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令和元年度分担研究報告書

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)

令和元年度分担研究報告書

皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究

研究項目:疣贅状表皮発育異常症の遺伝子診断および全国一次疫学調査 研究分担者:中野  創  弘前大学大学院医学研究科皮膚科学講座  准教授

研究要旨

疣贅状表皮発育異常症の確定診断を行うために、全国から症例を募集したが、今年度の実績は0件であった。

TMC6/8以外の原因候補遺伝子RHOH、CORO1A、IL-7、STK4、DOCK8についても未確定EV症例を対象に変異 解析を行ったが、いずれの遺伝子にも変異は同定されなかった。全国一次疫学調査を行ったところ、過去3年 間に29例のEV症例が存在することが判明した。EVは極めてまれな遺伝性疾患であり、確定診断と詳細な診療 情報の獲得のために、遺伝子診断と疫学二次調査が必要である。

A.研究目的

疣贅状表皮発育異常症(EV)は全身性にヒト乳頭 腫ウイルス性疣贅を多発する常染色体劣性遺伝性疾 患であり、症例の一部が有棘細胞癌を合併し予後不 良となるために、正確な診断が必要とされる。しか し、これまで報告されたEVの症例数は非常に少なく、

原因遺伝子TMC6あるいはTMC8に変異が同定され、

確定診断された症例はごくまれである。本邦では全 国的疫学調査はこれまでなされておらず、EVの診療 実態は不明である。これらの問題を解決するために、

EVの遺伝子診断法を確立するとともに、全国疫学調 査を行った。

  B.研究方法

  遺伝子診断:弘前大学皮膚科ホームページを通じ て、EV症例の遺伝子診断を行っていることを告知し た。多発性扁平疣贅の症例で変異報告があるTMC6/8 以外の候補遺伝子RHOH、CORO1A、IL-7、STK4、

DOCK8についてダイレクトシークエンス法を用いた 遺伝子診断法を確立し、該当症例に適用した。

  全国一次疫学調査:国内656の皮膚科専門医研修施 設を対象にEV症例の診療実績に関する疫学調査を行

った。

(倫理面への配慮)

本研究における遺伝子診断は弘前大学医学部倫理 委員会の承認を得て行われた(承認番号:2016-288)。

遺伝子診断の被験者には検査の説明がなされ、書面 による同意を得た。本研究はヘルシンキ宣言ならび に我が国のゲノム倫理指針に則り行われた。

C.研究結果

遺伝子診断:本年度、EV症例の新規遺伝子診断例 は0件であった。過去にTMC6/8に変異が認められな かったEV疑い症例5例において、他の原因遺伝子とし て候補に挙げられるRHOH、CORO1A、IL-7、STK4、

DOCK8について遺伝子診断法を確立し、変異の有無 を検索したが、5症例のいずれにも変異は同定されな かった。国内656の皮膚科専門医研修施設を対象にEV 症例の診療実績に関する一次アンケートを行ったと ころ、376施設(57%)から回答があり、2018年3月 末までの過去3年間に29例のEV症例が存在すること が明らかになった。

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  D.考察

  本年度はEVの遺伝子診断実績が0件であったが、医 学中央雑誌のデータベースにおいても本年度のEV症 例の報告はなく、本疾患の稀少性を示していると思 われる。EVが疑われても既知の原因遺伝子、あるい は候補遺伝子に変異が見つからない症例は、さらに ほかの遺伝子が原因である可能性がある。過去3年で 29例のEV症例が存在するが、他の常染色体劣性遺伝 子疾患と比較してもまれな症例であるといえ、EVと 診断がなされていない症例が数多く存在する可能性 が考えられる。

  E.結論

  国内のEV確定診断症例は非常に少なく、今後も引 き続き症例の収集と遺伝子診断による確定診断が必 要であり、詳細な診療情報を得るために、二次疫学 調査が必要である。

  F.健康危険情報

なし。

 

  G.研究発表

1.

論文発表

(英文)

1. Namiki T, Hashimoto T, Omigawa C, Fujimoto T, Ugajin T, Miura K, Satoh T, Nakano H, Yokozeki H.

Case of generalized anhidrosis associated with diffuse reticular hyperpigmentation and syndactyly.

J Dermatol. 2019; 46(5): e154-e155.

(和文)

1. 中野 創, 玉井 克人.皮膚科領域における遺伝子 診断の現状と今後のあり方  同じ遺伝子変異が 複数同定されても、臨床的に有意義なデータに なりうる(Q&A).日本医事新報 4981号 p59-60 (2019.10).

2.

学会発表

  なし。

  H.知的財産権の出願・登録状況

1. 特許取得   なし。

2. 実用新案登録   なし。

3.その他

  なし。      

                 

                                               

      

参照

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