屋内人体パス遮蔽環境における偏波間相関特性に関 する研究
著者 麥生田 整
URL http://hdl.handle.net/10236/00025305
2015年度 修士論文要旨
屋内人体パス遮蔽環境における 偏波間相関特性に関する研究
関西学院大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 多賀研究室 麥生田 整
偏波MIMOは、交差偏波成分間の相関が無相関であることを前提としているが、
この前提条件は、これまでの陸上移動通信方式で使用されているマクロセル環 境下においてであり、屋内無線LAN環境においては、静止状態の送受信アンテ ナ間の伝搬パスを人体が遮蔽した場合、V偏波成分とH偏波成分はパス遮蔽によ るフェージング変動を同時に受けるため、到来パスの偏波成分間における相関 が極めて高くなるということが報告されている。偏波成分間相関が極めて高い 場合、多重波合成受信後の偏波アンテナ間の相関が高くなり、MIMO伝送特性に 影響を及ぼすと考えられる。しかしながら、屋内環境での人体によるパス遮蔽 が偏波間相関に及ぼす影響は明らかでない。本研究では、静止端末の周囲を人 がランダムに動く屋内環境において、人口密度を変化させてパス遮蔽の頻度を 増減した場合の偏波間相関特性について、偏波成分のより厳密な計算を行うた めに、偏波変換メカニズムを導入した幾何光学計算に基づく計算機シミュレー ションによる解析を行った。
合成受信電力に寄与するような強い受信電力をもつパス群の偏波成分間の相 関値は、人口密度に関係なく非常に高い値を取ることを確認した。また、同パ ス群の水平方向到来角度は水平方向一様に分布するのではなく、送受信点間見 通し方向の限定された角度範囲内にあることを確認した。
人口密度が増加するに伴い、アンテナ間相関値が受信アンテナ位置に関わら ず、高くなることを確認した。これは計算機シミュレーションの結果により、
伝搬パスのパス遮蔽発生確率が増加したことによるものと考えられる。
キーワード:偏波間相関、アンテナ間相関、偏波MIMO、屋内伝搬、人体遮蔽、
人体回折、遮蔽モデル