研究された測定種目は,A.棒上片足立(平衡能)B.立幅跳(動力)C.

両腕による身鱒の支持時間(筋の持久力)D.硬式テニス・ボール投げ の4縫目である。

測定する方法

A.樺上片足立 高さ3C乱,幅3C仇の平衡棒を用意し,この上に靴下をはき,支持足をまっすぐ伸ば して片足で立ち,棒と平行に片足で立っている時間をストップ・ウォッチで測る。右足3臥左足3回 実施し,それぞれその平均をとる。

B.立幅跳 床上に慣2e茄の踏切線をひき,その線から5e沈間隔に目盛を記しておき,両足をそろえ て立たせ,二重踏切りをさせないようにして,できるだけ遠くへ桃はせ,藷点を目測する。1回練習し,

」 72−

(4)

2回行ってよい方をとる。

C.両腕によるからだの支持時間 高さの等しい机封陶を肩幅くらいに開き平行にならべ,幼児をそ の間に立たせる。手を両側の机の上にそれぞれおき,腕を伸ばして体重をささえながら両足を床からは なす,両腕で体重をささえている時間をはかる。1回だけ行わせる。

D.硬式テニス・ボール投げ1〝乙間隔で1/4円孤をえがき,その方向に直径177乙の円内から,助走 しないでオパー・スローの形で投げさせ,その距離を10cm単位まで目測する。1回練習した後2回投げ させてよい方をとる。

E.数取掛こ■よる打叩速定 数歌津を用い,右手の速度をはかる場合は左手をそえて右手拇指で押し 金をできるだけ早く叩かせる。右手と左手で1回づつ練習した後,右左交互に10秒づつ1回,20称づつ

1回行い,数聴許の数字を読む,ただし10秒と20秒の間ではしばらく休ませる。

3.測定者

本学児童科2年40名が,幼稚園教師の協力を得て測定を実施した。

4.対  象

長野市内の中央にある中央幼稚園と市街地のやゝ端にあるあけぼの幼稚園の園児軋 4才児男子51名,

女子52名,5才児男子58名,女子54名を対象にして,38年7月上旬測定を行った。なお測定は午前9時 から12時までの間に実施した。

結果と考察 1.園児の体位

両幼稚園で4月健康診断時に測定した身長,体重,J期軋座高の記録を利用し,母集団を信頼度95%

で推測したものが表1および図1である。表1の全国および長野県の平均と標準偏差は36年度版学校保

〔表1〕園児の体位

36年度学校保健統計(文部省)全国および長野県との比較表 調査対象 長野市中央幼稚園,あけぼの幼稚園園児

4才児 男51名 女52名   5才児 男58名 女54名 測定年月  38.4

身   長   体 _  重   胸 ̄ ̄ ̄ 周    座   高・ 

性年 剔ホ象  G7 8 TH G7 8 TH G5H 8 TH G7 8 TB

醐麿掛幽瀾舶閥描裾鋸喜 

子 添4YV )ネョ8ケ xヒ KHョネ葈 yW刋8 8 x H 8 x 2

女4 剪早c呂緒言潮路…日照羞;潤夏雲§喜;瀾…;… 

園 108.9 土1.1 3.5 17.8 士0.5 1.9 劔54.1 土0.7  2.5 田 C8 7 C ( C"

子5着 圭器:喜【3:乏5日喜 劔圭写:喜鋸呂日:吉詮描:82日:書誌喜【3欄…二喜 

〔注〕1)貢は平軌S.Dは棟準偏差,tSXは95%の信頼隈乳tsx欄()内の数字は32〜36年の5年 間における年間増加(但しこの年度保健統計報告書の年度)

2)ts融tの公式土t=(妄一一m)/S言の変形m=盲土ts妄 から求めた。但し忘は標準誤差,危険 率0.05 d.f50=2.01d.f60=2.00

−73−

(5)

睡統計(文部省)の数値を引用した。図1の国および県の平均は32年匿から36年度間の体位の増加をみ て年間の増加を推定し,これを表1の95%の信頼限界欄に示し,それを36年度のものに加算して38年度 の平均として国中に示した。平均では4才男・女の胸囲および5才女子の全国平均が95%の信頼限界を はずれている。ただし表1の「・」印で示すように5才男・女の身長の模準偏差が5%水準で県・国の ものと有意差があり,その分布は平均附近にかたまっている。

このように測定園児の体位は完全に国および県の園児を母集団とする標本とは言えないが,しかしさ ほど傾よったものではなく,体位の面からは標本としてほゞ満足してよいものと思う。

2.基礎的運動能力の地域差

表2は台東区内園児の能力と測定園児のものとを比較もた表である。図2は測定値の95%の信頼眼界 を示し,台東区園児の平均を図示したものである。図によれば台東区内園児の平均が限界をはずれてい るものは,棒土片足立(以下平衡能と呼ぶことにする)の男・女および男子の両腕による身体支持時間

(以下持久力と呼ぶ)であり,5才児では立幅跳および持久力と硬式テニス・ポール投(以下投力と呼 ぶ)である。このなかでも特に目立って差のあるものは持久力である。持久力は4才男子と5才男子・

女子とも隈界をはずれ,しかもそのはずれかたが5才児では0.5標準偏差をこえている(他のものはい ずれもそれ以内)。したがって区内園児と本測定園児との間では持久力の両で特に生酒環境による差が

ありはしないかと患われる。

3,生活年令による基礎的運動能力差

生活年令による区分を4才児は渕定時4年3ケ月から4年8ケ月までと,4年9ケ月から5年2ケ月 までとし,5才児も同様に区分して比較したものが表3である。なお表では3ケ月から8ケ月までを年 少,それ以上を年長として示してある。差の検定はt検定とF検定を用い,危険率を5%とした。表に 示すように有意差のあるものは4才児で平衡能および立幅跳,女子の投カで,5才児ではわずかに平衡

・・T−74一丁・

(6)

〔表2〕基礎的運動能力の比放棄

東京都台東区内幼稚園園児と本調査園児との比較 測定  38.7月初旬

・印は5%水準で差の有意のもの

〔2質〕2表の比較園

〟日和

72     ロEJf 劔● 台 剌ウ鋼離 n t■ ll !! 俎 B ツ ツ ツ ツ

拍         4留紳撒 け 劔T I 

g        T 劔 白

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6 粕 l 凵QI 

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4 Z 剄茁キ  鳴 ツ ツ ツ ツ

2 4 6  ツ ニツ ニツ ニツ 鳴 ニツ 冊胴 I 冤 I 】 l l 鳴 ツ 日 Il ll u 鳴 ツ ツ ツ

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川● 劔l ⊥ 

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l   8 ̄+_(げ 綿矧五庵剰解き   (C叫 劔t■ − 締盟腐 刄 痢材料  仄

M   M

(7)

〔表3〕生活年令による基礎的運動能力差

生活年令区分 渕定時 4年3月〜4年8月と4年9月〜5年2月 5年3月〜5年8月と5年9月〜6年2月 3月〜8月を年少,9月〜2月を年長とする 測定人数 男4才年少31名・4才年長20名 5才年少34名 5才年長23名

女 〝 28   〝 24   /′ 27   〝 27

項   目

孟  S.D tx 差の有意性 Ⅹ S・D tx 差の有意性

棒上片足立

(秒)

立幅跳(C彿)

両腕による身 体支持(秒)

ポール投

(.Ⅵ)

打叩適度

10〝(回)

告33 ≡:SS L14但しF=2・ユ2S.Dに差ある

95.00 18.35 82.74 17.63 33.50 7.05 36.6110.15 6.50 2.26 6.15  2.06 28.44 3.26 27.38 3.42

2.36  あ る

1.29  な し

0.55  な し

1.07  な し 80

〔注〕to.05=2.01F19 =2.07 0.05

宝石苧 ≡:…い88S・Dに差が

完:諾壬含:2≡8・46 ある

…呂:宇≡詮≡去乱66 なし 蓋濡 望:222・33 ある

㌘:去写 3:ヨい76 なし

30 tO.05=2.01 F23 =1.98

0.05

捧上片足立

(秒)

立幅跳(C彿)

両腕による身 体支持(秒)

ポール投

(.−〃)

打叩速度

10〝(回) な し

tO.05=2.00

な し

な し

な し

な し

な し

tO.05=2.01

〔注〕母平均推測の七の公式士t=(三一㍍)/S言は標本平均間の差の検定にも用いられるから,土t=

(五一二五2)/SDを用いて検定をした。ただしSDは両標本共通のS.Dの標準誤差

一SD二,/雷こ雷(仮鱒=夏日)

青削こみられるに過ぎない。4才児では早く生まれた乱遅く生まれた者というような生活年令の影響が まだかなりあるといえるが,

4.基礎的運動能力の性差 餐4は性差についてそ の結論だけを示した表で ある。4・5才児とも立 幅跳と投力に性差があ り,比較的活動的な能力 において男子が優ってい るといえる。思春期年令 以降動力や投カの性差は

5才児になるとほとどんなくなってくる。

〔表4〕基礎的運動能力の性差

項      目 差 の 有 意 性

4  年    1 5  年

棒上片足立

立  幅  跳

両腕による身体支持

ポ ー ル 投

打叩速度 諾

な  し

1%水準で有意 S.Dl%水準で有意 更,S.Dとも1%水準で有意

な  し

な  し

一・L76こ

最少長少長少長少長少年年

l U 2 8 6 0 7 0 Q U 9

乃0 48 06 0 80 30 25 2 41 21 6 2 2 1 4 2 0 4 0 3 7 3 3 4 4 63 59 5 01 25 47 1 26 6 9㌶ 66 6 4 7 9 5 4 0 8 1 9 1 0 6 5 1 3 2 1 1

L   L   L

0 5 2

3 3 4 0 2 7 6

2 4 65 70 90 10 44 48 1 45 1 3 3 2 3 7 9 1 1 4 3 1 1 3 3 0 4 6 7 3 2 7 8 8 5 2 5 0 8 5

5 2 4 8 5 5 8 7 3 9 5 5 0 8 9 9 6 5 3 2

(8)

急速に増大するが,すでに幼年期からこの傾向がうかがわれる。平衡能については今回の測定で性差が みられなかったが志村などの報告によると女子がやゝ優位であるという。

5.体位と基礎的連動能力との相関 幼児における体形の測定で,胸囲や座 高はその測定が困姓であり誤差も大きい と言われている。また発育のバロメータ ーとして身長・体重が多く用いられてい る。このような理由で身長および体重と 基礎的運動能力の相関を調べてみた。表 5ほ身長と表6は体重との相関係数を示 したものである。体重については5才児 のもののみにとゞめた。表のなかでト」

印のあるものが相関に有意性の認められ るものである。

身長では4才男子の平衡能と立幅跳,

5才男子の立幅跳,4才女子の投力15 才女子の打叩速度〔以下タッビング

(tapping)と呼ぶ〕牢けである。しかし これらのものも相関は極めて低いが,男 子は4才児5才児とも立輝桃との間に相 関があるから,身長による影響があると 考えられる。

体重とでほ投力との間にかなりの相関 がある。

6.基礎的運動能力間の相関 各運動種目間の相関については,相関

〔表5〕身長と各運動との相関

〔注〕・印は相関のあるもの

相関係数の有意水準表より(集成万能数表森北出版)

r==0なる仮設を帰却し得るrの値

d・f50で5%水準q・㌘32 d・f印で0・2500

〔表6〕体重と各運動との相関

表により傾向の似たものは計算を省略した。ただし相関のあるものについては念のため2,3加えて検 討した。立幅跳と他の種目との間には投力を除いて全く相関がない(4才男子平衡能r=0ユ8,持久力 r三二0.03,d・f=49)。しかしポール投げでは男子はかなりの,女子では低いが相関がみられる(男子,

4才r==0.50,d・f=49,5才r=0,5L d・f=56,_女子4_才ご;=0.35,d・f=50,5才r三二0.33,

d・f=51)。

投力と持久力(5才男子r=0.23,d・fコ55),および平衡能と持久力(5才女子r==0.21,d・f

=51)との間には相関は全く見られない。

このように比較的動的な能力間には相関がみられたが,その他のものは全く相関がなく,それぞれの 種目は独立した能力を測定していると言えるし,また幼児の持っている茎鍵的運動能力は個人個人によ

って特徴的であると言える。

・・=_77−=_

(9)

6.タッビングと基礎的運動能力との相関 小筋肉運動能力を測定する種目として数坂器に よる打叩速まを実測したわけであるが,これと基 礎的運動能力との相関を示したものが表7である。

5才児の平衡能と持久力には性差がないので同一 母集団に属すると考え男子の計算を省略してある が,女子のポrル投げとの間に低い相関があるの みで,他は全く相関がない。

なお20秒間における右手のタッビングと左手の

〔表7〕打叩速度と基礎的運動能力との相関

項      目  ュh ナx B

5才女 ・5才男  棒上片足立  C#"

立  幅  跳  C x C

両腕による身体支持  C R

硬式テニス・ボール按  C3X X C

〔注二血)d.f女52 男56

(勿 相関係数の有意水準表よりd.f50で 5%の有意水準0.㌘32d・f60で0・2500

(3)打叩速度の測定は10秒間のもの タッビングとの相関は5才男r=0.73(d・f=56)でかなり高い相関があり,右手と左手では同じよ

うに良く利くものが多いと言える。

要     約

1.台東区内園児と今回の調査園児との間にをも特に持久力において地域差がみられた。

2.生酒年令においては,4才児ではまだ,生汚してきた長さがかなり影響があると思われるが,5 才児になるとほとんどなくなる。したがって幼児の指導にあたってほ幼少者ほど生活年令を考慮する必 要がある。

3.性差については動力(立幅跳)と投カに能力差があり,男子が優れている6 したがって遊びの場 においてこのような性差を念頭に入れておくことが必要である。

4.体位と基礎的運動能力との間にほ顕著な相関はみられない。それ故体形的な発育がよくとも,運 動能力の発達は必ずしもこれに平行していないことを考えて指導しなければならない。

5・基磯的運動能力間では動力と投カに相関があるのみで他は全くない。したがって各個人個人の能 力における長所・短所に応じた指導が必要であり,この長所・短所をみきわめるために教育大体育心理 学研究室では評定の基準を3段階に分けて示しているが,幼児の測定の国雄さや誤差の多いことを考え るとこの程度の段階が妥当と患う。0.85標準偏差を用いると上の段階20%,中60%,下20%となるから この程度の尺度がよいと思う。

6.幼稚園の教育内容が序のところで述べたように,とかく くくしつけ と関連した手先きの運動が多 いものになり易い,手指の運動能力と全身的な運動能力との間には相関がほとんどないから,この点を 考え統一体としての人間把旗の立場から教育内容を考えていかなければならない。終りにこの研究につ いて主として測定について担当協力していただいた本学児童科二年の学生に対し深く感謝の意を表する。

引用文献および参考文献

1,教師蓉成研究会荊 幼児の健康指導と体育 学芸囲顕1956 2.中央幼児教育研究会霹 保育研究法 学苦因沓1959

3.C.H.McCloy 幼児のための体育の重要性(体育の化学第3巻第3号 体育の科学社)1958 4.P.Chauchard著八杉竜一・八杉孝三訳 人間の生物学 岩波書店1959・

一一78−

(10)

5.依田新著 幼児の精神の発達と特徴(幼児の生理と心理.生活科学調査金網)医師薬出阪1959 6. 志村隆治者 幼児期における身体発達の実態と運動の適正について(体育学研究第4巻第1号.日

本体育学会)1958

7.志村隆治著 幼児期における運動の適正(体育学研究第5巻第1号.日本体育学会)1959 8.文部省綱 学校術生統計報告弓軌 学校保健統計報告番 昭和32年度より昭和36年度版

9.松田岩男著 運動能力,運動素質,適正の研究法(体育学研究法.日本体育学会編)古林脊院1957 10.松田岩男・岡本卓 幼児のあそぴの体育的指尊 大修館1961

11.教案締集委員金筋 集成万能数表 森北出版1955

12.松田岩男・松井三男箸 運動の発達と体育(保健体育学大系5巻)中山書店1957 13.松田岩男・松井三界著 運動の発達(保健体育学大系1巻)中山音店1957 14.未刊博著 体育心理学上巻 造洛書院1960

15.大西佐一著 心理学的測定法 理想社1958 16.松浦義行著 体育学研究法 抵邁専院1960

17.竹中玉一著 運動能力の測定(俸健体育学静座Ⅱ巻)杏林舎1959

(1〜13および17は引用文献)

−79・→

参照

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