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Tomoo SAKAI東京医科大学霞ヶ浦病院放射線部

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Academic year: 2021

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一 69 一

東医大誌 61(1):69〜71,2003

ヨーロッパ研修報告

Training report of The Europe

坂 井 朋 夫 Tomoo SAKAI

東京医科大学霞ヶ浦病院放射線部 期間:2002年9月21日〜9月30日

はじめに

 この度、大川記念奨学金の助成で、オランダで開催 された第12回世界放射線技師会世界大会参加及びオ ランダ・ドイツの医療機関の視察・研修を行ったので ここに報告致します。

研 修 先

1)第12回世界放射線技師会世界大会 2)ロッテルダム大学病院(オランダ)

  16スラ・イスCTの研修 3)画像検査センター(ドイツ)

  医療制度と検査センター視察 4)エルランゲン大学病院(ドイツ)

  CT及びPACSの研修

5)シーメンス社ド・イツ本社工場

  カテーテル磁気ナビゲーションシステム研彦

研修内容

1)第12回世界放射線技師会世界大会

世界各国から約600名の放射線技師が参加し、5日

問に渡り開催された。発表内容はCT・MRI・一般撮 影・ペーシェントケア・核医学と多岐にわたり、各国 での現状等が報告されたが、世界各国での研究内容・

撮影装置の性能・技術レベルにはかなりの開きがあっ た。世界大会等を通じて各国の技師がコミュニケー ションを取り合いお互いのレベルアップを図ってい

くことを誓い会は盛会のうちに閉幕した。

 2)ロッテルダム大学病院

 循環器系の研究で世界的に有名な研究施設である ロッテルダム大学においてCTによる心血管検査の 研修を行った。ロッテルダム大学では最近開発され

た、検出器を16列搭載した16スライスのマルチスラ イスCT(シーメンス社製)を今年4月に導入し、心 血管の描出で満足の行く画像が得られたとして、急性 心筋梗塞の診断・ステント挿入後の経過観察など心臓 カテーテル検査をすべてCT検査に切り替えて行っ ているとの事であった。検査内容は、肘静脈から4ml/

秒で100mlの造影剤を注入しながら心電図同期で同 一位相での撮影を行い、3D処理で画像を出力する。患 者さんの入室から画像出力まで約15〜20分で終了 し、簡便で非侵襲的な検査が行われていた。カテーテ

心血管3D処理画像 Virtual CT endoscopy

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一 70 一 東京医科大学雑誌 第61巻第1号

ルを使用するのはステント挿入等のインターベン ショナル手技を用いる時のみで、CT検査に切り替え た事により、検査時間の短縮と患者さんの負担軽減を 行っていた。日本においても16スライスCTの発売 が開始されており、今後どんどん設置されていくこと が予想される。包括医療制度が進む中で、人件費・検 査コストを含めて検査の見直しが必要になってくる であろう。

 また、ロッテルダム大学には世界中から見学者が訪 れるということで、撮影室内の患者さんから操作室内 が見えない様に、操作室の窓にはブラインドやミラー ガラスが設置され、患者さんの意識にも心配りがなさ れていた。当院においても大学病院という性質上、学 生の検査見学等多数の見学者が操作室から検査を見 学する機会が多いが、こうした患者さんへの心配りの 重要性を改めて考えさせられた。

 3)画像検査センター

 ドイツエルランゲンにあるRoentgenpraxis Erlan−

genクリニックの視察を行った。ここはCT・MRI等の 画像検査を専門に行う画像検査センターで、会社とし て経営されていた。

 画像検査センターでは患者さんのプライバシーを 考慮して個室での問診・検査説明、予約時間通りの検 査実施、患者さんが検査を受けやすいように朝7時か ら夜9時までの営業時間、待合室の充実、迅速で正確 な検査結果出し、装置故障に対応するために装置メー カーのエンジニアの常駐など、完全なサービス業とし て患者さんの接遇・検査精度の維持に重点をおいた運 営がなされていた。病院での患者サービスにおいて見 習うべき事が多い検査センターであった。

 4)エルランゲン大学病院

 エルランゲン大学病院はベッド数1,600床の大学病 院で、ここでも16スライスCTを導入し、心血管検査 はCTで行っていたが、患者さんの大半が治療目的の 紹介患者さんである性質上、最初からカテーテルを用 いたインターベンショナル手技を行い、フォローアッ プ検査にはCTを用いるという使い分けがなされて いた。オランダ同様にドイツでも各病院で心血管検査 のCTへの移行が進んできているとの事であった。

 また、読影システムは各検査室・読影室を結んだ PACSにより転送された画像を読影室で診断するシ ステムが導入されていた。しかし、病棟が3つの大き な建物に分かれている為、院内すべてにPACSを導入 する為には莫大な費用かかることとセキュリティの 問題があるため、現在は検査結果をフィルム出力して 各科に返却しているとのことで、全面フィルムレス化

はなされていなかった。

 5)シーメンス社ドイツ本社工場

 シーメンス社の工場では現在開発中のカテーテル 磁気ナビゲーションシステム研修を行った。このシス テムはAngio装置とMRIをドッキングさせた装置 で、上下・左右の2方向から透視を行いながらカテー テルの先端に取り付けた金属チップを0.1テスラの MRIの磁気でコントロールしてカテーテルを自在に 誘導していくシステムである。現在は金属チップの大 きさが約8mmと大きいため、大血管や心臓内でのコ ントロールしかできないが1〜2年後の装置発売をめ ざして開発中であり、チップの小型化・体内各血管走 行に合わせた誘導プログラムの作成を進めており、

Angio検査における術者被曝の低減・検査時間短縮等 のメリットが期待できる。

磁気ナビゲーション装置本体

ww,s.th muvmo

組ん

t 

  ロ サ の に ワ ドア       リ 

一一

上下・左右コントルール用 透視画面

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2003年3月

おわりに

坂井:ヨーロッパ研修報告

 ヨーロッパにおける心臓カテーテル検査のCT検 査への移行は、一見コストと簡便さを求めた合理性の 追求のように見えるが、中心にいたのは患者さんであ り、迅速・非侵襲的で精度の高い検査が患者さんの利 益につながっていた。当院においても日本の厳しい医 療情勢のなかで人件費・検査コスト等も含め、患者さ

一 71 一

んにやさしい・患者さんのための医療を最優先に考え ながら検査体制の見直し・構築をしていかなけれぼな

らないと感じた。

 最後になりましたが、本研修にあたり放射線科小竹 助教授、宮内技師長はじめ、技師室及び病院関係者の 皆様方に御尽力頂き、本紙面をお借りし、厚く御礼申

し上げます。

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参照

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