論 文
T
型分岐流路における衝突噴流の線形安定性足立 高弘*
Li nearStabi l i t yoH mpl ngl ngJeti n aSymmet r i cT‑ s hapeChannel
Takahi r o ADACHI *
Abs t r ac上
Weha vec o nduc t e dt hel i ne ars t abi l i t yana l ys i sofi mpl ngl ngj e tao w i nas ymme t r i cT‑ s hapec ha n‑
ne lbyus l ngt hes pe c t r a le l e me ntme t hod.Thef lo w f ie l di sas s ume dt obet wo ‑ di me ns i ona l a nd i nc o mpr e s s i bl e.The且o wi si nas t e a dy‑ s t at eands ymme t r i cwi t ht hec e nt e r l i neoft hec ha nne la ta r e l a t i ve l ys mal lRe ynol dsnumbe r ,whe r e asa nas ymme t r i cf lO woc c ur sa tac r i t i c alRe ynol dsnumbe r duet oi ns t a bi l i t y.I nor de rt oe va l ua t et hec r i t i c a lRe yno l dsnumbe r , t hel i ne ars t abi l i t yt he or yi s appl i e dt ot hec ompl e xl ami narf l o wwi t has t a gna t i onpoi nti nt heT‑ S hapec ha nne lbyc ons t i t ut i ng t heg e ne r al i z e de i g e nva l uepr obl e m ofma t r i xf or m.Thec r i t i c a lRe yno l dsnumbe rc anbede t e r m i ne d byt hes i gnofal i ne a rgr o wt hr a t eoft hee i ge nv al ue s . I ti sf oundt ha tt hes t e adys ymme t r i cf lo w bi f ur c a t e st ot heas ymme t r i cs t e adyonea sar e s u ltofPi t c hf or kbi f ur c a t i on.
1 .は じめに
衝突噴流は,局所的な伝熱促進 ・物質伝達促進 を 比較的簡便 に行 う事が出来 る方法 として実用的に広 く応用 されている
(1).本研究では衝突噴流の一例 と して, Fi g・1 に示す よ うな一つの入 口 ( AH) か ら流 体が流入 し,二つの出 口 ( CD と EF) か ら流出す る対 称 な T型分岐流路 を考 える.流れ は ノズルや ス リッ
トな どか ら構成 され る導入部 ( AGBH) を通って噴流 として空間に噴出 し,流れ前方の壁面 ( DE) に衝突す る. この とき,壁面の よどみ点近傍 で高い伝熱お よ び物質伝達特性 を有す るため,衝突噴流 は電子機器 の冷却,物体表面の汚れや水分 の除去 ・乾燥 な どの 工業上広い分野で用い られ てい る. したがって,そ の流動特性 を明 らかにす ることは各種 関係機器 の性 能 を向上 させ る上で重要である.
一般 に,対称 な流路 を流れ る流れ は, レイ ノル ズ 数が小 さい ときは流路 中心軸 に関 して対称 な定常流
*
2004
年7
月20日受理
秋 田大学工学資源学部機械 工学科.De
par t me ntofMe ‑ c hani c a lEngi ne e r i ng , Fac ul t yofEngi ne e r i ngandRe ‑ s our c eSc i e nc e,Aki t aUni ve r s i t y.
となる.そのために,数値解析 においては対称 な流 路 を流れ る流れ は対称性 を持つ と仮定 して多 くの研 究が行われてい る.例 えば,一宮 ら ( 2) は, T 型分岐 流路 にお ける衝突噴流 について流路の半分のみ を計 算領域 として解析 を行 っている.
しか し, レイ ノル ズ数 が大 き くなると,対称 な流 れ は不安定にな り流れ の非線形性 のためによ り複雑 な流れ‑ と遷移 してい く
(3).この流れの対称性が破 れ る限界の レイ ノルズ数 を臨界 レイ ノルズ数 と呼ぶ.
例 えば,平行平板 間流路 に対称 な拡大部 を持つ急拡 大流路流れや急拡大 ・急縮小流路流れの場合 には,低 い レイ ノルズ数では対称な定常流であ り,比較的高い レイ ノル ズ数 では非対称 な定常流 になることが実験 お よび数値解析 により数多 く報告 されている
(4ト (10)その他にも,最近 Mi z us hi maandYos hi mat s u
(ll)は T 型分岐流 を二つ合 わせ た平行二円板 間を中心か ら 放射状 に流れ る流れ の解 の分岐 を数値計算 と可視化 実験 によ り調べ,高い レイ ノル ズ数 では流れが非対 称 になることを示 している.
この よ うに,流路 の形状が対称的であって も,疏
路内の流れ は必ず しも対称であるとは限 らない. こ
の ことは,対称流路 にお ける衝突噴流の計算 におい
2 2
足立高弘て, レイ ノル ズ数 が小 さい ときには対称性 を課 して 解析 を行 うことが出来 るが, レイ ノル ズ数 が大 き く な る と対称性 の仮 定が妥 当で な くな り,計算 で求 め た流れ と実際の流れ とが一致 しな くな る こ とを示唆 してい る.衝突噴流 にお いて は,伝熱 ・物質移動 の 促進のみな らず,ある領域 を均一 に加熱 ・冷却 あるい は乾燥 させ るな どの一様性 が求 め られ る場合 が多い.
したがって,流れ の対称性 が破 れ て流れ が非対称流 に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を明 らか にす るこ とは 重要 である. しか しなが ら,本研 究で扱 う
T
型分岐 流路 にお ける流れ の遷移 につ いて, レイ ノル ズ数 の 増加 と流れ の対称性 の破 れお よびそ の臨界 レイ ノル ズ数 に関す る詳細 は今 の ところ明 らかではない.そ こで,本研 究では
Fi g.1
に示す対称 なT
型分岐 流路 にお ける流れ につ いて,対称 な定常流 が不安 定 にな り非対称流 に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を明 ら か にす る. ここでは,温度場や濃 度場 は扱 わず に流 れ場 のみ を扱 うこととす る.線形安 定性理論 を用 い た固有値解析 を行 うこ とで臨界 レイ ノル ズ数 を求 め る.計算手法 と しては高精度 な数値解 法 で あるスペ ク トル ・エ レメン ト法 を用 い る.また,スペ ク トル ・ エ レメン ト法 と線形安定性理論 を用 いた固有値解析 の計算手法 についての解説 を行 うこ とも本研 究 の 目 的の一つである.記号の説明
か :
流路深 さh*
:流路導入部幅 の半値 ,代表寸法h m :
ガ ウス ・ル ジャン ドル ・ロバ ッ ト点 を通 るラ グランジュ多項式砿 :ガ ウス ・ル ジャン ドル 点 を通 るラグランジュ 多項式
L :
流路長 さL
o:流路導入部長 さⅣ :
展 開の打 ち切 りパ ラメー タp:
圧力Re:
レイ ノル ズ数,Re
‑U o * h* / Z / *
i:時間
u‑( u, V)
:速度ベ ク トル とその成分&
,‑( x, y)
:座標ベ ク トル とそ の成分 Z/*:流体 の動粘性係 数〆 :流体 の密度 入:複素線形増幅率
添 え字 C:臨界値
*:有次元量
2.
問題の定式化A
yl
C D
ム;可 ち
L* ' C 3 ■ ■ ■ ̲
0
H
Uo*
Ex* I I , Fi g.l Ge o me t r ya ndc O ‑ o r di na t e.
Fi g.1
に本研 究で取 り扱 うT
型分岐流路 と座標 系 を示す.図に示す よ うに,流路 は2
次元的であ り,幅2 h*
の平行 平板 か らな る導入部ABGH
とそれ に垂直 な衝突壁 流路BCDEFG
とか ら構成 され る.座模 系 は流路 中心軸 に沿 ってx
*軸 を と り,流路入 口でx*
軸 に垂直 にy*を とる.
この流路形状 を規定す る無次元パ ラメー タ として, 流路の導入部長 さ
L
o,流路長 さL
お よび流路深 さD
を導入部 の流路半値幅h*を代表長 さとして次式で定 義す る.
L o‑
許L ‑ 宗 , D ‑ 芸 ・ ( 1 )
ここで,アスタ リス ク *の付 いた物理量は次元を有す ることを意味す る.以下では,L
o‑5
,L ‑1 0
,D ‑ 1 0 0
とす る.2. 1
基礎 方程 式 と境界条件流路 内の流れ は
2
次元非圧縮粘性 流 とす る.代表 速度 と して導入 部入 口の最 大流速Uo
を用 いて次式 の よ うに物理 量 の無次化 を行 う.3 3 * u* t *
x = 前 , u=
軒 t=軒 7
両'P
= ‑( p* U
o*2)'( 2 )
ここで,u‑(u
, V)
で あ り,p'は流体 の密度 である・ここで も,ア ス タ リス ク *の付 いた物理量 は次元 を
有す ることを意味す る.上記 の無次元変数 を用い る と,基礎方程式 となる連続 の式 とナ ビエ ・ス トー ク ス方程式は次式のよ うになる.
V ・ u‑ 0 , ( 3 )
芸 ・( u ・ ∇) u ‑‑
∇p・孟
V 2u・( 4 )
ここで, Re は レイノルズ数であ り次式のように定義 され る.
( 5 ) 境界条件 は流路壁面で滑 りな し条件,流路入 口で 十分発達 したポアズイユ流れお よび出 口で 自由流 出 条件 とす る.すなわち,
u ‑0 a t ABC, DE, FGH ,
u ‑( 1‑ y2 , 0) a t AH
,芸 ‑o っ a t CD , EF
となる.
2. 2非線形定常方程式
一般に, レイ ノル ズ数が十分小 さい とき,対称 な 流路内の流れは どのよ うな初期条件 か ら出発 して も 十分に時間が経過すれ ば対称 な定常流 となる.この 対称な定常解 を ( U,P)とす る・この定常解 を式 ( 3 ) , ( 4) に代入すれば, ∂/ at〜o とな り,定常解 に対す る基礎式は次式の非線形定常方程式 となる.
V・ U‑ 0 , ( 9 )
( U ・ ∇) U
‑‑∇
p+孟V 2 U・ ( 1 0 )
境界条件は式 ( 6 ) 〜( 8) と同 じで,流路壁面で滑 りな し条件,流路入 口で十分発達 したポアズイユ流れお よび出口で 自由流出条件 とし,次式で与 え られ る.
U
‑0 a t ABC, DE, FGH , U ‑ ( 1‑y2 , 0) a t AH ,
0 , a t ̲CD , EF,
2. 3線形安定性解析 と線形撹乱方程式
レイノルズ数が大きくなると,式
(9),(10)を解い て得 られ る対称 な非線形定常解 は不安定にな り非対 称 な定常流あるいは振動流 ( 非定常流)‑ と遷移す る.ただ し,その場合 にも不安定 となった対称な非
線形定常解 は式
(9),(10)の解 として存在す る.例 え ば,流路の中心線 に関す る速度場の対称性
U( 3 ; , ‑y)
‑U( I , y) , V( I , ‑y)
ニーV( I , y) ( 1 4) を考慮す ることによ り,中心線 において次式の対称 条件
Z ‑0 , V ‑o ( 1 5)
を課せ ば対称な解 を容易 に得 ることができる.
さて,対称 な定常解 が不安定 とな り非対称な流れ に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を求めるために, ここ では線形安定性理論 を導入す る.ある時刻 t=O に おいて,対称 な定常解 に微小な撹乱 i l ,βを加 える.
その後の時刻 t にお ける撹 乱 の振 る舞いを調べ るた めに速度場お よび圧力場 を定常解 と撹乱の和 として 次式のよ うに表す.
u ‑
U+i l , P
‑P + 1 3 ・ ( 1 6) 式 ( 1 6 ) が時刻 まにおいて基礎方程式 ( 3 ) ,( 4 ) に従 う
ことか ら,式 ( 1 6 ) をこれ らの方程式に代入 し,定常 解 の満 たす式 を考慮 し,撹乱 について 2 次以上の項
を省略す る と次式の線形撹乱方程式が得 られ る.
∇・ i L‑ 0, ( 1 7 )
霊
・( U・ V)
損 (品・ ∇) U‑‑ ∇ 打 去
鵬( 1 8 ) 式 ( 1 7 ) ,( 1 8 ) を適 当な境界条件 と初期条件のもとに解 いて
(il , i) が求め られた とき,舌→ ∞ で 笹 , 1 3 ) 10
な らば定常解 は安定であ り,( a , i)
≠ 0な らば定常解 は不安定である と判定す る.
さらに,方程式 ( 1 7 ) , ( 1 8 ) の線形性 か ら撹乱の時 間依存性 を
&‑i ie xp(
入t),
β‑1 5e xp(
入t ) ( 1 9 )
と仮定 し,式 ( 1 9 ) を式 ( 1 7 ) , ( 1 8 ) に代入す ると次式 が得 られ る.
∇ ・ i i ‑ 0 , ( 20)
入る‑‑( U ・ ∇) 菰‑( &・ ∇) U ‑∇打 去 琉
・(21)ここで,人 は複素線形増幅率 と呼ばれ,一般 には複
素数である.式 ( 20) ,( 21 ) は,複素線形増幅率 人を
固有値 とし,撹乱 ( i i 逐)をその固有 関数 とす る固有
値問題 として解 くことができる.
2 4
足立高弘定常解 の安定性 は,人の符号によって決定 され る.
人 の実部 を
Re[入] ,虚部 を
Im[入]とす る・ この とき,
Re[^]>0
な ら撹乱は時間の経過 とともに成長す るの で定常解 は不安定であ り,流れは定常解 か ら離れ て いき別の解 に分岐す る.一方,
Re[入] < 0な ら撹乱は 時間の経過 とともにゼ ロに減衰す るので定常解 は安 定である.
Re[^]‑0な ら撹乱は増幅 も減衰 もしない ので中立安定であ り,その ときの レイ ノル ズ数 を臨 界 レイノルズ数 と呼ぶ.また,
Re[^]
‑Iml 入
]‑0の と きには定常解 は ピッチ フォー ク分岐,サ ドル ・ノー
ド分岐あるいは トランス ・ク リテ ィカル分岐 を生 じ 新 た分岐解 は定常解 になる.一方,
Re[入]‑ 0の と き
Iml A]
≠0な らば,振動数 f‑I m l 入
]/27 Tを持 った
ホ ップ分岐 を生 じ,新たな解 は振動解 になる.
境界条件 については,式 ( 1 6 ) が式 ( 6 ) 〜( 8 ) を満た す ことと,定常解 がすでに式 ( l l ) 〜( 1 3 ) を満 た して いること考慮す ると,撹乱の境界条件 は次式 となる.
i 1 ‑ 0 a t ABC ,DE,FGH , AH ,
(22)墾 =O,
ay a t CD,E F・ ( 2 3 )
3. 計算方法
数値計算は,スペ ク トル ・エ レメン ト法 を用いて行 う
(12),(13).スペ ク トル ・エ レメン ト法は,スペ ク ト ル法の高い精度 と有限要素法の柔軟 な領域分割特性 や境界条件の取 り扱い易 さとを併せ持っ計算法であ る.スペ ク トル法 も有限要素法 も, どち らも重み付 き残差法の一種 として捕 らえるこ とができる.スペ ク トル法 とは,関数展開法 とも呼ばれ,解 きたい微 分方程式の解 を性質 のよく分かった高次の関数 で展 開 してその展開の係数 を求 めるこ とによって解 を得 よ うとす る方法である.スペ ク トル法 は少 ない展開 数 で高精度 な結果 を得 ることができる計算方法であ る.ただ し,幾何形状が複雑 な領域 では用い るのが 難 しい.一方,有限要素法は展開関数 として低次 (
1次か 2 次)の関数 を用い,計算領域 を小 さな領域 に 分 けて計算 を行 な う方法で,幾何形状が複雑 な領域 で も計算できる. しか し,計算の精度は一般 に低い.
スペ ク トル ・エ レメン ト法は,スペ ク トル法の高い 精度 と有限要素法の柔軟 な領域分割特性や境界条件 の取 り扱い易 さとを併せ持つ計算法であるので,複 雑 な境界 を持つ問題 を高精度 に取 り扱 う場合 に最 も 威力 を発揮す る方法である.例 えば,平行平板 に周 期的な矩形凹凸を設 けた流路内の流れ な どを高精度
に計算す る場合に威力 を発揮す る
(14).ここでは,高 い精度 と境界条件 の取 り扱 い易 さの点か らスペ ク ト ル ・エ レメン ト法 を用いる.
Fi g.2 Spe c t r a le l e me nt sa nddi s t r i but i o no f Ga us spo i nt s .
スペ ク トル ・エ レメン ト法では, Fi g.2 に示す よ うに計算領域 をい くつかの矩形要素 に分割す る.本 研究では,図に点線で示す よ うに 1 1 個 の矩形領域 に 分割す る.そ して,各 々の要素 を座標変換 によって
ト 1 , 1 ] を定義域 とす る局所計算座標系に変換す る・例 えば, Fi g.2 右 に示す よ うに 第 k番 目の要素が x 方 向の長 さ L k ( ‑ b k‑ak ) で,区間 [ ak , b k ] とす ると, 局所計算座標系 豆‑の座標変換式は次式 となる.
盃‑
孟 ( I‑ a k )‑
1・ (24)(
y方向について も同様 に座標変換 を行 う ・ )
第 k 要素の内部 で,速度お よび圧力 を次式のよ う に多項式で近似す る.
N N
uk( 磨 , 否
,乏)‑ ∑ ∑ u
監mhm( i) h n( 否) , ( 25)
m = O n = O
N‑2N‑2
pk ( 磨, 9, 度 )‑ ∑ ∑ p監 nhL t ( i) h 摘 ) , ( 2 6 ) m=On =0
(
良 ‑1 , ‑ , l l ) ・
ここで,h n は ( N
+1 ) 個 のガ ウス ・ル ジャン ドル ・ ロバ ッ ト点の内で Ⅳ 個の点を通 る Ⅳ 次の多項式であ
り,鶴 は ( 〟 ‑1 )個のガ ウス ・ル ジャン ドル点の内 で ( 〟 ‑ 2 ) 個 の点 を通 る ( 〟 ‑ 2 ) 次の多項式である・
すなわち,( P
+1) 個 のゼ ロ点 ごq ( q ‑0 , ‑ P)の中
で,xpで 1,それ以外 の点 xq( p ≠q) でゼ ロとなる
第 P 次のラグランジュ多項式 を hp( x)とす ると L, m
、̲舌 ( x‑ xq)
hp( x)
‑ Il‑ y yr
'( q= !
,:i
p)( xp ‑ X q)
となる.また,定義 よ り
hp( xq )‑6 p q
( 2 7 )
( 2 8) が成 り立っ・ここで, 6 p qはクロネ ッカーのデル タで ある.なお,ガ ウス ・ル ジャン ドル点 とはル ジャン ド ル多項式のゼ ロ点であ り,ガ ウス ・ル ジャン ドル ・ロ バ ッ ト点 とはガ ウス ・ル ジャン ドル点 に端点 土 1を 加 えた点のことを言 う.
展開式 ( 25) および ( 26) を式 ( 9) ,( 1 0) に代入 して 弱形式を作 りガ レルキン法 を用いると,展開係数であ る節点値ベ ク トル
(叱 n , pAn)に関す る第 k 番 目の 要素にお ける代数方程式が得 られ る.それ らを た=
1, ‑ , 11 まで加 えあわせれ ば全体の代数方程式が得 られ る.この代数方程式 をニュー トン ・ラフソン法を 用 いて解 くことによ り非線形定常解 が得 られ る.ガ レル キン法 にお ける数値積分の際 には,展開関数 に 応 じてガ ウス ・ルジャン ドル積分 あるいはガ ウス ・ロ バ ッ ト・ルジャン ドル積分 を用いる.
さらに,展開式 ( 25) お よび ( 2 6) を式 ( 20) ,( 21 ) に 代入 して弱形式 を作 りガ レル キン法 を用いる と,展 開係数である節点値ベ ク トル ( 鶴 m, 免 n)に関す る第 k番 目の要素における代数方程式 が得 られ る.それ らを k ‑ 1 , ‑ , 11 まで加 えあわせれ ば全体の代数方 程式が行列の形で
入
Aα= βα ( 2 9 ) のよ うに得 られ る・式 ( 2 9 ) を 人を固有値 とす る行列 の固有値 問題 として QR 法 によ り数値的に解 くこと によ り,固有値 入 とその固有ベ ク トル (
砥即
免n)を
求める.
4. 結果
T 型分岐流路における流れの遷移の一例 として,本 研究では流路形状パ ラメー タ L
o‑ 5 , L ‑ 1 0 , D
‑1 00を取 り上げる・また,展開式 ( 2 5) お よび ( 26) に おける展開の打ち切 りパ ラメー タを Ⅳ = 1 6 とした 場合の結果を以下に示す.
4. 1 非線形定常解
一般 に, レイノルズ数が十分 に小 さい とき,対称 な流路を流れ る流れは どのよ うな初期条件 を与えて
も十分時間が経過す る と対称 な定常流 となる.Fi g.
3( a ) に,初期条件 として ( U, P) ‑( 0 , 0 ) として計算 を行 った場合 の Re‑20 にお ける定常解 の流線 を示 す.導入部幅 に比べて流路深 さβ が大きいので導入 部 の内部 の様子 はほ とん どわか らないが,流れ は流 路 の中心軸 に関 して対称 となってい る.導入部 を出 た流れ は,衝突平板 の影響 を受 けない 自由噴流領域 か ら衝突噴流領域 を通過 し壁 に衝突 した後,壁面噴 流領域 に至 り,平板 に沿 って流れ る. Fi g.3( b) に同 様 に して求めた Re ‑50の場合 の流線 を示す.中心 線 を挟 んで形成 され るは く離渦が成長 している.ま た,壁面噴流領域では壁 面か らのは く離が生 じてい ることがわか る. この場合 に も流れ は流路の中心軸 に関 して対称である.
( a) Re ‑ 20 ( b) Re ‑5 0 Fi g・3 St r e aml i ne soft hes t e adys ymme t r i c
s ol ut i ons .
次 に,初期条件 として非対称 な条件 を用いて計算 を行った場合の結果 を示す.まず, T 型流路の長 さ L を中心線 に関 して非対称に設定 し予備計算を行 う.こ の場合 にも初期条件 は
(U,P)‑( 0, 0 ) とす る.その とき得 られ る解 は非対称 な解 であ り,その解 を初期 条件 として対称な T 型流路 に対 して定常解 を求める.
Fi g.4 は,その よ うに して求 め られた Re
‑5 0の 場合の定常解 の流線 である.流路は対称であるにも かかわ らず,流れは中心線 に関 して若干非対称 となっ ていることがわか る. この とき,中心線 に関 して上 側 と下側 とでは流量が異なっている.一方, Re = 20
に対 して, この よ うな方法 を用いて も非対称な解 は
得 られ ない. したがって,対称 な定常流か ら非対称
2 6
Fi g.4 St r e aml i neoft hes t e adyas ymme t r i c s ol ut i o n ( 月e ‑50) .
足立高弘
[Y]3出