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第2編障がい者基本計画(施策の展開) eikaku dai2hen

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(1)

障がい者基本計画

(2)
(3)
(4)
(5)

本計画では、前計画の「障がいのある人もない人も、ともに生き、その人らしく い

きいきと暮らせるまちをめざして」という基本理念を継承します。

これは、障がいの有無に関わらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社

会の実現という障害者基本法の理念や、障がい者等の自立した日常生活や社会生活の

重要性について理解を深め自然に支え合う「心のバリアフリー」の理念とも共通する

ものであり、今後も恒久的に推進していくこととします。

障がいのある人もない人も、ともに生き、

その人らしく いきいきと暮らせるまちをめざして

基本理念

(6)

基本理念を実現するため、以下の8つの基本目標を掲げ、その推進を図っていきます。

①情報提供、相談支援の充実

障がいの有無にかかわらず、すべての人に等しく情報保障が図られるよう情報提供

やコミュニケーション支援の充実に努めるとともに、誰もが相談しやすい相談支援体

制の充実を図ります。

また、「障害者虐待防止法」に基づく障がい者の虐待防止の推進や成年後見制度の利

用促進などの障がい者の権利擁護を推進します。 →詳しくは76ページ参照

②生活支援サービスの充実

障がい者が、地域で生活していく上で必要な様々な生活支援サービスについて、訪

問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービスの体系ごとに、個々の障がいの

特性などに応じて、その推進を図ります。 →詳しくは86ページ参照

③保健・医療の充実

障がい者が、生涯にわたってその人らしくいきいきと暮らしていくための第一歩と

して、障がいの早期発見および早期対応が重要であることから、障がい者が受診しや

すい環境づくりとあわせて、その推進を図ります。 →詳しくは100ページ参照

④教育・療育の充実

障がいのある子どももない子どもも、ともに生活し学ぶことができる環境づくりを

推進するとともに、一人ひとりの特性や教育ニーズに応じ、幼児期から学童期への一

貫した就学前療育および学校教育の支援体制の充実を図ります。 →詳しくは108ペー

ジ参照

基本目標

(7)

⑤就労支援の充実

障がい者が、一人ひとりの特性や能力に応じて、一般就労や福祉的就労などの多様

な就労の場において、生きがいをもって働くことができる環境づくりの推進を図りま

す。 →詳しくは116ページ参照

⑥スポーツ・レクリエーション、文化活動の充実

障がい者の健康増進や生きがいづくり、QOL(生活の質)の向上を図るとともに

社会参加を促進するため、スポーツ・レクリエーション、文化活動の充実を図ります。

→詳しくは124ページ参照

⑦生活環境の充実

障がい者が、地域で安心・安全に暮らせるよう、障がい者を含むすべての人にやさ

しい公共施設や公共交通機関等のバリアフリー化を推進するとともに、防災・防犯体

制の充実を図ります。 →詳しくは128ページ参照

⑧障がい者理解の推進

障がいのある人もない人も、お互いに尊重し合いながら共生する社会の実現を目指

し、「心のバリアフリー」の理念に基づき、広く市民が障がい者についての正しい理解

(8)

体系図

基本理念

基本目標

①情報提供、相談支援の充実

②生活支援サービスの充実

③保健・医療の充実

④教育・療育の充実

⑤就労支援の充実

⑥スポーツ・レクリエーション、

文化活動の充実

⑧障がい者理解の推進

⑦生活環境の充実

(9)

1.情報提供、コミュニケーション支援の充実

2.相談支援の充実

3.権利擁護の推進

1.訪問系サービスの充実

2.日中活動系サービスの充実

3.居住系サービスの充実

4.その他の生活支援の充実

1.障がいの早期発見・早期対応、発生予防

2.受診しやすい環境づくりの推進

1.就学前療育の充実

2.学校教育の充実

1.一般就労支援の充実

2.福祉的就労支援の充実

1.スポーツ・レクリエーション、文化活動

の充実

1.交通・公共施設などのバリアフリー化の推進

2.防災・防犯対策の充実

1.啓発・交流の推進

2.福祉教育の推進

①相談支援の充実

②サービス支援の

充実

③就労支援の充実

基本施策

3つの重点課題

(10)

平成18年に施行された「障害者自立支援法」において、「障がい者の福祉サービスを

一元化」してサービスを障がいの種別に関わらず提供すること、「障がい者がもっと働

ける社会」にすること、「公平なサービス利用のための手続きや基準の透明化、明確化」

などが改革のポイントとして掲げられたことから、本市では、これらに対応するため

「相談支援」、「サービス支援」、「就労支援」の3つを特に重要な課題として位置づけ

ることとしました。

このような考えから、同法による新たな制度・サービスへの円滑な移行などを推進

していくため、平成20年1月に、市内の障がい者団体などの当事者や障がい福祉サー

ビス事業所・施設、相談支援・就労支援の事業所、行政機関など、障がい者を取り巻

く様々な関係者により構成する「市原市障がい者自立支援協議会」を設置し、また、

同年8月には、同協議会の下部組織として「相談支援部会」「サービス支援部会」「就

労支援部会」の3つの専門部会を設置し、それぞれの部会において障がい当事者など

の関係者への聞き取り調査などを通じてニーズや課題整理等の取り組みを行ってきま

した。

本計画では、これらの取り組みの成果をもとに、以下の3つの重点課題を中心に、

その課題解決に向けた取り組みを推進していくこととします。

3つの重点課題

重点課題① 相談支援の充実

重点課題② サービス支援の充実

重点課題③ 就労支援の充実

3つの重点課題

(11)

【これまでの現状把握・課題抽出の経過】

市原市障がい者自立支援協議会(相談支援部会)において、相談支援に関する現状

把握や課題について検討を重ねた結果、現在は行政や各障がい者施設、相談支援事業

所などがそれぞれ個別に相談支援を行っており連携が不十分であること、また、その

ために障がい者にとっては「どこに相談したらよいかわからない」といった大きな課

題があることを確認し、この課題解決のための方策として、障がいに関するあらゆる

相談に対応し、必要に応じてそれぞれの専門機関につなぐような機能を持つ「総合相

談窓口」の設置について検討を進めてきました。

まず、総合相談窓口について、障がい者団体や相談支援事業所、入所施設等を対象

にしたアンケートや意見交換会などを行った結果、主に以下のような意見が挙げられ

ました。

・期待する役割としては、一か所ですべての相談内容を受付し、状況によって専

門機関へ紹介することのできる相談員の配置を希望する声が多く挙がった。

・一か所に相談が偏らないような振り分け機能を持たせ、市内事業所の相談支援

レベルを均一に底上げする研修や情報交換の場を継続実施すべきとの意見があ

った。

・設置場所は公共施設が望ましく、必ずしも 24 時間対応の必要はないものの、管

理者には市の職員を配置するなど、市が責任をもって対応してほしいとの意見

があった。

・また、利用者本位の窓口となってほしいとの要望もあった。

以上のような関係者の意見等をもとに、同部会で検討を重ねた結果、現在までに次

のような方向性を確認しました。

相談支援の充実

(12)

・行政が主体性を持って対処するという考え方を念頭に、民間事業者の専門性を

活用しながら融合を図り、3障がいの専門性を有する職員を配置した基幹相談

支援センターを開設する方向で検討していく。

・同センターでは、すべての相談に対応するのではなく、地域の相談機関と連携

し、きちんとつないでいくことが大切で、地域の相談機関では抱えきれない困

難ケースについては、個別支援会議を開催するなどそのフォローにあたる。

・実施方法等としては、民間に事業委託するにしても公の場に設置することが望

ましく、必ずしも 24 時間対応という必要はなく、緊急時に連絡が取れるしくみ

とする。

一方、国においても「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保

健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律

の整備に関する法律」による「障害者自立支援法」の改正により、基幹相談支援セン

ターの設置が示され、正にこれまで同部会で検討を進めてきた総合相談窓口の考え方

が初めて法律にうたわれる形となりました。

【本計画における取り組みの方向】

・障がい種別を問わず様々なニーズに応じた、だれもが相談しやすい相談支援の実

現に向けて、福祉だけでなく医療・教育・就労など様々な関係者による基幹型の

(13)

【これまでの現状把握・課題抽出の経過】

市原市障がい者自立支援協議会(サービス支援部会)において、サービス支援に関

する課題について、訪問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービスの3つの

サービス体系に分け、それぞれ障がい者団体や関係事業所等の聞き取りなどを通じて、

その検討を行った結果、以下のような課題を確認しました。

<訪問系サービス>

・介護保険サービスを主として実施している居宅介護事業者が障がい福祉サービ

スの事業へ参入するケースが多く、ヘルパーの各障がい特性への理解が不十分

であることから、支援の継続につながりにくい。

・医療など他分野との連携や、行政・他事業所との連携が不十分。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

<日中活動系サービス>

○ 障がい者に関する課題

・特に精神障がい者の日中活動の場が不足している。

・通所のための交通手段の支援が必要。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

○ 障がい児に関する課題

・療育関係の事業所が少なく、また連携が不足している。

・保護者にとって身近な相談場所がない。

・一貫した支援体制の推進(いちはら相談支援ファイル「スクラム」の今後の活

用)。

サービス支援の充実

(14)

<居住系サービス>(特にグループホームについて)

・グループホーム等に対する不安(管理体制、生活支援、緊急時の体制等)が大

きく、利用の足かせとなっている。

・グループホーム等の開設にあたり、整備費用の負担が大きい一方で国県の整備

補助が不十分であることや、関係法令の規制が多いなど、課題が多い。

・施設入所の希望者が多く、それに関連して短期入所の空きが常に少なくなって

しまっている状況にある。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

【本計画における取り組みの方向】

・障がい者が地域で生活していく上で必要なサービス支援について、訪問系サービ

ス、日中活動系サービス、居住系サービスの体系ごとにその充実を図っていきま

す。

・訪問系サービスにおいては、各障がい特性に応じたヘルパーの養成やネットワー

クの構築を図り、サービス支援体制の充実を目指します。

・日中活動系サービスにおいては、各障がい種別(特に精神など)に応じた日中活

動の場の確保を目指します。

・居住系サービスにおいては、グループホーム等に対する利用者の不安解消に向け

た取り組みを推進し、その利用促進を目指します。

・また、それぞれのサービスに共通する課題である、ケアマネジメント的支援の実

(15)

【これまでの現状把握・課題抽出の経過】

市原市障がい者自立支援協議会(就労支援部会)において、障害者就業・生活支援

センターを中心としたハローワークなどの関係機関との就労支援ネットワークの構築

に向けた検討を進め、以下のようなネットワークを構築しました。

就労支援の充実

重点課題③

ハローワーク 商工会議所 地域障害者職業センター

健康福祉センター 保健センター

医療機関 特別支援学校

高等技術専門校

雇用関係

医 療 教 育

地域活動支援センター

就労継続支援事業所 就労移行支援事業所

生 活

障 害 者就業・生活支援 センター

※雇用関係部門、生活部門、医療部門、教育部門がネットワークを通じて連 携されています。そのネットワークの中心に、本人(相談者)がいます。就労 を希望する相談者を雇用部門の機関である障害者就業・生活支援センター を核とする就労支援ネットワークにより一般就労へ導きます。

地 域 障 害者職業センター

障 害 者 高等技術専門校 就 労 移 行支援事業所 就 労 継 続支援事業所

一 般 就 労 ハ ローワーク 特 別 支 援学校

福 祉 施 設

障 害 者 就業・生活支援センター

就労支援ネットワークイメージ図( 全体図 )

(16)

一方で、障がい者団体、相談支援事業所、就労支援事業所等を対象に、就労に関す

るアンケートを実施しました。

このアンケート結果の中で、「就労に向けてどのような取り組みを行うべきか」とい

うテーマに対し、特に以下のような回答が多いという調査結果が得られ、主な課題と

して確認しました。

・障がい者を対象とした職業相談・職業紹介の充実

・市役所や民間企業での就労体験・職場実習の充実

・障がい者の特性に応じた就労形態の検討

・事業主や職場に対し障がい者雇用についての理解を求める啓発活動

【本計画における取り組みの方向】

・障がい者一人ひとりの特性や能力に応じた、一般就労や福祉的就労などの多様な

就労の促進を図り、障がい者の社会参加を促進します。

・一般就労については、上記就労支援ネットワークの連携強化を図るとともに、就

労定着支援の充実および一般就労への移行に向けた支援の充実を目指します。

・福祉的就労については、一般就労が困難な障がい者などその特性や能力に応じて、

働くことができる環境づくりや日中活動・生きがいづくりの場の確保と利用促進

(17)
(18)
(19)

基本目標①

(20)

【現状と課題】

本市では、市民への情報提供手段の核となる市広報紙「広報いちはら」および市ウ

ェブサイトを中心に、広報紙の内容を音声で提供する「声の広報」事業の実施や市ウ

ェブサイトのアクセシビリティの向上を図るなど、障がい者を含むすべての市民にや

さしい情報提供に努めるとともに、手話通訳者や要約筆記者の派遣事業などの実施に

より、聴覚障がい者などのコミュニケーション支援を必要とする方への支援の充実に

努めてきました。

前計画において関連指標として掲げた「手話通訳派遣回数」については、平成17年

度の実績値384回に対し目標値を500回と設定していたところ、平成22年度実績値で453

回となっており、おおむね目標値に近い達成状況であったとともに、派遣回数が年々

増加していることから、今後もさらなる派遣体制の拡充が求められています。

市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「福祉に関する情報を得

る手段」という設問については、「市の広報等」と答えた方が全体で42. 1%と最も多か

った一方で、各障がい別にみると、知的障がい者では、上記回答と並んで「福祉関係

施設」( 34. 2%) 、「市役所等」( 33. 1%) と答えた方が多く、また精神障がい者では、「病

院等の医療機関」( 37. 6%) と答えた方が最も多いなど、各障がいの特性により傾向が異

なりました。

〔アンケート結果〕福祉に関する情報を得る手段

3障がい計 身体 知的 精神

1位

市の広報等 (42. 1%)

市の広報等 (44. 0%)

市の広報等 (39. 3%)

病院等の医療機関 (37. 6%)

2位

テレビ等 (27. 3%)

新聞・雑誌等 (28. 4%)

福祉関係施設 (34. 2%)

市役所等 (30. 4%) 3位

新聞・雑誌等 (27. 1%)

テレビ等 (27. 7%)

市役所等 (33. 1%)

市の広報等 (27. 3%)

また、「情報収集での困りごと」という設問では、全体で、「特に困っていない」と

答えた方が32. 0%と最も多かった一方で、「どこに問合せたらよいかわからない」と答

えた方が28. 9%と比較的高い数字を示し、3障がいでおおむね同様の傾向が見られま

した。

以上の結果から、情報をどのように得ていいかわからないという課題が見受けられ

るものの、本アンケートでは各障がいの特性などによる詳しい実態までは把握しきれ

なかったことから、今後、誰にもわかりやすい情報提供についてのさらなる検討が求

められます。

情報提供、コミュニケーション支援の充実

(21)

一方、国においても、平成23年8月に障害者基本法の改正を行い、「言語(手話を含む)

その他の意思疎通のための手段」の確保や「障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派

遣」などが改めて明文化されるなど、その推進が求められています。

【施策の方向】

○ 誰にもわかりやすい情報提供の推進

・障がいの有無にかかわらず、すべての人に等しく情報保障が図られるよう、障がい

者にとって主な情報収集手段となっている市広報紙や市ウェブサイトによる情報提

供の充実を図るとともに、個々の障がい種別の特性に応じた情報提供方法の工夫や

拡充に努めます。

○ 情報・コミュニケーション支援の充実

・聴覚障がい者や視覚障がい者など、特に情報・コミュニケーション支援を必要とす

る方への支援の拡充を図ります。

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

市ウェブサイトの

アクセシビリティ

の向上

市ウェブサイトについて、編集に係る研修など

を通じて、だれもが利用しやすく情報を得やすい

アクセシビリティの向上に努めます。

広報広聴課

障 が い 特 性 に 応 じ

た 情 報 提 供 方 法 の

改善・向上

自立支援協議会を中心に、個々の障がい種別の

特性に応じた情報提供方法の改善・向上に向けた

具体的な課題・ニーズ調査などの検討を行ってい

きます。

障がい者支援課

視覚障がい者への

情報・コミュニケー

ション支援の充実

市広報紙の声の広報事業や録音図書の貸出事業

の実施などにより、視覚障がい者への情報・コミ

ュニケーション支援の充実を図ります。

障がい者支援課 広報広聴課 中央図書館

聴覚障がい者への

情報・コミュニケー

ション支援の充実

手話通訳・要約筆記者の派遣・養成やテレビ相

談システムの充実などにより、聴覚障がい者への

情報・コミュニケーション支援の充実を図ります。

(22)

指 標

現 状

(平成 23 年度)

挑戦値

(平成 29 年度)

情報収集について困っていることのない障がい者

の割合

32.0% 36.5 %

(挑戦値の考え方)

・総合計画において「市の情報を必要なだけ入手できていると思う人の割合」という指標を掲げてい ることから、障がい者においてもこれと同じ水準まで引き上げることを目標とします。

(23)

【現状と課題】

本市では、障がい者支援課において様々な障がいに関する相談に対応している一方

で、市内には民間の指定相談支援事業所として「市原地域生活支援センターはばたき」

「ふる里学舎」「太陽の丘ホーム」があり、それぞれ精神・知的・身体障がいを中心と

した相談支援を行っています。

また、県による事業として、中核地域生活支援センター「いちはら福祉ネット」に

おいて福祉に関する様々な相談支援を行っており、また、障がい者の差別に関する相

談窓口として市原健康福祉センターに広域専門指導員が配置されています。そのほか

にも、地域相談員や身体・知的障害者相談員などが活動しています。

市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「特に力を入れてほしい

施策」について、「相談支援体制の充実」と答えた方は、3障がい全体で19. 8%と比較

的高い数字を示し、特に知的障がい者(27. 6%)、精神障がい者(24. 7%)で高い数字を

示しました。

「相談者・場所」としては、1位「家族」(61. 3%)と3位「市役所」( 20. 8%) につい

ては3障がい共通の傾向がみられましたが、2位の回答は、身体障がい者では「友人・

知人」(26. 3%)、知的障がい者では「福祉施設等」( 24. 9%) 、精神障がい者では「医療

機関」( 34. 0%) 、と各障がいの特性により傾向が異なりました。

〔アンケート結果〕相談者・場所

3障がい計 身体 知的 精神

1位 家族 (61. 3%)

家族 (62. 3%)

家族 (54. 9%)

家族 (58. 8%) 2位

友人・知人 (24. 2%)

友人・知人 (26. 3%)

福祉施設等 (24. 9%)

医療機関 (34. 0%) 3位

市役所 (20. 8%)

市役所 (21. 2%)

市役所 (23. 3%)

市役所 (22. 2%)

「相談についての困りごと」としては、「どこに相談したらよいかわからない」と答

えた方が19. 3%と比較的高い数字を示し、3障がいでおおむね同様の傾向が見られま

した。

一方、これまで、市原市障がい者自立支援協議会(相談支援部会)において、障が

い者団体や指定相談支援事業所、入所施設等を対象にしたアンケートや意見交換会な

どを行い、総合相談窓口の設置についての検討を進めてきたところであり、現在まで

に次のような方向性を確認しました(※ 詳しくは 67 ページ参照)。

相談支援の充実

(24)

・行政が主体性を持って対処するという考え方を念頭に、民間事業者の専門性を

活用しながら融合を図り、3障がいの専門性を有する職員を配置した基幹相談

支援センターを開設する方向で検討していく。

・同センターでは、すべての相談に対応するのではなく、地域の相談機関と連携

し、きちんとつないでいくことが大切で、地域の相談機関では抱えきれない困

難ケースについては、個別支援会議を開催するなどそのフォローにあたる。

・実施方法等としては、民間に事業委託するにしても公の場に設置することが望

ましく、必ずしも 24 時間対応という必要はなく、緊急時に連絡が取れるしくみ

とする。

また、国においては、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保

健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律

の整備に関する法律」による「障害者自立支援法」の改正により、基幹相談支援セン

ターの設置、サービス等利用計画作成対象者の拡大に向けた指定特定相談支援事業者

および地域移行支援・地域定着支援を行う指定一般相談支援事業者の設置等が示され

るとともに、自立支援協議会が初めて法律上に位置づけられました。

これにより、これまで市原市障がい者自立支援協議会(相談支援部会)において検

討を進めてきた総合相談窓口の考え方が、初めて国においても法律にうたわれ、財源

的な措置が未整備であるものの適正な制度化に一歩前進したことから、今後はその具

現化に向けた取り組みが求められます。

【施策の方向】

○ 基幹型の相談支援体制の構築

・障がい種別等を問わず様々なニーズに応じた総合的な相談支援の実現に向けて、現

在、指定相談支援事業を運営している各障がい種別に対応した3か所の指定相談支

援事業所を中心とした、福祉だけでなく医療・教育・就労など様々な関係者による、

基幹型の相談支援体制の構築を目指します。

○ 相談支援体制の充実

・自立支援協議会との協働により、各相談支援業務従事者を対象としたスキルアップ

(25)

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

基幹型の相談支援

体制の構築

こ れ ま で 相 談 支 援 部 会 に お い て 検 討 を 行 っ て き

た総合相談窓口の設置について、障害者自立支援法

の 改 正 に よ る 新 た な 基 幹 相 談 支 援 セ ン タ ー と し て

の位置づけを含めて、その具現化に向けた検討を進

めます。

障がい者支援課

相談支援に関する

支援体制の充実

自立支援協議会を中心に、各相談支援業務従事者

を 対 象 と し た ス キ ル ア ッ プ 研 修 会 や 事 例 検 討 会 を

実施するとともに、相談支援のネットワークづくり

の推進を図ります。

障がい者支援課

自立支援協議会の

機能の拡充

本 市 の 障 が い 者 施 策 に 関 す る 様 々 な 課 題 に つ い

て広く検討・研究等を進めていくため、同協議会に

おける専門部会活動などの機能の拡充を図ります。

障がい者支援課

指 標

現 状

(平成 23 年度)

挑戦値

(平成 29 年度)

相談について困っていることのある障がい者

の割合

49.4% 32.0%

(挑戦値の考え方)

・障がい者を対象に実施した過去のアンケート結果によると、指標の数値は着実に改善されてきてい ることから、今後も同じ割合で改善していくよう挑戦値を設定し、引き続き施策の推進を図ります。

(26)

【現状と課題】

本市における権利擁護に関する相談窓口としては、県による事業として、福祉に関

する様々な相談支援を行う中核地域生活支援センター「いちはら福祉ネット」、障がい

者の差別に関する相談窓口として市原健康福祉センターに「障がいのある人もない人

も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」に基づく広域専門指導員が配置されています。

中核地域生活支援センター「いちはら福祉ネット」の事業報告(平成22年度実施分)

では、権利擁護ケースとして相談に応じた件数が592件あり、これは全体の9. 9%を占

め、前年度に比べて1. 1%の増となっています。また、具体的な内容としては、親兄弟

からの金銭搾取、身体的暴力、ネームロンダリングなど、司法などと連携し調整する

必要のあるものが多く、解決までには非常に時間を要する困難ケースが多いとの報告

があがっています。

市原健康福祉センターの広域専門指導員の相談活動実施状況報告書(平成22年度実

施分)では、差別を受けたという分野として、「福祉サービス」が17. 7%、「労働者の

雇用」が11. 7%、「医療」、「商品・サービス」がそれぞれ10. 4%、「教育」が6. 9%、「そ

の他」が24. 7%となっており、「その他」の内容としては、虐待や隣人・家族に差別的

な言動を受けたといったものになっています。

市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「差別や疎外感を感じた

ことがある」と答えた方は 25. 1%と、平成 18 年度実施時の 27. 4%からは減少してい

るものの、いまだ比較的高い数字を示し、特に知的障がい者(34. 2%)、精神障がい者

(36. 1%)で高い数字を示しました。

「どのようなときに差別や疎外感などを感じたか」では、「差別用語を使われた」と

答えた方が26. 0%とどの障がい種別においても最も多く、障がい別にみると、知的障

がい者では「受診や治療を断られた、または嫌がられた」(23. 9%)、精神障がい者で

は 「 希 望 す る 仕 事 に 就 け な か っ た 」( 21. 4% )、「 障 が い を 理 由 に 退 職 を 迫 ら れ た 」

(21. 4%)と答えた方が他の障がいに比べて突出して多く、各障がいの特性により傾

向が異なりました。

「障害者虐待防止法」については、障がい者においては、「知らなかったが関心があ

る」( 51. 4%) 、「知らなかったし、関心もない」( 18. 2%) を合わせ、69. 6%の方がその存

在を知らないという結果であり、一般市民においては、「知らなかったが関心がある」

(58. 6%)、「知らなかったし、関心もない」(19. 2%)を合わせ、77. 8%の方がその存

在を知らないと答えており、障がい者よりもさらに認知度が低いという結果を示しま

した。

権利擁護の推進

(27)

「成年後見制度」については、「知らなかった」( 36. 4%) 、「知っているが、利用する

必要があるかよくわからない」( 18. 8%) を合わせると、55. 2%の方が認知不足という結

果で、知的障がいおよび精神障がいでおおむね同様の傾向がみられました。

一方、国においては、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する

法律(障害者虐待防止法)」が制定(平成 24 年 10 月施行予定)され、同法により、市

町村には障がい者虐待に関する通報窓口や相談等を行う障がい者虐待防止センターと

しての機能が求められることとされました。

また、障害者権利条約の批准に向けた「障害者基本法」の改正が行われたとともに、

「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すま

での間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律」

により、「成年後見制度利用支援事業」が地域生活支援事業の中でこれまでの任意事業

から必須事業に格上げされました。

【施策の方向】

○ 障がい者虐待防止の推進

・障がい者虐待の防止を推進するため、市役所内に障がい者虐待防止センターの機能

を新たに設置し、中核地域生活支援センターや市原健康福祉センターに配置されて

いる広域専門指導員等との協働により相談支援体制のネットワークづくりの推進を

図ります。

○ 成年後見制度の推進

・成年後見制度について、その利用が困難な方への支援の充実を図るとともに、その

さらなる利用の促進を図るため啓発・周知に努めます。また、判断能力が不十分な

方等が安心して地域生活を送れるように、千葉県社会福祉協議会が実施している日

常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)について、より身近で迅速に対応で

きる環境を整えるため、市社会福祉協議会による単独実施に向けて、同協議会と連

(28)

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

権利擁護の体制

づくりについて

の検討

自立支援協議会において、権利擁護部会の設置の

検討を含め、権利擁護(成年後見を含む)について

の研究・検討を行います。

障がい者支援課

虐待防止相談支援

体制の構築

市役所内に障がい者虐待防止センターの機能を

設置し、中核地域生活支援センターや、市原健康福

祉センターに配置されている広域専門指導員等と

の連携により、相談支援体制の構築を図ります。

障がい者支援課

成年後見制度の

啓発および利用

支援

成年後見制度の周知を図るとともに、申立てや利

用が困難な方に対し、市長申し立てや申し立て費用

および成年後見人報酬の助成などの支援を行い、そ

の利用促進を図ります。

障がい者支援課

日常生活自立支援

事 業 ( 地 域 福 祉 権

利擁護事業)

の充実

判断能力が不十分な方等を対象に福祉サービス

利用や金銭管理等の支援を行う同事業について、よ

り身近で迅速に対応できる環境を整えるため、市社

会福祉協議会による単独実施に向け、同協議会と連

携して取り組みます。

市社会福祉協 議会

(保健福祉課)

指 標

現 状

(平成 23 年度)

挑戦値

(平成 29 年度)

知的障がい者または精神障がい者のうち、成年後見

制度について知っている人の割合

33.7% 73.3%

(挑戦値の考え方)

・知的障がい者または精神障がい者のうち、将来的に成年後見制度を利用する可能性が比較的高いと 考えられる重度および中度の人のすべてが成年後見制度について知っているという状態を目指し ます(挑戦値は、平成24年4月1日現在の知的・精神障がい者数に占める○A・A1・A2・B1の 知的障がい者数および1級・2級の精神障がい者数の割合としました)。

(29)

基本目標②

(30)

【現状と課題】

現在、市内には、居宅介護や重度訪問介護などの訪問系サービスを行う事業所が41

か所あり、それぞれ在宅における様々な支援を行っているところであり、本市では、

精神障がい者ホームヘルプ従事者講習会およびフォローアップ研修を実施するなど、

個々の障がい者の特性に応じたホームヘルパーの育成に努めてきました。

これまで、市原市障がい者自立支援協議会(サービス支援部会)において、本市に

おける訪問系サービスについての現状把握や課題整理の検討を進めてきたところであ

り、障がい者団体などの障がい当事者や関係事業所等を対象としたネットワークミー

ティングの開催によるニーズ・課題の聞き取り調査などを行った結果、以下のような

課題を確認しました(※ 詳しくは 69 ページ参照)。

・介護保険サービスを主として実施している居宅介護事業者が障がい福祉サービ

スの事業へ参入するケースが多く、ヘルパーの各障がい特性への理解が不十分

であることから、支援の継続につながりにくい。

・医療など他分野との連携や、行政・他事業所との連携が不十分。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

また、市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「訪問系サービス

利用の満足度」については、「やや不満」( 11. 4%) 、「不満」( 9. 5%) を合わせて 20. 9%

に対し、「満足」( 17. 1%) 、「ほぼ満足」( 35. 2%) を合わせて 52. 3%となっています。

「今後利用したいサービス」では、「訪問系サービス」と答えた方は全体で10. 2%と、

他に比べて高い数字を示しました。

一方、国においては、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保

健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律

の整備に関する法律」による「障害者自立支援法」の改正により、相談支援体制の拡

充の一環として、障がい福祉サービスの支給決定プロセスの見直しが行われ、サービ

ス等利用計画作成の対象者を平成 24 年度から段階的に拡大し、平成 26 年度までにす

べての障がい者について実施する方針が示されました。

訪問系サービスの充実

(31)

このように、ホームヘルパーの各障がい特性への理解の促進がまだまだ必要である

とともに、国の支給決定プロセスの見直しを踏まえた、よりよいサービス提供体制お

よびケアマネジメント的な支援の実現に向けた取り組みが求められています。

【施策の方向】

○ 障がい特性に対応したホームヘルパーの養成

・訪問系サービスに係るサービス提供体制の向上を図るため、各障がい(特に精神障

がいや発達障がいなど)の特性に対応した研修・学習会などを開催し、ホームヘル

パーの養成を図ります。

○ 訪問系サービスに係るネットワークづくり

・入所施設や病院(特に重症心身障がい者や精神障がい者など)からの地域生活への

移行に伴い、相談・医療などとともに訪問系サービスの必要性が高まるため、これ

らの関係機関と連携してサービス提供できるしくみづくりを検討します。

○ ケアマネジメント的支援の実現に向けた取り組み

・訪問系サービスのスムーズな利用のためのケアマネジメント的支援の実現に向けた

サービス等利用計画作成制度の拡大を進めるため、市内の指定相談支援事業所や関

係機関等へ働きかけ、相談支援専門員の確保ならびに体制づくりを推進するととも

に、市の指定を受けサービス等利用計画の作成(計画相談支援)を行う指定特定相

談支援事業者について、市内法人等を中心に必要な数の確保に努めます。

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

障 が い 特 性 に 対 応

し た ホ ー ム ヘ ル パ

ーの養成

精 神 障 が い 者 ホ ー ム ヘ ル プ 従 事 者 講 習 会 お よ び

フォローアップ研修を実施するとともに、自立支援

協議会を中心に、各障がい特性についての勉強会や

実習などを実施し、ホームヘルパーの養成に係る取

り組みの強化を図ります。

障がい者支援課

訪 問 系 サ ー ビ ス に

係 る ネ ッ ト ワ ー ク

づくりの検討

自立支援協議会を中心に、訪問系サービスについ

て、相談・医療などの関係機関と連携してサービス

提供できるしくみづくりを検討します。

(32)

名 称 内 容 担当部署

サ ー ビ ス 等 利 用 計

画 作 成 制 度 の 拡 大

に向けた体制整備

自立支援協議会を中心に、国の支給決定プロセス

の 見 直 し に よ る サ ー ビ ス 等 利 用 計 画 作 成 制 度 の 拡

大 に 向 け た 課 題 等 に つ い て の 検 討 を 進 め る と と も

に、その体制整備に努めます。

障がい者支援課

(その他の関連事業:障害者自立支援法に基づく訪問系サービス事業、地域生活支援事業

による移動支援事業など)

→「第3編 障がい福祉計画(サービス見込量)」における「訪問系サービス」の見込

(33)

【現状と課題】

現在、市内には、日中活動系サービスを担う事業所として、生活介護事業所が14か

所、自立訓練(生活訓練)事業所が1か所、就労移行支援事業所が1か所、就労継続

支援(B型)事業所が6か所、児童デイサービス事業所が7か所、知的障害者通所更

生施設等の旧法施設が4か所、短期入所施設が10か所あり、それぞれ個々の障がい者

の特性に応じた様々な活動や支援を行っています。

本市では、日中活動系サービスの適切な場の確保を図るため、各事業所の障害者自

立支援法による新体系サービスへの移行を推進してきたところであり、その結果、市

内のすべての施設が新体系サービスへの移行を完了しました。

これまで、市原市障がい者自立支援協議会(サービス支援部会)において、本市に

おける日中活動系サービスについての現状把握や課題整理の検討を進めてきたところ

であり、障がい者団体などの障がい当事者や関係事業所等を対象としたネットワーク

ミーティングの開催によるニーズ・課題の聞き取り調査などを行った結果、以下のよ

うな課題を確認しました(※ 詳しくは69ページ参照)。

・特に精神障がい者の日中活動の場が不足している。

・通所のための交通手段の支援が必要。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

また、市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「日中の過ごし方」

について、身体障がい者の 18 歳∼59 歳では、一般就労(アルバイト含む)に就いて

いる方が 40. 4%と最も高く、次いで「主に自宅にいる(働いていない)」が 40. 0%と

続きました。

知的障がい者の 18 歳∼59 歳では、福祉施設に通所している方が 48. 2%と最も高く、

施設入所(13. 5%)を合わせると 61. 7%と他の選択肢に比べ突出して高い数字を示し

ました。

精神障がい者の18歳∼59歳では、「主に自宅にいる(働いていない)」が50. 0%と他

の選択肢に比べ突出して高い数字を示しました。

日中活動系サービスの充実

(34)

〔アンケート結果〕日中の過ごし方

身体(18∼59歳) 知的(18∼59歳) 精神(18∼59歳)

1位

一般就労(アルバイ ト含む)(40. 4%)

福祉施設に通所 (48. 2%)

主に自宅にいる (50. 0%) 2位

主に自宅にいる (40. 0%)

一般就労(アルバイ ト含む)(17. 6%)

福祉施設に通所 (16. 9%) 3位

福祉施設に通所 (7. 7%)

施設に入所 (13. 5%)

一般就労(アルバイ ト含む)(13. 4%)

「今後利用したいサービス」では、特に精神障がい者では、「就労移行・継続支援」

( 17. 0%) 、「生活介護・自立訓練」( 13. 9%) 、「地域活動支援センター」( 10. 8%) が上位を

占め、他の障がいに比べて日中活動系サービスの利用意向が高いという結果が得られ

ました。

〔アンケート結果〕今後利用したいサービス

3障がい計 身体 知的 精神

1位

訪問系サービス (10. 2%)

訪問系サービス (11. 0%)

短期入所 (21. 4%)

就労移行・継続支援 (17. 0%)

2位

施設入所支援 (9. 5%)

施設入所支援 (8. 6%)

施設入所支援 (21. 4%)

生活介護・自立訓練 (13. 9%)

3位

生活介護・自立訓練 (8. 9%)

生活介護・自立訓練 (8. 5%)

就労移行・継続支援 (16. 7%)

訪問系サービス (12. 9%) 4位

就労移行・継続支援 (8. 7%)

短期入所 (7. 4%)

グループホーム等 (16. 3%)

地 域 活 動 支 援 セ ン ター(10. 8%)

このように、各障がい種別(特に精神障がい)に応じた日中活動の場の確保が必要

であるとともに、日中活動系サービスの利用においても、国の支給決定プロセスの見

直しによるケアマネジメント的な支援の実現に向けた取り組みが求められています。

【施策の方向】

○ 各障がい種別に応じた日中活動の場の確保に向けた検討

・地域活動支援センターⅢ型事業所への運営支援などにより日中活動系サービスの適

正な実施を推進するとともに、利用者への交通費の助成などによりその利用促進を

図ります。

・また、各障がい種別(特に精神障がい)に応じた日中活動の場の確保に向け、その

実態やニーズの把握および必要な取り組みについての検討を進めます。

○ ケアマネジメント的支援の実現に向けた取り組み

・日中活動系サービスのスムーズな利用のためのケアマネジメント的支援の実現に向

けたサービス等利用計画作成制度の拡大を進めるため、市内の指定相談支援事業所

や関係機関等へ働きかけ、相談支援専門員の確保ならびに体制づくりを推進すると

ともに、市の指定を受けサービス等利用計画の作成(計画相談支援)を行う指定特

(35)

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

各障がい種別に

応じた日中活動の

場の確保に向けた

検討

自立支援協議会を中心に、各障がい種別(特に精

神など)に応じた日中活動の場の確保に向け、その

実態やニーズの把握および必要な取り組みにつ い

ての検討を進めます。

障がい者支援課

地 域 活 動 支 援 セ ン

タ ー の 運 営 安 定 化

などの支援

福 祉 的 就 労 の 場 と な る 事 業 所 の 中 で も 経 営 基 盤

が脆弱な地域活動支援センター(Ⅲ型)事業所に対

し、運営の安定化を図るため、運営費や家賃の補助、

重度加算を実施し支援を図ります。

また、地域活動支援センターから就労継続支援事

業などへの移行に向けた相談・助言に努めます。

障がい者支援課

通 所 施 設 利 用 者 へ

の交通費の助成

市 福 祉 作 業 所 や 民 間 通 所 施 設 に 通 所 す る 利 用 者

に対し、通所に要する交通費の助成を行い、利用促

進を図ります。

障がい者支援課

サ ー ビ ス 等 利 用 計

画 作 成 制 度 の 拡 大

に向けた体制整備

(※ 再掲)

自立支援協議会を中心に、国の支給決定プロセス

の見直しによるサービス等利用計画作成制度の 拡

大に向けた課題等についての検討を進めるとと も

に、その体制整備に努めます。

障がい者支援課

(その他の関連事業:障害者自立支援法に基づく日中活動系サービス事業、地域生活支援

事業による地域活動支援センター事業および日中一時支援事業など)

→「第3編 障がい福祉計画(サービス見込量)」における「日中活動系サービス」の

(36)

【現状と課題】

現在、市内には、施設入所支援を行う施設が7か所あり、それぞれ個々の障がい者

の特性に応じた様々な支援を行っています。

また、共同生活援助(グループホーム)が29か所、共同生活介護(ケアホーム)が

26か所あり、一人ひとりの障がい者の特性や個性に応じた住まいの場でそれぞれ生活

を送っています。

このグループホーム等に関して、県の事業として、中核地域生活支援センター「い

ちはら福祉ネット」内に障害者グループホーム等支援ワーカーが配置されており、グ

ループホームに関する情報提供や相談・助言などの活動を行っています。

これまで、市原市障がい者自立支援協議会(サービス支援部会)において、本市に

おける居住系サービスのうち特にグループホーム等についての現状把握や課題整理の

検討を進めてきたところであり、障がい者団体などの障がい当事者や障害者グループ

ホーム等支援ワーカーなどの関係者を対象としたネットワークミーティングの開催に

よるニーズ・課題の聞き取り調査などを行った結果、以下のような課題を確認しまし

た(※ 詳しくは69ページ参照)。

・グループホーム等に対する不安(管理体制、生活支援、緊急時の体制等)が大

きく、利用の足かせとなっている。

・グループホーム等の開設にあたり、整備費用の負担が大きい一方で国県の整備

補助が不十分であることや、関係法令の規制が多いなど、課題が多い。

・施設入所の希望者が多く、それに関連して短期入所の空きが常に少なくなって

しまっている状況にある。

・本人に代わってサービス利用等を総括的にコーディネートしてくれるケアマネ

ジャー的な存在がいない。

また、市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「同居者」につい

て、知的・精神障がい者では「親」が最も高い数字を示しました(知的74. 7%、精神42. 3%)。

身体障がい者については、全体では「夫または妻」が52. 1%と最も高く「親」は24. 0%

に止まった一方、肢体不自由の1級では「親」が44. 2%と最も高く、特に知的・精神

障がい者および重度の身体障がい者において親の高齢化に伴う新たな住まいの場の確

保という課題が推測されます。

居住系サービスの充実

(37)

〔アンケート結果〕同居者

身体

全体 肢体不自由1級

知的 精神

1位

夫または妻 (52. 1%)

(44. 2%)

(74. 7%)

(42. 3%) 2位

子ども (29. 8%)

夫または妻 (32. 7%)

その他 (17. 1%)

夫または妻 (23. 7%) 3位

(24. 0%)

子ども (19. 7%)

その他の親族 (12. 5%)

ひとり暮らし (17. 5%)

「どこで生活しているか」では、全障がい共通で本人または家族の持ち家や賃貸住

宅等が圧倒的に多く、それ以外の選択肢では、「グループホーム等」が 0. 9%と低い数

字を示した一方で、知的障がい者では「施設入所」が 13. 2%、精神障がい者では「病

院」が 8. 2%と比較的高い数値を示し、国が進める地域生活への移行が必ずしも進ん

でいないこと、言い方を変えれば、各障がい種別の特性によって、入所施設や病院(入

院)の必要性が表れているとも言えます。

〔アンケート結果〕どこで生活しているか

3障がい計 身体 知的 精神

1位

本人・家族の持ち家 (73. 4%)

本人・家族の持ち家 (75. 7%)

本人・家族の持ち家 (68. 1%)

本人・家族の持ち家 (58. 2%)

2位

賃貸住宅 (12. 3%)

賃貸住宅 (11. 5%)

施設入所 (13. 2%)

賃貸住宅 (19. 6%) 3位

施設入所 (4. 7%)

施設入所 (4. 5%)

賃貸住宅 (10. 5%)

病院 (8. 2%)

「居住系サービス利用の満足度」では、「グループホーム等」「施設入所」ともに比

較的満足度が高かった一方で、「今後利用したいサービス」では、「施設入所」は 9. 5%

と比較的高い数字を示したのに対し、「グループホーム等」は 5. 4%と低い数字となっ

ており、グループホーム等は実際の利用者の満足度は高いにも関わらず、新たに利用

したいという人は少ないという課題が推測されます。

〔アンケート結果〕今後利用したいサービス

3障がい計 身体 知的 精神

1位

訪問系サービス (10. 2%)

訪問系サービス (11. 0%)

短期入所 (21. 4%)

就労移行・継続支援 (17. 0%)

2位

施設入所支援 (9. 5%)

施設入所支援 (8. 6%)

施設入所支援 (21. 4%)

生活介護・自立訓練 (13. 9%)

3位

生活介護・自立訓練 (8. 9%)

生活介護・自立訓練 (8. 5%)

就労移行・継続支援 (16. 7%)

(38)

このように、障がい者の親の高齢化に伴う新たな住まいの場として、グループホー

ム等の必要性が今後ますます高まってくると考えられる一方で、その整備は十分に進

んでいないこと、また、グループホーム等に対する理解が不十分であることから、こ

れらに対応した取り組みが今後求められます。

【施策の方向】

○ 多様な住まいの場の推進

・国が進めている入所施設から地域生活への移行を引き続き進めていく一方で、入所

施設の必要性についても国に働きかけ、各障がい種別の特性等に応じた多様な住ま

いの場を選択できるよう、その充実に努めます。

○ グループホーム等の整備、利用促進

・今後ますますの需要が見込まれるグループホーム等の整備促進を図るため、国・県

の整備補助の拡充を働きかけるとともに、市独自の整備補助による支援を行います。

・グループホーム等の利用促進を図るため、県のグループホーム等支援ワーカーとの

連携により、ニーズの把握やグループホーム等に対する不安などの解消のための改

善方法について検討を行います。

○ ケアマネジメント的支援の実現に向けた取り組み

・居住系サービスのスムーズな利用のためのケアマネジメント的支援の実現に向けた

サービス等利用計画作成制度の拡大を進めるため、市内の指定相談支援事業所や関

係機関等へ働きかけ、相談支援専門員の確保ならびに体制づくりを推進するととも

に、市の指定を受けサービス等利用計画の作成(計画相談支援)を行う指定特定相

談支援事業者について、市内法人等を中心に必要な数の確保に努めます。

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

グループホーム等

の整備補助・運営

支援

グ ル ー プ ホ ー ム 等 の 整 備 に 対 す る 市 独 自 の 整 備

補助を実施するとともに、整備後の運営費補助など

の支援を行い、その整備促進を図ります。

障がい者支援課

グ ル ー プ ホ ー ム 等

の 利 用 促 進 に 関 す

る検討

自立支援協議会を中心に、県のグループホーム等

支援ワーカーとの連携により、ニーズの把握やグル

ープホーム等に対する不安などの解消のための 改

善方法について検討を行います。

(39)

名 称 内 容 担当部署

サ ー ビ ス 等 利 用 計

画 作 成 制 度 の 拡 大

に向けた体制整備

(※ 再掲)

自立支援協議会を中心に、国の支給決定プロセス

の見直しによるサービス等利用計画作成制度の 拡

大に向けた課題等についての検討を進めるとと も

に、その体制整備に努めます。

障がい者支援課

(その他の関連事業:自立支援法に基づく居住系サービス事業の推進、入所施設の必要性

についての国への要望など)

→「第3編 障がい福祉計画(サービス見込量)」における「居住系サービス」の見込

(40)

【現状と課題】

本市では、障がい者が地域で生活していく上で、国の法定制度によるサービスでは

不十分な分野に関して、福祉タクシー事業や住宅改造費助成事業、市福祉手当などの

実施により、障がい者の生活や社会参加促進に対する支援に努めてきました。

市内の障がい者を対象に行ったアンケート調査の結果では、「主な収入」については、

「障害者年金」(24. 1%)、「その他の年金」(20. 4%)があわせて 44. 5%と突出して高い

数字を示しました。

また、「1か月あたりの収入」では、「8∼10 万円」が 18. 5%と最も高く、限られた

収入の中で生活している実態が明らかとなりました。

「外出について不足していること」では、「交通費助成の充実(通所時の助成やタク

シー券等)」が全体では 24. 2%と3番目に高い数字を示し、特に精神障がい者(35. 6%)、

知的障がい者(23. 3%)では最も高い数字を示しました。

国においては、「障害者自立支援法」の施行後、数度にわたり利用者負担の軽減策が

講じられてきたもののまだ十分とは言えず、アンケート結果の内容も含め、今後も市

による支援の堅持が求められています。

【施策の方向】

○ 市独自の制度による生活支援の堅持

・障がいごとの様々な特性に配慮するとともに、本市の実情を踏まえ、市独自の制度

による支援や負担軽減等を引き続き実施していきます。

【主な事業】

名 称 内 容 担当部署

市福祉手当

国 の 制 度 に よ る 特 別 障 害 者 手 当 等 の 対 象 と な ら

ない重度の障がい者を対象に、市独自の手当を支給

し、障がいゆえに生ずる負担の軽減を図ります。

障がい者支援課

福祉タクシー事業

重度の障がい者等を対象に、タクシー利用料金の

助成を行い、社会参加の促進等を図ります。

障がい者支援課

その他の生活支援の充実

(41)

名 称 内 容 担当部署

市独自の負担軽減

策の実施

次の2つの助成を行い、利用者の負担軽減を図り

ます。①補装具費と日常生活用具費の自己負担額に

ついて、一定の条件を満たす場合にその費用を助成

します。②障害福祉サービス等と地域生活支援事業

に係る自己負担額の合計が一定額を超えた場合に、

その費用の一部を助成します。

障がい者支援課

おむつ給付事業

ねたきり身体障がい者、知的障がい者、精神障が

い者を対象に、おむつを無償給付し、本人およびそ

の家族の日常生活における負担の軽減を図ります。

障がい者支援課

住宅改造費助成

事業

重度の障がい者等を対象に、障がいに対応した浴

室やトイレなどの住宅改造費に対する助成を行い、

日常生活の環境の向上を図ります。

障がい者支援課

(その他の関連事業:補装具給付事業、日常生活用具給付事業、その他地域生活支援事業

による市町村任意事業(日中一時支援、訪問入浴サービス事業、職親、就職支度金、運

転免許取得費助成、自動車改造費助成など)、小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業

(42)
(43)

基本目標③

(44)

【現状と課題】

本市では、障がい発生にもつながる生活習慣病の予防など市民の様々な健康づくり

を推進するため、「改訂健康いちはら21」を平成23年3月に策定し、周産期保健事業

や1歳6か月児・3歳児健康診査等の実施による障がいの早期発見・早期対応や、ラ

イフステージごとの各種検診等の実施による障がいの発生予防に努めてきました。

一方、市内の障がい者手帳所持者数は、前計画策定時(平成18年度)の身体障がい

者7, 187人、知的障がい者1, 104人、精神障がい者529人と比較して、平成23年度におい

ては、身体8, 286人(15. 3%増)、知的1, 452人(31. 5%増)、精神952人(80. 0%増)と

増加しており、全人口に対する障がい者の割合も平成18年度の3. 15%から平成23年度

は3. 83%に増加しています。

特に精神障がい者の増加が大きく、国では新たに五大疾病のひとつとして精神疾患

を加えるなど、その早期発見・早期対応が全国的な課題となっています。

また、市原市障がい者自立支援協議会(サービス支援部会)で行った療育関係事業

所等からの聞き取り調査の結果では、「保護者にとって身近な相談場所がない」「一貫

した支援体制の推進(いちはら相談支援ファイル「スクラム」の今後の活用)」などの

課題が挙げられており、ここでも早期発見・早期対応の重要性が浮き彫りとなってい

ます(※ 詳しくは69ページ参照)。

【施策の方向】

○ 障がいの早期発見・早期対応、発生予防の推進

・周産期保健事業や1歳6か月児・3歳児健康診査等の充実を図るとともに、保護者

にとって身近な相談の場の確保に努め、障がいの早期発見・早期対応を図ります。

・また、周産期等、ライフステージごとの各種検診等の実施を通じて、障がいの発生

予防を図ります。

○ 精神障がいについての啓発および相談支援体制の充実

・特に近年増加が著しい精神障がいについては、啓発活動の充実や相談支援体制の充

実を通して、早期発見・早期対応を図ります。

障がいの早期発見・早期対応、発生予防

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