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T 型分岐流路における衝突噴流の線形安定性

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(1)

論 文

T

型分岐流路における衝突噴流の線形安定性

足立 高弘*

Li nearStabi l i t yoH mpl ngl ngJeti n aSymmet r i cT‑ s hapeChannel

Takahi r o ADACHI *

Abs t r ac上

Weha vec o nduc t e dt hel i ne ars t abi l i t yana l ys i sofi mpl ngl ngj e tao w i nas ymme t r i cT‑ s hapec ha n‑

ne lbyus l ngt hes pe c t r a le l e me ntme t hod.Thef lo w f ie l di sas s ume dt obet wo ‑ di me ns i ona l a nd i nc o mpr e s s i bl e.The且o wi si nas t e a dy‑ s t at eands ymme t r i cwi t ht hec e nt e r l i neoft hec ha nne la ta r e l a t i ve l ys mal lRe ynol dsnumbe r ,whe r e asa nas ymme t r i cf lO woc c ur sa tac r i t i c alRe ynol dsnumbe r duet oi ns t a bi l i t y.I nor de rt oe va l ua t et hec r i t i c a lRe yno l dsnumbe r , t hel i ne ars t abi l i t yt he or yi s appl i e dt ot hec ompl e xl ami narf l o wwi t has t a gna t i onpoi nti nt heT‑ S hapec ha nne lbyc ons t i t ut i ng t heg e ne r al i z e de i g e nva l uepr obl e m ofma t r i xf or m.Thec r i t i c a lRe yno l dsnumbe rc anbede t e r m i ne d byt hes i gnofal i ne a rgr o wt hr a t eoft hee i ge nv al ue s . I ti sf oundt ha tt hes t e adys ymme t r i cf lo w bi f ur c a t e st ot heas ymme t r i cs t e adyonea sar e s u ltofPi t c hf or kbi f ur c a t i on.

1 .は じめに

衝突噴流は,局所的な伝熱促進 ・物質伝達促進 を 比較的簡便 に行 う事が出来 る方法 として実用的に広 く応用 されている

(1)

.本研究では衝突噴流の一例 と して, Fi g・1 に示す よ うな一つの入 口 ( AH) か ら流 体が流入 し,二つの出 口 ( CD と EF) か ら流出す る対 称 な T型分岐流路 を考 える.流れ は ノズルや ス リッ

トな どか ら構成 され る導入部 ( AGBH) を通って噴流 として空間に噴出 し,流れ前方の壁面 ( DE) に衝突す る. この とき,壁面の よどみ点近傍 で高い伝熱お よ び物質伝達特性 を有す るため,衝突噴流 は電子機器 の冷却,物体表面の汚れや水分 の除去 ・乾燥 な どの 工業上広い分野で用い られ てい る. したがって,そ の流動特性 を明 らかにす ることは各種 関係機器 の性 能 を向上 させ る上で重要である.

一般 に,対称 な流路 を流れ る流れ は, レイ ノル ズ 数が小 さい ときは流路 中心軸 に関 して対称 な定常流

*

2004

7

20日受理

秋 田大学工学資源学部機械 工学科.De

par t me ntofMe ‑ c hani c a lEngi ne e r i ng , Fac ul t yofEngi ne e r i ngandRe ‑ s our c eSc i e nc e,Aki t aUni ve r s i t y.

となる.そのために,数値解析 においては対称 な流 路 を流れ る流れ は対称性 を持つ と仮定 して多 くの研 究が行われてい る.例 えば,一宮 ら ( 2) は, T 型分岐 流路 にお ける衝突噴流 について流路の半分のみ を計 算領域 として解析 を行 っている.

しか し, レイ ノル ズ数 が大 き くなると,対称 な流 れ は不安定にな り流れ の非線形性 のためによ り複雑 な流れ‑ と遷移 してい く

(3)

.この流れの対称性が破 れ る限界の レイ ノルズ数 を臨界 レイ ノルズ数 と呼ぶ.

例 えば,平行平板 間流路 に対称 な拡大部 を持つ急拡 大流路流れや急拡大 ・急縮小流路流れの場合 には,低 い レイ ノルズ数では対称な定常流であ り,比較的高い レイ ノル ズ数 では非対称 な定常流 になることが実験 お よび数値解析 により数多 く報告 されている

(4ト (10)

その他にも,最近 Mi z us hi maandYos hi mat s u

(ll)

は T 型分岐流 を二つ合 わせ た平行二円板 間を中心か ら 放射状 に流れ る流れ の解 の分岐 を数値計算 と可視化 実験 によ り調べ,高い レイ ノル ズ数 では流れが非対 称 になることを示 している.

この よ うに,流路 の形状が対称的であって も,疏

路内の流れ は必ず しも対称であるとは限 らない. こ

の ことは,対称流路 にお ける衝突噴流の計算 におい

(2)

2 2

足立高弘

て, レイ ノル ズ数 が小 さい ときには対称性 を課 して 解析 を行 うことが出来 るが, レイ ノル ズ数 が大 き く な る と対称性 の仮 定が妥 当で な くな り,計算 で求 め た流れ と実際の流れ とが一致 しな くな る こ とを示唆 してい る.衝突噴流 にお いて は,伝熱 ・物質移動 の 促進のみな らず,ある領域 を均一 に加熱 ・冷却 あるい は乾燥 させ るな どの一様性 が求 め られ る場合 が多い.

したがって,流れ の対称性 が破 れ て流れ が非対称流 に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を明 らか にす るこ とは 重要 である. しか しなが ら,本研 究で扱 う

T

型分岐 流路 にお ける流れ の遷移 につ いて, レイ ノル ズ数 の 増加 と流れ の対称性 の破 れお よびそ の臨界 レイ ノル ズ数 に関す る詳細 は今 の ところ明 らかではない.

そ こで,本研 究では

Fi g.1

に示す対称 な

T

型分岐 流路 にお ける流れ につ いて,対称 な定常流 が不安 定 にな り非対称流 に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を明 ら か にす る. ここでは,温度場や濃 度場 は扱 わず に流 れ場 のみ を扱 うこととす る.線形安 定性理論 を用 い た固有値解析 を行 うこ とで臨界 レイ ノル ズ数 を求 め る.計算手法 と しては高精度 な数値解 法 で あるスペ ク トル ・エ レメン ト法 を用 い る.また,スペ ク トル ・ エ レメン ト法 と線形安定性理論 を用 いた固有値解析 の計算手法 についての解説 を行 うこ とも本研 究 の 目 的の一つである.

記号の説明

か :

流路深 さ

h*

:流路導入部幅 の半値 ,代表寸法

h m :

ガ ウス ・ル ジャン ドル ・ロバ ッ ト点 を通 るラ グランジュ多項式

:ガ ウス ・ル ジャン ドル 点 を通 るラグランジュ 多項式

L :

流路長 さ

L

o:流路導入部長 さ

Ⅳ :

展 開の打 ち切 りパ ラメー タ

p:

圧力

Re:

レイ ノル ズ数

,Re

U o * h* / Z / *

i:時間

u‑( u, V)

:速度ベ ク トル とその成分

&

,

‑( x, y)

:座標ベ ク トル とそ の成分 Z/*:流体 の動粘性係 数

〆 :流体 の密度 入:複素線形増幅率

添 え字 C:臨界値

*:有次元量

2.

問題の定式化

A

yl

C D

ム;

L* ' C 3 ̲

0

H

Uo

*

E

x* I I , Fi g.l Ge o me t r ya ndc O ‑ o r di na t e.

Fi g.1

に本研 究で取 り扱 う

T

型分岐流路 と座標 系 を示す.図に示す よ うに,流路 は

2

次元的であ り,幅

2 h*

の平行 平板 か らな る導入部

ABGH

とそれ に垂直 な衝突壁 流路

BCDEFG

とか ら構成 され る.座模 系 は流路 中心軸 に沿 って

x

*軸 を と り,流路入 口で

x*

軸 に垂直 にy*を とる.

この流路形状 を規定す る無次元パ ラメー タ として, 流路の導入部長 さ

L

o,流路長 さ

L

お よび流路深 さ

D

を導入部 の流路半値幅h*を代表長 さとして次式で定 義す る.

L o‑

L ‑ 宗 , D ‑ 芸 ・ ( 1 )

ここで,アスタ リス ク *の付 いた物理量は次元を有す ることを意味す る.以下では,

L

o

‑5

,

L ‑1 0

,

D ‑ 1 0 0

とす る.

2. 1

基礎 方程 式 と境界条件

流路 内の流れ は

2

次元非圧縮粘性 流 とす る.代表 速度 と して導入 部入 口の最 大流速

Uo

を用 いて次式 の よ うに物理 量 の無次化 を行 う.

3 3 * u* t *

x = 前 , u=

t=

軒 7

'

P

=

( p* U

o*2)'

( 2 )

ここで,u‑(u

, V)

で あ り,p'は流体 の密度 である・

ここで も,ア ス タ リス ク *の付 いた物理量 は次元 を

(3)

有す ることを意味す る.上記 の無次元変数 を用い る と,基礎方程式 となる連続 の式 とナ ビエ ・ス トー ク ス方程式は次式のよ うになる.

V ・ u‑ 0 , ( 3 )

・( u ∇) u ‑‑

∇p

・孟

V 2u・

( 4 )

ここで, Re は レイノルズ数であ り次式のように定義 され る.

( 5 ) 境界条件 は流路壁面で滑 りな し条件,流路入 口で 十分発達 したポアズイユ流れお よび出 口で 自由流 出 条件 とす る.すなわち,

u ‑0 a t ABC, DE, FGH ,

u ‑( 1‑ y2 , 0) a t AH

,

o っ

a t CD , EF

となる.

2. 2非線形定常方程式

一般に, レイ ノル ズ数が十分小 さい とき,対称 な 流路内の流れは どのよ うな初期条件 か ら出発 して も 十分に時間が経過すれ ば対称 な定常流 となる.この 対称な定常解 を ( U,P)とす る・この定常解 を式 ( 3 ) , ( 4) に代入すれば, ∂/ at〜o とな り,定常解 に対す る基礎式は次式の非線形定常方程式 となる.

V・ U‑ 0 , ( 9 )

( U ・ ∇) U

‑‑

p+

V 2 U・ ( 1 0 )

境界条件は式 ( 6 ) 〜( 8) と同 じで,流路壁面で滑 りな し条件,流路入 口で十分発達 したポアズイユ流れお よび出口で 自由流出条件 とし,次式で与 え られ る.

U

‑0 a t ABC, DE, FGH , U ‑ ( 1‑y2 , 0) a t AH ,

0 , a t ̲CD , EF,

2. 3線形安定性解析 と線形撹乱方程式

レイノルズ数が大きくなると,式

(9),(10)

を解い て得 られ る対称 な非線形定常解 は不安定にな り非対 称 な定常流あるいは振動流 ( 非定常流)‑ と遷移す る.ただ し,その場合 にも不安定 となった対称な非

線形定常解 は式

(9),(10)

の解 として存在す る.例 え ば,流路の中心線 に関す る速度場の対称性

U( 3 ; , ‑y)

U( I , y) , V( I , ‑y)

ーV( I , y) ( 1 4) を考慮す ることによ り,中心線 において次式の対称 条件

Z ‑0 , V ‑o ( 1 5)

を課せ ば対称な解 を容易 に得 ることができる.

さて,対称 な定常解 が不安定 とな り非対称な流れ に遷移す る臨界 レイ ノル ズ数 を求めるために, ここ では線形安定性理論 を導入す る.ある時刻 t=O に おいて,対称 な定常解 に微小な撹乱 i l ,βを加 える.

その後の時刻 t にお ける撹 乱 の振 る舞いを調べ るた めに速度場お よび圧力場 を定常解 と撹乱の和 として 次式のよ うに表す.

u ‑

U

+i l , P

P + 1 3 ・ ( 1 6) 式 ( 1 6 ) が時刻 まにおいて基礎方程式 ( 3 ) ,( 4 ) に従 う

ことか ら,式 ( 1 6 ) をこれ らの方程式に代入 し,定常 解 の満 たす式 を考慮 し,撹乱 について 2 次以上の項

を省略す る と次式の線形撹乱方程式が得 られ る.

∇・ i L‑ 0, ( 1 7 )

・( U・ V)

損 (

・ ∇) U‑‑ ∇ 打 去

( 1 8 ) 式 ( 1 7 ) ,( 1 8 ) を適 当な境界条件 と初期条件のもとに解 いて

(i

l , i) が求め られた とき,舌→ ∞ で 笹 , 1 3 ) 10

な らば定常解 は安定であ り,( a , i)

≠ 0

な らば定常解 は不安定である と判定す る.

さらに,方程式 ( 1 7 ) , ( 1 8 ) の線形性 か ら撹乱の時 間依存性 を

&‑i ie xp(

t)

,

β

‑1 5e xp(

t ) ( 1 9 )

と仮定 し,式 ( 1 9 ) を式 ( 1 7 ) , ( 1 8 ) に代入す ると次式 が得 られ る.

∇ ・ i i ‑ 0 , ( 20)

入る‑‑( U ・ ∇) 菰‑( &・ ∇) U ‑∇打 去 琉

・(21)

ここで,人 は複素線形増幅率 と呼ばれ,一般 には複

素数である.式 ( 20) ,( 21 ) は,複素線形増幅率 人を

固有値 とし,撹乱 ( i i 逐)をその固有 関数 とす る固有

値問題 として解 くことができる.

(4)

2 4

足立高弘

定常解 の安定性 は,人の符号によって決定 され る.

人 の実部 を

Re[

入] ,虚部 を

Im[

入]とす る・ この とき,

Re[^]>0

な ら撹乱は時間の経過 とともに成長す るの で定常解 は不安定であ り,流れは定常解 か ら離れ て いき別の解 に分岐す る.一方,

Re[

入] < 0な ら撹乱は 時間の経過 とともにゼ ロに減衰す るので定常解 は安 定である.

Re[^]‑0

な ら撹乱は増幅 も減衰 もしない ので中立安定であ り,その ときの レイ ノル ズ数 を臨 界 レイノルズ数 と呼ぶ.また,

Re[

^]

‑Im

l 入

]‑0

の と きには定常解 は ピッチ フォー ク分岐,サ ドル ・ノー

ド分岐あるいは トランス ・ク リテ ィカル分岐 を生 じ 新 た分岐解 は定常解 になる.一方,

Re[

入]‑ 0の と き

Im

l A]

≠0

な らば,振動数 f‑I m l 入

]/2

7 Tを持 った

ホ ップ分岐 を生 じ,新たな解 は振動解 になる.

境界条件 については,式 ( 1 6 ) が式 ( 6 ) 〜( 8 ) を満た す ことと,定常解 がすでに式 ( l l ) 〜( 1 3 ) を満 た して いること考慮す ると,撹乱の境界条件 は次式 となる.

i 1 ‑ 0 a t ABC ,DE,FGH , AH ,

(22)

墾 =O,

ay a t CD,E F・ ( 2 3 )

3. 計算方法

数値計算は,スペ ク トル ・エ レメン ト法 を用いて行 う

(12),(13)

.スペ ク トル ・エ レメン ト法は,スペ ク ト ル法の高い精度 と有限要素法の柔軟 な領域分割特性 や境界条件の取 り扱い易 さとを併せ持っ計算法であ る.スペ ク トル法 も有限要素法 も, どち らも重み付 き残差法の一種 として捕 らえるこ とができる.スペ ク トル法 とは,関数展開法 とも呼ばれ,解 きたい微 分方程式の解 を性質 のよく分かった高次の関数 で展 開 してその展開の係数 を求 めるこ とによって解 を得 よ うとす る方法である.スペ ク トル法 は少 ない展開 数 で高精度 な結果 を得 ることができる計算方法であ る.ただ し,幾何形状が複雑 な領域 では用い るのが 難 しい.一方,有限要素法は展開関数 として低次 (

1

次か 2 次)の関数 を用い,計算領域 を小 さな領域 に 分 けて計算 を行 な う方法で,幾何形状が複雑 な領域 で も計算できる. しか し,計算の精度は一般 に低い.

スペ ク トル ・エ レメン ト法は,スペ ク トル法の高い 精度 と有限要素法の柔軟 な領域分割特性や境界条件 の取 り扱い易 さとを併せ持つ計算法であるので,複 雑 な境界 を持つ問題 を高精度 に取 り扱 う場合 に最 も 威力 を発揮す る方法である.例 えば,平行平板 に周 期的な矩形凹凸を設 けた流路内の流れ な どを高精度

に計算す る場合に威力 を発揮す る

(14)

.ここでは,高 い精度 と境界条件 の取 り扱 い易 さの点か らスペ ク ト ル ・エ レメン ト法 を用いる.

Fi g.2 Spe c t r a le l e me nt sa nddi s t r i but i o no f Ga us spo i nt s .

スペ ク トル ・エ レメン ト法では, Fi g.2 に示す よ うに計算領域 をい くつかの矩形要素 に分割す る.本 研究では,図に点線で示す よ うに 1 1 個 の矩形領域 に 分割す る.そ して,各 々の要素 を座標変換 によって

ト 1 , 1 ] を定義域 とす る局所計算座標系に変換す る・例 えば, Fi g.2 右 に示す よ うに 第 k番 目の要素が x 方 向の長 さ L k ( ‑ b k‑ak ) で,区間 [ ak , b k ] とす ると, 局所計算座標系 豆‑の座標変換式は次式 となる.

盃‑

孟 ( I‑ a k )‑

1 (24)

(

y方向について も同様 に座標変換 を行 う ・ )

第 k 要素の内部 で,速度お よび圧力 を次式のよ う に多項式で近似す る.

N N

uk( 磨 , 否

,)

‑ ∑ ∑ u

mhm( i) h n( 否) , ( 25)

m = O n = O

N‑2N‑2

pk ( 磨, 9, 度 )‑ ∑ ∑ p監 nhL t ( i) h 摘 ) , ( 2 6 ) m=On =0

(

良 ‑1 , ‑ , l l ) ・

ここで,h n は ( N

+

1 ) 個 のガ ウス ・ル ジャン ドル ・ ロバ ッ ト点の内で Ⅳ 個の点を通 る Ⅳ 次の多項式であ

り,鶴 は ( 〟 ‑1 )個のガ ウス ・ル ジャン ドル点の内 で ( 〟 ‑ 2 ) 個 の点 を通 る ( 〟 ‑ 2 ) 次の多項式である・

すなわち,( P

+

1) 個 のゼ ロ点 ごq ( q ‑0 , ‑ P)の中

で,xpで 1,それ以外 の点 xq( p ≠q) でゼ ロとなる

(5)

第 P 次のラグランジュ多項式 を hp( x)とす ると L, m

、̲

( x‑ xq)

hp( x)

Il

‑ y yr

'

( q= !

,

:i

p)

( xp ‑ X q)

となる.また,定義 よ り

hp( xq )‑6 p q

( 2 7 )

( 2 8) が成 り立っ・ここで, 6 p qはクロネ ッカーのデル タで ある.なお,ガ ウス ・ル ジャン ドル点 とはル ジャン ド ル多項式のゼ ロ点であ り,ガ ウス ・ル ジャン ドル ・ロ バ ッ ト点 とはガ ウス ・ル ジャン ドル点 に端点 土 1を 加 えた点のことを言 う.

展開式 ( 25) および ( 26) を式 ( 9) ,( 1 0) に代入 して 弱形式を作 りガ レルキン法 を用いると,展開係数であ る節点値ベ ク トル

(

叱 n , pAn)に関す る第 k 番 目の 要素にお ける代数方程式が得 られ る.それ らを た=

1, ‑ , 11 まで加 えあわせれ ば全体の代数方程式が得 られ る.この代数方程式 をニュー トン ・ラフソン法を 用 いて解 くことによ り非線形定常解 が得 られ る.ガ レル キン法 にお ける数値積分の際 には,展開関数 に 応 じてガ ウス ・ルジャン ドル積分 あるいはガ ウス ・ロ バ ッ ト・ルジャン ドル積分 を用いる.

さらに,展開式 ( 25) お よび ( 2 6) を式 ( 20) ,( 21 ) に 代入 して弱形式 を作 りガ レル キン法 を用いる と,展 開係数である節点値ベ ク トル ( 鶴 m, 免 n)に関す る第 k番 目の要素における代数方程式 が得 られ る.それ らを k ‑ 1 , ‑ , 11 まで加 えあわせれ ば全体の代数方 程式が行列の形で

Aα= βα ( 2 9 ) のよ うに得 られ る・式 ( 2 9 ) を 人を固有値 とす る行列 の固有値 問題 として QR 法 によ り数値的に解 くこと によ り,固有値 入 とその固有ベ ク トル (

免n)

求める.

4. 結果

T 型分岐流路における流れの遷移の一例 として,本 研究では流路形状パ ラメー タ L

o

‑ 5 , L ‑ 1 0 , D

1 00を取 り上げる・また,展開式 ( 2 5) お よび ( 26) に おける展開の打ち切 りパ ラメー タを Ⅳ = 1 6 とした 場合の結果を以下に示す.

4. 1 非線形定常解

一般 に, レイノルズ数が十分 に小 さい とき,対称 な流路を流れ る流れは どのよ うな初期条件 を与えて

も十分時間が経過す る と対称 な定常流 となる.Fi g.

3( a ) に,初期条件 として ( U, P) ‑( 0 , 0 ) として計算 を行 った場合 の Re‑20 にお ける定常解 の流線 を示 す.導入部幅 に比べて流路深 さβ が大きいので導入 部 の内部 の様子 はほ とん どわか らないが,流れ は流 路 の中心軸 に関 して対称 となってい る.導入部 を出 た流れ は,衝突平板 の影響 を受 けない 自由噴流領域 か ら衝突噴流領域 を通過 し壁 に衝突 した後,壁面噴 流領域 に至 り,平板 に沿 って流れ る. Fi g.3( b) に同 様 に して求めた Re ‑50の場合 の流線 を示す.中心 線 を挟 んで形成 され るは く離渦が成長 している.ま た,壁面噴流領域では壁 面か らのは く離が生 じてい ることがわか る. この場合 に も流れ は流路の中心軸 に関 して対称である.

( a) Re ‑ 20 ( b) Re ‑5 0 Fi g・3 St r e aml i ne soft hes t e adys ymme t r i c

s ol ut i ons .

次 に,初期条件 として非対称 な条件 を用いて計算 を行った場合の結果 を示す.まず, T 型流路の長 さ L を中心線 に関 して非対称に設定 し予備計算を行 う.こ の場合 にも初期条件 は

(U,P)

‑( 0, 0 ) とす る.その とき得 られ る解 は非対称 な解 であ り,その解 を初期 条件 として対称な T 型流路 に対 して定常解 を求める.

Fi g.4 は,その よ うに して求 め られた Re

5 0の 場合の定常解 の流線 である.流路は対称であるにも かかわ らず,流れは中心線 に関 して若干非対称 となっ ていることがわか る. この とき,中心線 に関 して上 側 と下側 とでは流量が異なっている.一方, Re = 20

に対 して, この よ うな方法 を用いて も非対称な解 は

得 られ ない. したがって,対称 な定常流か ら非対称

(6)

2 6

Fi g.4 St r e aml i neoft hes t e adyas ymme t r i c s ol ut i o n ( 月e ‑50) .

足立高弘

[Y]3

0 . 0 4 0. 03 5 0. 0 3 0. 02 5 0. 0 2 0. 01 5 0. 01 0. 0 0 5 0

‑ 0. 0 0 5

‑ 0 . 01

2 0 2 5 3 0 3 5 4 0 4 5

Re

Fi g.5 Thel i ne a rgr o wt hr a t eoft hemo s t uns t abl emode.

な定常流に分岐す る臨界 レイ ノルズ数 は 月e ‑20 と 50 の間に存在す ると考 え られ る.

4. 2線形安定性

前節で得 られた対称 な定常解 の線形安定性 を調べ る・方程式 ( 20) ,( 21 ) を境界条件 ( 22) ,( 2 3) のもとで 解 くことにより固有値 入と固有関数が得 られる.複素 線形増幅率 入 とその固有関数 は無限個存在 し,それ ぞれの固有値 と固有関数 に対応す る撹乱を撹乱のモー ドと呼ぶ・この中で,複素線形増幅率の実部 Re l ^]が 最 も大きなモー ドを最大増幅モー ドと呼ぶ ( 3) .この 最大増幅モー ドの実部の符号が負 か ら正‑ と入れ替 わ る と撹乱が増幅す ることにな り定常解 は不安定 と 判定 され る.

Fi g.5 に,固有値計算 を行 って得 られ た最大増幅 モー ドの固有値 の実部 とレイ ノル ズ数 との関係 を示 す.図に見 られるように,線形増幅率は Re c 〜32. 3 を 境に正負の符号が入れ替わっている.すなわち, Re

<

32. 3 では対称な定常流が安定に存在する.一方, Re>

32. 3 では対称な定常流は不安定である.この場合,臨 界点において複素線形増幅率の虚部 I m l A ] ‑0 となっ ている・定常解が式 ( 1 4) で表 され る流路の中心線 に 関す る鏡面対称性 を有 してい るので,臨界点で生 じ る分岐は ピッチフォー ク分岐 によるものであ り,分 岐後の流れは非対称な定常流 となる

(3)

.なお,臨界 レイ ノルズの値 は,打ち切 りパ ラメー タを Ⅳ ‑1 7

に変更 して も Re c 〜 32. 9 とな り、そ の相対誤差 は

2 % 以内に収 まることを確認 してい る.

最後 に,臨界 レイ ノル ズ数 Re c 〜 32. 3 にお ける

Fi g.6 Ve l oc i t yf ie l dsoft hemo s tuns t a bl emode.

撹乱の速度場 を Fi g.6 に示す. このよ うな速度場が 撹乱 とな り,対称 な定常流 を不安定化 させ る.対称 な定常流 に,この撹乱の定数倍が追加 された流れが, Fi g.4 に見 られ るよ うな不安定性 の結果見 られ る非 対称な定常流 になる.

5. ま とめ と今後の展望

対称 な T 型分岐流路にお ける流れ について,対称

な定常流が不安定 にな り非対称流 に遷移す る臨界 レ

イ ノル ズ数 をスペ ク トル ・エ レメン ト法 と線形安定

性理論 を用いた固有値解析 を行 うことによって明 ら

かに した.本研究では, T 型分岐流路の一例 として

Lo‑5, L‑1 0, D ‑ 1 00 の場合 を取 り上げ,臨界 レ

イ ノルズ数 Re c 〜32. 3 を得た.臨界点では,ピッチ

フォー ク分岐が生 じてお り,解 は対称性 を失い非対

称 な定常流 に遷移す ることがわかった.

(7)

臨界 レイ ノル ズ数 よ りも大 きな レイ ノル ズ数 にお いては,対称な定常流 は不安定であ り非対称 な定常 流が安定に存在す るよ うになる.本研 究では取 り扱 わなかったが,流れが非対称な場合 には,温度や濃度 な どの輸送 に関 しても非対称性 が生 じる.このこと は,衝突壁面において加熱 ・冷却ムラ等の工学的問題 が生 じることを意味す る.今後は,温度や濃度の輸送 を取 り扱い,流路の形状 を変 えて ( 例 えば, L

」∞

では流れは 自由噴流 に近づ き,L ぅ 0 では衝突噴流 の効果が大きくなる)計算 を行 うことが課題である.

また,今回は,流れは定常解 お よび撹乱 の どち らも

2

次元流 と仮定 した.今後 は,

3

次元撹乱の計算 を 行 う予定でいる.

参考文献

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参照

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