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2021 年 7 月 15 日

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(1)

ココンマ圏と profunctor

alg-d

http://alg-d.com/math/kan_extension/

2021 年 7 月 15 日

これまで見てきた通り,圏論ではコンマ圏が非常に重要な役割を果たす.そうすると気 になるのは,コンマ圏の双対となる「ココンマ圏」は存在するのであろうか,ということ である.

定義.C の図式a ←c →baからbへのspanという.双対的に,図式a →c←baからbへのcospanという.

定義. C を圏,a, b C を対象とする.aから bへのspanがなす圏SpanC(a, b)を以下 のように定める.

• Ob(SpanC(a, b)) :={⟨f, g⟩ ∈Mor(C)2 |c∈C, a←−f c−→g b}

⟨f, g⟩,⟨k, l⟩ ∈ SpanC(a, b)とする.c:= dom(f),d:= dom(k)とする.⟨f, g⟩⟨k, l⟩への射は,次の図式を可換とする射h: c→dで定める.

a b

d c

k l

f g

h

C が文脈から明らかな場合は添え字を省略して単にSpan(a, b)と書く.また同様にし てcospanがなす圏CospanC(a, b)が以下のように定まる.

• Ob(CospanC(a, b)) :={⟨f, g⟩ ∈Mor(C)2 |c∈C, a−→f c←−g b}

⟨f, g⟩,⟨k, l⟩ ∈CospanC(a, b)とする.c:= cod(f),d := cod(k)とする.⟨f, g⟩

(2)

⟨k, l⟩への射は,次の図式を可換とする射h: c→dで定める.

d c

a f g b

k h l

ここでは小圏の圏Catにおけるspan,cospanを考える.

A −→F C ←−G BCatのcospanとしたとき,コンマ圏G↓F はspanA ←G↓F →B を与えるのであった.*1

命題 1. コンマ圏を取る操作は関手: Cospan(A, B)Span(A, B)を与える.

証明. A−→F C ←−G BA−→K D ←−L Bをcospan,H: ⟨F, G⟩ → ⟨K, L⟩Cospan(A, B) の射とする.このとき関手↓H: G↓F →L↓K をコンマ圏の普遍性により定める.

C

A B

G↓F L↓K

=

= =

K L

P1 H P0

=

C C

A B

G↓F

=

= =

K L

P1 P0

F G

H

普遍性により,これは明らかに関手: Cospan(A, B)Span(A, B)を与える.

そこで,もしこの関手が左随伴を持つとすると,それが「ココンマ圏を与える関手」で あるとみなすことができる.というのも「コンマ圏の普遍性」の双対バージョン(定理2) が成り立つからである.

それを説明するため,関手が左随伴: Span(A, B)Cospan(A, B)を持つとして,

そのunitをηとする.A ←−F C −→G Bをspanとすると↑⟨F, G⟩cospanであるから,

それをA −−→Q0 F ↑G ←−−Q1 Bと書くと,これのコンマ圏を考えることができる.このとき

*1後の構成の都合上,FGではなくGF を考える.ここをF Gに変えた場合は,後で出てくる Prof(A, B)Prof(B, A)になる.

(3)

S :=η⟨F,G⟩はSpan(A, B)の射C →Q1↓Q0 (次の図式の点線の射)のことである(ここ でP0, P1, θはコンマ圏Q1↓Q0 から得られる関手と自然変換である).

A F ↑G

Q1↓Q0 B C

=

θ Q0

Q1 F

G P1

P0

S

=

=

これらを合成して得られる自然変換をρ: Q1G⇒Q0F とする.

定理 2. 関手が左随伴: Span(A, B) Cospan(A, B)を持つとする.このとき上の ように定義した図式

A F ↑G

C B

=

ρ Q0

Q1

F

G

は次の普遍性を満たす: X を圏,R0: A →XR1: B →X を関手,α: R1G ⇒R0F 自然変換とする.

X A

C B

=

α R0

R1

F

G

このとき関手H: F ↑G→X が一意に存在して以下を満たす.

(1) HQ0 =R0HQ1 =R1 である.

(2) 次の自然変換の等式が成り立つ.

X A F ↑G

C B

=

ρ

=

=

R0

R1

F

G Q0

Q1

H

= A

X

C B

=

α R0

R1

F

G

(4)

証明. まずH の存在を示す.そのためにコンマ圏R1↓R0 を取り,そこから得られる関 手と自然変換をP0, P1, θ とする.普遍性により次の図式の点線の関手M: C →R1↓R0 が得られる.

X A

R1↓R0 B C

=

θ R0

R1 F

G P1

P0

M

=

= =

X A

B C

=

α R0

R1 F

G

このとき随伴Hom(↑⟨F, G⟩,⟨R0, R1) = Hom( ⟨F, G⟩,↓⟨R0, R1) により,M の随伴射 となる関手H: F ↑G →X が取れる.これが条件(1)(2)を満たすことを示す.

まず条件 (1)は,定義よりH がCospan(A, B)の射であるからよい.条件(2)を示そ う.随伴のunitの性質から↓H◦S =M が成り立つ.従って

X A

B C

=

α R0

R1

F

G

=

X A

R1↓R0 B C

=

θ R0

R1

F

G P1

P0

M =

=

=

X A

R1 ↓R0 B Q1↓Q0

C

=

θ

=

=

R0

R1 F

G P1

P0 P1

P0

=

=

S

H

(5)

=

X A F ↑G

B Q1↓Q0

C

R0

R1

F

G P1

P0

=

=

S

=

θ

=

Q0 =

Q1

H

=

X A F ↑G

B

C

R0

R1 F

G

=

ρ

=

Q0 =

Q1

H

となり条件(2)が成り立つ.

後はH の一意性を示せばよい.Hが条件(1)(2)を満たすとするとH Cospan(A, B) の射F ↑G→X だから,随伴射M: C →R1↓R0 が取れる.従ってこのM が一意であ ることを示せばよい.再びunitの性質から,これは↓H ◦S =M を満たす.故に

X A

R1↓R0 B

C

=

θ R0

R1

F

G P1

P0

M

=

=

=

X A

R1↓R0 B Q1↓Q0

C

=

θ

=

=

R0

R1

F

G P1

P0 P1

P0

=

=

S

H

(6)

=

X A F ↑G

B Q1↓Q0

C

R0

R1

F

G P1

P0

=

=

S

=

θ

=

Q0 =

Q1

H

=

X A F ↑G

B

C

R0

R1 F

G

=

ρ

=

Q0 =

Q1

H

=

X A

B

C

=

α R0

R1

F

G

となるから,R1↓R0の普遍性によりM は一意である.

そこで問題は: Cospan(A, B)Span(A, B)が左随伴を持つか,ということになる.

答えは存在する,であるが,これを構成するためにprofunctorというものを導入する.

(7)

定義. C, D を圏とする.C から D への profunctor (もしくは distributor もしくは correspondenceもしくはbimodule)とは関手P: C Db のことである.profunctor を 記号P: C −◦→ Dなどで表す.

自然同型HomCat(A×B, C)∼= HomCat(A, CB)により,profunctorP: C −◦→ D即ち 関手P: C →Dbと関手P: Dop×C Setを同一視することができる.以下,特に断らず この同一視を行う.またCからDへのprofunctorがなす圏をProf(C, D) :=SetDop×C で定める.

定義. P: A −◦→ BQ: B −◦→ C に対して profunctor の合成Q⊗P: A −◦→ C を関手 (yQ)◦P: A→Cbで定める.

A B

Bb Cb

P

Q y

yQ

Cに対して米田埋込y: C →Cbが定めるprofunctorをidC: C −◦→ Cで表す.米田 埋込と左Kan拡張の性質から容易に分かるようにP: C −◦→ Dに対してP idC = P, idD⊗P =P である.

命題 3. P: A−◦→ BQ: B−◦→ Cをprofunctorとするとき Q⊗P(a)=

Z b∈B

P(b, a)×Q(−, b).

証明. X ∈Bbに対してyQ(X)= Z b∈B

HomBb(y(b), X)×Qb∼= Z b∈B

Xb×Qbである からQ⊗P(a) =yQ(P a)∼=

Z b∈B

P a(b)×Qb= Z b∈B

P(b, a)×Q(−, b)F: C →Dを関手とする.このときprofunctor F: C −◦→DF: D−◦→C

F(d, c) := HomD(d, F c), F(c, d) := HomD(F c, d)

により定まる.つまりF(c) =y◦F(c) =F−1y(c)F(d)=Fy(d)である.

そこでcospan A−→F C ←−G Bに対してprofunctor Φ(F, G) : A−◦→ Bを Φ(F, G) :=G ⊗F = (Gy)⊗(y◦F)=y(Gy)◦y◦F

(8)

により定義することができる.

Cb

C Bb

A B

F

G Gy

y(Gy)

y y

ここでyが忠実充満よりy(Gy)◦y = Gy となるから結局Φ(F, G)= (Gy)◦F が分 かる.従ってΦ(F, G)(a)=Gy(F a)∼= HomC(G−, F a)となる.

命題 4. Φ : Cospan(A, B)Prof(A, B)は関手となる.

証明. Cospan(A, B)の射H: ⟨F, G⟩ → ⟨K, L⟩ (次の図式を参照)を取る.

D

C

A F G B

K H L

既に見た通りΦ(F, G),Φ(K, L) : A −◦→Bは次で与えられる.

Φ(F, G)(b, a)= HomC(Gb, F a) Φ(K, L)(b, a)= HomC(Lb, Ka) そこでΦ(H)ba: Φ(F, G)(b, a)Φ(K, L)(b, a)を合成

Φ(F, G)(b, a)= HomC(Gb, F a)−→H HomC(HGb, HF a)= Φ(K, L)(b, a) により定義する.これはb∈Ba ∈Aについて自然である.

...

) f: a→ag: b →bとする.次の図式が可換であることを示せばよい.

HomC(Gb, F a) HomC(HGb, HF a)

HomC(Gb, F a) HomC(HGb, HF a)

H

HF f◦−◦HGg F f◦−◦Gg

H

それはH が関手であるから明らか.

これによりΦ : Cospan(A, B)Prof(A, B)は明らかに関手である.

(9)

逆に profunctor P: A −◦→ Bに対して cospan Σ(P) = (A −−→FP CP GP

←−− B)を以下の ように定義することができる.まず圏CP を次により定める.

• Ob(CP) := Ob(A)Ob(B)

• HomCP(u, v) :=











HomA(u, v) (u, v ∈Aのとき) HomB(u, v) (u, v ∈Bのとき)

(u∈A, v ∈Bのとき) P(u, v) (u∈B, v ∈Aのとき)

• 射f: u →vg: v→wの合成g◦f を次で定める.

g◦f :=







g◦f (u, v, w ∈Aのとき) g◦f (u, v, w ∈Bのとき)

P(f,idw)(g) (u, v∈B, w ∈Aのとき.下図参照) P(idu, g)(f) (u∈B, v, w∈Aのとき)

u

v

w f

g gf

Hom(u, w) =P(u, w)

Hom(v, w) =P(v, w)

P(f,idw)

∈∈

A B

関手FP: A CPGP: B CP を自然な埋込で定めれば Σ(P) Cospan(A, B) で ある.

命題 5. Σ : Prof(A, B)Cospan(A, B)は関手となる.

証明. Prof(A, B)の射θ: P Qに対してCospan(A, B)の射Σ(θ) : Σ(P) Σ(Q), 即ち次の図式が可換となるような関手Σ(θ)を定める.

CQ

CP

A FP GP B

FQ GQ

Σ(θ)

そのためには対象a∈Ab∈Bに対して写像Σ(θ) : HomCP(b, a)HomCQ(b, a) をう

(10)

まく定めればよい.HomCP の定義からΣ(θ) := θba: P(b, a) Q(b, a)と定義すること ができる.これによりΣ(θ)は関手になる.

...

) 定義からΣ(θ)(id) = idは明らかである.従ってf: u→vg: v →wとしたと きにΣ(θ)(g◦f) = Σ(θ)(g)Σ(θ)(f)となることを示せばよい.

(i) u, v, w ∈Aまたはu, v, w ∈Bの場合,明らか (ii) u, v∈Bw ∈Aの場合,定義から

Σ(θ)(g◦f) =φuw(g◦f), Σ(θ)(g) =φvw(g), Σ(θ)(f) =f であり,一方φが自然変換だからθuw(g◦f) =θvw(g)◦f が分かる.

P(u, w) Q(u, w)

P(v, w) Q(v, w)

φuw

Q(f,idw) P(f,idw)

φvw

g◦f θuw(g◦f) θvw(g)◦f

g φvw(g)

φuw

Q(f,idw) P(f,idw)

φvw

(iii) u∈Bv, w ∈Aの場合,定義から

Σ(θ)(g◦f) =φuw(g◦f), Σ(θ)(g) =g, Σ(θ)(f) =φuv(f) であり,一方θが自然変換だからθuw(g◦f) =g◦θuv(f)が分かる.

P(u, v) Q(u, v)

P(u, w) Q(u, w)

φuv

Q(idu,g) P(idu,g)

φuw

f θuv(f) g◦θuv(f) g◦f θuw(g◦f)

φuv

Q(idu,g) P(idu,g)

φuw

以上によりΣ(θ)は関手であることが分かった.

これによりΣが関手になることを示す.Σの定義よりΣ(id) = idは明らかである.そこ でθ: P ⇒Qσ: Q⇒Rに対してΣ(σ◦θ) = Σ(σ)◦Σ(θ)を示す.そのためにはa∈Ab∈Bに対して◦θ)ba =σba◦θbaを示せばよいが,それは自然変換の合成の定義であ る.

命題 6. 随伴Σ Φ : Prof(A, B) Cospan(A, B)が成り立つ.更にこれのunitは同 型である.

(11)

証明. 随伴であることを示すため,P Prof(A, B),(A −→F C ←−G B) Cospan(A, B) について自然な全単射

φ: HomCospan(A,B)(Σ(P),⟨F, G⟩)HomProf(A,B)(P,Φ(F, G)) を定義する.

まずprofunctor P: A −◦→Bに対して

Φ(Σ(P))(−,□) = Φ(FP, GP)(−,□)= Hom CP(GP−, FP□) =P(−,□)

だからΦΣ = idである.この自然同型を η: id ΦΣとする.このとき φを,射 H: Σ(P)→ ⟨F, G⟩に対してφ(H) := Φ(H)◦ηP: P Φ(F, G)と定める.Φの定義に より,φ(H)bab∈Ba∈Aに対して合成

P(b, a) = HomCP(GPb, FPa)−→H HomC(Gb, F a)

で与えられる.このφは全単射Hom(Σ(P),⟨F, G⟩)Hom(P,Φ(F, G))を与える.

...

) 単射であることはφ(H)ba の定義から明らかである.よって全射性を示せばよ い.そこでθ: P HomC(G−, F□)を自然変換とする.このときH

• 対象x ∈CP に対してHx:=

( F x (x∈A) Gx (x∈B).

• 射f: u →vに対してHf :=







F f (u, v ∈A) Gf (u, v ∈B) θba(f) (u∈B, v ∈A).

と定義する.このH: CP →C は関手である.

...

)H(id) = idは明らかなのでf: u→vg: v→wとしてH(g◦f) =Hg◦Hf を示す.

(i) u, v, w ∈Aまたはu, v, w ∈Bの場合,明らか (ii) u, v∈Bw ∈Aの場合,定義から



H(g◦f) = θuw(g◦f) Hg = θvw(g)

Hf = Gf

(12)

であり,一方θが自然変換だからθuw(g◦f) =θvw(g)◦Gf である.

Ψ(u, w) HomC(Gu, F w)

Ψ(v, w) HomC(Gv, F w)

θuw

−◦Gf Φ(f,idw)

θvw

g◦f θuw(g◦f) φvw(g)◦Gf

g θvw(g)

θuw

Φ(f,idw) −◦Gf

θvw

(iii) u∈Bv, w ∈Aの場合,定義から



H(g◦f) = θuw(g◦f)

Hg = F g

Hf H = θuv(f)

であり,一方θが自然変換だからθuw(g◦f) =F g◦θuv(f)である.

Ψ(u, v) HomC(Gu, F v)

Ψ(u, w) HomC(Gu, F w)

θuv

F g◦−

Ψ(idu,g)

θuw

f θuv(f)

F g◦θuv(f) g◦f θuw(g◦f)

θuv

F g◦−

Ψ(idu,g)

θuw

以上によりH は関手であることが分かった.

このとき明らかにHFP = FGPH = G だからH は射Σ(P) → ⟨F, G⟩であり,

φ(H) =θである.

このφが自然であることを示す.即ちθ: P ⇒QM: ⟨F, G⟩ → ⟨K, L⟩に対して Hom(Σ(Q),⟨F, G⟩) Hom(Q,Φ(F, G))

Hom(Σ(P),⟨K, L⟩) Hom(P,Φ(K, L))

φ

θ◦−◦Φ(M) Σ(θ)◦−◦M

φ

が可換であることを示す.H: Σ(Q) → ⟨F, G⟩として,まず右回りで送った先を考える と,そのba成分は(θ◦φ(H)◦Φ(M))ba =θba◦φ(H)baΦ(M)ba =θba◦H◦M である.

一方左回りの ba成分は(φ(Σ(θ)◦H ◦M))ba = Σ(θ)ba ◦H◦M = θba ◦H◦M であ る.よって可換性が分かった.

以上によりΣΦである.φの定義よりこの随伴のunitはηであり,これは同型であ る.

(13)

unit が同型だから Σ : Prof(A, B) Cospan(A, B) は忠実充満である (「随伴」の PDFを参照).

次にspan A←−F C −→G Bに対してprofunctor Ψ(F, G) : A−◦→B

Ψ(F, G) :=G⊗F = (yG)(Fy)=∼y(yG)◦Fy =F(yG)

により定まる.ここで各点左Kan拡張の一般論によりy(yG)◦Fy =F(yG)となるか ら結局Ψ(F, G)=F(yG)である.

Cb Bb

A B

C

= =

F G

Fy

y(yG)

y

y

=

Bb

A B

C

=

F G

y F(yG)

命題 7. Ψ : Span(A, B)Prof(A, B)は関手となる.

証明. そのためにSpan(A, B)の射H (次の図式を参照)を取る.

A B

D

C

K L

F H G

Ψ(F, G),Ψ(K, L) : A −◦→ B はΨ(F, G) = F(yG),Ψ(K, L) = K(yL) を満たすので あった.よって左Kan拡張の普遍性により自然変換Ψ(H) : Ψ(F, G) Ψ(K, L)が得ら れる.

A B

Bb

C

=⇒

Ψ(H)

F G

K(yL)

F(yG) y

= A B

Bb

D

C

=

K L

F G

H K(yL)

y

これによりΨが関手となることを示そう.

(14)

まず明らかにΨ(id) = idである.よってΨが合成と交換することを示せばよい.そこ で(A←−F C0 −→G B)−→H (A←−K C1 −→L B)−−→H (A←−S C2 −→T B)をspanの射とすると

A B

Bb

C0

=

Ψ(H ) Ψ(H)

F G

S(yT)

K(yL) F(yG)

y

=

A B

Bb

C1

C0

=

Ψ(H )

K L

F G

H S(yT)

K(yL) y

=

A B

Bb

C2

C1

C0

=⇒

S T

K L

F G

H

H S(yT)

y

=

A B

Bb

C0

=⇒

=

Ψ(HH)

F G

S(yT)

F(yG) y

より普遍性からΨ(H◦H) = Ψ(H)Ψ(H)が分かる.

逆に関手Λ : Prof(A, B) Span(A, B)がΛ :=↓ ◦Σにより定まる.(後にΨΛ が 分かる(命題12))

Span(A, B) Prof(A, B) Cospan(A, B)

Ψ

Λ

Σ

Φ

(15)

profunctor P: A−◦→ Bに対してΛ(P) = (A F

←−−P CP G

−−→P B)と書く.

CP

A B

GP ↓FP

CP

=

FP GP

FP GP

命題 8.CP は以下のようになる.

• Ob(CP) ={⟨a, b, f⟩ |a ∈A, b ∈B, f ∈P(b, a)}

⟨a, b, f⟩,⟨a, b, f⟩ ∈Ob(CP)に対して HomCP(⟨a, b, f⟩,⟨a, b, f) =

(

⟨g, h⟩

g: a→a, h: b →b, P(h, g)(f) =f

)

命題 9. Λ : Prof(A, B)Span(A, B)は忠実充満である.

証明. P, Q∈Prof(A, B)とする.

まず忠実であることを示すため,θ, σ: P ⇒QがΛ(θ) = Λ(σ)を満たすとする.定義 より

CQ

CP

A B

CP

=

= =

FQ GQ

FP GP

FP GP

Σ(θ)

=

CQ

A B

CP CQ

=

= =

FQ GQ

FP Λ(θ) GP

=

CQ

CP

A B

CP

=

= =

FQ GQ

FP GP

FP GP

Σ(σ)

である.よって対象⟨a, b, f⟩ ∈ CP に対してΣ(θ)(f) = Σ(σ)(f)となる.これはθ = σ を意味する.

次に充満であることを示すためH: Λ(P) Λ(Q)とする.θ: P Qを定義しよう.

そのためにb Ba A を取りf P(b, a)とする.このとき⟨a, b, f⟩ ∈ CP だから

(16)

H⟨a, b, f⟩ ∈CQ である.圏CP の定義よりH⟨a, b, f⟩=⟨a, b, θba(f)と書ける.これに より写像θba: P(b, a)→Q(b, a)が定まる.θbab∈Ba ∈Aについて自然である.

...

) g:a →ah: b →bとする.次の図式が可換であることを示せばよい.

P(b, a) Q(b, a)

P(b, a) Q(b, a)

θba

Q(h,g) P(h,g)

θb′a′

f P(b, a)を取り f := P(h, g)(f)とする.このとき⟨g, h⟩: ⟨a, b, f⟩ → ⟨a, b, fCP の射である.故に H⟨g, h⟩: H⟨a, b, f⟩ → H⟨a, b, f CQ の射であり H⟨g, h⟩ = ⟨g, h⟩ である.よって Q(h, g)(θba(f)) = θba(f) = θba(P(h, g)(f)) と なる.

よってθ: P ⇒Qとなる.このときΛ(θ) =H である.

命題 10. ΛΦ=である.

証明. H: (A −→F C ←−G B) (A −→K D ←−L B)Cospan(A, B)の射とする.定義より Λ(Φ(H))は

CQ

A B

CP CQ

=

= =

FQ GQ

FP Λ(Φ(H)) GP

=

CQ

CP

A B

CP

=

= =

FQ GQ

FP GP

FP GP Σ(Φ(H))

で与えられる関手である.ここで

Φ(F, G)= HomC(G−, F−), Φ(K, L)= HomC(L−, K−)

でありΣ(Φ(H))は H: HomC(Gb, F a) HomC(Lb, Ka) により定まる関手である.

(17)

よってΛΦ=である.

命題 11. ⟨L, η⟩F: C →Dに沿ったE: C →U の各点左Kan拡張であるとする.任 意の圏X と関手G: X →Dに対して合成

X D

F ↓G = FC η = U

E L G

P1

P0

は左Kan拡張である.

証明. 任意の関手S: X →U に対して HomUX(LG, S)=

Z

x∈XHomU(LGx, Sx)

= Z

x∈XHomCb(HomD(F−, Gx),HomU(E−, Sx))

= Z

xX

Z

cCop

HomSet(HomD(F c, Gx),HomU(Ec, Sx))

= Z

c,x⟩∈Cop×X

HomSet(HomD(F c, Gx),HomU(Ec, Sx))

= HomProf(X,C)(HomD(F−, G□),HomU(E−, S□))

= HomProf(X,C)(Φ(G, F),Φ(S, E))

= HomSpan(X,C)(Λ(Φ(G, F)),Λ(Φ(S, E))) (命題9)

= HomSpan(X,C)(F ↓G, E↓S) (命題10)

= HomUFG(EP0, SP1) (コンマ圏の普遍性) だからP1(EP0)=LGである.

命題 12. 随伴ΨΛ : Span(A, B) Prof(A, B)が成り立つ.更にこれのcounitは同 型である.

証明. 随伴であることを示すため,(A←−F C −→G B)∈ Span(A, B),P Prof(A, B)に ついて自然な全単射

φ: HomSpan(A,B)(⟨F, G⟩,Λ(P))HomProf(A,B)(Ψ(F, G), P) を定義する.そのためにまず自然同型ε: Ψ(Λ(P))⇒P が存在することを示す.

(18)

...

) 定義よりΨ(Λ(P))= (FP)(y◦GP)である.一方A F

←−−P CP G

−−→P Bはコンマ 圏GP ↓FP として与えられていたから,命題11により GPy◦FPFP に沿った y◦GP の左Kan拡張である.故に自然同型ε: Ψ(Λ(P))⇒P が存在して次の等式が 成り立つ.

A

CP B Bb

=

y FP

GP

Ψ(Λ(P))

=ε

P

=

A CP

CP = B = Bb

∼=

GP

y GPy FP

FP

GP P

H: ⟨F, G⟩ →Λ(P)を射とする.即ちH は次を可換とする関手である.

A B

CP C

FP GP

F H G

このとき自然変換φ(H) : Ψ(F, G)⇒Pφ(H) := ε◦(Ψ(H))で定める.つまりφ(H)

A B

Bb

C

=⇒

ε Ψ(H)

F G

P

Ψ(Λ(P))

F(yG) y

=

A B

Bb

CP C

=⇒

ε

FP GP

F G

H P

Ψ(Λ(P)) y

=

A B

Bb

CP C CP

=⇒

=

FP GP

F G

H P

y FP GP

GPy

により定まる自然変換である.これは全単射φ: Hom(⟨F, G⟩,Λ(P))Hom(Ψ(F, G), P) を与える.

(19)

...

) 単射性は明らかだから全射性を示す.そのためにσ: Ψ(F, G) P を自然変換 とする.このときθ :=σF ◦ηと定義し(次の図式を参照),

Bb

A B

C

σ

η=

F G

y F(yG)

P

H

• 対象c∈C に対してHc:=⟨F c, Gc, θc

• 射f: c→cに対してHf :=⟨F f, Gf⟩

で定義する.これは明らかに関手 H: C CP を定める.また明らかに H は射

⟨F, G⟩ →Λ(P)でありφ(H) =σである.故にφは全射である.

このφ⟨F, G⟩, P について自然であることを示す.そのためにM: ⟨F, G⟩ → ⟨K, L⟩ θ: P ⇒Qとする.

Hom(⟨K, L⟩,Λ(P)) Hom(Ψ(K, L), P)

Hom(⟨F, G⟩,Λ(Q)) Hom(Ψ(F, G), Q)

φ

Ψ(M)◦−◦θ M◦−◦Λ(θ)

φ

が可換であることを示す.

以上により:= ΣΨと定義すれば

Span(A, B) Prof(A, B) Cospan(A, B)

Ψ

Λ

Σ

Φ

より↑ ⊣ ↓となる.従って次の定理を得る.

定理 13. 関手: Cospan(A, B)Span(A, B)は左随伴を持つ.

(20)

Λ,Σが忠実充満だから↑ ⊣ ↓は冪等随伴である(「随伴関手」のPDFを参照).そこで 充満部分圏Comma(A, B)Span(A, B),Cocomma(A, B)Cospan(A, B)を

Ob(Comma(A, B))

:={x Span(A, B)|あるz Cospan(A, B)が存在して(z)=x}, Ob(Cocomma(A, B))

:={x Cospan(A, B)|あるz Span(A, B)が存在して(z)=x} で定義すれば圏同値Comma(A, B)Prof(A, B)Cocomma(A, B)が得られる.

参考文献

[1] Jean Bénabou, Distributors at Work, http://www.mathematik.tu-darmstadt.

de/~streicher/

参照

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