21
か」
「テレビを見ながら,ほかのこともするほうか」
という「ながら視聴」行動について質問したと
ころ,「テレビを見ながら,ほかのこともするほ
う(「どちらかといえば」も含む)」は53%であっ
た。男女年層別にみると,全体と比べて男女
16 ~ 29 歳と女 30 代が 6 割以上と高く,若年層
で「テレビを見ながら,ほかのこともするほう」
と答えた人が多い。一方,「テレビを見ることに
集中するほう(「どちらかといえば」も含む)」は
46%で,全体と比べて男50 代以上が半数以上
と高く,男性の高年層は「集中するほう」が「ほ
かのこともするほう」を上回っている。
テレビを見る際,次のようなことがあるか,図
4 に示す8 項目について尋ねたところ,「よくあ
る」と「ときどきある」を合わせた割合が最も多
いのは「テレビで見たことや番組のことを話題
にする」
(67%)であった。男女年層別にみると
女 60 代以下で 7割以上と多く,テレビをコミュ
ニケーションの一環としていることがうかがえ
る。「思わず夢中になってテレビを見ている」が
「(よく+ときどき)ある」人は約6 割だが,この
5 年で減少しており(63%→ 59%),男女年層
別にみると,男30 代(65%→48%),男40 代
(68%→ 59%)で減少している。男30 代はこの
ほか「テレビで見たことや番組のことを話題にす
る」
(63%→ 51%)や「時間のやりくりをしてテレ
ビを見る」
(37%→25%)が減少しており,テレ
ビへの興味を失ってきていることがうかがえる。
よく見る番組は「ドキュメンタリー・教養」,
「生活・実用・趣味」,
「クイズ・ゲーム」で減少
ふだんよく見る番組を12 項目の中からいくつ
でも選んでもらったところ,「ニュース・ニュース
ショー・報道番組」
(76%),
「天気予報」
(53%),
「ドラマ」
(50%)の順に多かった(図5)。この
順番は2010 年と変わらない。
よく見る番組の回答には,調査時の番組編
成が反映される面があることも考慮する必要が
あるが,2010 年から2015 年にかけての変化に
着目してみると,この5 年で減少しているのは
「ドキュメンタリー・教養」
(29%→26%),「生
活・実用・趣味」
(19%→17%),「クイズ・ゲー
ム」
(22%→16%)である。これに対し,増加
した番組種目はなかった。男女年層別にみる
と2010 年と比べ「ドキュメンタリー・教養」は
男16 ~ 29 歳,女40 ~ 60 代で,「生活・実用・
趣味」は女16~29歳,女40 代で,
「クイズ・ゲー
ム」は女 60 代以下でそれぞれ減少し,女性の
幅広い層で減少したことが全体の減少につな
図 4 テレビの視聴態様
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
ときどきある
よくある
テレビで見たことや番組のことを話題にする
思わず夢中になってテレビを見ている
特に見たい番組がなくてもテレビをつけている
テレビを見ている途中で,チャンネルを頻繁に切り替える
時間のやりくりをしてテレビを見る
番組名がわからないままテレビを見ている
13
25
12
24
【2015年に追加した項目】
2015年
2015年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
ときどきある
よくある
テレビで見たことや番組のことを話題にする
思わず夢中になってテレビを見ている
特に見たい番組がなくてもテレビをつけている
テレビを見ている途中で,チャンネルを頻繁に切り替える
時間のやりくりをしてテレビを見る
番組名がわからないままテレビを見ている
家にいるときは,テレビをつけっぱなしにしている
テレビを見ながらインターネットを使う
52 67
16%
50 67
17
48 63
15
46 59
13
28 56
27
27 54
27
30 46
16
30 44
14
32 43
11
29 40
12
40
29
12
37
26
11
39
22
18
24
15
9
【2015年に追加した項目】
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
テレビを見るのが大好きだ
見たかった番組を見逃すと,とても残念に思う
AUGUST 2015
22
AUGUST 2015
がっている。また,「バラエティー・お笑い番組」
は,男女16 ~ 29歳で減少し,年層別にみると
20 代で減少している(71%→ 56%)。若年層を
中心に,テレビの娯楽番組への接触の減少が
うかがえる。
(2)テレビに対する意識
「教養」番組への期待が増加
ここからは,テレビに対する意識についてみ
てみる。
「くつろいで楽しめる番組」
(娯楽),「世の中
の出来事や動きを伝える番組」
(報道),「知識
や教養が身につく番組」
(教養)の3つの中から
いちばん多く放送してほしいものを1つ選んで
もらった。全体では「報道」
(42%)と「娯楽」
(39%)が多く,続いて「教養」
(17%)であっ
た(表1)。「教養」は2010 年と比べて増加した
(15%→17%)。男女年層別にみると,テレビ
放送に「報道」を期待する人は,全体と比べて
男60 代以上,女 70 歳以上で高く,反対に「娯
楽」は男女16 ~ 29 歳,男30 代で高い。「教養」
は年層による差があまりみられず,幅広い年層
において一定の期待がある。2010 年と比べると
「報道」は男30 代,男50 代で減少し,「娯楽」
は,女 30 代で減少した。「教養」は男40 代,
男60 代で増加した。
テレビに対する肯定的な意識が低下
テレビに対する意識について図 6の8 項目を
尋ねたところ,「あてはまる」
「まああてはまる」
の割合が最も高いのは「テレビを見るのが大
好きだ」
(65%)で,次いで「見たかった番組を
見逃すと,とても残念に思う」
(60%)という人が多かった。だ
が,この5 年で「見たかった番
組を見逃すと,とても残念に思
う」以外のテレビに肯定的な意
識のすべてで減少した。男女
年層別にみると,「テレビを見
るのが大好きだ」は男16 ~ 29
歳(73%→ 60%)で,「見たかっ
表 1 いちばん多く放送してほしい番組(男女年層別)
全体 16 ~ 男 女
29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代70 歳以上 16 ~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代70 歳以上
娯楽 42
39 56
58 44
50 43
37 34
42 26
25 21 28
60 61
39 56
43 43
42 44
36 32 36
35
報道 42
42 26
25 41
28 42
40 51
40 60
54 69 60
24 23
39 30
36 41
35 34
45 48 53
50
教養 15
17 16
15 14
20 14
22 15
17 12
20 9 9
15 16
21 14
18 15
20 22
19 18 10
15
上段:2010 年,下段:2015 年
■は全体に比べ統計的に高いことを示す(以下同様)
(%)
図 5 よく見る番組種目(複数回答)
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
ニュース・
ニュースショー・
報道番組
天気予報
ドラマ
バラエティー・
お笑い番組
スポーツ
ドキュメンタリー・
教養
音楽番組
映画
生活・実用・趣味
クイズ・ゲーム
ワイドショー
アニメ・
子ども番組
78%
76
51
53
47
50
43
41
35
35
29
26
25
23
25
23
19
17
22
16
18
16
11
11
23
た番組を見逃すと,とても残念に思う」は男16
~ 29歳(66%→ 56%),男40 代(69%→ 56%)
で,「話題になっている番組は見たいと思う」は
男40 代(47%→38%)で,「どこにいても,好き
なときにテレビを見たい」は男16 ~ 29 歳(38%
→25%),男40 代(37%→26%),女 70 歳以上
(34%→24%)でそれぞれ減少した。男16 ~
29 歳や男40 代で,テレビに対する肯定的な意
識が減少した項目が多い。
一方,「好きな番組でも,毎回決まった時間
に見るのは面倒だ」という人は5 年前から増加
(34%→37%)しており,年層別には30 ~ 50
代で増加した。中年層で放送時間に縛られる
ことを嫌い,時間管理を重視する傾向が強まっ
ている。
テレビの効用では〈同時性〉が減少
テレビがあることで,生活にどのような効用
(役立ち方,有用性)がもたらされていると思う
かを尋ねた(図7)。「今起きている大きな事件
図 6 テレビに対する意識
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
まああてはまる
あてはまる
テレビで見たことや番組のことを話題にする
思わず夢中になってテレビを見ている
特に見たい番組がなくてもテレビをつけている
テレビを見ている途中で,チャンネルを頻繁に切り替える
時間のやりくりをしてテレビを見る
番組名がわからないままテレビを見ている
13
25
12
24
【2015年に追加した項目】
2015年
2015年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
ときどきある
よくある
テレビで見たことや番組のことを話題にする
思わず夢中になってテレビを見ている
特に見たい番組がなくてもテレビをつけている
テレビを見ている途中で,チャンネルを頻繁に切り替える
時間のやりくりをしてテレビを見る
番組名がわからないままテレビを見ている
家にいるときは,テレビをつけっぱなしにしている
テレビを見ながらインターネットを使う
52 67
16%
50 67
17
48 63
15
46 59
13
28 56
27
27 54
27
30 46
16
30 44
14
32 43
11
29 40
12
40
29
12
37
26
11
39
22
18
24
15
9
【2015年に追加した項目】
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
テレビを見るのが大好きだ
見たかった番組を見逃すと,とても残念に思う
話題になっている番組は見たいと思う
テレビがついていると何となく安心できる
どこにいても,好きなときにテレビを見たい
テレビを見たあと,前向きな気持ちになることがよくある
好きな番組でも,毎回決まった時間に見るのは面倒だ
テレビを見たあと,時間をむだにしてしまったと思うことがよくある
︵
肯
定
的
︶
46 68
22%
46 65
19
34 62
28
35 60
24
35 53
19
34 50
16
33 51
18
33 48
15
36 44
9
31 39
7
22 34
12
22 37
15
19 29
10
18 26
8
16 22
6
15 21
5
図 7 テレビの効用
まああてはまる
あてはまる
どちらかといえば,そう思う
そう思う
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
今起きている大きな事件やイベントが見られる
〈同時性〉
さまざまな意見や考え方を知ることができる
〈意見を知る〉
毎日の生活に欠かせない情報が得られる
〈生活情報〉
人とつきあうときの話のタネが得られる
〈話のタネ〉
同じ番組を見て家族との会話がはずんだり,場がなごむ
〈一家団らん〉
毎日の生活に習慣やリズムが生まれる
〈習慣やリズム〉
生き方や行動の手本が得られる
〈生き方の手本〉
ふだんの生活ではできないことを経験した気分になれる
〈代理経験〉
話し相手の代わりになる
〈話し相手〉
見たかった番組を見逃すと,とても残念に思う
話題になっている番組は見たいと思う
テレビがついていると何となく安心できる
どこにいても,好きなときにテレビを見たい
テレビを見たあと,前向きな気持ちになることがよくある
好きな番組でも,毎回決まった時間に見るのは面倒だ
テレビを見たあと,時間をむだにしてしまったと思うことがよくある
︵
肯
定
的
︶
34 61
28
35 60
24
35 53
19
34 50
16
33 51
18
33 48
15
36 44
9
31 39
7
22 34
12
22 37
15
19 29
10
18 26
8
16 34
6
15 21
5
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年 47% 43 90
47 88
41
55 81
26
56 80
24
43 78
35
42 76
35
53 71
18
54 70
16
53 71
18
53 70
17
40 57
17
41 57
16
36 45
9
36 44
8
34 44
10
33 42
9
17 22
5
16 20
4
AUGUST 2015
26
AUGUST 2015
も+親)で増加(23%→30%)し,「テレビはな
い」は,1人暮らしの人で10%にのぼっている。
なお,1985 年から2000 年にかけての「3 台」
と「4台以上」の増加は,「テレビをひとりだけ
で見たい」という個人視聴志向の増加(1985 年
32%→2000 年 37%→2005 年 39%)と関わり
があると考えられる。一方,
「1台」の増加には,
2011年の地上デジタル放送移行によるテレビの
買い替えや後述する「自分専用テレビ」の減少
などが影響しているだろう。
メディア機器・サービスの明暗
自分自身で利用しているメディア機器やサー
ビスを選択肢の中から複数回答で選んでもらっ
た(図12)。2010 年と比べると,デジタル録画
再生機」の利用は増加(49%→ 56%)したが,
「自分専用のテレビ」
(31%→26%),
「テレビゲー
ム機」
(24%→17%),「ワンセグが見られる機
器」
(21%→14%)など,減少したものも多い。
2.メディアの中のテレビ
メディア機器やサービスは,技術の進歩や
人々のニーズに合わせて変容していく。
ここでは,2015 年のメディア環境において,
テレビはどのような位置づけにあるのか,人々
のメディア利用行動と意識に変化が生じている
のかを探る。
(1)メディア環境
テレビ所有台数は「1 台」が増加
家庭で所有しているテレビの台数は(図11),
「1台」
(30%)と「2 台」
(32%)がそれぞれ 3 割
程度である。これまでの推移をみると,1985
年から2000 年にかけて「1台」と「2 台」が減少
し,「3 台」と「4台以上」が増加した。2005 年
から2010 年では「1台」が増加し,「4台以上」
は減少に転じている。2010 年から2015 年にか
けても,「1台」が増加(25%→30%),「4台以
上」が減少(19%→14%)し,さらに「テレビは
ない」も増加(1%→3%)している。「1台」の増
加は,家族構成別でみると,2 世代家族(子ど
図 11 テレビ台数
図 12 利用機器・サービス(複数回答)
無回答
1台 2台 3台
テレビはない
4台以上 わからない,無回答
ない
4台以上
3台
2台
1台
2015年
2010年
2010年
2005年
2000年
1995年
1990年
1985年 30% 41
1
1
1
1
1
2
2
8
20
24 38 24 13
19 34 26 20
17 32 26 23
19 32 24 24
23 32 24 19
1
25 32 22 19
3
30 32 20 14
【個人面接法】
【配付回収法】
※1:DVD やブルーレイディスク・HDD など ※2:Wii,プレイステーション 3 など
※3:PSP,ニンテンドー DS など ※4:iPod など
2015年
2010年
携帯型デジタル
音楽プレーヤー ※4
携帯型ゲーム機 ※3
テレビゲーム機 ※2
ビデオテープ
録画再生機
デジタル
録画再生機 ※1
ワンセグが
見られる機器
自分専用のテレビ
CS放送
CATV
(ケーブルテレビ)
衛星放送
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
29
30
23
22
8
8
31
26
34
17
49%
56
24
17
22
14
17
13
21
14
2015年
2010年
携帯型デジタル
音楽プレーヤー ※4
携帯型ゲーム機 ※3
テレビゲーム機 ※2
ビデオテープ
録画再生機
デジタル
録画再生機 ※1
ワンセグが
見られる機器
自分専用のテレビ
CS放送
CATV
(ケーブルテレビ)
衛星放送
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
2015年
2010年
29%
30
23
22
8
8
31
26
34
17
49
56
24
17
22
14
17
13
21
14
「衛星放送」,
「CATV(ケーブルテレビ)」,
「CS
放送」の利用率は,この5 年で変わらない。ま
た,2015 年に追加した項目では,「パソコン」
は54%,「スマートフォン」は46%,「タブレット
端末」は17%である(表 2)。
男女年層別にみると,「デジタル録画再生機」
は,男女 50 代以下では6 割以上の人が利用し,
この5 年では男50 代以上と女 30 ~ 60 代の中
高年層で増加した。「自分専用のテレビ」は男
16 ~ 29歳と男60 代以上,女 70 歳以上で3 割
を超え全体と比べて高いが,男女 30・40 代は1
割台にとどまっている。「スマートフォン」は男女
30 代以下では8割前後と,大多数の人が利用
している一方,「携帯電話・PHS(スマートフォン
以外)」は,男50 代以上と女 50・60 代で5 ~ 6
割程度と,メインユーザー層が異なっている。
「携帯型ゲーム機」と「携帯型デジタル音楽
プレーヤー」は,この5 年で減少し,中でも利
用の多い若年層で減少した。若年層で利用が
8 割程度まで広がるスマートフォンは,ゲームや
音楽が利用できることからも,スマートフォンが
ゲーム機や音楽プレーヤーの代替機器として利
用されているとも考えられる。
(2)メディア別接触頻度
テレビ,新聞,インターネットなど 10のメディ
アの接触状況を把握するため,「毎日のように」
「週に3 ~ 4日ぐらい」
「週に1 ~ 2日ぐらい」
「月
に1 ~ 2日ぐらい」
「ほとんど・まったく見聞きし
ない・読まない」という共通の選択肢で接触頻
度を尋ねた(図13)。
テレビ・新聞は「毎日」接触が減少
テレビ(録画したものを見る場合は除く)は,
「毎日」
「週 3 ~ 4日」
「週 1 ~ 2日」を合わせた
「週 1日以上」接触の割合が 89%と,メディア
の中で最も多く,「毎日」が 79%と大多数を占
めている。ただし,この5 年では「毎日」が減
少(84%→79%)し,
「週 1日以上」も減少(92%
→89%)した。テレビの「毎日」接触の割合を
年層別にみると(図14),この5 年で20 ~ 50
代で減少し,特に20 代ではテレビを毎日視聴
する人は64%で,3人に2人となっている。
個人面接法調査でも,テレビの「毎日」接触は
2005 年以降,微減傾向(2000 年95%→2005
年93%→2010 年92%)がみられたが,この5
年の減少は,変化の動きがやや大きい。
全体
16 ~ 男 女
29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代16 ~ 70 歳以上
デジタル録画再生機 49
56 61
60 68
65 70
73 53
68 37
50 32 20
73 64
75 64
71 61
66 53
41 23 14
18
自分専用のテレビ 31
26 39
33 35
19 24
19 33
27 33
37 34 37
21 26
12 17
12 22
24 27
29 31 44
39
携帯型ゲーム機 22
14 46 58 41
33 24
23 13
10 5
2 2
1 25 45
30 37
18 32 11
6 3 5 1
1
携帯型デジタル音楽プレーヤー 17
13 44
34 23
14 20
18 15
11 6
7 4 5
39 45
16 20
13 17
12 9
6 4 1
2
【2015 年に追加した項目】 (上段:2010 年,下段:2015 年)
パソコン
54 66 71 79 70 55 30 64 71 65 59 30 12
スマートフォン
46 87 79 72 43 19 4 84 84 64 42 15 4
携帯電話・PHS(スマートフォン以外) 39 8 21 34 49 55 50 12 21 36 50 59 40
タブレット端末(iPad など)
17 29 21 28 21 13 5 16 33 22 19 10 2
表 2 利用機器・サービス(複数回答 男女年層別)
(%)
(図16),この5 年では60 代以下で増加し,40
代以下は5 割を超えた。新聞とは逆の形で,年
層ごとの接触差が大きくなっている。
また,録画したテレビ番組も,「毎日」接触
が 16%に対し,「週 1 ~ 2日」の割合(21%)も
比較的多い。この5 年では,「毎日」が 8%から
16%へ倍増し,
「週 1日以上」も約半数に増えた
(35%→49%)。「週 1日以上」の接触の割合を
年層別にみると(図17),50 代以下では半数を
超えており,特に16 ~ 19 歳は81%と,他の年
層に比べて突出して高い。この5 年ではすべて
の年層で増加している。
(3)録画再生視聴・動画視聴
録画再生の活用に広がり
「デジタル録画再生機」の利用者(56%),録
画したテレビ番組を「週1日以上」視聴する人
(49%)ともにこの5 年で増加している。テレビ
番組の録画や再生の仕方について6つの項目
で尋ねたところ(表3),
「気になった番組をとり
あえず録画する」かどうかに対して,
「ある」
(「よ
くある」+「ときどきある」の合計)と答えた人
は半数を超えている(53%)。また,
「じっくり
見たい番組は,録画してから見る」
(47%),
「リ
アルタイム(放送と同時)で見られる番組でも,
録画して都合のいい時に見る」
(41%)は4割以
図 16 インターネットへの「毎日」接触(年層別)
全体 男 女
16~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70歳以上 16~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70歳以上
気になった番組をとりあえず録画する 43
53 45
52 53
59 56
68 42
56 38
44 37 27
72 53
63 56
66 55
63 39
45 31 18
22
じっくり見たい番組は,録画してから見る 37
47 36
45 44
55 47
54 32
46 28
39 29 27
69 46
65 53
64 50
54 36
40 26 18
20
リアルタイム(放送と同時)で見られる
番組でも,録画して都合のいい時に見る 29
41 29
40 38
50 38
51 26
40 18
33 22 18
61 45
55 46
56 38
52 31
32 19 10
15
録画した番組を,早送りして
見たいところだけ見る 32
37 33
33 41
41 46
48 39
43 22
34 19 16
53 43
48 39
45 47
46 31
30 22 11
17
(上段:2010 年,下段:2015 年)
保存しておくために番組を録画する
36 39 40 42 40 33 22 59 46 47 39 26 14
再生するときに,ほかのことをしながら見る
31 39 44 38 27 20 14 59 51 40 32 14 12
表 3 録画再生行動〈 「よくある」+「ときどきある」 〉(男女年層別)
(%)
図 17 録画したテレビ番組への「週 1日以上」接触(年層別)
46 48
40
36
24
10 5
65 68
61
56
37
20
5
(%)
0
20
40
60
80
100
2015 年
2010 年
70歳以上
60代
50代
40代
30代
20代
16∼19歳
2015年
2010年
70歳以上
60代
50代
40代
30代
20代
16∼19歳
47 43 46 46
30
24 21
81
54 59
62
55
38
26
(%)
0
20
40
60
80
100
2015 年
2010 年
70歳以上
60代
50代
40代
30代
20代
16∼19歳
2015年
2010年
70歳以上
60代
50代
40代
30代
20代
16∼19歳
30
AUGUST 2015
と,それほど多くない。この5 年でみると,「週
1日以上」利用者(20%→35%),
「動画視聴者」
(34%→ 50%)とも増加した。男女年層別にみ
ると「動画視聴者」は,この5 年で男女 60 代以
下と幅広い年層で増加した。男40 代以下,女
30 代以下では「動画視聴者」は8 割前後に達し
ている(表4)。
若年層は「テレビよりインターネットの動画の
ほうが面白いと思う」ことがあるが半数以上
インターネットで,テレビ番組の動画を見る人
(「毎日のように」から「年に数日くらい」)は全
体の32%だった(「動画視聴者」の 64%)。男
女年層別にみると,男女16 ~ 29 歳と男30 代
は半数以上がテレビ番組を動画で見ている。
また,インターネットで「動画」を見るときに
次のようなことがあるか,5 項目について尋ね
たところ(表 5),「動画視聴者」が増加する中
で「テレビよりインターネットの動画のほうが面
白いと思う」ことが「ある」
(「よくある」と「とき
どきある」の合計)人は全体の27%で,5 年前
より増加した。特に若年層で高く,年層別に
みると,16 ~ 19 歳で 66%,20 代で 54%と半
数以上が「テレビよりインターネットの動画のほ
うが面白いと思う」と感じている。「時間があ
るときは,テレビよりも動画のほうを見る」人は
上の人が行っている。今回の調査から録画再
生時の「ながら視聴」行動について新たに質問
したところ,
「再生するときに,ほかのことをし
ながら見る」に「ある」
(「よくある」+「ときどき
ある」の合計)と答えた人は31%だった。
それぞれの項目について男女年層別にみる
と,男30・40 代,女50 代以下で録画活用が
盛んである。また,
「再生するときに,ほかの
ことをしながら見る」は,男女40 代以下で高
い。若年層は,リアルタイムでの「ながら視聴」
が多いが,録画再生時においても同様に「な
がら視
聴」を行っている人が多い。
動画視聴者は男 40 代以下,
女 30 代以下で 8 割前後
インターネットの「毎日」利用者もこの5 年で
大きく増加したが,インターネットでの動画視
聴行動について尋ねた。インターネットで動画
を「週 1日以上」見る人(「毎日のように」
「週に
3~4日ぐらい」
「週に1~2日ぐらい」)は35%で,
「月に1 ~ 2日ぐらい」
「年に数日くらい」も合わ
せた動画視聴者は50%だった(図18)。ただ
し,「毎日のように」見る人は,全体で約1割
図 18 インターネット動画視聴頻度
表 4 インターネット動画視聴者〈年に数日以上〉
(男女年層別)
(%)
全体
16~ 男 女
29歳
30代 40代 50代 60代 70歳以上 16~
29歳
30代 40代 50代 60代 70歳以上
34 69 58 47 37 19 13 65 41 35 19 7 6
50 89 83 80 60 36 11 84 78 59 46 18 5
(上段:2010 年,下段:2015 年)
無回答
ほとんど、まったく見ない
年に数日
月に1∼2日
週に1∼2日
週に3∼4日
毎日のように
2015年
2010年
ほとんど,
まったく見ない 無回答
毎日のように
週に3∼4日ぐらい
週に1∼2日
月に1∼2日
年に数日
5 63 3
9
10%
5
5
20%
35%
48
5 2
10
15
9
11
「週1日以上」
34%
50%
「動画視聴者」
31
全体で17%だが,16 ~ 19 歳で46%,20 代で
47%と20 代以下では,およそ半数にのぼる。
録画再生視聴やインターネット利用の広がり,
そして日常化は,視聴者のメディア利用行動や
評価に大きな変化をもたらしているといえる。
(4)欠かせないメディア
メディア利用に変化がある中で,他メディア
との比較の中でテレビの相対的な位置づけを探
るいくつかの質問をした。
テレビの相対的な位置づけは低下
まず,いろいろなことを考え合わせて,どう
しても欠かせないメディアを,テレビ,ラジオ,
インターネット,新聞など,8つの中から1つ選
んでもらい,さらにもう1つ,2 番目に欠かせな
いメディアを選んでもらった(図19)。
欠かせないメディア(1番目)で最も多いのは
テレビ(50%)で,次いでインターネット(23%),
新聞(11%)となっている。2010 年と比べて,
テレビと新聞が減少し,インターネットは増加し
た。2 番目に選んだメディアで最も多いのもテレ
ビ(26%)で,次いで新聞(23%),インターネッ
ト(17%)である。この5 年では,テレビとイン
ターネットが増加し,新聞と雑誌が減少した。
テレビは最も欠かせないメディアという回答が
減少,2 番目という回答が増加しており,この5
年で位置づけの低下がうかがえる。
若中年層ではテレビよりもインターネット
欠かせないメディアとして回答が多かったテ
レビ・インターネット・新聞の位置づけの序列
関係の変化を探るため,1番目と2 番目の主な
メディアの組み合わせをみた(図 20)。最も多
いのは,
「1番目がテレビ-2 番目が新聞」
(21%)
で,次いで「テレビ-その他(テレビ・インター
ネット・新聞以外のメディア)」,「テレビ-イン
全体 16~
19歳
20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上
テレビよりインター
ネットの動画のほう
が面白いと思う
19 48 44 31 21 13 4 1
27 66 54 45 35 26 9 3
見逃したテレビ番組
を動画サイトで見る
14 51 33 21 14 6 2 2
17 51 43 26 23 13 3 1
時 間 が あ る と き は,
テレビよりも動画の
ほうを見る
11 38 28 15 14 6 2 2
17 46 47 27 20 12 5 2
【2015 年に追加した項目】 (上段:2010 年,下段:2015 年)
一つの動画をきっか
けに関連する動画を
次々と見る
26 64 61 48 34 24 8 1
テレビ番組の見たい
一部分だけを動画サ
イトで見る
12 39 36 20 14 9 3 1
表 5 動画視聴行動〈 「よくある」+「ときどきある」 〉
(年層別)
(%)
図 19 欠かせないメディア
AV系 活字系
ラジオ インターネット 新聞 会話系 他
テレビ
2010 年
2005 年
2000 年
2010 年
2005 年
2000 年
2010 年
2005 年
2000 年
2010 年
2005 年
2000 年
2010 年
2005 年
2000 年
2010 年
2005 年
2000 年
〈報道〉
65% 7 1 24 11
66 8 4 18 1 2
63 6 8 18 2 3
無回答
この中にはない
本
雑誌
新聞
音楽ソフト
映像ソフト
インターネット
ラジオ
テレビ
2015年
2010年
2015年
2010年 55% 4 14 1 4 14 1 5 3
4 13 11 5 2
50 23
8 4 6 27 3 7 7 2
22% 14
7 4 5 23 2 7 7 2
26 17
ラジオ インターネット
新聞
無回答
テレビ 映像ソフト 音楽ソフト 雑誌 本
この中にはない
〈1 番目〉
〈2 番目〉
AUGUST 2015