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Vegetation Science 31 : , Forest floor conditions causing regional differences in the habitat of forb species in Japanese beec

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原著論文

はじめに 日本の森林植生における少雪地(太平洋側)と多雪 地(日本海側)での背腹性を示した研究はブナ林を対 象としたものが多い(田中 1981; 藤田 1986,1987; 大沢・滝口 1987; 島野 1998).種組成の面での背腹性 に関しては,まず少雪な太平洋側地域と多雪な日本海 側地域のフロラの違いによって特徴づけられている (堀田 1974).一方,藤田(1987)は,ほとんどのブ ナ林を構成する樹木種の地理分布が,少雪地か多雪地 の一方には限られていないにも関わらず,多雪地のブ ナ林ないし少雪地のブナ林に遍在する樹種が多くみら れることを示した.さらに日本のブナ林群落の植物社 会学的体系化を行った福嶋ほか(1995)において,少

東日本のブナ林に出現する広葉草本種の生育場所は少雪地と多雪

地でなぜ異なるのか

In cool temperate forest zones in eastern Japan, certain forb species like Cimicifuga simplex in light-snow

re-gions grow on slopes of beech forests, while in heavy-snow regions its habitat is rather limited to valleys

adja-cent to beech forests. This research study reveals reasons for this difference in forb species habitats. As key factors, the study focuses on differences in the lighting environment during the leafing season as well as the state of tree leaf litter sedimentation on the forest floors in both light-snow and heavy-snow environments.

Re-gardless of the amount of snow, the volume of tree leaf litter sedimentation on the forest floor was large on slopes of beech forest and small in valleys. In heavy-snow beech forests, the number of layers of litter

sedi-mentation as well as the density of litter compaction within a certain thickness of sedisedi-mentation were larger compared to light-snow regions. In terms of the lighting environment during the summer season, no difference

was observed on slopes of beech forest between light-snow and heavy-snow environments. However, over the

spring season in light-snow regions, the lighting environment of the forest floors was good during the leafing

seasons, because foliation begins with the herbaceous layer and leaf expansion of canopy trees comes later. On the other hand, in heavy-snow regions, the lighting environment of the herbaceous layer was poor during the

leafing season, since foliation starts from canopy trees as snow covering the floor remains longer. In valleys, foliation of herbaceous layer preceded that of shrubs even in heavy-snow regions. This phenomenon was

at-tributed to the fact that lingering snow in the valley floor covers the shrubs alongside the valley, which in turn delays foliation of the shrubs. Two factors are considered reasons restraining the growth of forb species in beech forests in heavy-snow regions: 1) the large number of layers and the high density of litter sedimentation

at the forest floor constrict the establishment and germination of forb species, and 2) the poor lighting environ-ment from spring to early summer (which are supposed to be productive seasons) is due to lingering snow that makes the crown canopy of beech forests foliate before forb species. However, the study found that forb spe-cies are able to grow in valleys in heavy-snow regions, because the volume of litter sedimentation is small and

herbaceous layer begins and completes foliation before shrubs do.

key words: herbaceous layer, leaf phenology, light condition, litter, snow accumulation

蛭間  啓

1*

・福嶋  司

2 1長野県環境保全研究所 2放送大学

Forest floor conditions causing regional differences in the habitat of forb species in Japanese

beech forest, eastern Japan

Akira HIRUMA1 and Tukasa HUKUSIMA2 1Nagano Environmental Conservation Research Institute

2The Open University of Japan

〒381-0075 長野県長野市北郷 2054-120 長野県環境保全研究所 E-mail: kanotume11@gmail.com

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雪地のブナ−スズタケ群団(Sasamorpho-Fagion

crene-tae Miyawaki, Ohba et Murase 1964),多雪地のブナ− チシマザサ群団(Saso-Fagion crenatae Miyawaki, Ohba

et Murase 1964)の各標徴種群が示されているが,そ のほとんどが少雪地,多雪地どちらにも分布している ものである.また,ブナ林群落の下位単位が主に広葉 草本種の有無によって特徴づけられており,ブナ林の 種組成の背腹性を理解する上では広葉草本類の挙動の 把握が重要である. 蛭間・福嶋(2004)では,広葉草本種を多数ともな うブナ林の群集下位単位が,少雪地には存在するが, 多雪地には存在しないことに着目し,東日本冷温帯に おける広葉草本種の挙動を明らかにした.その結果, 少雪地ではブナ林(微地形単位でいうと斜面)に生育 しながら,多雪地ではブナ林には生育しない広葉草本 種群が見出された.さらに,これらの広葉草本種のう ちの数種は,多雪地ではブナ林に隣接した,谷や小谷 の谷壁斜面に成立する植物群落に生育していた(サラ シナショウマ,ムカゴイラクサ,キバナアキギリな ど).このことから,東日本におけるブナ林の少雪地・ 多雪地間での種組成および群落分化の相違は,両地域 それぞれに特有な種の有無(フロラの相違)によって もたらされるというより,むしろ同一種が地域によっ て生育場所を違えていることに大きく依っていること を示した. 蛭間・福嶋(2004)では,こうした現象を報告しな がらも,その要因にまではふみこんでいなかった.林 床に堆積するリター層は,林床草本の定着・発芽の妨 げとなり,林床に適応した夏緑草本は,やり型,押し 上げ型といったリター層を通過するのに適した発芽形 態をもつことが知られている(Cydes & Grime 1981; 大野 1987, 1996).また,少雪地と多雪地で春季−初 夏の林床における光環境が異なり,林床植生に影響を およぼしているという報告もある(Uemura 1994; Shi-mano 2000).そこで本報では,蛭間・福嶋(2004)と 同一の場所で,林床におけるリターの堆積状態や林床 の光環境に着目し,それらと林床草本の生育状況との 関係を解析,考察することによって,広葉草本種の生 育場所の少雪地,多雪地間での生育場所の差異に関わ る要因を明らかにすることを目的とした.

調査地域 調査地域は蛭間・福嶋(2004)と同様に,以下のよ うに選定した.太平洋側地域においては,広葉草本種 によって特徴づけられるブナ−ヤマボウシ群集(Cor-no-Fagetum crenatae Miyawaki, Ohba et Murase 1964)ヤ

マタイミンガサ亜群集(cacalietosum yatabei Hukusima et al. 2001),とブナ−チシマザサ群集(Saso kurilen-sis-Fagetum crenatae Suz.-Tok. 1949)ツクバナンブス

ズ亜群集(sasetosum tsukubensis Hukusima et al. 2001) の分布域を調査地とした.この 2 亜群集は,いずれも ササ類の優占度が低く,非火山性の山域の平尾根や頂 部緩斜面に成立している.そのため,日本海側地域に おいても同様な条件がそろう山域を調査地として選定 した.その結果,以下の 4 地域を調査地域とした(図 1).すなわち,1. 少雪地の奥多摩・道志地域(東京 都西部から山梨県北東部)におけるブナ−ヤマボウシ 群集ヤマタイミンガサ亜群集に区分されるブナ林とそ の周辺,2. 組成的には日本海型ブナ林ながら,少雪 地である北上北東部地域(岩手県)におけるブナ−チ シマザサ群集ツクバナンブスズ亜群集に区分されるブ ナ林とその周辺,3. 多雪地の五箇山地域(富山県南 西部)におけるブナ−チシマザサ群集典型亜群集 (typicum Hukusima et al. 1984)に区分されるブナ林と その周辺,4. 同じく多雪地の朝日地域(新潟・山形 県境付近)におけるブナ−チシマザサ群集典型亜群集 に区分されるブナ林とその周辺,合計 4 地域である. 調査地のほとんどは WI45-85°C・月の夏緑広葉樹林 帯の範囲内である.

調査方法 植生調査データは,蛭間・福嶋(2004)を利用し た.すなわち,ブナ林とそれに隣接する自然性の高い 群落を対象に,植物社会学的方法(ブラウン−ブラン ケ 1964)を用いて行った.対象となる植物群落に対 して調査面積は任意である(4-400 m2).各植生調査 区が位置する微地形も,蛭間・福嶋(2004)にした がって ① 頂部緩斜面,② 山腹斜面,③ 谷,④ 小 谷の谷壁斜面に判定したが,本論ではブナ林が成立す る頂部緩斜面と山腹斜面を「斜面」に,ブナ林が成立 しない谷と小谷の谷壁斜面を「谷」に,それぞれ集約 してあつかうこととした.また,本研究で用いる植物 名は大井(1992),中池(1992)に従い,変種レベル の違いのものは,生態的に同位な対応種としてあつ かった.本研究の解析においては,エンレイソウ,シ ロバナエンレイソウは形態的,機能的には相同な種と

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してあつかい,腐生植物(ギンリョウソウ)は除外し た.蛭間・福嶋(2004)における広葉草本種を整理 し,全対象地域(少雪地: 奥多摩・道志,北上北東部; 多雪地: 五箇山,朝日)における生育場所を付表に示 した. 広葉草本種の生育場所の地域的差異に関わる環境要 因を明らかにするために,上記植生調査区において, 以下の林床環境調査を行った. リターの堆積状態 林床に出現する草本の発芽は,リター層の状態に大 きく影響を受ける(Cydes & Grime 1981; 大野 1987, 1996).そこで,林床におけるリターの被度(%)を 判定し,さらにリターの厚さ,面積約 1 cm2に堆積し ているリターの層数(リター層を上から下まで指でひ とつまみした中に積み重なっているリターの枚数)を 記録した(表 1).リターの厚さ,層数に関しては, 各植生調査区内の,リターが木の根や落枝の影響を受 けず,均一に堆積していると思われる場所で 3 反復行 い,その平均をとった.また,リターの被度(%)が 30% より多く,70% 以下だった場合,3 反復のうち 1 反復を厚さ 0,層数 0 とし,0 より多く,30% 以下 だった場合,3 反復のうち 2 反復を厚さ 0,層数 0 と した.これらの値は,相互に影響をうけ,草本種数に 対しては互いに独立の説明変数とはいえないが,どの 変数が最も広葉草本の種数に影響を与えているのかを 検出するために,それぞれ統計的な解析を行った. 各階層の展葉時季と林床の光環境 林床に出現する草本の生育には,上層木展葉後(夏 季)の林床の光環境が影響を与えている可能性があ る.上層木展葉後(6 月上旬から 9 月上旬)の地上か ら の 高 さ 50 cm に お け る 全 天 写 真 の 撮 影(Nikon COOLPIX995 に Nikon Fisheye Converter FC-E8 を装着)

を行い(表 1),全天写真解析ソフト HemiView Ver. 2.1 (Delta-T)を用いて,Global site factor(GSF: 開けた

表 1. 各調査項目の調査地域別調査区数(サンプル数). リターの堆積状態 光環境 夏季 春季 少雪地  奥多摩・道志 19 18 4  北上北東部 38 30 -多雪地  五箇山 16 18 2  朝日 44 42 2 図 1. 調査地の位置.括弧内の数値は標 高(m)を示す.

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場所の全放射 1 に対する群落下の全放射の割合)を求 め,これを開空度とした.草本層に対する高木層から 低木層までの全ての樹木の被覆を考慮するため,地上 からの高さ 50 cm において撮影を行った.丈の高い草 本がレンズの上を覆う場合は,その草本の葉を払いの けて撮影した. 林床草本の年間生産量は,春から初夏にかけての, 上層木展葉前の光環境により大きな影響を受けると考 えられる(Uemura 1994; Shimano 2000).そこで,北 上北東部地域を除く調査地域において,春季における 各階層の展葉段階を冬芽・展葉中・展葉完了の 3 段階 で記録し,前述の調査と同様の方法で全天写真の撮影 を行った(表 1).なお,北上北東部地域では,奥多 摩・道志地域および朝日地域と調査時期が重複してい たため同様な調査を行うことができなかった.低木 層,草本層において常緑種が混在する場合,夏緑種の 展葉段階を基準として記録した.少雪な奥多摩・道志 地域では,本調査を 2002 年 4 月から 6 月上旬にかけ て,約 2 週間に一度行った.多雪な朝日地域では,本 調査を 2002 年 5 月下旬,6 月上旬,2003 年 5 月上旬 に一度づつ,同じく多雪な五箇山地域においては 2003 年 5 月上旬に一度行った.上層木展葉後の林床 の光環境と同様に,各調査日における林床の開空度を 求めた. 出現した広葉草本種の生態的特性 各生育環境と広葉草本種の生育パターンとの対応関 係について,生態学的な裏付けを得るために,次の作 業を行った.地域ごと,微地形単位(斜面,谷)ごと に出現した広葉草本種の着葉期間,芽生えの形態,主 な生育環境について奥田編著(1997),千葉県史料研 究財団編(2003),および私信にもとづき,判定した.

解析方法 蛭間・福嶋(2004)の各植生調査資料における,全 出現種数に対する広葉草本種数の割合と,各環境パラ メータの相関とその有意性をスピアマンの順位相関係 数検定を用いて検定した.少雪地斜面,少雪地谷,多 雪地斜面,多雪地谷の 4 項目で広葉草本種数の割合 と,各環境パラメータを集計した.その上で Kruskal -Wallis 検定により項目間有意差の有無を検定し,多重 比較検定(Tukey-Kramer 法)により各項目間の差の 有意性を検定した.

結果 広葉草本種の生態分布,生態的特性 種群 B, C, D(サラシナショウマ,キバナアキギリ, オクモミジハグマ,アキノキリンソウ,コウモリソ ウ,ソバナ,ハエドクソウ,ルイヨウボタン,カノツ メソウ,コキンバイ,ミヤマカラマツなど)にみられ るように,少雪地では斜面(ブナ林)に出現したが, 多雪地では斜面に出現しない広葉草本種が多数見いだ された(付表).これは少雪地では谷よりも斜面で広 葉草本種数が多かった一方,多雪地では斜面における それが大幅に谷を下まわった結果に反映されていた (表 2). 少雪地と多雪地の谷では 90% 以上の広葉草本が夏 緑種であったのに対し,多雪地の斜面(ブナ林)では 常緑種の割合が 26%,33% と高かった(表 2).芽生 えの形態は,多雪地の斜面においてやり型のものが 43%,58% と多く,単純型ものは,斜面どうしで比較 すると少雪地で多く(42%, 39%),多雪地では少な かった(14%, 17%).主な生育環境は,斜面(ブナ林) どうしで比較すると草原生のものが少雪地で多く (10%, 13%),多雪地で少なかった(5%, 0%). 広葉草本種数の割合 各植生調査スタンドにおける広葉草本種数の割合を 少雪地,多雪地および地形条件ごとに比較すると,谷 地形で割合が高く,多雪地斜面で割合が低かった(図 2).少雪地斜面での割合はそれらの中間の値を示し た. リターの堆積状態 各植生調査スタンドにおける広葉草本種数の割合と リターの被度,厚さ,層数,厚さあたりの層数との間 には,いずれも有意な負の相関がみられた(図 3). 特にリターの層数,厚さあたりの層数との間には明瞭 な負の相関がみられた(図 3-C, D). 各植生調査スタンドにおけるリターの被度,厚さ, 層数,厚さあたりの層数を少雪地,多雪地および地形 条件ごとに比較すると,概してブナ林が成立する斜面 で値が高く,谷では値が低かった(図 4). 斜面(ブナ林)におけるリターの層数および厚さあ たりの層数には,少雪地と多雪地の間に大きな違いが みられ,後者の値が高かった(図 4-C, D).リターの 被度,厚さには,各地域斜面,谷の間で違いがみられ

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たものの,少雪地,多雪地の斜面間では違いはみられ なかった(図 4-A, B). 上層木と草本層(夏緑種)の展葉時期と草本層におけ る光環境 少雪地では,群落の下層から展葉が始まり,草本層 展葉中の林床の開空度が高かったが,多雪地では展葉 が上層から始まり,草本層展葉中の林床の開空度は少 雪地と比較して低かった(図 5).少雪地では,高木 層,亜高木層の展葉完了が低木層,草本層(夏緑種) の展葉完了に 2 週間程度遅れていた.一方,多雪地で は逆に,高木層,亜高木層の展葉完了が低木層,草本 層の展葉完了よりも早かった.ただし,多雪地の谷で は,植被率が高い谷沿いの低木の展葉完了に対して, 草本層の展葉完了は同時もしくはやや早く,開空度も 同じ時季のブナ林の林床よりも高めであった. 上層木展葉後は,いずれの地域においても,斜面と 谷の間で,上層の開空度に大きな違いはなかった (Kruskal-Wallis 検定,P=0.411). 谷底に残雪が存在する小谷沿いの樹木の倒伏状態 多雪地において,春季に谷底に残雪が存在していた 小谷沿いでは,生育している樹木の多くが谷底の残雪 に樹冠を引っぱり込まれて,谷壁斜面に沿って樹幹が 表 2. 出現した広葉草本種における生態的特性の割合(%). 太平洋側(少雪地) 日本海側(多雪地) 奥多摩・道志 北上山地 五箇山 朝日地域 斜面 谷 斜面 谷 斜面 谷 斜面 谷 広葉草本種数 73 64 76 68 19 49 18 62 常緑・夏緑の別  常緑 0 0 5 1 26 10 33 10  夏緑 100 100 93 99 74 90 67 90 芽生えの形態  やり型 19 16 21 16 43 14 58 18  押し上げ型 11 13 10 10 29 16 17 9  もやし型 7 9 0 4 0 7 8 5  単純型 42 36 39 40 14 36 17 30  不明 21 27 31 28 14 27 0 38 主な生育環境  亜高山針葉樹林 0 0 9 0 0 2 0 5  山地針葉樹林 0 0 0 0 5 2 6 2  夏緑広葉樹林 60 44 58 41 79 37 72 47  山地渓畔林 30 52 13 46 11 47 17 29  亜高山草原 0 0 4 3 0 0 6 3  草原 10 5 13 7 5 10 0 11  林縁 0 0 1 3 0 2 0 2  水辺 0 0 0 0 0 0 0 2 図 2. 各植生調査スタンドにおける広葉草本種数の割合 の地域・微地形単位間比較.異なるアルファベットは 多 重 比 較 検 定 の 結 果 有 意 差 が み ら れ た こ と を 示 す (P<0.01).垂直バー中央のひし形は平均値を示す.垂 直バーは標準偏差を示す.

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図 3. 各植生調査スタンドにおける広葉草本種数の割合とリターの被度,厚さ,層数,厚さあたりの層数との関係.各 図左上の数値は,スピアマンの順位相関係数検定の結果を示す.

図 4. 各植生調査スタンドにおけるリター被度,厚さ,層数,厚さあたりの層数の地域・微地形単位間比較.それぞれ 異なるアルファベットは多重比較検定の結果有意差がみられたことを示す(P<0.01).垂直バー中央のひし形は平均値 を示す.垂直バーは標準偏差を示す.

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倒伏していた(図 6).その時点で,小谷の谷壁斜面 では幅 1.5-2 m にわたって地表面が露出しており,草 本層の展葉が始まっていた.

考察 多雪地域のブナ林において広葉草本種の生育を制限し ている要因 1. リターの堆積状態 多雪地のブナ林(頂部緩斜面・山腹斜面)における 広葉草本種の生育を制限している要因として,まずリ ターの堆積量が多いことが考えられる.冷温帯夏緑広 葉樹林に生育する広葉草本種の多くは多年生の夏緑草 本であり,毎年春に地中からリター層を通過して芽を 出さなければならない.大量のリターが草本種の定 着,発芽を妨げ,その結果植物群落の種組成,構造に 差異をもたらすことは,主に草地を対象にした研究に おいて報告されているが(Heady 1956; Monk & Gabri-elson 1985; Facelli & Pickett 1991a, b),夏緑広葉樹林 の林床を対象にした研究でも,豊富なリターの存在が 草本種の発芽の妨げとなり,それを克服できる発芽形 態を持つ特定の草本種が,リターの豊富な林床で生育 できることが報告されている(Cydes & Grime 1981; 大野 1987, 1996). 大野(1996)は,夏緑広葉樹林における草本の生活 様式について論じる中で,草本の芽ぶきの形をリター 層をどのように乗り越えるのかという観点から次の 4 図 5. 階層毎の春季の展葉段階(各図上)と草本層の開空度(GSF)の推移(各図下)の比較.( )内のパーセンテー ジは植被率を示す. 図 6. 谷底に雪が残存する小谷の様子.周囲の低木が雪 に引っ張られて倒伏している.2003 年 5 月 12 日朝日地 域小枕山にて撮影.

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つのタイプに区分した.やり型,押上型,単純型,も やし型である.このうちやり型,押上型,もやし型が リター層を克服するのに適しており,単純型はシラヤ マギクのように閉じていた葉を地際に単純に開くタイ プで,厚いリター層を苦手としている. 本研究の結果では,ブナ林の林床に堆積しているリ ターの被度,厚さには,少雪地と多雪地間で差はみら れなかったが,リターの層数・厚さあたりの層数に違 いがみられた.すなわち,少雪地では堆積しているリ ターの層数・厚さあたりの層数の値が低く,多雪地で は高かった.これは,多雪地のブナ林林床では,秋季 に降り積もったリターが,冬季における大量かつ長期 間の積雪に被われることによって移動することなく, 圧縮された状態で初夏まで保存されるためと考えられ る.少雪地のブナ林に生育しながら,多雪地のブナ林 に生育しない広葉草本種としてヤグルマソウ,サラシ ナショウマ,テンニンソウ,キバナアキギリ,ソバナ などがあげられる(蛭間・福嶋 2004).これらの春季 における芽ぶきの形態は,押上型や単純型のものが多 い(付表).押上型は厚いリター層を克服するのに適 しているものであるが,多雪地のかたく圧着したリ ター層を押し上げるのは困難だと考えられる.その一 方で,多雪地のブナ林に生育していた種群には,ミヤ マナルコユリ,ユキザサ,チゴユリ,イタドリのよう にやり型(突き破り型)のものが多く含まれる(付 表).これらは押上型やもやし型ではなく,かたく鋭 い先端でリター層を突き破るので,多雪地のかたく圧 着したリター層を通過するのにも適していると考えら れる.以上のことから,多雪地のブナ林ではリターの 層数・厚さあたりの層数が多いことによって,少雪地 よりもより強く林床草本の生育が制限されていると考 えられる. 2. 草本層の光環境 少雪地のブナ林に生育していた多くの広葉草本種が 多雪地のブナ林には生育しないもう一つの理由とし て,春先の林床の光環境が少雪地では明るいものの, 多雪地では暗いことが考えられる.本研究の結果によ れば,夏季(上層木展葉後)の草本層における上層開 空度(GSF)は,少雪地,多雪地のブナ林(斜面)で 差がなく,斜面と谷との間にも差がみられなかった. 一方,上層木の展葉と草本層の夏緑種の展葉のタイミ ングは,少雪地の奥多摩・道志地域では,林冠よりも 低木層,草本層の夏緑種のほうが,約 2 週間展葉完了 が早かったが,多雪地の朝日地域では,上層木の展葉 完了が低木層,草本層の夏緑種の展葉完了よりも早 かった.草本層展葉中の上層開空度は,多雪地よりも 少雪地のほうが高かった.また,多雪地では全層展葉 しきった夏季の上層開空度に近かったのに対して,少 雪地では夏季の上層開空度と比較してきわめて高かっ た. 多雪地における草本層夏緑種の展葉完了の遅れは, 林床において残雪が遅くまで存在しているためである と考えられる.林床に残雪が遅くまで存在し,群落の 上層から開葉が完了するという観察結果は,ほかの多 雪地域において報告されている(菊池 1978; 丸山 1979; Hukusima 1988; 本間 2002).これらのうち,青 森県八甲田山のブナ林において観察された事例(菊池 1978)によると,林床に積雪が見られるうちに林冠木 は展葉してしまい,消雪はそれに 10 日遅れ,草本層 の展葉は 15-20 日遅れていた.また,本研究の調査地 域である朝日地域にほど近い,山形県小国町ヌクミ平 では,同じブナ林林分内において,林冠閉鎖時の残雪 は 1 m 前後も残っており,林床は林冠よりも開葉完 了が約 1 ヶ月から 1.5 ヶ月遅れるということも報告さ れている(丸山 1979).Uemura (1994)は北海道の亜 寒帯,冷温帯の移行帯における森林生の植物の分布に ついて論じた際,多雪地域に成立するブナ林の林床の 光環境は,① ブナの着葉期間が長く,林床における 積雪期間が長いこと,② ブナ 1 種が優占し林冠が均 一であること,の 2 点から,針広混交林やミズナラ, エゾイタヤなどが混交する夏緑広葉樹林の林床よりも 年間を通じて暗いことを示した.また,夏緑草本(多 くは広葉草本)はブナ林にはほとんど出現せず,針広 混交林,ミズナラ,エゾイタヤなどからなる夏緑広葉 樹林に多く出現することを明らかにした.以上のこと から Uemura (1994)は,日射量が多い初夏における 上層木の展葉のタイミングは下層の植物にとって重要 であると述べた.夏緑広葉樹林の林床に生育する広葉 草本種であるオクモミジハグマの最大光合成速度は, 林床がまだ明るい春から初夏にかけてが最も高く,こ の時期の純生産は年間純生産の 50% 以上を占めると いう報告もあり(堀・河原崎 1996; 河原崎 2005),林 床草本にとって,春から初夏にかけての林冠展葉前の フェノロジカルギャップの存在が重要であると考えら れる. 前報(蛭間・福嶋 2004)の結果では,少雪地のブ ナ林に出現する広葉草本種群には,オクモミジハグ マ,サラシナショウマ,ヤマタイミンガサ,ハエドク

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ソウなどの林内生の種のほかに,オヤマボクチ,シモ ツケソウ,ヒヨドリバナ,ヤマオダマキなどの草原生 の種も多く含まれている(付表).一方多雪地のブナ 林にこれらの種は全く出現せず,ユキザサ,ツクバネ ソウ,トチバニンジンなど,林内生の種のみが生育し ている.また,多雪地のブナ林に生育していた種群に は,イワウチワ,アケボノシュスラン,ツルアリドオ シ,ショウジョウバカマのように,常緑性のものが多 く含まれる(付表).これらの種は全て暗い林内でも 生育可能なものである.この結果も少雪地と多雪地の ブナ林林床の光環境の違いを裏付けている.これらの ことから,林床において春から初夏にかけて雪が残存 し,林冠のブナの展葉が林床の消雪に先んじること は,多雪地域のブナ林の林床における広葉草本の出現 を制限している一要因であると考えられる. 以上のように,多雪地のブナ林における広葉草本の 出現を制限している主な要因として,そこのブナ林の 林床ではリターの層数・厚さあたりの層数が多く,広 葉草本の定着,発芽の妨げになることと,春から初夏 にかけて雪が残存し,林冠のブナの展葉が広葉草本の 展葉に先行するため,生産性の高いこの時期の林床の 光環境が暗いこと,の 2 点が考えられた. リターの堆積状況や,春季の林床の光環境の違い が,木本種およびシダ類などの生育状況にもなんらか の影響をあたえていると推測されることから,木本 種,シダ類などとの種間関係も広葉草本種の挙動に影 響をあたえている可能性がある.しかし本研究ではそ こまで踏み込んだ調査を行っておらず,今後の研究課 題としたい. 多雪地における広葉草本種の生育場所 少雪地ではブナ林に生育していたが,多雪地ではブ ナ林に生育しない広葉草本種の多雪地での生育場所 は,谷および小谷の谷壁斜面であった(蛭間・福嶋 2004).こうした草本種として,ムカゴイラクサ(単 純型),サラシナショウマ(押上型),カメバヒキオコ シ(単純型),キバナアキギリ(単純型),テンニンソ ウ(単純型),ヤマブキショウマ(押上型)などを確 認した(付表).これらが谷や小谷の谷壁斜面に分布 できるのは,そこがリターがたまりにくい地形である からだと考えられる.これらの微地形単位では,少雪 地,多雪地のいずれにおいてもブナ林(斜面)と比較 してリターの量が少なかった.ここでは,春季におけ る各階層の展葉時季と林床の光環境に関する調査を 行った小谷の谷壁斜面に着目して考察する. 少雪地の小谷の谷壁斜面におけるリターの量が少な い要因として,まず急傾斜地(40-60°)であり,上層 から落下したリターがとどまりにくいことが考えられ る.また多雪地では,小谷内における積雪や谷壁斜面 上部からの積雪のグライドによって,リターの多くが はぎ取られてしまうことが考えられる.先述の,豊富 なリターの存在は林床草本の出現を制限する,という ことを考えると,リターの量が少ない多雪地の小谷の 谷壁斜面は,広葉草本の生育にとってまず有利な立地 であるといえる. それでは,多雪地の小谷の谷壁斜面においては,春 から初夏にかけての上層木の展葉と消雪のタイミング はどうなっているのだろうか.少雪地,多雪地のブナ 林(斜面)と小谷における春季の展葉の様子を模式的 に示す(図 7).少雪地とは逆に,多雪地では残雪の 影響で群落の上層から展葉が始まる.しかし,多雪地 の小谷では,谷底に遅くまで雪が残る.そして,小谷 沿いに生育している多くの樹木の樹冠が谷底の残雪に 埋没し,小谷の谷壁斜面に沿って樹幹が倒伏する(図 6).その時点で谷壁斜面は露出し,草本層の展葉が始 まる. 以上のように,少雪な太平洋側のブナ林に生育する 多くの草本が多雪地のブナ林でみられないのは,リ ターの層数・厚さあたりの層数が多く,単純型,押し 上げ型の発芽形態をもつ草本種の発芽の妨げになるこ とと,林冠のブナが展葉するまで雪が残存するため, 林床の光環境が年間を通じて暗いことが主要な要因と なっていると考えることができた.また日本海側の小 谷の谷壁斜面では,その特殊な地形,立地条件によっ て,多雪条件が斜面とは逆に,広葉草本種にとって有 利に働いていると考えられる.多雪地に存在する小谷 の谷壁斜面のような立地は,本研究で注目している広 葉草本種の生育場所であるのみでなく,トガクシショ ウマ,シラネアオイ,オサバグサといった日本の遺存 固有種が生育することが報告されている(戸井田 1954; 吉 野 1969; 上 野・ 上 田 1975; 村 田 1978; 斉 藤 1980; 石 沢 1983; 刈 屋 1987; 高 橋・ 大 高 1989; 大 場 1999; 大野 1999a, b).これらのうちオサバグサ,シラ ネアオイは,朝日地域の小谷の谷壁斜面の群落に生育 していた.多雪地における小谷の谷壁斜面は,様々な 広葉草本種の生育に適した貴重な立地であると考えら れる.

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謝辞 本研究を進めるにあたって,千葉県立中央博物館の 大野啓一博士,富山県中央植物園の山下寿之博士,東 京植生研究会の井関智裕氏,東京農工大学農学部の星 野義延博士,吉川正人博士には,現地調査にご同行い ただいたほか,多くの有益なご助言をいただいた.東 京農工大学植生管理学研究室の学生・卒業生諸氏に は,現地調査に協力していただいた.信州大学理学部 の島野光司博士には,本稿をまとめるにあたって懇切 丁寧なご助言をいただいた.これら多くの方々に,深 く感謝申し上げる.

摘要 1. 蛭間・福嶋(2004)では,東日本の冷温帯にお いて,サラシナショウマなど特定の広葉草本種群は, 少雪地ではブナ林が成立する斜面に生育するが,多雪 地ではブナ林に生育せず,これに隣接する谷に生育が 限られることが示された.今回の研究はこうした生育 場所の差異がどのような要因でみられるのかを明らか にした.この要因として,少雪地と多雪地の林床にお ける,リターの堆積状態や展葉季の光環境の違いに着 目した. 2. 林床におけるリターの堆積量は,多雪地,少雪 地に関わらずブナ林(斜面)で多く,谷では少なかっ た.多雪地のブナ林では,少雪地のブナ林に比べ,堆 積しているリターの層数・厚さあたりの層数が多かっ た. 3. 少雪地と多雪地のブナ林(斜面)における夏季 の林床の光環境には違いが見られなかった.しかし, 少雪地では,春季に草本層から展葉が始まり上層木の 展葉は遅れるため,林床草本の展葉中の光環境は良好 であった.一方多雪地では林床に遅くまで積雪が残る ため,展葉が上層木から始まり,林床草本の展葉中の 光環境は悪かった.谷をみると,多雪地であっても低 木よりも草本の展葉が先行していた.これは谷沿いの 低木が谷底の残雪に埋没し,展葉が遅れるためであっ た. 4. 多雪地のブナ林における広葉草本の生育を制限 している要因として,林床ではリターの層数・厚さあ たりの層数が多く,広葉草本の定着,発芽の妨げにな ることと,春から初夏にかけて雪が残存し,林冠のブ ナの展葉が広葉草本の展葉に先行するため,生産性の 図 7. 少雪地,多雪地のブナ林(斜面)と,小谷の谷壁斜面における春季の群落フェノロジー比較.

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高いこの時季の林床の光環境が暗いことが考えられ た.しかし,多雪地の谷では広葉草本が生育可能であ る要因として,リターの量が少ないことと,低木層よ りも,草本層のほうが先に展葉を開始,完了できるこ とが考えられた.

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付 表   い ず れ か の 地 域 に お い て ブ ナ 林 ( 頂 部 緩 斜 面 ・ 山 腹 斜 面 ) に 生 育 し て い た 広 葉 草 本 種 の , 全 地 域 に お け る 生 育 立 地 お よ び 生 態 的 特 性 ( 蛭 間 ・ 福 嶋 2 00 4 を 改 変 ). ● : 各 地 形 単 位 に お け る 出 現 調 査 区 数 が > 1 か つ 出 現 頻 度 が > 10 % , +: 各 地 形 単 位 に お け る 出 現 調 査 区 数 が 1 も し く は 出 現 頻 度 が ≦ 10 % ,・ : 出 現 な し . 灰 色 の 網 掛 け の 部 分 は ブ ナ 林 が 成 立 す る 微 地 形 単 位 で あ る こ と を 示 す . 太 平 洋 側 日 本 海 側 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 北 上 北 東 部 地 域 五 箇 山 地 域 朝 日 地 域 微 地 形 単 位 調 査 区 数 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 16 20 11 6 18 10 4 7 4 6 3 5 14 6 5 30 主 な 生 育 環 境 芽 生 え の 形 態 種 群 A : 太 平 洋 側 , 日 本 海 側 を 問 わ ず , ブ ナ 林 に 生 育 し て い た   ミ ヤ マ ナ ル コ ユ リ Po ly go na tu m la si an th um ● ● + ・ ● ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ● + ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ユ キ ザ サ Sm ila ci na ja po ni ca ● ● ● + ● ● + ● ・ ● ・ ・ ● ● + + 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   チ ゴ ユ リ D is po ru m sm ila ci nu m ● ● ・ ・ ● ・ + ・ ・ ● ・ ・ + + ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ツ ク バ ネ ソ ウ Pa ri s t et ra ph yl la ● + + ・ ● ● ・ + ・ + ・ ・ ● ● ・ + 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ト チ バ ニ ン ジ ン Pa na x ja po ni cu s ● + ・ + + ● ・ ● ・ + + ・ ● ・ ・ ● 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ツ ル リ ン ド ウ Tr ip te ro sp er m um ja po ni cu m ・ ・ ・ ・ + ● ・ ・ ・ + ・ ・ ● ・ ・ + 夏 緑 広 葉 樹 林 常 緑 種 群 B : 太 平 洋 側 の 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 も し く は 北 上 北 東 部 地 域 に お い て は , ブ ナ 林 に 生 育 し て い た が ,             日 本 海 側 の 五 箇 山 地 域 も し く は 朝 日 地 域 で は , 谷 お よ び 小 谷 の 谷 壁 斜 面 に 生 育 が 限 ら れ た   ム カ ゴ イ ラ ク サ La po rt ea b ul bi fe ra ● ・ ● ● ・ ・ ● ● ・ ・ ● + ・ ・ ● + 山 地 渓 畔 林 単 純 型   サ ラ シ ナ シ ョ ウ マ C im ic ifu ga si m pl ex ● ・ + + ● ● ● ● ・ ・ ● + ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   エ ン レ イ ソ ウ ( シ ロ バ ナ エ ン レ イ ソ ウ ) Tr ill iu m sm al lii Tr ill iu m ts ch on os ki i) ・ ● ● ・ ● ● ・ ● ・ ・ ● + ・ ・ ・ + 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   カ メ バ ヒ キ オ コ シ ( タ イ リ ン ヤ マ ハ ッ カ ) Pl ec tr an th us k am eb a ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ・ + ・ ● ● 山 地 渓 畔 林 単 純 型   キ バ ナ ア キ ギ リ Sa lv ia n ip po ni ca ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ● 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   テ ン ニ ン ソ ウ Le uc os ce pt ru m ja po ni cu m ● + + ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ● ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 単 純 型   キ ク バ ド コ ロ D io sc or ea se pt em lo ba ● + ・ ・ + ・ ・ ・ ・ + ・ ・ ・ ・ ● ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   ス ミ レ サ イ シ ン Vi ol a va gi na ta ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ● ・ ・ + ・ ・ ・ ● ● 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ヤ マ ブ キ シ ョ ウ マ Ar un cu s d io ic us v ar . t en ui fo liu s ・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ・ ・ + ・ ・ ・ ・ ● 草 原 押 し 上 げ 型   ク ル マ ム グ ラ G al iu m ja po ni cu m + ・ ・ ・ ● + ● ● ・ ・ ● ・ ・ ・ + ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明 種 群 C : 太 平 洋 側 の 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 も し く は 北 上 北 東 部 地 域 , 日 本 海 側 の 五 箇 山 地 域 に お い て は , ブ ナ 林 に 生 育 し て い た が ,             日 本 海 側 の 朝 日 地 域 で は , 谷 お よ び 小 谷 の 谷 壁 斜 面 に 生 育 が 限 ら れ た   オ ク モ ミ ジ ハ グ マ Ai ns lia ea a ce ri fo lia v ar . s ub ap od a ● ● ・ ・ ● ● ● ● + ● + ● ・ + ・ ● 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   ア カ シ ョ ウ マ ( ト リ ア シ シ ョ ウ マ ) As til be th un be rg ii ● ● ● ● ● ● + ● ・ ● ● ● + ・ + ● 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   ア キ ノ キ リ ン ソ ウ So lid ag o vi rg a -au re a va r. as ia tic a + + ・ ・ ● ● ・ ● ・ ● ・ + ・ ・ ・ ● 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型 種 群 D : 太 平 洋 側 の 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 も し く は 北 上 北 東 部 地 域 に お い て , ブ ナ 林 に 生 育 し , 日 本 海 側 の 地 域 で は 分 布 し て い る が 生 育 が 確 認 で き な か っ た   コ ウ モ リ ソ ウ ( ヨ ブ ス マ ソ ウ ) C ac al ia h as ta ta v ar . f ar fa ra ef ol ia ● + + ・ ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   シ ュ ロ ソ ウ Ve ra tr um m aa ck ii va r. ja po ni cu m ● ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   マ イ ヅ ル ソ ウ M ai an th em um d ila ta tu m ● + ・ ・ ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ソ バ ナ Ad en op ho ra re m ot ifl or a ● + + ・ ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ヤ グ ル マ ソ ウ Ro dg er si a po do ph yl la ● ● ● ・ ● ● ● ● ・ ・ + ・ ・ ・ ・ + 山 地 渓 畔 林 や り 型   ハ エ ド ク ソ ウ Ph ry m a le pt os ta ch ya v ar . a si at ic a ● + + ・ ● ● + + ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ミ ヤ マ ヤ ブ タ バ コ C ar pe si um tr is te ● + ・ ・ ● + ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ + + 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   オ ヤ マ ボ ク チ Sy nu ru s p un ge ns ● + ・ + ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 草 原 単 純 型

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  オ オ バ シ ョ ウ マ C im ic ifu ga a ce ri na ● ● ● ● ・ + ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 押 し 上 げ 型   シ モ ツ ケ ソ ウ Fi lip en du la m ul tij ug a ● ・ ・ + + ・ + ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 草 原 単 純 型   ヤ マ タ イ ミ ン ガ サ C ac al ia y at ab ei ● ● ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ハ ン シ ョ ウ ヅ ル C le m at is ja po ni ca ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   エ イ ザ ン ス ミ レ Vi ol a ei za ne ns is ● ● ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 も や し 型   ツ ル キ ン バ イ Po te nt ill a yo ku sa ia na ● ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 も や し 型   ヤ マ ト リ カ ブ ト Ac on itu m ja po ni cu m v ar . m on ta nu m ● + + ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   シ ロ ヨ メ ナ As te r a ge ra to id es v ar . h ar ae f. le uc an th us ● + + ● + + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + + 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ヒ ゲ ネ ワ チ ガ イ ソ ウ Ps eu do st el la ri a pa lib in ia na ● ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 も や し 型   マ ム シ グ サ Ar is ae m a ja po ni cu m + ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   ラ シ ョ ウ モ ン カ ズ ラ M ee ha ni a ur tic ifo lia ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 も や し 型   ジ ャ コ ウ ソ ウ C he lo no ps is m os ch at a ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 単 純 型   ヒ ヨ ド リ バ ナ Eu pa to ri um c hi ne ns e va r. si m pl ic ifo liu m ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + 草 原 単 純 型   ナ ル コ ユ リ Po ly go na tu m fa lc at um ● + ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ア ズ マ レ イ ジ ン ソ ウ Ac on itu m p te ro ca ul e ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 単 純 型   ル イ ヨ ウ ボ タ ン C au lo ph yl lu m ro bu st um ● + ● ・ ・ + ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   ミ ヤ マ ム グ ラ G al iu m p ar ad ox um ● ・ ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 不 明   タ ニ ギ キ ョ ウ Pe ra ca rp a ca rn os a va r. ci rc ae oi de s ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ + + 山 地 渓 畔 林 不 明   カ ノ ツ メ ソ ウ Sp ur io pi m pi ne lla c al yc in a + ・ + ・ ● ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   エ ゾ ス ズ ラ ン Ep ip ac tis p ap ill os a + + ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   エ ゾ ボ ウ フ ウ Ae go po di um a lp es tre ・ ・ ・ ・ ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   オ オ タ チ ツ ボ ス ミ レ Vi ol a ku sa no an a ・ ・ ・ ・ ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   カ ニ コ ウ モ リ C ac al ia a de no st yl oi de s ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 針 葉 樹 林 や り 型   ク ガ イ ソ ウ Ve ro ni ca st ru m si bi ri cu m ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 草 原 単 純 型   ク ル マ バ ツ ク バ ネ ソ ウ Pa ri s v er tic ill at a ・ ・ ・ ・ ● + ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   コ イ チ ヤ ク ソ ウ Py ro la se cu nd a ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 針 葉 樹 林 常 緑   コ キ ン バ イ W al ds te in ia te rn at a ・ ・ ・ ・ ● + ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   コ ケ イ ラ ン O re or ch is p at en s ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   タ ケ シ マ ラ ン St re pt op us st re pt op oi de s v ar . j ap on ic us ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 針 葉 樹 林 や り 型   ナ ン ブ ア ザ ミ C ir si um n ip po ni cu m ・ ・ ・ ・ ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ヒ メ イ チ ゲ An em on e de bi lis ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 草 原 不 明   ヒ メ ゴ ヨ ウ イ チ ゴ Ru bu s p se ud o -ja po ni cu s ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 針 葉 樹 林 不 明   ベ ニ バ ナ イ チ ヤ ク ソ ウ Py ro la in ca rn at a ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   マ ル バ ダ ケ ブ キ Li gu la ri a de nt at a ・ ・ ・ ・ ● + ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 草 原 単 純 型   ミ ヤ マ カ ラ マ ツ Th al ic tr um tu be ri fe ru m ・ ・ ・ ・ ● + + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   ミ ヤ マ ス ミ レ Vi ol a se lk ir ki i ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ヤ マ オ ダ マ キ Aq ui le gi a bu er ge ri an a ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 草 原 不 明   ウ ス バ サ イ シ ン As ar um si eb ol di i ・ ・ ・ ・ ● + ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   ウ ス ゲ タ マ ブ キ C ac al ia fa rf ar ae fo lia ・ ・ + + ・ ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 地 渓 畔 林 単 純 型   ツ バ メ オ モ ト C lin to ni a ud en si s ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亜 高 山 針 葉 樹 林 不 明 種 群 E : 日 本 海 側 の 五 箇 山 地 域 も し く は 朝 日 地 域 に お い て ブ ナ 林 に 生 育 し , 太 平 洋 側 の 地 域 で は 分 布 し て い る が 生 育 が 確 認 で き な か っ た   イ ワ ウ チ ワ Sh or tia u ni flo ra ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ● ・ ● ● ● ・ ● 山 地 針 葉 樹 林 常 緑   タ チ シ オ デ Sm ila x ni pp on ic a ・ ・ ・ ・ + + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ・ ● + 夏 緑 広 葉 樹 林 や り 型   ア ケ ボ ノ シ ュ ス ラ ン G oo dy er a fo lio sa ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ・ + ・ ● + ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 常 緑   ツ ル ア リ ド オ シ M itc he lla u nd ul at a ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ + ● + + ● ● ・ + 夏 緑 広 葉 樹 林 常 緑   イ タ ド リ Po ly go nu m c us pi da tu m + ・ ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ● ● ● ・ ・ + ● 草 原 や り 型   シ ョ ウ ジ ョ ウ バ カ マ H el on io ps is o ri en ta lis ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ・ ● ・ ● 夏 緑 広 葉 樹 林 常 緑

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種 群 F : 太 平 洋 側 の 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 も し く は 北 上 北 東 部 地 域 に お い て ブ ナ 林 に 生 育 し , 日 本 海 側 の 地 域 に は 分 布 し て い な い   テ バ コ モ ミ ジ ガ サ C ac al ia te ba ko en si s ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 不 明   レ ン ゲ シ ョ ウ マ An em on op si s m ac ro ph yl la ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 押 し 上 げ 型   ホ ソ エ ノ ア ザ ミ C ir si um e ffu su m ● + ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ナ ガ バ ノ ス ミ レ サ イ シ ン Vi ol a bi ss et ii ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   タ カ オ ヒ ゴ タ イ Sa us su re a si nu at oi de s ● + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   ハ ン カ イ シ オ ガ マ Pe di cu la ri s g lo ri os a ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   シ コ ク ス ミ レ Vi ol a sh ik ok ia na ● + + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   イ ヌ ヤ マ ハ ッ カ Pl ec tr an th us u m br os us ● ・ ・ + ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型   セ ン ダ イ ト ウ ヒ レ ン Sa us su re a ni pp on ic a va r. se nd ai ca ・ ・ ・ ・ ● ・ ・ ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 夏 緑 広 葉 樹 林 単 純 型 種 群 G : 日 本 海 側 の 五 箇 山 地 域 も し く は 朝 日 地 域 に お い て ブ ナ 林 に 生 育 し , 太 平 洋 側 の 地 域 に は 分 布 し て い な い   コ シ ノ カ ン ア オ イ As ar um m eg ac al yx ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ● ● ・ ● 夏 緑 広 葉 樹 林 常 緑 付 表   つ づ き . 太 平 洋 側 日 本 海 側 奥 多 摩 ・ 道 志 地 域 北 上 北 東 部 地 域 五 箇 山 地 域 朝 日 地 域 微 地 形 単 位 調 査 区 数 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 ブナ林︵頂部緩斜面︶ ブナ林︵山腹斜面︶ 谷 小谷の谷壁斜面 16 20 11 6 18 10 4 7 4 6 3 5 14 6 5 30 主 な 生 育 環 境 芽 生 え の 形 態

表 1. 各調査項目の調査地域別調査区数(サンプル数). リターの堆積状態 光環境 夏季 春季 少雪地  奥多摩・道志 19 18 4  北上北東部 38 30  -多雪地  五箇山 16 18 2  朝日 44 42 2 図 1. 調査地の位置.括弧内の数値は標高(m)を示す.
図 4. 各植生調査スタンドにおけるリター被度,厚さ,層数,厚さあたりの層数の地域・微地形単位間比較.それぞれ 異なるアルファベットは多重比較検定の結果有意差がみられたことを示す(P&lt;0.01).垂直バー中央のひし形は平均値 を示す.垂直バーは標準偏差を示す.

参照

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