2006年1月2
2006年1月2 6 6 日 日 情報誌・クーポン付き
情報誌・クーポン付き
フリーペーパーの利用実態 フリーペーパーの利用実態
~知的好奇心・外食頻度から見る利用頻度~
~知的好奇心・外食頻度から見る利用頻度~
香川大学経済学部経営システム学科 香川大学経済学部経営システム学科 川西 謙 川西 謙
1. 1. 目的 目的
① 地域ごとの情報を取り扱っているタウン情
報誌、フリーペーパーの利用にはどのよう な要因が影響を与えているのか
② 影響を与えられたことによって、タウン情 報誌、フリーペーパーの利用にはどのよう な違いが出てくるのか
2. 2. 定義 定義
• フリーペーパー(以下クーポン付きフリーペーパ ー)
→タウン情報を扱うクーポン付きのもの
• タウン情報誌(以下情報誌)
→地元のさまざまなジャンルの情報を扱う雑誌
※ ここで、ジャンル別の情報誌(旅雑誌、飲食店専 門)求人情報のフリーペーパは調査対象外とする。
3. 3. 両者の相違点 両者の相違点
掲 載 店 舗
取 得 場 所
値 段
折 り た
た み
ペー ジ数
記 事 の 大 き さ
新 店 情 報
写真
情報誌 少 な い
限 定 的
有 料
不
可
多い 大 き い
有 り
大き く 綺麗
クーポンつき 広 無 小 小さ
4. 4. 要因 要因
① 自分の知らない飲食店の名前やその店 の
詳細について知りたいかどうか
② 外食の頻度が多いか少ないか
① を「知的好奇心」、②を「外食頻度」と
する。
5. 5. 知的好奇心の 知的好奇心の 3 3 タイプ タイプ
ⅰ :名前を知っている飲食店が少ないので新 らしい飲食店を知りたい→「店舗名必需」
ⅱ :飲食店の名前は多く知っているが、さらに新
しい飲食店を知りたい→「知的好奇心旺盛」
ⅲ :新しい飲食店を探すのではなく、店や料理
5. 5. 外食頻度の 外食頻度の 4 4 タイプ タイプ
ⅰ :外食の回数の多い自宅生
ⅱ :外食の回数の多い下宿生
ⅲ :外食の回数の少ない自宅生
ⅳ :外食の回数の少ない下宿生
6. 6. 仮説Ⅰ(知的好奇心) 仮説Ⅰ(知的好奇心)
ア:店舗名必需はクーポン付きフリーペーパ ーを利用する。このタイプには自宅生より も下宿生が含まれる。
イ:知的好奇心旺盛は情報誌・クーポン付き フリーペーパーの両方を利用する。このタ イプには自宅生、下宿生ともに含まれる。
ウ:詳細情報は情報誌を利用する。このタイ
プには下宿生よりも自宅生が含まれる。
知的好奇心と情報誌の利用
知的好奇心と情報誌の利用
知的好奇心とクーポン付き 知的好奇心とクーポン付き
フリーペーパ
フリーペーパ
ーの利用 ーの利用
7. 7. 仮説Ⅱ(外食頻度) 仮説Ⅱ(外食頻度)
ア:外食の頻度の多い下宿生はクーポン付き フリーペーパーを最も利用する。
イ:外食頻度の少ない自宅生・下宿生はフリ ーペーパーを利用する。ただし、外食の頻 度の多い下宿生に比べるとその利用は少な い。
ウ:外食頻度の多い自宅生はほかのパターン
に比べ明らかにクーポン付きフリーペーパ
ーの利用が少ない。
外食頻度の
外食頻度の 4 4 タイプによる利用 タイプによる利用
8. 8. 調査方法 調査方法
• 調査日時:12月1 5 日(木)
• 調査対象:香川大学経済学部学生150名
調査は無記名式の質問紙調査で行った。問 1 で 調査対象の属性と情報誌・クーポン付きフリー ペーパーの利用、問 2 で外食頻度、問3で金銭 的余裕、問4で店舗数と知的好奇心について 尋ねた。
9. 9. タイプ分け(知的好奇心) タイプ分け(知的好奇心)
「 z 必需」「 z 旺盛」「 z 詳細」「店舗( 10 点満点)」の
各得点について行う。
・店舗名必需: z 必需≧ z 旺盛∩ z 必需≧ z 詳細 ∩店舗 5 点以下
・知的好奇心旺盛: z 旺盛≧ z 必需∩ z 旺盛≧ z 詳細 ∩店舗 6 点以上
10. 10. タイプ分け(外食頻度) タイプ分け(外食頻度)
「生活形態(1自宅生、2下宿生)、「外食回数」
(1少ない、2多い)について行う。
・少ない自宅生:生活形態 = 1∩外食回数 = 1
・少ない下宿生:生活形態 = 2∩外食回数 = 1
・多い自宅生:生活形態 = 1∩外食回数 = 2
・多い下宿生生活形態 = 2∩外食回数 = 2 :
11. 11. 結果(情報誌 結果(情報誌 - - 知的好奇心) 知的好奇心)
SPSS による 1 要因の分散分析 〈情報誌の利用〉
平均値 標準偏差 店舗名必需 2.1 1.01
知的好奇心旺盛 3.0 .72 詳細情報 2.0 .84
F ( 2,110 ) =11.38,p=.000 より、3つのタイプのい ず
れかで利用に差があると言える。
多重比較 多重比較 (Tucky (Tucky の の HSD) HSD)
・店舗名必需と知的好奇心旺盛
→ p=.001 となり有意な差が見られる
・詳細情報と知的好奇心旺盛
→ p=.000 となり有意な差が見られる
3 3 タイプの利用の比較 タイプの利用の比較
3.2 3.0 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0
12. 12. 結果(クーポン付きフリーペーパ 結果(クーポン付きフリーペーパ ー ー
- - 知 知 的好奇心)
的好奇心)
SPSS による 1 要因の分散分析
〈クーポン付きフリーペーパーの利用〉
平均値 標準偏差 店舗名必需 2.6 .95
知的好奇心旺盛 3.3 .78 詳細情報 2.5 1.05
F ( 2,110 ) =5.70,p=.004 となり、 3 つのタイプのい ず
多重比較 多重比較 (Tucky (Tucky の の HSD) HSD)
・店舗名必需と知的好奇心旺盛
→ p=.037 となり有意な差が見られる
・詳細情報と知的好奇心旺盛
→ p=.00 3となり有意な差が見られる
3 3 タイプの利用の比較 タイプの利用の比較
3.4
3.2
3.0
2.8
2.6
13. 13. 結果(クーポン付きフリーペーパ 結果(クーポン付きフリーペーパ ー ー
- - 外食頻度) 外食頻度)
• SPSS で 2 要因の分散分析。この時店舗名必需 のタイプの人は除外して検証する。
平均値 標準偏差 少ない自宅生 2.4 .81
少ない下宿生 2.4 1.02 多い自宅生 2.8 .9 7 多い下宿生 3.1 1.07
分散分析 分散分析
・外食回数と生活形態の交互作用
→ F(1,116)=0.33 , p=.565 となり有意でない
・生活形態の主効果
→ F(1,116)=1.21 , p= . 274 となり有意で ない
・外食回数の主効果
→ F(1,116)=9.71 , p=.002 となり有意である
外食頻度による利用 外食頻度による利用
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
自宅
14. 14. 仮説の検証(仮説Ⅰ) 仮説の検証(仮説Ⅰ)
ア:店舗名必需がクーポン付きフリーペーパーを 利用
するとは言えない→立証されず
イ:知的好奇心旺盛は、情報誌・クーポン付きフ リーペーパーともに利用すると言える→立証 ウ:詳細情報が情報誌を利用するとは言えない →立証されず
仮説の検証(仮説Ⅱ)
仮説の検証(仮説Ⅱ)
・外食頻度と生活形態の交互作用は有意でない
→2 つの条件の組み合わせは利用に影響を与えない
・生活形態の主効果は有意でない
→ 生活形態の違いは利用に影響を与えない
・外食頻度の主効果は有意である
→ 外食頻度の高低が利用に影響を及ぼす 仮説Ⅱは全て立証されなかった
15. 15. 考察(仮説Ⅰ) 考察(仮説Ⅰ)
〈情報誌〉
・知的好奇心旺盛は新規開店の店を最も知り たがっている
・情報誌は読むのに費やす時間が短く、じっく り読まずにパラパラと読む ( 久保 2003) とい う特徴を持つ
〈クーポン付きフリーペーパー〉
・知的好奇心旺盛は外食頻度が最も高い